メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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なんだろうね。
たまにパッと更新したらランキング上位入りするのって。
この作品亀更新で仮面ライダー出すなとか兄貴チート過ぎるとかボロクソに言われてるのに面白いって思ってるのかね……


第136話

 

「さぁ、B級ランク戦もいよいよ最終戦となっております!実況は私、玉狛第二の宇佐美と」

 

「玉狛第二の三雲です」

 

「アシスタントの空閑です」

 

 B級ランク戦上位戦の昼の部が間もなく開幕する。実況と解説は玉狛の一色で納まっている。尚、この後に行われる夜の部には修達が参戦する。

 

「上位戦はこの昼の部、そして夜の部で終わる。今、玉狛第二は1位だけど夜に行われる試合で1ポイントも取れなかったら目的の遠征に行けないからね……三雲くんには頑張ってもらわないと」

 

「しおりちゃん、そうは言うけどオサムのお兄さんだけはホントに別格だよ?この後に4点ぐらい取らないと結構ヤバいかも」

 

「いや、多分調整すると思うよ?……本人が修くんと当たったら八百長するって認めてるし」

 

 間もなくランク戦が開始するということでギャラリーが集まっている。

 なにせ今シーズン最後のランク戦なので張り切らなければならない、そしてやはり注目すべきは前回の試合でクソみたいな盤面の整理時の狙撃とかいうクソみたいなコンボを使ってくる貴虎である。

 

「あれはマジでヤバい……オサムのお兄さん、マジでなにが見えてんの?」

 

「出水先輩から少し聞いたけど、物凄く気持ち悪いものが見えてるって」

 

「三雲くんのサイドエフェクトは遠くの物を見るのもそうだけど普通の人には見えない光を見れるからね……見えちゃいけないものも見えるらしいし」

 

「それを応用して宝くじのスクラッチでバカみたいに当てて、母さんにスクラッチを買うの成人するまで禁止にされてます」

 

「オサムのお兄さん、お金をあれこれするのスゴく上手いって言ってたな」

 

 ほのぼのとした空気の中でサラリと語られる貴虎のサイドエフェクト。

 迅のサイドエフェクト同様に悪用したら結構笑えない使い方も出来る事が語られている。尚、貴虎が一番金を集める事が出来る方法はプロのテニスプレイヤーになる事だったりする。

 

「フィールドは……市街地D!前回、玉狛第二が戦ったところだね!」

 

「兄さんの狙撃を警戒しているのでしょうが……おそらくは兄さんの狙撃は無いですね」

 

「なんで?」

 

「それしか出来ないからです」

 

「……どういうこと?」

 

「オサムのお兄さんのアレは威力重視のアイビスじゃないと出来ない、狙撃銃として申し分ないイーグレットと速度重視のライトニングじゃ防がれる可能性がある。アイビス1つとグラスホッパー1つ搭載で1ポイントを手に入れることは出来る、でも逆を言えばアイビスはそこでしか使えない。オサムのお兄さん、射手(シューター)系のトリガー以外は大体使えて大体強いから2つのトリガーで1ポイントだけしか獲得出来ないのはちょっと痛いな」

 

「ああ……1ポイントを取るのにも普通は大変なのに流石というかなんというか」

 

 今回の対戦カードは影浦隊、東隊、王子隊、那須隊の4つ巴である。

 夜に行われる上位戦は二宮隊、生駒隊、玉狛第二の三つ巴であり玉狛第二はクソゲー要素である二宮隊の攻略方法をなんとか見つけ出そうとしている感じである。

 

「っち、また同じマップかよ」

 

 さてさて、マップが発表された。

 前回戦った本物の悪こと別役太一によってやられた明かりを使った戦術に嫌な思い出が生まれている。

 影浦はかなりめんどくさそうにしているのだが真面目にやらないといけないと思っている。なにせ久しぶりにやりたいことを見つけたのだから。

 

「コレで夜とかなら東隊が同じ事をしてくるって考えれるからやりやすいよ」

 

「いやいや、流石に2連続は無いっしょ?」

 

 弧月を黒くして暗闇の中で暗視モードに入って戦い、相手が暗視モードにしたら明るくするマップを活かす戦術を使った鈴鳴第一。

 それを真似てくる可能性があるかもしれないとユズルは言うが、1回その作戦を使われた以上は2回目まで暫くは落ち着かないといけない。マップの明かりを切り替える作戦が武器になると知られれば制御室の争奪戦に入る。

 

「つか、どうすんだよ?三雲のアレ、カゲ以外どうすることも出来ねえだろ?」

 

 開幕から盤面整理中からのアイビス、回避する手立てはとにかく走るしかないのだが盤面の理解はどうしても必要だ。

 向けられている意識を理解する感情受信体質の影浦は狙撃が効かないも同然、影浦に当たるしかどうしようもないのだと光は言う。どうにかする方法に関しては……影浦隊は浮かばなかった。

 

「タトバのアレは文字通りの初見殺しの技で仕組みさえ理解すれば簡単に突破出来るよ」

 

「そうなんですか?」

 

「ああ、初見殺しの要素が強すぎるから2回目からはホントに分かりやすい」

 

 一方の王子隊、王子は貴虎の開幕アイビスに関して突破方法はしっかりと見抜いている。

 樫尾が色々と考えたが突破方法は無くてシールドで防ぐぐらいと答えを出していたのだが蔵内も分かりやすいとどうすればいいのかを見抜いていた。

 

「それは……」

 

「来ると分かっている狙撃、そして狙撃手が何処に居るのか。三雲のあの動きをするにはグラスホッパーとアイビスが必要で狙撃手の基本である隠れながら何処かから狙撃するのが出来ない。不自然な縦の動きが必要になって何処に居るのかが分かる。そこから逆算して走り出す。アレはおそらくは盤面理解の前のほんの十数秒のラグを使った作戦だ」

 

「そのまま三雲先輩を襲いにいくのですか?……迅さんより強いのですが?」

 

「確かに迅さんにタイマンで勝ったが……混戦に関してはまだ分からない」

 

「今日で最終戦、何処もポイントが欲しい筈……だからこそ、タトバはこの技を使わない。僕達を必要以上に警戒させるだけさせるんだ」

 

 遠ければ上から狙撃で、近ければ普通に斬られる。

 中々にクソみたいな要素の塊である貴虎だが、まだ混戦の経験は少ない。そこが一番厄介な貴虎を突破する鍵であり、それと同時に狙撃に意識を割かせる事で自分達が合流しやすい盤面を作れる状態を作った事を王子は認識する。

 

「市街地Dをマップで挑んだが……今回はどうするつもりだ?」

 

「やっぱ警戒しないといけないのは三雲先輩のアイビスです、アレは完全に運の要素が絡んでます」

 

 一方の東隊、今回のマップ選択権を手にしていた部隊である。

 奥寺と小荒井が話し合った末に今回は前回と同じマップ、市街地Dの夜のフィールドで戦うことに決めて選んだ。

 東は2人にどういう意図があってマップDを選んだのか、具体的に言えばどういう風に作戦を進めるのかを聞けば最重要警戒は貴虎のアイビス、玉狛第二の砲撃とはまた違う意味で強力な砲撃であり、回避する方法等を色々と考えたが事前に手に入った貴虎のトリオン能力をアイビスで注ぎ込んだ場合、盤面を理解するよりも前に走って狙撃から逃げるしか浮かばなかった。

 

「……確かにあのアイビスは危険だ。だが、弱点もある。特に初見殺しの要素が強すぎる。那須隊には狙撃手の日浦が居て前回の試合では三雲はそこでしかアイビスを使わなかったぞ?」

 

「色々と考えましたけど、あの狙撃が飛んでくる可能性があるだけで防ぐことが出来ないとなにも出来ません!」

 

「………」

 

 確かに狙撃としては色々とぶっ壊れたおかしな狙撃だ。

 なにもすることが出来ない!と言われればそこまでではあるが、小荒井はそれを意識している。時間にすればほんの十数秒の盤面理解の間に撃ち抜かれたのでインパクトはとにかく強い。相手の作戦や戦術を考慮して自分も戦術等を練らないといけないのだが、あの狙撃のインパクトがあまりにも強すぎる。初見殺しの要素があまりにも強く攻略も出来なくは無いが……

 

「鈴鳴第一がやった様に電気を落とすことはしません……ただ、前回雨取のメテオラを見て思いついた事があるんです!実際に出来るかどうか何回か確認したら出来た作戦があって……的な感じをしようかと思います!」

 

「……なるほどな……面白そうではあるな」

 

 小荒井のメテオラを使った作戦を聞いてそれはそれでなにかに使えそうな作戦と東は笑う。

 それはそれとして貴虎をどういう風に動くか、個人戦のデータは迅とのタイマンを見れば分かるのだが、チーム戦でのデータはあまりに少ない。前回混戦状態になるかと思ったのだが、貴虎1人が補助に回っていた。真正面から戦っても迅より強く、前回はサポートに徹している。今回もその動きで来られれば厄介だが普通に動かれても困る。

 非常に厄介な事に貴虎は狙撃銃を向ければ逆探知出来る程に視力が良い。隠密行動して相手を撃ち抜く絶好のタイミングを待つ、狙撃の基本的な事を貴虎相手には出来ない。影浦以上に狙撃が効きづらい。狙撃手としては非常にやりづらい相手で奥寺と小荒井が混戦に持ち込むのか、おそらくは純粋に狙撃のみで倒すのは不可能だと東は考える。

 

「よりによってこのフィールドね……」

 

「前回、別役先輩が厄介な動きをしていましたよね……今回もするんですかね?」

 

 一方の那須隊、マップが発表されて市街地Dに対してどういう風に動くのかを考える。

 なんと言っても狙撃が通りにくいショッピングモール内での戦闘がここでは重視されるのだが前回、太一がこのフィールドで派手に暴れた。

 

「暗視は仕組みさえ分かれば、最初に管制室に辿り着いた人の勝ちになるから……前回使われたのにまた使える作戦は早々に無いわ。多分、このフィールドは射線が通りにくいところが多いから三雲くんの狙撃を警戒してるわ」

 

「前回、開幕と同時の狙撃をやって正解だな……全員が全員、あの狙撃を先ずは回避するのに策を練る……で、なにか浮かんだか?」

 

 狙撃に対して異常なまでに警戒はされるだろうと、そうなる様に前回動いていた。

 今回は自分はバリバリと前に出る。爆弾を設置して終わりなボンバーマンスタイルは今回は使わないつもりだ。

 那須に自分を使った作戦を考えてくるようにと隊長としての課題を与えた。今回までだが……那須隊には大体が出来る貴虎がいる。貴虎が唯一苦手な射手関係は自分が最も得意とする事でありフォローに回れる。

 

「三雲くん、東さんと絵馬くんを見つけれる?」

 

「私のサイドエフェクトを知っても尚、狙撃手として動かないといけないならば見つけれる」

 

「東さんと絵馬くんを見つけるのを重視して……狙撃手が茜ちゃん1人でアドバンテージを取りたいわ」

 

「…………それは可能だが、その場合だとカゲ先輩や小荒井達をどうする?流石にボーダーのトリガーでは分身出来ないぞ?」

 

 絵馬と東の狙撃手2人を落とす、これだけで狙撃の利点を手に入れる事が出来る。

 しかし今回は市街地D、マップの中にデカいショッピングモールがあり狙撃を警戒する者達は基本的にはその内部で戦う。

 

「……その後に倒せるわよね?」

 

「……まぁ、やれと言われればやれるが。本来はここで熊谷が誰かを倒さないといけないぞ?」

 

 貴虎は今回限りの助っ人であり、貴虎依存の戦術はあまり出来ない。

 熊谷が強くなる為の特訓はするつもりであるが、個人の能力でなく作戦に特化した戦闘スタイルでないと上位やA級達を相手に出来ない。痛いところを指摘されるが、どうしても今回勝ち抜かないといけない。日浦が抜けない一番最初の条件を満たす為にも。

 

「まぁ、色々とこっちも面白いネタは作っているからそれはいいとして……東さんと絵馬を倒すまでの間はどうにかしておいてくれ」

 

「ええ」

 

「…………」

 

 小荒井と奥寺のコンビに勝てない、影浦に勝てない。

 どうしても上位に行けばマスタークラス、そしてマスタークラスよりも先にいる今の自分が立っている立ち位置よりも強力な相手が居る。顔には出さないようにしているがまだ届かないと那須にも貴虎にも思われている事を熊谷は悔しいと思っている。

 

「さぁ、B級ランク戦上位昼の部開幕!」

 

 宇佐美がそういえばブザー音が鳴り響いた。ランク戦が開幕した証拠であり各々がランダムに転送されていく。

 やはりと言うか貴虎の狙撃を警戒しており、那須隊以外は全員がバッグワーム起動スタートからのダッシュである。目的地に辿り着く為の全力ダッシュでなく直角に曲がったりして狙撃をするのに厄介な動きをしている。

 

「やっぱり思わせるだけ思わせてのなにもなかったな」

 

 前回の開幕アイビス圧倒的なインパクトが強いので開始して十数秒の間は沈黙が流れる。

 再びあの奇天烈な狙撃がとなったが特にそんな事はなかった。警戒させるだけ警戒させてからのなにもなかった、それが精神的にキツいのを遊真は知っている。

 

「来ない、か……」

 

 開幕アイビスは文字通り初見殺しの技だったと分かれば東は動く。

 何処に貴虎が居るのかがこれで分からない……小荒井や奥寺達攻撃手をメインに襲撃してくるのか?そうなった場合は混戦に持ち込まないと落としづらい。

 

「やはり読み通りだね」

 

 思わせるだけ思わせてからの、なにもなかった。弟がクソゲーを押し付けてくるのならば兄は存在自体がクソゲーである。

 王子は読み通りとなりバッグワームを解除する。樫尾も解除するように言われて解除し、蔵内は潜む。

 

「来ないね……どうするの?」

 

『とりあえず、管制室を破壊したらいいんじゃないのかな?』

 

 ショッピングモールに比較的に近い位置に転送された北添。

 前回と同じでショッピングモールで戦いを繰り広げる様に動くのだが前回と同じ手を使われては厄介だと管制室を目指す。

 

「……ショッピングモールに近付くな」

 

『え、でも』

 

「ショッピングモールに死相が見える、あのショッピングモールは間もなく崩壊する」

 

 東と絵馬を高いところから探そうとすればショッピングモールが視界に入った。

 ショッピングモール内部での混戦が持ち込まれる状況ではあるのだが、貴虎は気付く。ショッピングモールから死相が見えるのを。

 王子と樫尾はショッピングモールに入った。影浦と北添もショッピングモールに入った。お互いに危険なのは管制室での電気のオンオフなので先に潰しておこうと考えており鉢合わせは時間の問題……だった。

 

「爆発音!?」

 

「……これはまさか!!」

 

 爆発音が鳴り響いた、何事かと驚いている樫尾と王子だったが直ぐにおかしいと気付く。

 ショッピングモール内部がゴゴゴと音が鳴り響いており、それがなんなのか王子は気付く。

 

「よっしゃあ!!」

 

『よっしゃあ!!』

 

 小荒井と奥寺が同時にだが別の場所でガッツポーズをとった。

 2人の考えた作戦は至ってシンプル、爆破解体でショッピングモールを崩壊させて中に居る隊員を生き埋めにすること。

 生身の肉体だとそれだけで死んでいるのだがそこはトリオン体、ノックバックはあれどもダメージにはなっていない。

 

『嘘でしょ……』

 

「爆発音 永遠(とわ)繰り返す ラビリンス……いい句が出来た」

 

『季語が入ってませんよ?』

 

「なにを言っている、爆発は春の季語だ」

 

 死相が見えたので入るなと言った結果、王子達を埋めることに成功した。

 地中を掘り進むモグラの術なんて器用な芸当は王子達には出来ない。貴虎は思い浮かんだ俳句を通信に乗せてバッグワームを解除しレイガストを取り出してシールドモードにしくの字に切り替え……スパイダーを使った。

 

「え……待って……アレって本体の方が重要なんじゃないの?」

 

「本体のしなりからの反射は結構重要ですが、弓の力も大事です」

 

 メテオラを出して何時でも飛ばすことが出来る、生き埋めになったから這い上がって出てきた影浦達を何時でもやれるようにしている。東もレーダーを頼りにして狙撃銃を構えてはいるが流石に壁抜きはしない。

 

「カゲさん、ゾエさん、大丈夫!?」

 

『ユズル、近くに三雲が!!』

 

「っ!!」

 

 近くに貴虎がいる、近付かれればその時点で終わりだ。

 影浦達が無事なのは分かっているがそれでも慌てている、そんな中で貴虎が目に入った。貴虎との間にまだ50m以上の差は開いている、逃げることは難しくても撃ち抜くことが出来る筈だと思考を切り替えた矢先、ユズルの額にスコーピオンが刺さった。

 

「なん、で……」

 

「迅を相手には使えなかった技だ……その名もスクリュードル」

 

 くの字の形にしたレイガストにスパイダーを装備、からのスコーピオンを矢の様に扱う。

 本物の矢の様に早くは飛ばないのだが20m以上の距離からの攻撃を可能とするブレード系のトリガーでの遠距離、中距離の攻撃を貴虎はユズルに使いユズルを倒した。

特別演習

  • 審査する側(上層部)
  • 審査する側(A級と)
  • 試験に参加する側
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