「……」
「すみませんでした」
ランク戦を終えた後に向かったのは弓場隊の隊室だ。
弓場隊も昼の部のB級上位戦を終えた。結果的に言えば弓場隊がB級中位に降格、那須隊がB級上位に昇格な関係性だ。弓場隊に行って弓場隊の隊員に会うのは気まずいところがある。しかしそれでも行かなければならない。
「いや……まぁ……」
「ホントにすみませんでした」
「三雲、お前が迅とタイマンを限界を越えて戦ったからな……オーバーヒートするまでは少しやり過ぎな気もするが……賭けた物が物だけにそれだけの価値がある」
ホントに記憶が途中で断絶しているのだが迅とのタイマンを弓場隊の藤丸さんが観測していた。
理由はシンプルにどっちかが倒れる可能性があるから。迅は膨大な未来に押しつぶされる、私は視界に入ってくる情報を脳が処理しようとしてオーバーヒートを起こす。迅が相手じゃないならば使える技が幾つかあったが迅が相手なので使えなかった。迅も迅でサイドエフェクトと自慢の腕で防御に徹したスタイルで行こうとしたが私がそれは予測済みで潰した。
千日手と言われる状況を巻き起こしている……勝敗を決したのは自分の持ち味をどれだけ押しつけられるか、競い合うのでなく理不尽を押し付ける。要するにクソゲーの数を増やした。阿頼耶識まで使うことになったから最後らへんは覚えていない。
「ホントにすみませんでした」
覚えていないのだが、脳がオーバーヒートを起こして鼻血を出してぶっ倒れた。
数日寝込んだりしたのだが……その過程で藤丸さんの胸にダイブをした。最胸の藤丸さんにダイブした。わざとではないのは分かっているが流石に謝らなければならないなと、普段から迅のセクハラを軽蔑している身としては言うしか無いのだと頭を下げるどころか土下座をした。
「……覚えてねえのか?」
「正直、意識がトランス状態にしたり色々とやってたので記憶が曖昧です……殴るならば思いっきりでも構いません!」
藤丸さんが胸にダイブをした事を覚えて居ないのかを聞いてくるが全くと言って覚えていない。
藤丸さんは……どういう風に対応をすればいいのかが分からないと、その件に関しては特に怒る要素が無いみたいなのか反応に困っている。
「藤丸さん……貴女は美女です」
「はぁ!?」
「顔も良い!スタイルも良い!性格も良い!美女という条件を満たしています!コレを不慮の事故で片付けるのは流石にダメなんだと思います!」
藤丸さんは美女だ。スタイル抜群で性格も良い。その性格が故にモテなくて橘高さんの方がモテるらしいが、藤丸さんも負けず劣らずだ。その性格がありかなしかで言えば私的にはありである。口説く機会があったら口説いていたかもしれない。だからこそ、不慮の事故で片付けてはいけない。
「二十歳前の美女が不慮の事故とは言え……俺の気がすみません!」
「まぁ、そうだな……嫁入り前どころか男が居ねえののの胸に倒れたのは男として筋が通ってねえ……」
「責任を果たせ!と言われても出来ることには限りがあります!藤丸さんが望む形ならばある程度の命令を聞きます!」
弓場さんが流石に嫁入り前どころか男がいない女の胸にダイブをして私は気にしないで済むほどに甘くはない。男らしくキッチリと責任取って筋を通せと言ってくる。それはごもっともな事であり筋を通さないといけない。しかし物事には限度があるし聞けない命令もある。彼女にキスを捧げているというか奪われていたりするし、その辺の裏切りをするわけにはいかない。
「……お前、あたしの事を美女って認識してるのか?」
「ええ、まぁ……」
「……とりあえずメガネ外せ」
「あ、はい」
藤丸さんがなんか考えた後に自分を美女と認識してるかの確認をしてきたので頷いた。数秒の沈黙、そして思考が入りメガネを外すように言われた。あまりメガネを外したくないのだが命令なのでメガネは外さないといけない。メガネボーイの兄!と言う売り文句がメガネを外す事で失われる。
「ウッソだろ!おい!」
「……まぁ、はい……」
顔が手塚国光なので嫌でも美形に分類されている。メガネのイケメン属性がメガネを外せばなんかすごい事になる。
修と同様にトリオン体でもメガネを外さない。基本的にはメガネ無しの状態は風呂ぐらい。そもそもで藤丸さんと何かしらの関わり合いや繋がりがあるかと聞かれれば無いので裸眼状態になる。スゴいイケメンが居る!と藤丸さんは驚いた。
「強化視覚のサイドエフェクト持ってんのにメガネ必要なのか?」
「見えすぎるのであまり見えないメガネにしているんですよ……弟は普通に視力悪いです」
ザ・メガネで本人もメガネ扱いされてその上でメガネ無しだと認識されてない……修=メガネと言う認識が広まっており宇佐美はそれに大喜び。しかしメガネが無くなれば殆どの人に気付かれない……メガネの割合が8ぐらいなのが修だからな。
藤丸さんはメガネ無しの私を見ていいものが見れていると喜んでいる……顔がいいと言ってくれるのは嬉しいんだが、嬉しいんだがちょっとな。
「確かメロンの鎧を持ってるんだよな?」
「ええ……変身しましょうか?」
「ああ!」
仮面ライダー斬月について聞いてくるので戦極ドライバーを取り出す。
戦極ドライバーとメロンロックシードを手にして腰に戦極ドライバーを装備、メロンロックシードで仮面ライダー斬月に変身した。藤丸さんはスマホを取り出してパシャリと仮面ライダー斬月を納める。
「世界一カッコいいメロンの使い方だな」
メロンと言えばたわわな果実を連想させるので、こういうカッコいい系は無かったりする。
藤丸さんはカッコいい系の仮面ライダー斬月の姿を褒めてくれる。それは素直に嬉しいことだ。
「コレとかいけるか?」
「いけますけど、そういうのはホントに素敵な人に巡り合った時が一番ですよ?」
「いいからやれよ!」
藤丸さんがなんでも言うことを聞いてくれる約束だろう!と言うので仕方がなくお姫様抱っこをする。
仮面ライダー斬月の姿になっているので通常の何倍以上のパワーを出すことが出来る。ムキムキ系の男子を相手にしてもこの強化スーツとメロンアーマーならば大体はどうにかなる。藤丸さんがお姫様抱っこをしてもらえば満足そうな顔をしている。
「んじゃ、次は……あたしの事をののって呼べ!」
「わかりました、ののさん」
「さんは要らない!ののだ」
「…………はぁ……のの、他は?毎回今回の一件をネタにさせられたら流石に嫌だから今回でキッチリと清算したいです」
「敬語無しで…………えっと……うん?」
「どうした?」
「……下の名前、なんだった?」
「……ええ……それは勘弁してください……」
最後の要望を出そうと考えていれば私の下の名前を聞いてくる。
三輪以外は基本的には三雲呼び、弟はメガネくんメガネボーイ扱いで……なんというか関わり合いがある連中が絶妙なぐらいにベストマッチしていて下の名前で呼ばない。修は修と言ってくるのは玉狛の面々だったりするがそれはさておき私は斬月から変身を解除して嫌な声を出した。
「なんでだよ?弟も居るんだから三雲呼びはめんどくせえだろ?」
「……下の名前、結構気にしてるんですよ」
「キラキラネームってやつか?……のの、流石にそれは」
「いや、
弓場さんが私の下の名前がキラキラネームなのかと気を利かせようとしたが私の下の名前は貴虎だ。
この名前……結構、気にしている。与えられた力、仮面ライダー斬月セット、そして強化視覚と色々とある。人を見る目以外は完璧と言われている呉島貴虎の力を持っていて人を見る目を与えられている。それなのに呉島貴虎の様に上手く出来ない。
自分のことを私と言っているのは、色々とクソみたいな家庭環境だったりした為だが……呉島貴虎の様に変身とは上手くいかない。
「貴族の様に高貴に品を抱き、虎の様に強くなってほしい。だから貴虎だと聞いています……でも、俺にはそれは難しいんだ」
ホントに薄皮を1枚でも捲れば人間性が現れたり色々とダメな部分が現れてる。
そもそもでこの世界に望んで転生したわけじゃない、転生したい世界と特典を寄越せと言ったらにここで頑張れと送られたからな。一応は転生したい世界には転生は確定らしいが……どうにも呉島貴虎程の人間にはなれない。人を見る目以外は完璧な男に見る目を与えられたのなら完璧になれるだろうと、それに相応しい力も与えられた。だがノブレス・オブリージュの精神を持てなかった。呉島貴虎の様になれない。
「……貴虎、1人で抱え過ぎだ。なに考えてるのかしんねえけどよ、仲間が居るじゃねえか」
「……悪いが、早々に変われないんだ」
立派な人間であろう!2度目の人生だ!そう思っていた時期もあったし、そういう風に擦り込んでいた。だが、限界があった。
1人で背負いすぎだなんだと言われているが、自由に生きていいのかと聞きたい。これだけの能力があるならば勿体無い、それを言う人間は多く居る。でも、そういうのに疲れた。だから進学校の六頴館でなく普通校の三門第一に通っている。
ホントに自由になりたいし好きなことを好きなようにしたいと思っている。転生のチャンスが来た時に色々と要求しまくって、この世界で面白く生きればと送り出されたからな。
「……呼びたければ勝手に呼べばいい。ただ俺はそれを好まない……ののに対するお詫びはコレで終わりだ」
言うべき事は言ったしやるべきことはやった。高級チョコレートの詰め合わせを渡しては弓場隊の隊室を去った。
コレで今日のやるべきことは終わった、那須が隊長としてなにか私を上手く使う作戦を思い浮かんでいればいいが……アドバイスは送らない。私自身のスペックが無駄に高いから修の様にとりあえず遊真依存とかそういうのがある。
「あ、三雲さん…………三雲さん?」
「どうした?」
「なんか……色が違う」
一応は夜の部のランク戦を見るかと考えていれば天羽と遭遇する。
天羽は私を見て、私が私なのかと聞いてくる。色が違うと言っている。強さとかそういうのを色で認識する、オーラ的なのを見ることが出来る感じのサイドエフェクトらしいが……
「抑えていたリミッターを外した……だな」
エターナルメモリのハイドープになりかけているのでエターナルライドウォッチにその力をエターナルの力と一緒に封じた。
しかし迅との賭けとかの後にエターナルの力を戻した。本来のトリオン量は勿論のことエターナルメモリの影響でなりかけているハイドープの力を使うことが出来る。まだなりかけているだからエターナルに変身している時しか使えないが。
「数日でそんだけ変わるって、普段どんだけ抑えてるの?」
「さて……思う存分に周りを気にせずに戦っていい状況にならないと分からないからな」
修が間違えてジョーカードーパントになってジョーカーメモリの力を引き出しすぎたせいで暴走した時、どのガイアメモリが自分と相性がいいのかを確認した時、バグスターウイルスを除去した時、エターナルに変身した時は基本的にはなにか揉め事がある。
修と同様に数える程度しか使っていないが、エターナルメモリの相性がとても良い。そのせいで数回程度でハイドープになりかけている……エターナルメモリの影響でなったハイドープの力はホントに恐ろしい。
「……ねぇ、弟の方、色が2つあるよ?」
「……中に入ってて出るチャンスを伺ってるな」
色々としていると修達がランク戦の為に本部に足を運んだ。
天羽も最近ブイブイ言わせてる噂のメガネはなの感覚で見ていれば修に2つの色があることに気付く。
「兄さん、スゴく無双したんだね」
「私は私のすべきことをしただけだ」
一気に10ポイントも取ったことは噂は数時間の間に広まっている。
今度は弟が見せてくれる番なのだと何処か期待をしている視線があり噂の原因である私を理解する。その事について流石だと誇らしげにしている。
「今回はどうだ?」
「問題は無いと思う……こっちにはヒュースが居るから今回はそれを武器にして戦う。ただ相手が相手だけに下位の時と同じ戦いにはならないよ」
「だろうな……それで勝てたのならばなにも苦労はしない」
「ねぇ、なにを抱えてんの?」
「え?」
天羽は修から見える2つの色を気にしていた。1つは修の色だろうが、もう1つがなんなのかが分からない。
だからいっそのこと修がなにを抱えているのかを聞いてみれば修は固まった。
「抱えていると言われても」
「お前が自覚してないだけで、お前に語りかけないだけで今もしっかりと聞いている。修を選んだのは正しいのか間違いなのかは私には分からない、だが好き勝手な事はするな。だが……出来れば修の力になってほしい」
なにを抱えているのかが分からない、心当たりが無い修。
なにかあったかと考えているが私は知っている。修の中に入っているモモタロスを。諏訪さんから作ったモモタロスは修の中にずっと入っている。暴れようという真似はしていないし、そういう事はしない。修が自分なりに勝てる方法を考えていたりする姿を見て邪魔をしないようにしている。
「っへ、まぁ、見守ってやるよ……だが言っておくがオレは最初から最後までクライマックスだぜ?」
「!」
「ホントの意味での成長は願っているから余程じゃないとな……まぁ、頼んだ」
修の雰囲気が一瞬だけ変わった。修の中に入っているモモタロスが修の体を借りた。
修が頑張って強くなろうとしている姿を見ていた。それに対してモモタロスは心が動かされており、私の呼びかけに答えた。モモタロスが力を貸してくれるならばそれはそれでありがたいことだ。
Eのガイアメモリことエターナルメモリのハイドープでどういう能力にするかと考えた。
エターナルメモリはあらゆるガイアメモリの支配するという設定がある。最強のゼウスドーパントの力も抑制できる。
じゃあ、エターナルのハイドープの力はどうするかと考えたらあらゆるガイアメモリの支配とメガネ(兄)にバクスターウイルスの抗体があることからガイアメモリの内容の書き換えと言う能力が出来ちまった。
同じアルファベット限定だけどもガイアメモリの内容を好き勝手に書き換えれる(適合するかどうかは別)とか言うチートが出来ちまったよ……ヤベえよ、遠征の第二試験でエターナル出す予定だったけどエターナルのハイドープの力をどうするか考えたらガイアメモリの内容を書き換えるとかいうチートになっちまったよ。
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特別演習
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