メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第140話

 

「はい」

 

「もう終わったのかね?」

 

「ええ、まぁ……どうしました?」

 

「……事務仕事が出来る人が増えてきて良かった……」

 

 今度の特別合同訓練までに終わらせといてと言われていた事務仕事を終わらせた。

 忍田本部長に提出すればもう終わったのかと驚かれたのだがそれよりも事務仕事を直ぐに終わらせた事を喜んでいる。

 

「事務仕事向いてなさそうな人とか出来るけども人間性がアレな人とか、書くには書くけども報告を偽造する人とか居ますからね」

 

 太刀川さんは事務仕事向いてない。ニノさんは人間性がアレな人、迅は色々と偽造する。

 ちゃんと実力があって事務仕事も出来る人は割と少ないのか忍田本部長は素直に喜んでいる。

 

「そもそもで戦闘能力と事務能力はまた別ですからね……上に行けば行くほど人間性がアレかアホかの二極化が激しい」

 

「そんなわけはない、と言えないのがなんともだが……」

 

 トリオン器官の都合上、子供を雇わないといけない狂った組織なのがまたなんとも言えない。

 ニノさんとかもう、何をどうしたらああいう風な人格になるのかが……バトル物の世界でしか見ない人種だ。

 

「そう言えば君が主任になった祝いを渡していないな」

 

「いえ、そこまで親密な関係性ではないのでいいです……でも、しいて言うのならば、彼女とイチャつく時間が欲しいです」

 

「!」

 

「時間か、それは難しいところだな。何分、色々と忙しい時期だからな」

 

「まぁ、その辺は諦めてますよ……追加の仕事が無いのであればやりたいことがあるので失礼します」

 

「ああ、ありがとう」

 

 事務仕事を終えて提出を終えれば本部長室を後にする。

 テクテクと歩きボーダー内のラウンジにやって来れば早急に終わらせておきたい事があるのだと……カーバンクルメモリを使って作った宝石を取り出した。

 

「メロンくん、なにしてんの?」

 

「見て分からないのか?彫金だ。ここでやってた方がスムーズに進む」

 

 個人ランク戦の息抜きをしていた迅が偶然にも私を見つける。

 見たことがない宝石に工具と見てもイマイチピンと来ないので彫金をしていると説明をするがまだピンと来ていない。

 

「彫金ってアレよね?宝石とか金属類の加工のことよね?」

 

「ざっくりと言えばそうです……なんですか?」

 

「いえ……この際だから色々と聞こうと思って」

 

「本部長とのフラグは今月は無いと思ってください」

 

「諦めろって言うの!!」

 

「っちょ、沢村さん落ち着いて」

 

 S村さんもなんか話に加わった。

 今月は本部長との間にフラグが立たないので諦めてくださいと言うが諦められない。S村さんは興奮をするが、落ち着いてと迅が宥める。

 

「と言うか貴方サラッと言ったけど、居るの!?」

 

「そりゃ居ますよ……仕事とそれの二刀流を熟せない何処の誰かとは違うの。何処かの誰かとは」

 

「っく……悔しい。なんで私は……」

 

「言っておきますけど私もそこに至るまでストーカー被害とか色々とあって大変でしたからね……で、わざわざなんの用事ですか?」

 

 彼女が居るか居ないかの話は早急に切り上げ、S村さんが何故に話しかけたのかを聞いてくる。

 それの話をする為だけに声をかけてきたわけじゃないのは見抜いている……迅はホントに偶然に居合わせた感じだ。

 

「単刀直入に聞くわ、貴方、誰とコンタクトを取ってるの?いえ、誰と接触したの?」

 

「…………」

 

「メロンくんがトリガーを拾ったにしては詳しすぎるね…………何者かとコンタクトがあった、そう考えるのは妥当か……」

 

「こんなラウンジでする会話ですか?」

 

 戦極ドライバーやガイアメモリについて色々と知り過ぎている。

 その事からS村さんは私が何者かとコンタクトを取って知識を身に着けたのだと認識している。

 

「私のサイドエフェクトが答えを教えてくれた、と言えば?」

 

「それでも幾つかは説明が納得出来ないよ」

 

「……答えだけ言えばコンタクトはしてない」

 

「じゃあ、どうしてそこまで?」

 

「色々と調べたり知る機会があったりしました……そこに嘘は無いですよ……と言っても信じられないでしょうが、そこは疑いの眼差しを向け続けても遊真を連れてきても構いませんよ」

 

「ただでさえ迅くんっていう不安要素があるのに、更に問題は抱えたくないのだけれど」

 

「え?オレ、不安要素?」

 

 日頃の行いとかそういうのを考えろ。

 敵か味方で言えば味方だが迅は色々な不安要素を抱えている。結果的にプラスに納まるからいいがなにしでかすか分からない。

 沢村さんは私に疑いを向けてくる。しかしホントにベルトは拾った。彼女も拾った。コレには変わりは無い。

 

「メロンくん、なんか飛んでくる」

 

「ああ、問題は無い」

 

 どういう風に誤魔化すか、疑いの眼差しを向け続けたままで居てくれと言えばいいのかと思っていると迅が気付く。

 なにかがそこそこの速さでこっちに向かって飛んでくるのを。なにが飛んでくるかと思えばホワイトガルーダのプラモンスターが封筒を掲げて持ってきた。

 

「中身を見るのが恐ろしいな……」

 

「うわ……メロンくんスゲえ」

 

「え?え?これ、なんなの?」

 

「プラモンスター、まぁ、ざっくりと言えばトリオンで動くプラモなモンスターです」

 

 封筒から恐ろしい電磁波が見えると思っていれば迅がサイドエフェクトで中身を見た。

 スゲえと言う事をこれからするのかと思っていればS村さんがプラモンスターを見て戸惑っているのでざっくりと説明をする。

 

「要するにトリオン兵ね……え?」

 

「私が作った……この場合はどうなるんだ?……それで合ってるか」

 

「っちょ、ちょっと待って。貴方、こういうのも作ってるって……報告が来てないのだけれど?」

 

「そりゃそうですよ。してないんですから。わざわざ万が一の時に裏切る組織に1から10まで喋るわけないじゃないですか」

 

 なんだったら遊真ですら見たことがないものだぞ。この人はなにを言っているんだか。

 

「まぁ、色々と要約すればトリガーを自力で作って持たせてるんですよ」

 

「なっ……」

 

「メロンくん、どうやったの?」

 

「別に難しい事じゃない、トリオンに反応する宝石を作り出した。専用の道具でその宝石にトリオンを流し込み、既存の科学技術では出来ない超常現象を起こしている。そう、例えるならば魔法使いの魔法の様に」

 

 迅はのほほんとしながら聞いているが、油断はしていない。

 私から聞き出せる情報は聞き出そうという感じだろうが、別に特別に聞かれても困るものでもない。

 エターナルのハイドープになって。ガイアメモリを一時的に書き換える事が出来た。だから試しにサイクロンメモリをカーバンクルメモリにしてカーバンクルの能力でトリオンに反応する宝石を生み出した。その結果、白い魔法使いドライバーが誕生した。

 

「なるほど、昨日のはそれだったわけか……」

 

「そんな事が出来るの……いえ、出来たのね……」

 

「上に報告するならばどうぞご自由に。どうせ近いうちに分かることですが……量産は難しいですよ。金じゃなくて技術の面で」

 

「……メロンくんが今作ってるのが、それなんだね」

 

「ああ、そうだ。私が現在必死になって彫金している物こそが、トリガーチップみたいなものだ」

 

 磨いている宝石を見せる。何処からどう見てもただの綺麗な石だが、コレがトリガーチップになる。

 あまりピンと来ていないみたいだが、トリガーチップになるとしか言えない。

 

「プログラムを打ち込んで作るものでなく宝石を彫金して事前にプログラミングされた能力を使う」

 

「なんか、魔法科高校の劣等生に出てくるオーパーツみたいだな」

 

「と言うかほぼそれだ。ただし能力はピンキリだ。瞬間移動から衣装チェンジと色々とあって毎回その宝石を作れるとは限らない。その時その時に生まれる宝石が異なる……安定供給は不可能だし、エンジニアのおっさん連中は彫金は出来ないだろ?」

 

「完全に分野は違うわね……私達が知ってるトリガーとは違う物を作ったのね」

 

 トリオンを使うという点以外は殆ど違う物だろう。

 S村さんは興味深そうにホワイトガルーダを見ているのだがホワイトガルーダは飛んでいった。触ろうとしたけれども物凄く威嚇された。

 

「で、誰が送り込んだの?」

 

「彼女……力を借りていいかと聞いてて、多分何かしらの交換条件がある。おそらくはこの中に入っている」

 

「メロンくん……沢村さんの前で開けるのは止めておいた方がいいよ。オレのサイドエフェクトがそう言っている」

 

「安心しろ、私のサイドエフェクトもそう言っている……でも、早いうちに処理しとかないと怒られるからな」

 

 迅はサイドエフェクトでこの後になにが起きるのかが見えている。

 私もサイドエフェクトで厄介な事になるのだと電磁波が訴えかけている。しかしそれと同時に面白い事になるとも言っている。

 ホワイトガルーダが持ってきた封筒の中身を取り出せば

 

「あーーっ!!」

 

「S村さん、落ち着いてください!」

 

「メロンくん、それは見せちゃいけないものだ!!」

 

 中に入っていたのは婚姻届であり、書いてくれたら力を貸すとメッセージカードが入っていた。それを見たS村さんは発狂しかけた。

 迅は気を遣ってる……のだが、若干だが面白い展開になってきたぞとワクワクをしている。ロクでナシ……は、前からか。

 

「なんで……貴方、17歳なのに!この場で一番の老け顔なのに!なんでそんな悪魔の紙を持っているの!?」

 

「S村さんが喉から手が出るほどに欲しい物ですね……まぁ、まだまだ縁遠い物ですが。え〜っと、私が書かないといけないところは何処だ?」

 

「メロンくん、スゴくすんなりと書くね。普通はもうちょっと覚悟とか戸惑いとか色々とあるでしょ……」

 

「いや……最終的にそうなる関係性だから別に今書いても問題は無いぞ?」

 

「あーーーっ!!あーーーっ!!羨ましい!羨ましい!!……どうせ、私なんて、私なんて……うわぁ!」

 

 何時もは冷静なS村さんだったがかなりのレベルで発狂している。

 非常に面白い光景でありプルプルと震える迅と私だが、周りの目が面白い。そして結構なガチ目のトーンで叫びS村さんは机に顔をつける。

 

「なんでよ……なんでこの組織は浮いた話はあるのに実った話は少ないの!」

 

「……まず、1つの部隊に対して基本的には女性のオペレーターがつきますので……あ、でも漆間辺りは」

 

「あそこは特例よ!」

 

「柿崎隊は?」

 

「あそこはガチ勢が居るわ!」

 

 だから、水上さんが言っていた様に照屋をガチ勢と言うな。

 

「大体、貴方そういう浮いた話と縁遠い感じなのになんで?」

 

「まぁ……色々と。言っておきますが私はこの顔ですがモテる方ですからね。メガネを外せばイケメン度合いがあがりますし」

 

「でも、そういうの興味無さそうじゃない!迅くんみたいにセクハラで終わらせるわけじゃないし」

 

「沢村さんの中のオレってどういう認識……そういえば、メロンくんのこと、高校に入ってから聞いたりしたけど中学以前の事を知らないな」

 

「そんな語る程の事じゃない、蓮ノ辺市で一番偏差値高い中学に通っていた。高校も良いところに推薦で行けるとか言われていたが……正直に言えば疲れた。大抵の事はなんでも出来るから、任されるしやらされる。でも、なにかやりたいこととかあったわけではないし……お前は見たから分かるだろ?私のこのサイドエフェクトが厄介なのを」

 

 トリコのココと同じレベルの視力を手に入れているが、ココと違ってオンオフが出来ない。

 ただ見るだけで色々と分かってしまうし見たくないものも沢山見れてしまう……だからホントに一時期苦しかった。

 

「中学の頃は修と少しギスギスしていた時期もあった」

 

「そうなの?メガネくん、そういうの気にしなさそうだけど」

 

「私と心の何処かで比較していた。母さんも父さんもそれは一切しなかった。そういう環境を作ろうとしなかった。でも、修は成長すればするほどに私の間に大きな差があるのを理解した。私が当時頑張っていた一番の理由は修にカッコいいお兄ちゃんと自慢して欲しかったからだが……」

 

「嵐山くんに引けを取らない程のブラコンね」

 

「家族愛は修に向けているが異性としての愛は彼女にしか向けていないです」

 

「……ッチ」

 

 S村さんはハッキリと聞こえるレベルの舌打ちをした。

 迅が若干冷や汗をかくぐらいの恐怖を抱いたのだが私からすれば痛くも痒くもない。

 

「でもその割には惚気話は全くしないわね」

 

「自慢をしてどうするんですか?如何にしてイチャイチャするか、楽しい時間を過ごせるかを考えた方が有意義でしょ」

 

「メロンくん、沢村さんを煽らないで!このままいけば殴られるよ!?」

 

「ふーっ落ち着け。落ち着きなさい響子。相手は高校生なの…………そこまで貴方に言わせる人ってどんなの?」

 

「いや、だから自慢話や惚気話をするんじゃなくて如何にしてイチャイチャして満足するかが大事なんです」

 

 あ、S村さんの殺気が強くなった。

 殺してやろうかって視線をこっちに向かって送っている。カゲさんのサイドエフェクトが無いのにそれが物凄く伝わってくる。

 

「千佳ちゃんやメガネくんが教えてくれないし、関わらないように上手く調整してるけど……どんな感じ?」

 

「カゲさんが知ってます」

 

「ここまで来て、喋らないのは卑怯よ!!……あ」

 

「……なんすか?」

 

 ふっ、流石は私のサイドエフェクトだ。予知能力にも特化している。

 例によってはぐらかせばナイスタイミングでジュースを手にしているカゲさんが通りかかった。カゲさんが視線を向けられたとサイドエフェクトで即座に気付く。妙な視線を送られているとサイドエフェクトで分かったのだがS村さんだったので雑な対応は出来ないのだとめんどくさそうしている。

 

「影浦くん、主任の彼女を知ってるってホントなの?」

 

「いやまぁ……知ってますけど。店番してる時にやって来たんで……」

 

「どんな感じ?」

 

「……雰囲気的に言えばファントムばばあに似ていますね……三雲の奴は女の趣味悪いなとか一瞬だけ考えたりはした」

 

「面白いこととか大好きなだけで性格が最悪なわけじゃないですよ!」

 

「あのタイプは苦手なんだよ!面良くてもアレは苦手なんだ!むしろお前、なんであのタイプと一緒にいれるんだ?」

 

「私の人生にメリハリ与えてくれるのが……言っておきますが、あそこに至るまで結構な道のりでしたからね。自作のASMR聞かされたり催眠術かけられたり他の女と会話したかどうかの確認でお腹殴られるとか」

 

「ヤベえ女じゃねえか!なんか弱みでも握られてんのか!?」

 

「好きになったという弱みが」

 

「いやぁああ!!聞きたくない!聞きたくない!!そういう年頃の子からそういう話は!!」

 

 喋らせようとしたのはS村さんなのに現実から逃げようとする。

 ただでさえ浮いた話がまともにない組織なのだからその手の話を年下から聞けば色々と精神的に来るものがあるだろう。

 

「そういやよ、玉狛のチビ女に」

 

「修が居るからダメです!迅、サイドエフェクトでその未来を阻止するぞ!!」

 

「メロンくん、人のことをあんま言えない立ち位置でしょ……いやでも、千佳ちゃんとメガネくんが結ばれるのはめでたいし……」

 

 カゲさんが絵馬ユズルを話題に出して千佳ちゃんとなんとかと思っているがそんな未来は存在しないんだ!

 やっていい、いや、やってやる。迅のサイドエフェクトと私のサイドエフェクトをコラボレーションさせてその未来を阻止し、理想の未来に辿り着く!

 婚姻届に書かなければいけないものを書き終えた。

 

「まぁ、いいじゃないですか。S村さん」

 

「なにがよ……」

 

「本部長がクソボケ本部長で察してる人達は大勢いてS村さんだして引いてくれる人ばっかで……嵐山さんとか絶対に揉めるし、迅なんてロクでなしだし、生駒さんのあのノリについていくの辛いですし、ニノさんは性格終わってるし……」

 

「言いたいことは分かるけど本人居る前で真っ向から言うのはどうかと思うわよ」

 

「ボーダー女子も見た目は可憐な乙女ですけどその実態はアマゾネスの巣窟ですからね……小南パイセンなんて絶対に自分より強い人とか自分とバチバチと戦える人が好きとか言いそうですよ」

 

「「「それはある」」」

 

 小南パイセンは皆からいったいどういう風に認識されているのだろう。

 烏丸の奴とカップリングが成立すれば……炎上するな。パイセン、アレでも一応は美少女に分類されているからな。一応は美少女だからな。

 

「さて……この指輪か」

 

 色々とグダグダと愚痴を零しながら会話をしつつも指輪が完成した。

 今回出来たのはスーパー戦隊ウィザードリング……いったいどういう効果を発揮するか……。




https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=328458&uid=17393


遂にA級vsB級開始ですね。
とりあえずエターナルとスーパー戦隊を出したりします。エターナルの力募集中です
え、第一選抜試験はって?んなの書く必要は無いと言うか書けないよ。

特別演習

  • 審査する側(上層部)
  • 審査する側(A級と)
  • 試験に参加する側
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