堤と太刀川はどう頑張っても死にます
「あ~疲れた」
熊谷達、特に予定が無いガールズがケーキなどを買いに行っている頃、出水は防衛任務を終えた。
クリスマスという色々な意味でめでたく馬鹿騒ぎ出来る日に近界民やってくんじゃねえよ。近界民、クリスマスの概念無いのかコンチクショウと愚痴りながらも隊室に戻った出水。
「くっさ!?」
普段から汚い太刀川隊の作戦室。
定期的にボーダー職員が入って掃除をしてくれるぐらいに汚いのだが、決して臭くはない。というよりは、クリスマス前に掃除されており、汚くはなかった。
「う~なに?この匂い。納豆より臭い!」
誰かがなんかやらかしたのかと思っていると国近がやって来た。
手には大量の揚げ物が盛られている皿を持っていた。
「なんか入ったら臭かったんすよ。というか、その唐揚げの山は」
「唐揚げじゃなくて、ザンギ。
この後、今ちゃんや生駒さん達と御当地名物食べあうの……味見する?」
「良いんすか!?ありがとう、ございます!!」
唐揚げとザンギの違いは分からない出水だったが、美味しいものであることは分かっていた。
出来立てのザンギを一つ貰い、頬張ると美味い美味いと笑みを浮かべる。
「太刀川さん、もう加古さんの所に行ったの?」
「みたいっすね、あ、もう一個貰っても良いすか?」
「いいよ……折角、食堂の厨房を借りて作ったのに、太刀川さん運が悪いな……ていうか、なんでこんなに臭いの?」
この前、掃除したばっかなのに?と首を傾げる国近。
このまま今年一杯臭いまま過ごすのは嫌だとなにか原因は無いかと探していると、テーブルの上にあるパソコンの上に【出水、国近、ついでに唯我へ(唯我いなくても見ても問題ない)】と書かれているDVDが置かれていた。
「なんだこれ?」
こんなもん、うちの隊室にあったっけ?と首を傾げる二人。
唯我は割とどうでも良いと扱っているなら、太刀川が用意したものだと気付き再生する。
『太刀川くん、はじまったよ』
「堤さん?」
DVDが再生されるとトリオン体に換装した太刀川が映っているのだが、堤の声が聞こえる。
堤の声が聞こえると同時に若干だが映像がぶれたので、堤がカメラマンだと察して取り敢えずは映像を見ることに。
『これを見ている時、俺はもうこの世に居ないかもしれない』
「なに言い出してんだ、この人!?」
「まぁまぁ、落ち着きなよ」
置かれていたDVDが遺言状的なものだと分かると驚く出水。
死ぬかもしれない危険なことは今までも何度もしてきたが、何故こんなもんをとパソコンに触れようとするのだが国近が宥めて、続きを見る。
『正直、DVDは編集が面倒だから嫌なんだ。
遺言書を書いたのはよかったんだが、堤が字が汚いからダメだって言ってきてこうなった』
『汚い以前に、誤字脱字が酷かったよ』
「なんか軽いね。ちょっと飛ばしてみる?」
戦いにおいて頼りになる太刀川、でなく普段のマダオとしての太刀川臭が漂うとマウスで映像を飛ばす国近。
軽いのはそれもその筈、今から加古炒飯を食べに行くだけであり死ぬことは無いのだが万が一と残したDVDであり、出水と国近に今までありがとうのお礼の言葉が入っているのだが、内容がそこそこ酷かったりする。
『俺が居なくなったら、出水隊として隊を率いるんだ。
攻撃手が必要なら……アレだ、あのメガネのサイドエフェクト持ちの、三雲を誘うんだぞ。視覚だから菊地原よりも便利で、お前なりのやり方でA級1位になるんだ。俺からお前達に伝えるメッセージは以上だ……PS、悪いんだけど七輪の網捨てといてくれねえか?』
「七輪の網?」
一気に飛ばしてみると最後に辿り着いた。
無駄にカッコいいことを言って終わったと思ったのが、最後になんかおかしなことを言った。
また勝手に七輪を持ち込んで、餅焼いてなんかやらかしたのかと取り敢えずは七輪を探すと見つかるのだが――
「くっっさ!?」
「太刀川さん、なに焼いたの!?」
なんか七輪と七輪の網が尋常じゃなく臭かった。
太刀川隊の隊室がやたら臭かったのはこいつが原因か!とごみ袋を二重にし、七輪と網を入れるのだが臭かった。
「あの人、なに焼いたんだって……ゴミ袋からもしやがる」
「う~鼻が、曲がりそう。あの人、なにした!?」
謎の臭いに包まれる太刀川隊の隊室。
これ以上は居てたまるかと消臭力を置いて、二人は出ていき、ゴミを捨て、二人はそれぞれのクリパに向かった。
「くさやはあったか?」
「ああ、あったよ」
一方、その頃の太刀川はというと同年代の加古の誕生日を祝うべく加古隊の隊室へとやって来ていた。
友人で同年代でボーダーに入った時期が近い太刀川は唯我には薄情なものの、加古には普通で誕生日を素直に祝う……のだが、逆にこっちが呪われそうな勢いであった。
加古は炒飯作りを趣味としており、五目とか海老とかキムチとかの定番の炒飯だけでなくチョコミント、プリンアラモード炒飯などというゲテモノまで作る始末。
同じく誕生日を祝いにきた堤は一度も当たりの炒飯を引いたことはないが、太刀川は当たりの美味しい変わり種炒飯を食べたことがあり、絶品といえる味なのだ。
本日誕生日の加古は同期とか周りの人達の奢りで加古の好物であるリンゴを使ったデザートとか高級焼肉とか高級バイキングを奢る……という展開にはならなかった。
主役である加古が自身の誕生日を祝ってくれる人に炒飯を振る舞うという、主役が働きまくる誕生日パーティー(狂)が行われる。
「あいつの占い、マジで当たったな」
1ヶ月とちょっと前に、隊の部下が通う高校で占ってもらった。
宗教とかに関係する日(クリスマス)に無駄に色気ある美貌の女性(加古)が危険で愚かな行為(激マズ炒飯作成)をし、巻き込まれて(誕生日を祝う)覚悟を決めて挑んで撃沈する(激マズ炒飯を腹くくって食べる)未来を占ってもらった。
ありえないと否定したくても、否定できない堤と太刀川。未来を見れるサイドエフェクトを持つグラサンに頼ろうにもクリスマスだけは絶対にみたくないと頼りにならなかった。
占いなんて迷信だ!と全力で否定しては死んでしまう。ここはその占いを信じてみようと、太刀川と堤は未来を変えるべく色々と頑張ってみた。
最初はそもそもで加古に炒飯を作らないようにすれば良いんじゃないのかとなったのだが、それが出来れば最初から苦しむことはないんだと、炒飯を作らせないという手は取れなかった。
「太刀川くん、堤くん、来馬くん、風間さん、今日はありがとう」
「誕生日、おめでとう。あ、これぼくからのプレゼントだよ」
「あら、これって中華包丁と中華鍋?」
「うん。
誕生日プレゼントを何にしようかなって考えて、料理が得意な今ちゃんと話したらこれが良いって」
「そうなの、ありがとう。これって、物凄く良いところの中華鍋と包丁よね?今日はこれを使って炒飯を皆に振る舞うわ」
「楽しみにしているぞ、加古」
誰かが犠牲にならなければならない犠牲を強いる加古の誕生日。
隊の三人が国近と同じクリパに出ていて割かし暇な来馬は加古の誕生日プレゼントとして、料理が得意な今が選んだ物凄く良い中華鍋と中華包丁をプレゼント。
これにより加古は益々やる気を出してしまい、炒飯を作るのをやめてくださいと頭を下げたとしても止まらなくなった。後、風間さんがワクワク気分だった。
「そういえば、二宮はどうした?」
「それが、用事があるから来れないって言うのよ。
同期の誕生日を無視してまで、いったいなにがあるのかしら」
んなもん、逃げる為の嘘に決まってるだろう!お前の炒飯が危険だと一番感じてるのあいつだぞ!!
とツッコミを入れたい太刀川だが、入れるとややこしくなるので入れない。
代わりに今度、ランク戦を挑んで二宮ボコろうと決意する。
「ああ、二宮くんなんだけどコレを渡してくれって頼まれたよ」
太刀川がこの場にいない二宮に恨みを募らせていると、来馬は忘れていたと箱を取り出す。
なんの箱?と首を傾げる加古は中に入っているものを確認すると驚く。
「これ、アップルパイじゃない」
「中々の良いとこのアップルパイだな……この辺にこの店はなかったはずだが」
「用事があるから代わりに渡してくれって、四塚市まで買いに行ったみたいだよ」
「そう……」
この場にいない、総合二位のイケメンこと二宮と加古は犬猿の仲だ。
殺しあったり、いきなり殴りあう関係でなく性格的な相性が悪かったりする犬猿の仲であるものの、大嫌いとか死ねとか言う関係ではない。気難しい性格の二宮だが仲間意識を持っており、加古の誕生日を祝うぐらいの気持ちはある。
堤でも太刀川でもなく、鈴鳴支部に所属している来馬を経由してアップルパイを渡すところを見る限りは、明らかになんで来なかったと弄られない為の御機嫌取りだが。来馬が間にいるせいで、文句も小言も言えない加古。取り敢えずはアップルパイを冷蔵庫に入れる。
「よし、じゃあ先ずはゲームでもするか。国近から色々と借りてきたぞ」
「いいね、ゲーム!なにする?」
既に炒飯を食べることは確定しているのだが、やっぱり怖いものは怖い二人。
ここはゲームで時間を稼いでと、スマブラやマリオパーティといった友情破壊ゲーを出すのだが――
「ゲームは後、後。
ゲームで摘まめる物を食べてお腹をいっぱいにしたら、ダメじゃない」
今はダメだと却下される。
やっぱりダメだったかと堤と太刀川は諦めるのだが、元々このゲーム作戦は無理だと思っていたのでそこまで落胆していない。
「加古、今日はどんな炒飯なんだ?」
この状況下で相変わらずな風間は、振る舞われる炒飯について聞く。
本人は肉系か魚系かそれとも野菜系か、どんな美味い炒飯を作ってくれるか楽しみで聞いているのだがグッジョブ風間さんと太刀川と堤は心の中でサムズアップ。
「う~ん、冷蔵庫と相談かしら?」
風間の質問に主婦みたいな返事をする加古。
それを聞いて二人は心の中で物凄くガッツポーズを取った。今年は生きて帰ることが出来ると大喜びだ。
「そうか、美味い炒飯を期待しているぞ」
「なにが出てくるのか、楽しみだね。来馬くん」
「加古さんのはなんでも美味しいからね」
来馬は自動的に当たりを引くが、俺達は違うんだと何時もなら叫ぶが今回は違う。
今回は胡散臭い全身タイツ(黒)を着たターバンの青年の占いでくさやを入れると出ており、それを二人は信じた。くさやを入れた炒飯、加古ならばマジでやると謎の確信を持っており、二人はその対策をした。
今までチョコミント、いくらカスタード、蜂蜜ししゃもと言った結構ふざけたラインナップの炒飯を出して自分達を殺してきた加古の炒飯。事前にどんな物かさえ分かっているのならば、馴れておけば良いと感覚が麻痺している二人は加古炒飯対策の為にくさやを食べた。
そもそもくさやというのは物凄く臭いのキツい魚の干物である。その匂いを特に気にしない人達にとってはかなりの珍味であり、ドリアンとかと同じく匂いさえ気にしなければ美味しい食材でゲテモノとかまずいものではない。
ならば、くさやをおかずに白米を美味しく頂いて加古炒飯に耐性をつけるんだと頑張り、完璧な耐性はつけられなかったものの、まずいけど食えんことは無いまでのレベルにまでは持ってこれた。
悪いね、出水くんの友達。
お前の占いは、覆させて貰った。
テレパシーでもあんのかと言いたいぐらいに息ぴったしな二人。
「右から、主菜、副菜、ソースよ」
「「……え?」」
勝ったとドヤ顔をしていた二人の前に、マゼンタ、シアン、イエローの3つのくじ引きとかでよく見る箱が置かれた。
突然の事に固まってしまう二人。来馬も風間も状況がよく分からないので、取り敢えずどういうことか聞いてみた。
「冷蔵庫に色々と材料を入れているのだけれど、どれを誰に食べてもらうか悩んじゃったの。
それと今までみたいに複数の試作品を別々に振る舞ったとしても面白くはないわ。だからね、思いきってアドリブで作るのよ」
「そ、それはつまり?」
「マゼンタにチャーシューや鮭なんかのメインの具材が書かれた紙が、シアンにはネギとか人参とかピーマンなんかの副菜が書かれた紙が、イエローには豆板醤やトマトケチャップなんかの味付けに必要な紙が入っているの。後は、分かるわよね?」
「一枚ずつ引いて、その三つを組み合わせた炒飯を作るということか。面白い」
いや、面白いわけねえだろう!!ふざけんな、この20歳児!!ファントムばばあ!!
本来ならばこんな事を男前な風間に言わないのだが、今日ばかりは違う。
自分達が色々と頑張ったのに、そこそこの耐性をつけたのにそれを一瞬にして無にしてきた。くさや炒飯なら頑張れたが、くさや蜂蜜炒飯とか出てきたら死んでしまうと焦る。
「よし、じゃあ先ずは来馬からだ!」
「ぼくからで良いの?風間さんから行った方が」
「クリスマスになにを言っているんだ。今日はそういうのはなしだ」
トップバッターは炒飯での死亡経験が無い来馬だ。つーか、来馬が一番最初にいかないと死ぬのである。
つい最近、真の悪にアクアリウムを破壊されても血涙だけで許した仏の様な男である来馬は本当に仏なのか、物凄く運が良く今まで一度もハズレを引いたことはない。それどころか「ぼくばっか当たりを引くのは申し訳ないよ」と純然たる善意で堤や太刀川、ここにはいない柿崎(隊でパーティの後に東達と合流しボウリング大会)に試食を譲ったら、その炒飯がハズレだったという幸運児。
こいつはどうあがいてもハズレを引かない星にいるんだと二人は知っており、来馬に当たりを引かせないとハズレが自分達に向かってくると譲る。
「よし……先ずは、副菜……チーズだね」
イチゴジャムとか生クリームとかの謎の食材を引き当てず、チーズを引き当てる。
やはりこいつに先に引かせてよかったと、残りの主菜とソースの箱を一気に引かせる。
「味付けはミートソースで、主菜はハンバーグだよ」
それ、炒飯じゃなくてドリア的ななにかである。
やはりこの男の運はとてつもなかったが、これでオレ達は生き残る事が出来る(かもしれない)ぜとホッとするのも束の間、風間が主菜を決めるマゼンタの箱に手を差し伸べた。
「え、風間さん?」
「来馬は引き終えた、次は俺の番だ……いや、少し固いな。
太刀川は副菜を堤はソースを決める同時に引いて、ローテーションで回していくのはどうだ?」
今から堤を蹴落としてまで引こうとしていた太刀川は困惑する。
この人はスリルを味わってるとかそんなんじゃなくクリパと誕生日会を合わせた感じのノリで言っている。自分が言っている事がどれほどリスクが高いのか分かっていないと叫びそうになるのだが堤が止めに入る。
「いいですね、それ。三人同時に引きましょう」
「どういうつもりだ!?」
「……風間さんが全て当たりを引いて、残り物をどう組み合わせてもゲテモノにしかならない。これはオレ達二人が絶対に避けなければならない未来で、そうならない為にはこうするしかない。リスクは余りにも大きい……だけど、運が良ければ風間さんが……くさやを引くかもしれない」
人間、誰だって死にたくないものである。
例え歳も実力もカリスマ性も上な男であろうと蹴落としてまで生き残る。これが人間の本性である。
そんな人間の醜い本性を見せたり見せなかったりし、箱の中に手を入れて食材が書かれた紙を掴む三人
「「「いっせーのーで!!」」」
全員が大学生だが、そんなことは知ったことでないと年甲斐もなく叫ぶ三人。
「ツナか……」
主菜でツナを引き当てた風間は少しだけ残念そうにする。
ハンバーグがあるならば、大好物のカツカレーのカツがあってもおかしくはないと思っていたが、ツナを引き当てたのでちょっと残念だった。
「どうだった、つつ……真っ白になってやがる」
副菜である自分は危険な目に遭わないとなにを引いたかを確認せず、堤がなにを引いたのかを聞こうとする太刀川だが堤は真っ白に燃え尽きていた……くさや汁と書かれた紙を手に、真っ白に燃え尽きていた。
「生き残るんだ、絶対に」
くさやならともかく、くさや汁はどうあがいても不味い。
生きることを諦めた漢、堤大地はせめて太刀川だけでも生存してくれと強く祈りを込めたのだ……が、無駄である。
「太刀川くんは、フリスクのブラックミントね」
「なんでそんなものが入ってんだ!?」
なにを当てたか教えないので、紙を無理矢理奪い太刀川の引いたものを確認して笑みを浮かべる加古。
100歩譲ってもフリスクは味付け、ソースじゃねえのかと言うのだが、粉末にして味付けに使うのでなく錠剤のまま米と一緒に炒めるので違うと否定する。
「嘘、だろ……」
「次は……豆板醤か」
「……そうだ、魚を引けば良いんだ」
フリスク入りの炒飯なんてどう頑張ってもまずいと絶望の底に落とされる太刀川を横に、豆板醤を引き当てる風間。太刀川までも散るのかと既に死んだも同然の堤だが、主菜で魚系の食材を引き当てれば擬似的なくさや炒飯になるんじゃないかと、生き残る突破口を見出だす。
「……生ハムを、焼いたら、焼いたらただのハムじゃないか!!」
だが、見つけただけで突破は出来なかった。
続く太刀川はソースを引き、エバラのゴマだれを引き当てて更に死にそうな顔をする。
「さぁ、驚いても笑ってもこれで最後よ」キラーン
最早、泣くことは許されず死が待ち受けている太刀川と堤。
これ以上、これ以上はなにを恐れるんだと引いていない主菜と副菜に手を突っ込んで、一気にくじを引いた。そして死んだ。
「太刀川くんはくさやとフリスク(ブラックミント)のゴマだれ炒飯、堤くんは生ハムメロンのくさや汁炒飯、風間さんはツナとうずらの卵の豆板醤炒飯、来馬くんはハンバーグとチーズのミートソース炒飯ね!順番的に風間さんのが一番早く出来るわ」
「そうか……ワガママを言っては悪いんだが、うずらの卵は焼かずにそのままにしてくれないか?カレーの時に使う卵の様に使いたい」
「問題ないわ」
普通に美味しそうな炒飯を引き当てた風間だが、ドライカツカレー的な炒飯が作れなくて残念だったのか自■軒のカレーの様に食べたいと要求した。
「堤」
「なにかな?」
「来年は、柿崎とか弓場とか呼ぼう。それか、国近とか生駒とかの外部組のところでご当地郷土料理炒飯にしようぜ」
「もう、諦めよう。
外部組は皆、良い子で未成年ばかりなんだ。無理に犠牲を強いるんじゃなくて、オレ達が被害拡大を食い止めるんだ」
「ノリで作ったDVD、本当になっちまったな……」
男二人は覚悟を決める。メガネ(兄)のサイドエフェクトを覆せなかったことは一切、悔やまない。ここまで頑張ったことは決して無駄ではなかったのだからと自分達に言い聞かせる。
「来年は、絶対に絶対に二宮を捕まえてつれてきてやる……」
ただし、二宮テメーは別だ。
おかしな匂いと食感と味と風味がする炒飯に男は挑んだ。けど、やっぱり死んだ。
「ゆりっ、さん、ボウリングでもどうですか?」
「ボウリング、良いわね!最近、体を動かしてなかったし……負けたら、ジュースを奢るのはどう?」
「負けませんよ、絶対!」
「おい、あいつ全ストライクとか出すんじゃねえだろうな?」
「ここはあえてギリギリの接戦からの敗北じゃないと……花を持たせないと、好感度上がんないだろ」
因みにだが玉狛の木崎レイジは林藤ゆりとデート(というなの買い物+映画+食事)をしていた。
同年代である諏訪と風間と寺島雷蔵の力を借りて頑張ってデートプランとか用意してみたけど噛みまくりであり
「あれ、レイジさんじゃないすか!」
最後に向かったボウリングで偶然にも東さんと遊びに来ていた出水達と遭遇し、好感度は上げただけで終わってしまい、諏訪の予想通り、ゆりに花を持たせることなく全てストライクを叩き出したのは全く関係のない話である。
メガネ(兄)「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」
実力派エリート「今日はS級隊員について説明をしよう」
メガネ(兄)「ボーダーの隊員は大きく分けて3つじゃなかったか?」
実力派エリート「確かにそうだ。CBAの3つであっているけど、S級も存在している。S級と言っても待遇とか給料とかはA級と同じで物凄い変化は一つしかない」
メガネ(兄)「その1つはなんだ?」
実力派エリート「S級は
メガネ(兄)「黒トリガー、ある程度のトリオン量を持っている奴が努力すればそこそこ強くなれる継戦と量産重視のボーダーのトリガーとは別の一品物の専用トリガーか?」
実力派エリート「その考えであってるけど、少し違う。
黒トリガーは優れたトリオン能力を持つ者が全てのトリオンと命をトリガーに注ぎ込むことにより生まれるトリガーなんだ。
なんで、どうしてそうなるのか?といったことは色々と不明なものの、通常のトリガーでは再現出来ない能力や起動するするだけでトリオンが何倍にも増加したりとボーダーの通常のトリガーよりも遥かに優れていて今のところ、ボーダーには3つあるけど、1つは遊真の命を繋ぎ止めるものだから、実質2つだな」
メガネ(兄)「デメリットは?」
実力派エリート「勿論ある。黒トリガーは強力だが、ボーダーの正隊員のトリガー全てについている緊急脱出機能はついていなくて自分好みのカスタマイズが出来ない。オレが使っていた黒トリガーも弧月に似た剣と黒トリガーとしての強力な能力だけで、シールドもなにもないんだ」
メガネ(兄)「戦闘で負ければその場で換装が解けて、ぶっ殺されて相手の手に黒トリガーが渡る可能性があるのか」
実力派エリート「そういうこともありえるけど、渡っても使えるかどうかは別だ。
黒トリガーは誰でも使えるわけじゃなく、起動できる人とできない人がいる。なんでそうなっているのかは不明だけど、少なくとも使い手を選ぶから、黒トリガー使いから黒トリガーを奪い、そのまま起動は早々に出来ない。それと、黒トリガー使うS級は基本的にランク戦に出れない。まぁ、オレはAに戻ったし遊真は緊急時にしか使わないし、天羽はそこまでランク戦、ランク戦言わないから問題ないけど」
メガネ(兄)「使い手を選ぶ、か……」
実力派エリート「多分、メロンくんがボーダーに入ったらS級扱いになるんじゃないの?
メロンくんの隠し持ってるトリガーって使用者を選んだり、メロンくんが一番最初に使ったからもう他の誰も使えなくなったりとか色々とあるし」
メガネ(兄)「サイドエフェクト使ってのネタバレやめろ。というか、S級になんぞならん」
実力派エリート「ならない方がオススメだよ。オレのサイドエフェクトがそういってる……ところで、なんのトリガーを意図的に隠してるの?」
メガネ(兄)「なんのことだ?」
実力派エリート「惚けても無駄だ。
オレのサイドエフェクトがいっている。大きく分ければ3つのトリガーだが、細かく分ければ4つトリガーを隠し持っているってな。なんかが邪魔してるせいか見えないけど、本当は4つあるんだよな?」
メガネ(兄)「……あるにはあるが、能力とか性能がイマイチで使いどころが分からない」
実力派エリート「出さない方が良いと思うぞ。
なんか太刀川さんが国民の三大義務を衣食住って答えたり、月火水木金土日を英語で言おうとしていきなりムーンデーとか言ったりして上層部からゴミを見る目で見られて忍田さんに怒られてランク戦禁止になる未来があるから……いや、本当にお願いだから使わないでください」
メガネ(兄)「太刀川さん、そこまで酷いのか!?」
実力派エリート「戦い以外のあの人の残念さを舐めちゃいけない!お願いだから使わないでください、沢村さん達に袋叩きにされる未来が見えた」
メガネ(兄)「……このセクハラ野郎、日頃の行いが悪いと反省しろ。次回もお楽しみに」
実力派エリート「あ、まずい。メガネくんや千佳ちゃん達の新密度が一気に下がる未来が見える!ぼんち揚げの箱、1ダースあげるからやめて!」
メガネ(兄)「っしゃあ!地を這いずるアメーバの如く落ちろ!実力派でもエリートでもないが、頼れるお兄さんは私なのだから!」
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