最後の最後で出水と鉢合わせしたものの、それなりに楽しめて満足がいったお年玉企画。
厄介なの(実力派エリート(セクハラ魔無職))には目をつけられることはないと占いに出ていたので、特に何事もなく冬休みを過ごし、三学期が始まった。
とはいえ、1年生である私達には激的な変化は特になく割と普通に過ごしている。忙しいのは3年で、進学就職色々とある。
「今日は特別、スフェファフヘー、一年いふぃふぉの━━━」
「珍しいな、お前が歩いて登校だなんて」
明日に学年末のテストを控えた私達1、2年。
国近先輩は今先輩に泣きついているところを昨日見ていたが、来年も見そうな光景だが、そんなことはさておいておこう。2月14日、本日はバレンタインデーである。
今日は原付で登校するよりも歩いて登校した方が吉だと朝と自分の占いで出ていたので歩いて登校していると三輪と遭遇する。
「今日は此方の方がなにかと良いと朝の占いに出ていたんだ」
「占い……そういうのを信じているのか?」
「案外、こう言うものはバカにできないぞ。
大抵は胡散臭い偽物だが、稀に本物がいる。その本物は恐ろしい」
本物の霊能力者はもしかするとサイドエフェクトを使用しているかもしれない。
三輪に意外そうな顔をされるが割とそういうのは好きなんだ。神様の存在だって信じている……信仰はしないが。
三輪と一緒に学校へ向かうべく歩いていると、三輪の目には私の鞄……でなく、紙袋に目が入る。
「もうチョコを貰ったのか?」
「いや、私はまだだし学校で誰からも貰うつもりも無い。三輪の方は……貰える相手とかいるのか?」
「オペレーターの人が隊員分を用意していたし、ボーダー関係で色々と貰える……奈良坂はたけのこの里に決まっているが」
「それ見方によっては手抜きだぞ」
確かに、確かに、奈良坂ならば喜びそうだ。
私もアルフォートを貰ったら喜ぶからなんとなくでその気持ちが分かるが、今日は誕生日とかでなくバレンタイン。そこは100歩譲って手作りにたけのこの里擬きを用意しないだろうか?
大量購入をしたり、それだけしか渡さなかったら、体裁を保つ為のチョコかなんかだと思われる。
「その紙袋はいったい……」
「編み物セットだ」
チョコが貰うつもりがないならばと紙袋を気にする三輪。
中に入っているのは面白くもなんともない毛糸や棒針なんかの極々ありふれた編み物のセットで、チョコのチの字も入っていない。
「お前、編み物が出来るのか……」
「手先が器用だから、こう言うのは得意だ。今、弟と一緒にホワイトデー用のお返しを作っている。
母さんが「チョコを作ったところでカカオからじゃなくて既製品を溶かして別の形にするだけでしょ?だったら、編み物にしなさい。編み物に」って、言い出して弟は手袋を、私はセーターを作っている」
「要求してきたのか、お前の母親?」
「いや、弟に今年のホワイトデー、彼女になにを返せば良いのか相談してたらそれが良いわってなった」
「!?」
「あ、弟の方は幼馴染み(意味深)へのホワイトデーのお返しだから勘違いをするな」
「待て、三雲!お前、かの━━」
「おいーっす!!」
「よね……どちら様ですか?」
校門が見えた辺りのところで、見知らぬ男子に声をかけられる。
無駄にイケメンだな~でも、私、こんなイケメンと会話したことないからしらないや~(棒読み)
「オレだよ、オレ……槍バカだよ」
「それは私に通用しないからな?」
イケメン(笑)はカチューシャをつけると米屋になった。
日頃からカチューシャ、それこそトリオン体でもカチューシャをつけているのになんで今日はカチューシャをつけていないと聞こうとすると米屋は先に口を開いた。
「バレンタインだな、今日は。月見さんと栞以外から何個もらえっかな?」
「既に二つ貰える時点でありがたく思えよ……」
「ばっか、ああいうのは日頃のお礼とかのチョコだよ。
そういう感じのチョコなんて今まで何個も貰ってるから、カウントしねえよ」
「世のために殴られろ、槍バカ」
割と綺麗所からチョコを貰ってて、カウントしないのは色々な意味で失礼だ。
今日で全ての決着をつける覚悟を決めて私は登校しているんだぞ。本当なら引きこもってセーターを作りたいのを我慢しているんだ。
「陽介、なんでカチューシャをつけない?」
「バカだな、秀次。
今日はバレンタインデーだぞ?カチューシャをつけてたら、オレのカッコ良さが半減するって栞が言ってたんだ……外した方が多くチョコを貰えるだろ?」
「三雲、こう言うのは数日前から仕込むものじゃないのか?
髪をおろした姿を見て、カッコいいは、まだ分かるが、当日におろしたとしても特に効果無いだろ」
「本人、これならイケるとノリノリだから放っておけ。
米屋、バレンタインデーだからって浮かれるのは勝手だが明日からテストだ、大丈夫なのか?」
「……お、出水が居るぜ!!」
このやろう、逃げやがったな。
米屋は下駄箱前の入口を隠れて覗いている出水に向かって走っていった。バレンタインデーと明日からテストなせいで、色々と解放してるな米屋。
私と三輪は米屋を追い掛け、ヒソヒソと隠れて下駄箱前にいる出水に声をかける。
「なにをしてる?」
「見て分かんねえのか!下駄箱前でスタンバってんだよ……」
「朝の5時からスタンバってるらしいぞ」
充血した目で私を睨んでくる出水。
出水の手には紙袋が握られており、中には綺麗にラッピングされたチョコレートが入っていた。
「何個、何個だ?今までに何個入ってた!?」
「……4個だ」
「おぉ……結構貰ってるじゃねえか」
貰ったチョコの数がかなりリアルだな。
朝からスタンバってこいつはなにをしているんだと思いながら私は自分の下駄箱に向かうとなんか靴が下駄箱の上に置かれていた。
「靴を上に置けばいいか」
「ちょっと待てえい!!」
「なんだ、出水?5個目のチョコレートを入手することが出来たか?国近先輩のはノーカンだぞ」
「手にいれてねえし、柚宇さん去年チョコを買ったのは良いけど、ゲームのつまみに使って食っちまったからそこまでの期待はしてねえよ」
靴を脱ぎ、上履きに履き替えて教室に向かおうとすると出水に捕まる。
出水は額に血管をピクピクと浮かべており、私を強く睨んだ。
「お前、三輪よりもパンパンに入ってんだろうが!開けろよ、なに素通りしようとしてんだ!」
「いや、例によって最初からガン無視する方向で行こうかなと……翌日まで放置されてたら、諦めてくれるだろう」
好き6、嫌がらせ4の割合でチョコレートが入っている。
これら一つ一つ処理をしていくのは容易でないと、ここはガン無視して二日目になってもこの状態でフラれたと思わせる作戦でいく。これほどまでに楽な作戦は存在しない。
「ラブレターの時もそうだけど、お前のそういうところおかしい」
「バレンタインデーでチョコもらえてヒャッハーしているお前もだろう。
友チョコとか体裁を保つ為の義理チョコならばまだしも、ホモチョコと本命のチョコが複数入ってたらどうする?
しかもその本命チョコがモ□ゾフとかゴデ○バとかの結構ガチ目か、手作りチョコだけどホワイトチョコで愛してますと書かれてたら、どうする?」
「っぐ……」
「今は仕事一筋なんですとかいうのか?
そんなん言ってると確実に行き遅れになるぞ、S村さんみたいに」
「おい、やめろ。ローキックくらってもしらねえぞ!」
「で、どうするんだ?見た感じ、本命入ってるぞ?」
悪ふざけをするのはやめて、真剣な顔で出水に詰め寄る。
その中に義理ではなく本命のチョコが複数入っている。その中だけじゃない、今日、後何個か本命のチョコを貰える。○ディバとかモ□ゾフとかの有名な会社のチョコの本命チョコ……どうするんだ?
「三輪と米屋は今はボーダー一筋だから無理だと言っても許されるがお前は許されないぞ」
「なんの差別!?」
「三輪を見てみろ」
おれもその手を使いたい。
その手ならば許されると思っているのだが、お前にその手は似合わない。三輪を見ろと、チョコレートを女性の先輩(ボーダーと無関係の人)から受け取っているが、三輪は突き返して謝った。
先輩は何処か納得した悲しげな表情で去っていった。
「ついでに米屋もだ」
今度は米屋を見せる。
アイツも告白をされてはいるものの、笑いながら「悪いな、今は恋愛よりもボーダーで色々とやりたいんだ。気持ちは嬉しいんだけどな~。オレよりも良いやつはいっぱいいるから、振ったオレが妬むぐらい幸せになれよ」キラーンと綺麗に断っていた。あいつ、一般教養は手遅れだがこういうことに関してはフォロー上手いな。
「三輪ぐらいに哀愁漂わせるシュールな形か米屋みたいにコミカルを感じさせる爽やかさでいくか、どっちでも良いがどっちかに片寄ってやらんといかんぞ。ボーダーだからって言って断ってA級で彼女持ちの奴が現れれば言い訳にしかならない」
「おまっ、お前なんで今そんなことを言うんだ」
「愚か者が、今だから言うんだ!もう私も君も高校生なんだぞ、その辺を考えないとダメだろう。子孫繁栄とかそういう感じの除いても、考えないと……で、振るの?」
私の言葉にプレッシャーを与えられたのか、何度も何度も視線がチョコに向いていく出水。
この中に本命があるのかと慌てており、どうすべきかと三輪と米屋を見て考える。シュールに、シリアスに断るのか、コミカルに爽やかに断るのかは自由だ。
「まぁ、私個人の意見としては作った方が良いと思うぞ。
イケメソに彼女が出来て仲睦まじくヤってるのは、一人の友人として嬉しいことだから。
ボーダーって出来高で、給料が物凄く良いんだろ?だったら、A級の出水はデートしておれが出すってカッコつけれるし、そこそこ高いプレゼント出来るから出水の彼女になる人は幸せ者だ」
「やめろ、やめろよぉ、なんで今そんなことを言うんだよ……」
真の悪よりも時として質の悪い理由なき悪意が出水を襲う。
普段は常識人とバカの境界線にいる癖に、いざ彼氏彼女の関係の話になると此処までチキるのか、この男は。
「さぁ、先ずはこれで頑張れ」
チョコのラッピングに残留する電磁波から見分け、出水が持っている袋から本命のチョコを取り出す。
これが本命だぞと遠回しに言っているのを理解した出水は滝の様に冷や汗をかいて震えて、胃を苦しめるのだが、なに一つサポートせずに見捨てて教室に向かい、授業の用意をしていると机の中に幾つかチョコが入っていた。
「あの一件で、好感度が下がったと思ったんだがな……日頃の行いの悪さか?」
「普通は逆じゃないのか?」
こういうのを日頃の行いの悪さというんだ、三輪。
残留する電磁波からして、知り合いから貰ったチョコじゃない。
一つだけ全力の嫌がらせで、後は割と本気のチョコ……前にラブレターを貰った時と同じ人からだ、これ。
会うつもりすら無いので誰かは知らない、不必要だと持ってきたビニール袋(近所のスーパーで一番大きいやつ)に入れて雑に封をする。
「余った毛糸でたわしとか作ったら母さん、喜ぶだろうか?」
「男子高校生が言う台詞じゃないぞ」
「そういうのはやめろ……今日か明日って焼却炉使えるか?」
「あくまでも、見ないつもりなんだな……いや、見たり受け取ったりするのはダメだと思うが」
机の上に置いてあるのは完全に燃やす方向で進めるのだが、納得してくれる三輪。
「頼むから、ベラベラと言うなよ。
影先輩しか顔を知らない……米屋とヒカリには死んでも言うなよ。むしろ言うぐらいならば死ね」
「どれだけあの二人に知られたくないんだ……」
「三輪、目を閉じて考えてみろ。
もしこの事を知ってしまった米屋とヒカリを……出水辺りは写真を見せれば済みそうだけど、米屋は10:0でアウトだ」
「……最速で1時間で、広まってる」
嘘だろ、嘘だと言ってくれ。
私の想像だと最速でも3日で全員が知るのに、付き合いの長い三輪ならば最速で一時間か……知りたくなかった。
これは絶対に知られてはならないなと思い、私は紙袋から針棒と毛糸を取り出して授業が開始するまでセーターを編む。
「確実に毛糸足りなくて、新しい毛糸を買ったら余って、小物作ろうとしたら足りなくて新しい毛糸を買ったらの無限ループ突入か……」
編み込みの量と残りの毛糸からして無限ループに入る。
ボッスン並の手先の器用さがあって、凝ったものを作りたくなるパターンに入る前兆を感じていると教室が少しどよめく。誰か来たのかと思っていると三輪が話し掛けてきた
「三雲、お前に客だ」
「むしろお前から来いと言ってくれ」
「だそうだ……これ以上、俺が面倒を見る義理は無い。後は勝手にやってくれ」
私に客なんてロクなもんじゃない。
雑な対応をするのだが、三輪はこれ以上はごめんだと私を見放していき、自分の席へと戻る。
それと同時に足音が聞こえ、教室が静まり返る。誰かが来たんだなと編み物から入ってきた人に視線を向けると、席の前には小佐野がいた……ので、もう一度、編み物を再開した。
「え、無視とか酷くない?」
「チョコもらっても、ゴミィヴァコ行きだからな」
私のドライな対応を舐めてもらっては困るぞ、小佐野。
実力派エリート「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定というなの裏話!今日は万能手について説明をするぞ」
メガネ(兄)「今更必要か?
ぶっちゃけ、公式の方も質問コーナーぐらいでしか万能手について説明してないぞ。銃も剣も行ける奴ぐらいの認識だぞ」
実力派エリート「まぁ、大体それであってるからな。
メガネ(兄)「オールラウンダーなのに、遠距離は省いているのか」
実力派エリート「まぁ、確かに近付いたり動き回ったりする攻撃手や射手と違って狙撃手は基本的に遠距離で待つから、役割が大違いだから省いている節はある。それ以前に単純に難しいのもある。
近距離、中距離、遠距離を含めて全ての距離がマスタークラス(8000ポイント以上)で戦闘出来る
メガネ(兄)「だが、前回あの二人が言った通り残り2枠だぞ?
両方ともサブトリガーで銃手のトリガーを入れたとしてそこに旨味はあるのか?ぶっちゃけ、レイジさんのトリガーじゃないと完璧万能手として活躍できないし、肝心のレイジさんも狙撃手用のトリガー入れてない……完璧万能手の理論が完成したとして、それはもう器用貧乏で納まるだけじゃ?ニノさんや出水みたいにめっちゃ射手ですな人と相手になれば……」
実力派エリート「そういうことを言ってるから、荒船から苦手意識を持たれるんだぞ。
そういう相手には狙撃手として戦って、攻撃手には銃手として、狙撃手には攻撃手として戦う三竦み方式で戦ったり出来るだろ?」
メガネ(兄)「それ万能手相手だと通じないぞ。
ところで、気になったんだがこの万能手をやってる人はほぼほぼ攻撃手兼銃手の万能手だな」
実力派エリート「ん~まぁ、そうだな。射手は頭を使うし、状況判断能力とか空間認識能力とかに優れてないと出来ない。対して銃手は銃を抜いて向けて撃つだけでどうにかなるから、楽で皆そっちになる。攻撃手兼射手の万能手はボーダーでも物凄く珍しい。因みに射手に必要な能力が無いのを理由に射手を諦めて、銃手をやってたら銃手ナンバー1になったのが里見だぞ」
メガネ(兄)「いったいなんなんだ、攻撃手、射手、狙撃手、銃手トップ達は。なんでこうも濃いメンツなんだ。個性がなにかと強すぎるだろ」
実力派エリート「全部の武器を10000ポイント越えのレベルで使いこなせる奴にだけは言われたくないな~。
オレも太刀川さんも弧月とスコーピオンなら10000越えはいけるけど、レイガストで10000越えれるの雪丸だけだぞ、攻撃手のトリガー3つとも万越えは無理だろ」
メガネ(兄)「
実力派エリート「自慢にしか聞こえないな~」
メガネ(兄)「そう思うんだったら、お前も目指せば良いだろ。
トリガーの枠が一つだけ開いているんだし、玉狛には色々とトリガーがあるんだろ?普段使っているノーマルトリガーとは別の狙撃手構成のトリガーとか射手構成のトリガーとか用意してもらえば」
実力派エリート「オレには攻撃手があってるよ。
黒トリガーの風刃も攻撃特化の黒トリガーだし、サイドエフェクトで未来視ながらの射手とか隙だらけになって絶対に無理だろうし」
メガネ(兄)「そうか……次回もお楽しみに」
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