「あれだな……違和感が無いな」
「…………」
「いや、老け顔って言ってんじゃないんだぞ?」
「構わない。馴れている」
A級主任の立ち位置になったのだが、スーツは特注だ。
ボーダーの隊員用のスーツとかでなく呉島貴虎が着ている感じのスーツであり、米屋と出水に見つかり大爆笑をされた。
ただでさえ学生服の時でコスプレ感で中のカッターシャツだけの状態だったら飲み会帰りのおっさんと言われている。
米屋が俺のスーツが物凄く似合っていると爆笑している。ただの何処にでもいる出来そうなサラリーマン感が溢れ出ている。
「いや〜笑った。拡散するか」
「コレで高校2年生ですとかするな……どうせこれから毎回見るようになるんだから」
「にしても、なんでボーダー指定のスーツじゃなくてオーダーメイドのスーツなんだ?」
米屋が満足をしてスマホを取り出してパシャリと撮影する。
これから定期的に見ることになる物だから何処に晒しても笑われるがその内面白くも何ともなくなる。
出水がなんでボーダー指定のスーツでなくオーダーメイドのスーツなのかを聞いた。
「スーツの裏にベルトを入れるスペースがあるからだ」
「ダサいな」
「そう言うな」
ボーダー指定のスーツでなくオーダーメイドのスーツは変身ベルトを入れるポケットがある。
一番大きいゲネシスドライバー、戦極ドライバーとロックシードを入れても問題は無いのだが出水はカッコいいスーツの中がポケットだらけでダサいと言う。
「あ、そろそろ行かねえと」
「ん、なんか用事あんのか?」
「いや、それがよ……太刀川隊の隊室を掃除しろって言われててよ」
太刀川隊……掃除をする事が出来る人が居ないから色々と散らかっている。
掃除をしろと言われている事を出水は教えてくれる。具体的にはどれぐらいに散らかしているのかが気になるので見に行こうと決めた。
「お前等、見に来るなら手伝ってくれよ」
「他の部隊は普段から真面目に掃除してるんだから、汚くするなとは言わないが掃除はしろ」
「
野次馬として見に行くのならば手伝えと出水は言うが、ここで手を貸せば太刀川隊の為にならない。
どちらかと言えば出水側じゃないのかと思える米屋だが部隊の人間の都合上、掃除に関しては厳しく言われている。
「ほら!同じところに入れる!ジャンル分けをする!」
「いや、こっちの方が分かりやすいからさぁ!!」
「あ、今先輩……いや、もうさんなのか?」
太刀川隊に足を運べば今先輩が国近先輩にゲームをしっかりと仕分けしろと仕分けさせられていた。
既に高校は卒業式を終えて大学進学組は居るので米屋は先輩にするべきかさんにするべきか悩んだ。
「柚宇さん、逃げられない様に完全に防備されてんな」
「あ、来たのね……って、貴方達もなの……です?……えっと」
「公の場以外ではやりやすい風にしてください」
「ええ……じゃあ、主任と米屋くんも来たのね」
「あ、別に手伝いに来たわけじゃないっすから!監視役な感じで」
「どっちかと言えば貴方もこっち側の気がするけど」
「いや〜
今さんも一瞬戸惑った。
A級主任になっているが立場は上だが後輩とも言うなんとも気まずい関係なので公の場以外では自分のしたい様にすればいいのだと答えた。それならばと後輩として接してくる。
米屋と一緒に覗きに来ただけだと伝えれば今さんは米屋は出水側じゃないのかと思われる。
米屋自身もどちらかと言えばそっち側の住人だと自覚はしているが、三輪隊と言う環境がそれを許さず矯正してくれたと言えば今さんはため息を吐いた。
「今の聞いたわよね?ちゃんとしていれば掃除は出来る物なのよ」
「っ!」
「す、すんません!」
米屋でも掃除をしている、それは三輪隊と言う環境が要因だ。
環境さえ整えれば掃除をすると言う癖というか感情が芽生えると今さんは主張しようとし国近さんは言いたいことは分かるけどもと説教が増やされる原因になった米屋を睨めば米屋は謝った。
「お前等、マジで手伝わねえの!?」
「手伝わん……噂だと烏丸が抜けてから月1ペースで誰かが掃除に来ていると」
「あ、それマジだぜ。京介しか掃除出来ないから抜けてからだと月1ペースで職員が来てる」
「職員は家政婦じゃないのよ!」
「うぇ〜ん……」
「つか、太刀川さんは!?進級に必要なレポートとかはもう終わらせてんだろ!?」
職員が定期的に掃除に来ている話を聞けば今さんは更に怒る。
国近さんは涙目になっており、掃除が続くのだが隊長である太刀川さんが居ない事を出水は指摘する……唯我?知らんな。
「今、連れてきた」
「よぉ……すっかり忘れてたわ」
「「あ……」」
太刀川さんが居ない問題がある中で太刀川さんが現れた。
冬島隊のオペレーターの真木が引っ張ってきており冷たい視線を向けている。
風間さん辺りが引っ張ってくる展開を予想していた出水と米屋だったがまさかの真木だったので声を上げる。
ギャグが基本的には通じない人と真面目な人がマジレスをしてきて心をボコボコにされる展開が生まれるのだろう。
「……こうして直接的に顔を合わせるのは初ですね。はじめまして、冬島隊のオペレーターの真木理佐です」
「え、っちょ……なんか態度違うんじゃない!?」
「なにを言っている?この中で主任が一番上だぞ?」
真木理佐と言えば冬島隊を裏で牛耳っている存在として恐れられている。
苦手意識を持っている隊員も割と多くて同年代にはズバッと言う性格なのに何故か私にペコリと一礼をした。
出水が態度がおかしいと言えば、それを言う出水がおかしいと、この中で一番偉いのは私であることを主張する。
「いやまぁ、確かに迅をタイマンで倒して勝ち越したり実力も確かにあるけど……釈然としねえな」
「公の場以外では自分の言いたい様に言ってくれて構いませんよ。A級主任なんてなってますが、有事の際にA級達を指揮する指揮官ならば東さんがベストで私は予備の予備、もしくは黒トリガーの様な特定の相手を封じるのに居るので」
実力は認めているが色々と過程をすっ飛ばしてA級主任になった事を少しだけ認められない太刀川さん。
やはり指揮官ならば東さんと言う考えを持っているのだろう。実際その通りとしか言いようが無い。
真木と今さんのタッグで掃除しろと太刀川隊の隊室の掃除が始まる。
今まで無いと思っていた物が見つかった!からの掃除をサボる!と言う事を起こさない為の厳重な体制だなと思いながらも見守り、2時間後に掃除を終えた。
「いいか、コレを写真に納めろ。汚いなと感じた頃に一度確かめるんだ」
「はい……」
お遊びやふざけることが出来ない空気の中で元気ハツラツといけない出水。
ボーダーの端末を取り出してパシャリと撮影をし、綺麗になった部屋の写真を納めた。コレは今度からはこのレベルにまで綺麗にしろという事だろう。
「お疲れさまです……なにかココアでも飲みますか?売店で買ってきますよ?」
「う〜ん、掃除の褒美ならランク戦を……いや、それならおばさんとバトルしてみてえな!」
掃除を終えたし一服するかと飲み物を聞けば太刀川さんがランク戦をしたいという。
ただランク戦をしたいのでなく母さんとバトルをしたいと言っている。
「ん?おばさん?」
「主任のお袋さん、スゲえトリガーを持ってんだよ。この前の人型なんて文字通りなにもさせずに倒したんだ……いや、ホントにマジで攻撃手1位から4位まで勢揃いしてたのに文字通りなんもしなかったからさ」
「え、なに?お母さんも戦えんの!?」
母さんとバトルをしたいと言い出せばどういう事だ?と疑問を抱く真木。
太刀川さんはこの前にあったガロプラの事を言えば母さんが戦える事を米屋は驚いた。
「太刀川さん、母さんのポーズを見て……攻略法浮かんでるんですか?」
「AボタンとBボタンの同時押しで発動だからそうさせない……奇襲ならいけるだろ?」
「いや、あの姿は高性能な探知機能付いてますから奇襲は不可能ですよ?」
「なに!?……じゃあ、どうやって倒すんだよ!」
クロノスに変身した母さんを見ている太刀川さん。
ポーズを知っているので奇襲を仕掛けることでポーズを失敗に終わらせるのだと作戦を考えていたが、クロノスの5本の角は何処になにがあるとかがわかるもので奇襲はほぼ不可能だ。
「さっきからなにを言っている?主任の母親はいったいどんなトリガーを持っているんだ?」
「時間を止めるトリガー」
「…………は?」
話の内容から母さんがトリガーを持っているのは分かったのだと母さんがなにを持っているかと聞けば太刀川さんが答えた。
あまりにもチートすぎる能力なので思わず真木も口を開けて驚いている。
「時間を止めるトリガーって、そんなのあるの!?」
「……なんとも言えないな」
クロノスのポーズはゲームエリア内の時間を止めるのであって完全に時間を止めるわけではない。
時間の概念に干渉はしているが時間の概念を止めているわけではない。
「そんなのがあるのならば、何故この前の大規模侵攻で……」
「真木……先に言っておくが私は母さんを母親として大好きだ。私みたいな変人にも愛情を注いでくれた人だ。クロノスに変身する事が出来るのが分かったのは大規模侵攻が終わった瞬間だったが、母さんをなんでもかんでもポンポンと戦線の最前線に立たせたくはない……例えそれが非合理な事だとしても。この前のガロプラは最高戦力をぶつけるのが一番だから出したが、基本的には出し惜しみはする」
クロノスに変身する事が出来るのならば、そんなチートがあるならばなんで最前線で戦わせないかを指摘する。
答えから言って母さんには出来る限りはそういう事をしてほしくない。息子の為ならば鬼神をも殺す母だが、それでも前に立って欲しいと言う願いは何処にも無い。
「でも、時間を止めるのは迅以上にチートだよ」
「チートな迅さんを相手に互角に渡り合ってる人が言いますか?……お母さんに戦わせたくないって言うなら、貴方が使わない……能力的に黒トリガーっぽいから無理なのね」
「いえ、使えなくはないですよ?」
「…………ならば、メロンだなんだ果物を使わずにそれを使えばいいのでは?」
「なんか特定の条件を満たさないと使えないみたいだ……主任の奴は最後の条件を満たしてなくておばさんが満たしてるらしい」
能力的に黒トリガーと今さんが予測するが別に私でも使えなくはない。
それを聞いた真木がクロノスを使えと言ってくるのだが太刀川さんは前に聞いた特定の条件を満たしてないと教える。
「私だってクロノスは使える様にはなりたい、でも、何回も最後の壁に阻まれているんだ」
12個のガシャットロフィーを取り出す。
後はときめきクライシスさえ、ラヴリカかさえ倒せば一先ずは仮面ライダークロノスの変身条件を満たす。でも、それが出来ないんだ。
「それって、堂々と表に出てくる前にした結果だろ?今はおれらが居るんだから、おれらを頼れよ!」
「…………いや………………なにかあるのだろうか……いやでもな……」
「そんなに条件を満たすのが難しいの?」
私が中学の頃に成し遂げた事なのでボーダーの協力は一切していない。
今は堂々と表に出たので今ならばどうにかする事が出来るかもしれないと出水は言うが、最後の壁がどうすることも出来ないのが問題だ。今さんが難しいかどうかを聞いてくるので返事に悩む。
「ものは試しだ。挑戦してみようぜ」
「…………」
色々とああだこうだと考えたとしても仕方がない事だ。
米屋が最後の条件を満たす事を挑戦しようと言う……ここで悩んでいても仕方がないと割り切り、玉狛支部に向かって仮面ライダークロニクルを持ってきた。玉狛支部?ヒュースが居るからしない。
「先に言っておく……私はどうあがいても失敗するとは見ている」
「おいおい、このメンツでか?」
訓練室を1つ借りて先に私は本音を漏らす。
米屋はマジかよと笑っている。米屋、三輪、出水、太刀川さん。オペレーターには国近さんと真木が居る。
バックアップ体制も、前線と中距離で戦うことが出来る人間もしっかりと揃っている。
このメンツを持ってしても勝つことが出来ないのか?と米屋は強敵を前にして燃えているが……そうじゃないんだよな。
『Enter_The_GAME! Riding_The_END』
「変身!!」
とにかくやるしかない。このままずっと母さんのクロノスに頼るわけにはいかない。
数年ぶりに仮面ライダークロニクルを起動してライドプレイヤーに変身をした。
「お、ぉお……今までと違ってシンプルだな」
斬月等を知っているからかライドプレイヤーの見た目を地味と見る出水。
「なに……コイツは……後付けハードだ……後で……色々な物を装備する」
『おい!バイタルがおかしくなっているぞ!!』
「貴虎、大丈夫なのか!?」
「これでいい……これでいいんだ!仮面ライダークロニクルの戦いはこれからがスタートなんだ!」
身体が重いと感じ喋るのも割と辛くなる。
オペレートしている真木がバイタルがおかしなことになっていると言ってくる。明らかに声も弱々しくなっているので三輪が心配をするが、コレが仮面ライダークロニクルの戦いだ。
「っぐ……1個だけだが、重いな……」
「なんかモザイクみたいなのが出てるけど、どうすんだ!?」
「ちょっと待っていろ……俺から、出ていけ!!」
ライドプレイヤーに変身した俺からモザイクみたいなのが出てきた。
米屋はなにをどうすればいいのかを聞いてくるのでまずはここからだと私の体内に入ったラヴリカバグスターウイルスを追い出した。
「やれやれ、君も懲りないね。君には僕を倒せないだろう?」
「アレが……」
「アレを俺が倒せばクロノスに変身出来るようになる……ただ……倒せないんだ……」
数年ぶりにラヴリカと顔を合わせる。
特定の敵を倒さないといけないという事は聞いているので出水があいつを倒せばと確認の視線を向けてくるので返事をする。
ただ問題な事に倒すことが出来ない。倒すことさえ出来れば全てが終わるのだが倒せない。
「あいつだけを倒すのに集中すればいい。秀次、
「ああ」
倒すべき敵を確認したら先ずは動きを封じに行く。
米屋が鉛弾をと言い、三輪は鉛弾を撃ち込んだ。
「うぉ!?」
「三雲の奴が苦戦を強いられる奴って聞いてたけどあっさりだな……旋空孤月」
鉛弾を撃ち込んだ事で数百キロの重りを装備されるラヴリカ。
身動きは当然取ることが出来ない。太刀川さんは私が苦戦をする相手だから歯応えがある奴だと思っていたのだが、予想以上に弱いので少し残念そうにし、旋空孤月をした。
『MISS!』
「……は?」
「太刀川さんが外した?」
「違う……当たってんだけど、効果が無いんだ」
「だったら、
太刀川さんが旋空孤月を当てた様に見えた。
しかしラヴリカは倒されることはなく、英語のMISS表記が出た。太刀川さんが動けない相手に対して旋空孤月を外したのか?と米屋が疑問を抱いたので効果が無いと言えば出水が威力重視の徹甲弾を撃った
『MISS』
「はぁ!?おかしいだろ!?今の確実に当たってんぞ!?」
「だから、効果が無い……」
「無駄だよ。僕を倒そうなんて不可能だ。僕は倒そうとして倒せる存在じゃないんだから」
「主任、コイツなんか特定の方法でしか倒せないタイプか?どうやったら倒せる?」
「だから……無理、なんだ……」
俺はライドプレイヤーの変身を解除した。
こうなる可能性は物凄く高かったので持ってきたロストドライバーを装備し、ユニコーンメモリをマキシマムスロットに装填する。
『ユニコーン!マキシマムドライブ!』
「っ……ふぅ」
「いい加減に学習しなよ」
ユニコーンメモリの力を使い体内に入っているラヴリカバグスターウイルスを消す。
ラヴリカはまたかと呆れながら消滅した。
「倒した、のか?」
「倒してないです……ちょっと、倒れますね……」
「三雲!?」
ラヴリカが消えたので倒したのかと思った太刀川さんだが倒していない。
ただウイルスを消しただけであり、ラヴリカバグスターウイルスが体内から居なくなったので重たかった身体が軽くなった。
急な体の変化がついていけずに疲労感がどっと押し寄せる。意識は失わないが、これは疲労で2,3時間はまともに動けないなと倒れた。
特別演習
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審査する側(上層部)
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審査する側(A級と)
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試験に参加する側