メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第21話

「おぉ……」

 

「言いたいことがあるなら言え」

 

「いや、あるにはあるんだ。

けど、弓場さんの見て全部すっ飛んだ……あの人なに組のドンだ?」

 

「静かなるドンだろう」

 

 ガンマンちっくな衣装に着替えて米屋達の元に戻るとなんとも言えない驚きをみせる米屋。

 言いたいことがあるならばと言ったのだが、私よりも弓場さんのインパクトが強すぎたのか私に対してなにも言えない。

 

「なんか弓場さん怒ってるけど、なに言ったの?」

 

 物凄く私を睨んでくる弓場さんにビクッとする国近先輩。

 言うなと口止めされているから、ストレートに言ってはいけない。

 

「悪いがオレで勝たせてもらうぞ、三雲ォ……的なことを言ってきたので、そう言うことは全て終わってから言ってくださいよ、一人だけ来馬隊じゃない人って言い返した」

 

「三雲さん、それまずいっすよ」

 

 事実とは大分異なるが結果的には煽った事を伝えると、大丈夫かこの人はと哀れむ視線を向ける京介。

 

「いやでも、ここで私が勝たないとなにもはじまらないんだ。

ハードルを上げるのは余り好きじゃないが、ここで上げとかないと……決勝戦とかで上げたくない」

 

「変なところでビビりだね……ところで、三雲くんは弓場さん相手に自信は?」

 

「腕に自信はあるが、対人戦には自信が無い。なんせ、ボーダー隊員じゃないからな」

 

「え!?」

 

「いってきます」

 

 私の一言に驚く宇佐美だが、仕方あるまい。まともに人と銃撃戦なんてしたことない。

 私はチームの四人を背に時枝の元に向かうと、先についていた弓場さんに物凄くメンチを切られた。

 

「三雲ォ、てめえはオレを相手に勝つつもりか?」

 

「むしろ負けるつもりで挑んで来て欲しいんですか?」

 

「ッチ……時枝、銃を貸せ」

 

「私にも拳銃(チャカ)を」

 

「すみません、ビームピストルと言ってください。二人が言うと、本物っぽく聞こえます」

 

 出来るキノコ、お前は本物っぽいどころか本物みたいなやつを、突撃銃を普段から扱っているだろう。

 いかつい顔の弓場さんが銃と言ったところでなにを今さら気にしろと言うんだ。

 私と弓場さんは拳銃(見た目はリボルバー)を二丁ずつ受け取り、備え付けの銃のホルスターに入れてルールを聞く。

 

「互いに使用出来る弾は12発のみ、片方に6発ずつ入っています。

当たり判定などはこちらがしますので、ブザー音が鳴ったらそこで終了です。質問は?」

 

「具体的にどの辺に当たればアウトで、セーフな部分とかは?」

 

「ビームピストルが反応するのは中に着ているシャツに触れた時です。

なので、手の甲やカッターシャツと密接してない襟足なんかに当たってもセーフな……三雲さんの場合だと、その大きなコートのカッターシャツと密接してない部分に触れてもセーフですね」

 

「要するに心臓(タマ)()ち抜けば良いんだろ?」

 

「だから、そういう表現はダメです。

フィールドは廃ビルの内部で、表口か裏口か、先に入るか後に入るかコイントスで決めます」

 

 時枝は嵐山隊のマークが書かれた記念コインを取り出す。

 本来ならば勝敗的に不利なチームが表か裏かを決めるのだが、二試合とも引き分けなのでここは年功序列だと弓場さんが先にコイントスで出る面を決めることとなり、弓場さんは表を指定。

 

「では、裏が出ると三雲さんが決める」

 

「時枝」

 

「なんですか?」

 

「私は表でも裏でもないに賭ける」

 

「コイントスですよ?」

 

「ああ、分かっている。だから、表でも裏でもないを選んだ……とにかく、やってくれ」

 

「はぁ……」

 

 なに言ってんだ、この人はと言う顔をするのだがこれで間違いない。

 時枝は右手の親指でコインを弾き、クルリクルリと空中で回転させている間に左手の甲を受け皿にする準備をし、右手で空中にあるコインを押さえた……よし。

 

「!」

 

「どうした、時枝?」

 

 ポーカーフェイスとも言えるぐらい表情が変化をしていなかった時枝が驚いたかの様に目を見開く。

 直ぐに何時も通りの表情に戻るのだが、動揺しているのは明らかで、弓場さんは何事かと聞くが時枝は答えない。

 

「その状態で動かすと言うのならばもう一度、やり直しを私は要求する」

 

 なにに動揺をしているのか分かっている私は時枝を言葉で揺さぶる。

 相手は弓場さんだが、こういうところで取り零すとロクな事にならないのは知っている。時枝はどうすることもないと、右手を動かし、左手の手の平に置かれている筈のコインを見せ……れなかった。

 

「どういうことだ?」

 

 あるべきところに無いコイン。

 弓場さんは時枝に詰め寄り説明を求めるとこれですと左手の中指にある、表でも裏でもない立ったコインを見せる。

 

「手の甲に置くのでなく、手でコインを抑えるのがコイントスだ。

時枝が手で抑えた時、空中にあるコインは表でも裏でもない縦の面を向いており、そのまま抑えた……さて、これはどう取れば良い?」

 

「……三雲さんが、選んでください」

 

「裏口の先攻で行かせてもらう……では、失礼」

 

「待て、三雲……てめえ、まさか」

 

「時折、米屋や出水が聞いてきますけど、私は未来なんて視えませんよ……お先に」

 

「楽に勝てるかと思ったが、一筋縄ではいかねえようだな」

 

 なにをしたかは分からない。

 だが、言うだけの事がある奴だと私に対しての評価を改める弓場さん。出来れば、もう少し慢心してくれてほしかったと思いながらも、先にこのゲームの為だけの廃ビルの中へと入った。

 

「どうするか……」

 

 フィールド内は頭の中に直ぐに入った。サイドエフェクトのお陰か監視カメラの場所もわかる。

 廃ビル内には人がいないので、弓場さんの電磁波が近付けば一発で見抜ける。常に誰が何処に居るのかが分かる。だが、それだけだ。弓場さんを相手に自分が絶対に勝っていると言い切れるのはこの目で視るだけでそれ以外は下手をすれば劣っている。

 転生特典のボッスンと岸部露伴を足した手先の器用さのお陰か射撃センスに関しては物凄く、シティーハンターの冴羽獠やルパン三世の次元大介、ゴルゴ13のデューク東郷よりは早い。要するにドラえもんののび太くんと一緒で、こち亀の両さんよりは遅い。

 

「弓場さんと比較して咄嗟の状況判断能力は弓場さんの方が上、純粋な運動能力は私の方が上、戦闘時にちゃんと動けるかと言う点では弓場さんが上……真っ向勝負以外か」

 

 向かい合った状態でよーい、ドンで一対一(タイマン)がスタートすると最強と噂されている弓場さん。

 勝つべきところで確実に勝ち、勝っている数も負けている数も少ない人でなく敗けは多いもののその分、勝っている数はもっと多い百戦錬磨の強者、対するは視覚を強化するサイドエフェクトを持っていて射撃のセンスはあるが銃撃戦よりも剣での勝負が好ましい私。

 戦うことすら烏滸がましいというレベルではないが、真正面からのバトルは不利。機転を聞かした奇策での勝負を挑んで勝機を見出ださなければならない。

 

「はじまったか」

 

 弓場さんも表口からビルに入ったようで、開始のブザー音が鳴り響く。

 ここからは一対一の真剣勝負……。

 

「逃げるか」

 

 まだなにも浮かばない。

 弓場さんに対する奇策は一切浮かんでこない。このままぶらぶらと廃ビルの内部を移動していれば鉢合わせからのクイックドロウで負ける。じゃあ、逃げるしかないなと逃げの一手を選ぶ。

 幸いと言えば良いのか、弓場さんから逃げるのは割と簡単で電磁波を見て次に何処に逃げれば良いのか決めるだけであっさりといけた。

 

「何処だ、何処にいる三雲ォ!!」

 

 10分、約10分の間、廃ビル内での鬼ごっこをし続けていると痺れを切らしたのか叫ぶ弓場さん。

 どれだけ遅くても、なにかの拍子で鉢合わせをする筈なのに一向に鉢合わせをするどころか足跡すら辿れない。その事について少しだけ弓場さんは苛立っている。

 声の振動なんかで変化した電磁波には苛立ちの感情が混ざっているが、その感情はとても薄い。

 

「明らかに誘っているっすね、弓場さん」

 

「三雲くんが逃げまくるからだよ」

 

 この光景を外で監視カメラ経由で見ている京介も宇佐美もこれが誘いの釣り針だと分かる。

 

「三雲くんが、なにかしらしてくるんだったら自陣で待つのが一番だよね……奇策って、基本的に返し技みたいなものだし」

 

「そーなると、いよいよやべえぞ、あいつ」

 

 国近先輩と米屋も釣り針だと気付く。

 弓場さんは私が出てくるのを廃ビルにある部屋、ではなく直角の曲がり角がある通路前で待つ。自分から動いても意味は無いと、待ちでいく。

 

 定石を打ってこそ、奇策は奇策になる。いきなりの奇策は奇策にはならないし、使い続ければそれが定石になる。

 

 つまりのところ定番やお約束の中に、意外性のある作戦を入れることにより奇策は生きる。普通に撃ち合ってる中で、そんなことするか?と予想外の一手を入れれば勝てたりする。

 非常に面倒なことにこれは開幕からの奇策でなく後手に回る奇策。奇策は意外性があるから奇策であり、弓場さんは私が奇策をしてくると思っており、自分が一番戦いやすい場所で待ち、動かないという手に出ている。

 自分からアプローチをかけての、奇策は非常に難しい。奇策にまで誘導するのが特に面倒だ。来るとわかっていれば怖くないのだから。

 

「やるしかないか……」

 

 我慢比べをしても良いが、それをすれば運営側からなにか言われる。

 膠着状態を抜け出す為に私は弓場さんがいる階まで移動し

 

「あ!!」

 

 大声で叫んでみるも、反応は無し。

 かかってこんかと弓場さんは完全に出待ちをしており、何時でも得物を抜ける様にしている。

 

「……まだまだ、試合があるんだがな」

 

 この試合が終わったら、次は筋肉チームとのバトル。

 ここで無茶はしたくはないのにと覚悟を決めて、私は歩く。

 

『遂に膠着状態を解く、三雲。だが、弓場はボーダーでも屈指の銃手。真正面からの戦闘はおおっと!!』

 

「真正面から行くしかない!!」

 

「真っ向からは嫌いじゃねえ。ただ、相手は悪いぞぉ!!」

 

 弓場さんがいる真正面に姿を現すと、物凄いまでに早く洗練された動きで銃を抜いてきた。

 これは今から抜いても間に合わない。確実にこっちが負けると銃を抜く動作は一切せず、倒れこむ様に前に進むと狙いを定めて引き金を引いた弓場さん。

 ビームピストルは常人には見えない光線を放つのだが、生憎なことに私にはそれが見える。私のサイドエフェクトは視覚強化。単純に遠くのものが見えるのだが、本質はそこではない。常人には見えない赤外線や紫外線などが見える。

 

「本物の銃ならば、負けていたがまだだ」

 

「んだと!?」

 

 空中でクルリと横に二回転とアクション映画を思わせるかの動きをし、一直線に飛んで来るビームピストルの光線を避ける。

 見ることすら出来ない弾を避けたことを驚いてくれたが、弓場さんは直ぐに引き金をもう一度引こうとするので私は羽織っているコートを脱いで真正面に投げる。

 

「ッチィ!!」

 

 コートにより視界が狭くなり、私の姿が見えなくなり銃を撃たない弓場さん。

 一発目を避けたお陰で弓場さんに三雲は弾を避ける事が出来るという印象をつけることが出来た。ボーダーのトリガーでならば、力技でコートごと撃ち抜くが、ビームピストルではそれが出来ず更には弾数も最初から限られている。

 狙うならばここしか無いと銃を抜いて真横に移動した。

 

「そこかぁ!!」

 

「っちぃ!!」

 

 考え方を間違えてしまった。

 あくまでも弓場さんは見えないから撃たないだけで、見えるのならガンガン撃つ。

 弾切れを狙うのでなく、攻めに来ていると分かっているならば何処かで姿を現して攻める。見えて銃が届く範囲は、この人の射程圏。姿を少しでも現せば撃たれるのは当然だ。

 

「って、それも避けるのか!?」

 

 弓場さんが撃った弾をマトリックス避けからのロンダートバク中で避ける。

 フィジカルの差があるからなんとかいけているがトリオン体ならばもう何度も負けているな、私は。

 モニター越しで私の動きを見ている米屋は何時私が撃たれてしまうのか物凄くヒヤヒヤしており、冷や汗を握っている。

 

「避けることが出来るのはスゴいっすけど、防戦一方ですね……弾切れ狙い、じゃありませんし」

 

「バッカ、弓場さんがんな初歩的なミスするわけねえだろ……お、動いた」

 

 これ以上弓場さんの前にいれば些細なミスを犯して負ける。

 脱ぎ捨てたコートを回収することが出来ず、私は弓場さんの前から姿を消して呼吸を整えようとするのだが、弓場さんの足音が聞こえる。

 

「考える時間を与えてくれませんかね!!」

 

「誰がやるかぁ、そんなもん!」

 

 防戦一方の私を追いかける弓場さん。少しでも時間を与えればなにかしらしてくると踏んで、時間を与えない。何時でも潰せる様にとしており、私は階段を跳んで下の階に降りて何故か起動しているエレベーターに乗った。

 

『弓場を振り切った三雲、まさかのエレベーターに搭乗!

弓場は三雲がエレベーターに乗ったことを確認、さぁ、これはどうする?』

 

「鬼ごっことかくれんぼはおしまいだぜ、三雲ォ!」

 

『おおっと、弓場は三雲と同じく跳んで下の階に移動!

エレベーターのボタンを押して、待ち伏せ、いや、また下の階に降りていった!!』

 

 エレベーターに入った時点で鬼ごっことかくれんぼは終わった。

 弓場さんは下の階で待ち構えている。勝負はエレベーターのドアが開いた瞬間で、その勝負は私の方が少しだけ分がある。サイドエフェクトのお陰で、弓場さんが何処にいるのかが分かる。

 

「!」

 

 チーンとベルが鳴り、エレベーターのドアが開いた。

 ドアの向こうには弓場さんがいない。見えないところに隠れているというわけでもなく、単純にこの階にいない。

 

「下の階……これ以上なにかをするのは無駄か」

 

 何故弓場さんがいないのか、直ぐに理解した。

 何処かの階で待ち受けていて、それまでに油断を誘うなどの精神を揺さぶる行為。ここでエレベーターを降りて階段を使って下の階に行ったとしても、階段を歩く音で嫌でも気付く。エレベーターは階段の直ぐ側にあり、階段から奇襲をかけたとしても弓場さんが直ぐに対応できる距離だ。

 勝負するしか無いと我慢比べや鬼ごっこをすることを止めて、私は閉ボタンを押して下の階に行く。

 

「あれだね、1、2、3で撃つやつみたいになってるね」

 

 1、3階に弓場さんはいない。

 

「あれってファストドロウって言うらしいですよ」

 

 2、2階に弓場さんはいない。

 

「じゃあ、弓場さんはそのファストドロウ最強……」

 

 3、一階に弓場さんはいた。

 

「終わりだ、三雲ォ!!」

 

「と、思うじゃん?」

 

 狭いエレベーター内ではアクロバティックな動きは出来ない。体の大きな私では身を隠すことが出来ない。

 弓場さんはドアが開くと同時に二丁とも残りの弾が一発になるように乱射するのだが、弓場さんの目には私が写らない。

 

「っ、降りたのか!」

 

 私がエレベーター内部にいないと直ぐ様、階段に振り向く弓場さん。

 するとエレベーターの内部からドシンとなにかが落ちる音が響き、ブザー音が鳴り響く。

 

「……てめえ、エレベーターの上にいたのか?」

 

「ええ……真正面で待ち構えている弓場さんの死角になるところに隠れていました」

 

 例えるならば、そう。

 吉田沙保里のALSOKのCMの様に壁と天井に腕と足の力だけで張り付いていた。真正面にいる弓場さんが絶対に見えない、弾が当てらない位置にだ。

 

「つーことは、何階か写し出す液晶パネルがある入口より少し上の壁と、それに近い天井にはりついてたのか」

 

「一発で見抜きますか……」

 

 百戦錬磨の強者、半端ねえな、おい。

 弓場さんの策を奇策で返したから、どうにかこうにかなったが真正面から真っ向で挑んでいたら負けていた。

 嵐山さんの試合終了の放送が入ると私達は廃ビルを出ると、米屋達が待ち構えていた。

 

「三雲、よくやった!!」

 

 バシバシと私の背中を叩いて褒める米屋。

 凄くアレな話だが、私が勝ったから一回戦はもう終わって、こいつの出番が無くなったぞ。

 

「勝てて、よかったよ~」

 

 これで次に進めると涙する国近先輩。

 

「京介、どうした?」

 

 宇佐美もやった!と喜んでいる中、京介は無言で私をジッと見つめる。

 なにかを言うべきか言わないべきかと悩んでいるので訪ねてみると、口を開く。

 

「三雲さん、見えていたんですか?」

 

「なにがだ?」

 

「弾が何処に飛んで来るか」

 

「……それはどういう意味でだ?」

 

「ボーダーの銃でもそうですけど、銃口の向きだけで弾道は大体分かります。実弾の場合だと風速とか気温とか湿度とか衝撃の際にどれだけ手がぶれるなど、色々と考えないといけず、大体で正確な位置は分からないものです……三雲さん、マトリックス避けで弾を避けてましたよね?ビームピストルは音こそしますが、弾は出ませんし、弓場さんの早撃ちだと銃口から何処を狙ってるのか察するのは……」

 

「京介……出水や米屋が時折ポロっと溢すが、私はサイドなんちゃらがあるらしいぞ」

 

「!」

 

「それがなにかは知らないし、なんであろうとボーダーには入らないがな」

 

「そんだけ動けんのに、勿体ねえな。入れよ、ボーダー」

 

「いずみんと一緒に太刀川隊の席を用意してあげるよ~」

 

「そうなると自爆するしかねえな」

 

 弓場さんの弾を避けれたのはサイドエフェクトとフィジカルのお陰。

 そういうことだと京介に納得させたのだが、米屋がボーダーに入れとしつこく言ってきた……こいつ、ラーメン屋での一件、忘れてるのか?

 弓場さんに勝利したことにより、引き分けの2戦も勝利した扱いとなり一回戦を勝利した。




三雲■■


ポジション (ネオ)完璧万能手(パーフェクトオールラウンダー)

MAIN TRIGGER

弧月
旋空
アステロイド
シールド(改)

SUB TRIGGER

レイガスト(改)
スラスター
バイパー
シールド(改)

トリオン 19(?)
攻撃 17
防御・支援 10
機動 13
技術 15
射程 6
指揮 7
特殊戦術 7


TOTAL 94


弾バカ「え~っと、当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話なんだけどこれは……」

餅川「あいつの標準的な装備らしいぞ」イソベモチモグモグ

弾バカ「ぬぅおぁ!?太刀川さん、遂にこっちの時空に来たんですか!?」

餅川「驚きすぎだぞ、出水」イソベモチモグモグ

弾バカ「いやだって、基本的に槍バカ、メガネ(兄)、メガネ(弟)、実力派エリート、弾バカで進行してるんで」

餅川「お前が固定レギュラーになってっから、呼ばれたんだよ。てか一回、小南がやって来ただろ。今日はこいつの標準的なトリガー構成についてだ。ほら、進めるぞ」

弾バカ「あ、はい。見た感じ村上さんみたいにレイガストを盾にして弧月を使って戦う、モンハンで言う片手剣みたいに戦うんだけど、なんだこれ?バックワーム入ってないぞ?全部隊の全隊員、バックワームかバックワームタグを装備してるのに……村上さんと若干似たトリガー構成なら、バックワームを入れるはずなのに」

餅川「いや、考え様によっちゃありだぞ、これ」

弾バカ「?」

餅川「三雲は全部のトリガーを10000越えクラスのエースレベルで使いこなせる。
サイドエフェクトで狙撃はあんま効かないし、広い視野も持っていて、混戦や乱戦にも対応できる強さを持っている。
攻撃手がトリオン兵と戦う時にはバックワームはそこまで重要じゃない。近距離に近づかないといけないから、嫌でも視界に入る。バックワームが仕事をするのは、主に対人戦の、それこそ部隊で戦うランク戦の時だ」

弾バカ「だったら尚更、必要っすよ」

餅川「そこを少し変えてんだ。こいつは多対一でもどうにかなる強さを持っていて、狙撃も効かない。それを生かす戦法だ」

弾バカ「影浦先輩みたいに活躍する?」

餅川「それもありっちゃありだが、それなら影浦と同じでバックワームありでもいける。
ランク戦がスタートするだろ、そん時に全隊員がバックワームを起動してたらどうする?」

弾バカ「メガネくんの所だったら、合流してワイヤー陣営を作る。冬島さんのところだったら、罠を仕掛けまくる……けど、それ以外になると」

餅川「全員がバックワームを起動してると、試合が停滞する。
まず何処に誰がいるのかを探すところからスタートになるから、下手すれば逃げまくるだけで試合終了とかもありえる」

弾バカ「うわ~考えたくね~」

餅川「だろ?ランク戦は誰かがバックワームを起動せず、戦いの起点とならなきゃなにも始まらない。
こいつがココにいるからこうしようああしようのきっかけが大事で、そのきっかけとなる役目を担ってんだ」

弾バカ「でも、それだと狙われまくる……ああ」

餅川「全部が10000越えで何でも出来る視野が広いやつだぞ?
米屋や緑川なんかの8000以上10000未満の攻撃手が集中狙いで襲ってきても対応できる。北添や水上みたいな銃手、射手に襲われても弟みたいにレイガスト(盾)+アステロイドorバイパーをして対応できる。二宮や里見みたいに10000pt越えの中でもトップクラスのやつをぶつけるぐらいをしないとどうにも出来ない。戦うことをしない逃げの一手を選んでも、あいつはその気になればサイドエフェクトで何処に誰がいるのかを探し出すことが出来る。
試合開始と同時に三雲と鉢合わせをしないように遠くに移動する、隊のエースを三雲にぶつけにいく、仲間同士で合流するのどれかになる……まぁ、オレ達とやった場合、オレが斬りにいくからなんの心配も無いけどな!」キラーン

弾バカ「おぉ……今日ほど太刀川さんが味方で良かったとあいつがランク戦に興味なくてよかったと思った日はないです」

餅川「はっはっは、褒めても餅ぐらいしかないぞ?」

弾バカ「いりません」

餅川「因みにシールド(改)の方はシールドの出せる射程範囲を広げたり、固定モードを弄ったりしてるみたいだぞ。オレも詳しくは知らないが、特別な改造とか新しい機能をつけたとかそういうのじゃないみたいで、B級でも許される改造で、グラスホッパー無しで機動力13なのもその為らしい。レイガストもB級でも許される改造で……なんか、盾モードの方を少し弄くったとかどうとかで米屋み━━」

弾バカ「太刀川さん、それ言っちゃいけないネタバレ的なやつ!!」

餅川「あ、わり。とにかく、三雲の標準的なトリガー構成はこんな感じで、バックワーム無しはある意味ありだ。
ボーダーでも弓場隊の帯島と早川隊の早川しかいない攻撃手兼射手の万能手(オールラウンダー)で、熊谷とか加古とか小南とかは似たようなことは出来るけど万能手じゃないから何気にこいつはスゴいぞ。ところでこれ、何処の隊に入るときのトリガー構成だ?」

弾バカ「え、聞いてないんすか?」

餅川「資料だけ貰っただけで、詳しくは聞いてない。考えろってやつだろ?
これ何処だ?うちの隊にはぶっちゃけいらないぞ。唯我自爆スイッチ(試作品)のトラッパー兼スナイパー構成が一番必要だ。唯我を自爆させるしかねえよ」

弾バカ「太刀川さんとおれがいるから、強い攻撃手、射手、銃手、万能手が増えてもそこまでパワーアッブにならないすからね……唯我自爆させた方がまだ役立つ」

餅川「当真のところだと、逆に使えるな。
冬島隊はバックワームを常時使ってるみたいなもんだから、むしろ狙われる奴がいた方が便利だ」

弾バカ「あいついるとうちが2位に転落しそうっすね。
てか、元から強いA級に強い奴が加わっても面白味に欠けませんか?」

餅川「じゃあ、B級だな。
弟の隊に向いてるトリガー構成だけど、絶対に入らないらしいから……二宮のところか?」

弾バカ「二宮さんのとこだと、自力で点を取るんじゃなくて二宮さんサポートするって言ってましたよ。射手の王、二宮さんの領域内、二宮王国(キングダム)を作るんだとか」

餅川「いや、なんだよ二宮王国って……これ構成的に大抵の部隊いけるな。次回もお楽しみに」

弾バカ「それ、おれの台詞!」

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯

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