メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第28話

「ボーダーの、罪だと?」

 

 Wの決め台詞中の決め台詞を風間隊に言うと、風間さんは考える。

 ボーダーになんの罪があるのかを、私がその事について言いにきたのかと考えるのだが考えたところで答えは出ない。

 

「お前達に言っても無駄だったな」

 

 目の前にいる風間隊は総合三位で攻撃手二位の風間さんが率いている全員が近距離戦闘が可能でカメレオンというオプショントリガーを使い透明になり相手に近付いて奇襲をしたり、菊地原の強化聴覚で目以外の五感を使い相手を探知が出来るボーダーでも屈指の実力を持つ部隊。

 だが、あくまでも戦闘員に過ぎない。見た目は子供だが年長者としての自覚はあり、上層部の信頼も厚い人物だがそれでもただの1隊員、1戦闘員。

 現場での権限はそこそこあっても、それ以外では特にこれと言った凄い権限を持っているわけでもなんでもないとスカルマグナムを取り出し、3人の足元に撃つ。

 

「胡散臭いコスプレ、じゃなさそうですね」

 

 スカルマグナムで撃ったところには綺麗に穴が開いていた。

 トリガーマグナムのコンパチブルかと聞かれればそうで玩具にしか見えないスカルマグナムは正真正銘の銃であると歌川は納得をし、風間さんにどうするかと聞く。

 

「今は時間を掛けている暇はない。最短で倒す。三上、念のためだが上に報告を頼む」

 

『分かりました』

 

 普段から戦っている近界民(トリオン兵)と大きく異なり話せる人間だったが、スカルマグナムの弾を撃ったことにより、風間さんは私と戦うことを決め、目の前にいるのが未知のトリガーを使う存在の為に万が一を想定してオペレーターの三上に通信をする。

 

『風間さん、目の前にいる未知の近界民がですが、此方側のレーダーには一切写って居ませんので注意してください』

 

「視覚以外での完全なステルスか」

 

「風間さん、僕だけ先に行っておきますか?

鳩原さんは狙撃手で人撃てないから近付けば簡単に倒せますし、横領品を持ってる人達は素人だからカメレオンの奇襲で僕一人でも全滅させれますよ」

 

「行かせると思っているのか?」

 

 時間は既に充分に稼いでいるが、万が一が恐ろしい。

 私を無視しようとする菊地原にスカルマグナムを向けて、何時でも撃てるようにする。

 

「……相手は未知のトリガー使い。

事件の鍵を握る可能性が高い。全力で迅速に倒した後に誰か一人が残って、二人で鳩原達の元へ向かう」

 

「でしたら、俺が残ります」

 

「決まりだ、いくぞ」

 

「随分と待たせてくれたな」

 

 切羽詰まった状況で、下手に人員を増やせないのは分かっているが無駄な会話で撃ち抜く機会は何十にもあったぞ。

 

「ああ、だがもう終わりだ」

 

「地面に剣があるからか?」

 

 スカルマグナムで足元のコンクリートを撃ち抜くと刃の欠片の様な物が飛び散る。

 どうするか話し合っている最中に風間さんがスコーピオンをもぐら爪で足を刺そうとしていたが、最初からお見通しだ。

 

「!」

 

 足の裏から刃を出して地面を突き刺すもぐら爪。

 来ると分からない限りは、警戒することぐらいしか出来ないものをいとも容易く見抜きスコーピオンを破壊した事に驚く。

 

「驚いている様だが、この程度では困る。

お前達は明確に見える悪を倒している組織としてアピールしているが、実際は隣接する世界と戦争をする軍隊だ。

この数年の間でお前達は牙を磨いているかもしれないが、それは此方も同じ。力をつける余裕があるということは相手側にも同じ余裕があるということ。攻める側でなく受け守る側に立っているお前達の手の内は直ぐに分かる」

 

「既にオレ達の対策済みということか」

 

「お前ごときに対策らしい対策は必要ない」

 

 余計な事を敢えて教え最後に挑発をいれると苛立つ風間さん、よりも苛立ち怒りを見せる菊地原と歌川。

 ごとき発言が思いの外、効いたと見ているとアイコンタクトを取って風間隊の三人はカメレオンで姿を透明にした。

 

「なにせ、それが俺に対して1番の悪手だからな」

 

 銃を使う骸骨野郎。

 今のところ私に対するイメージはそんな感じで、銃で戦うと考えてカメレオンで姿を透明にして奇襲を仕掛けるつもりだろうが、それこそが1番の悪手。

 スカルマグナムを3連発し、真っ先に倒さなければならない相手を……歌川の足、心臓、頭を撃ち抜いた。

 

「そいつは便利だが、デメリットがデカ過ぎる。

奇襲を仕掛けるのは良いが、初見の相手に効かない可能性を考慮していないのは二流。情報が漏れている時点で対策をされている可能性を考慮していないのは三流だ」

 

「っ、すみません!」

 

『トリオン供給器官破損、トリオン伝達脳破損、活動限界、緊急脱出(ベイルアウト)

 

 真っ先に倒さなければならない歌川は緊急脱出で、ボーダー本部へと強制帰還していった。

 私にカメレオンは効かない。サイドエフェクトは視力強化で、遠くの物を見ることよりも動体視力が強くなり、見える光が増える。光学迷彩に近いカメレオンで姿を消したとしても、私の目にはくっきりと姿が写って見える。

 

「次は纏めてだ」

 

 単純な個としての実力ならば風間さんの方が危険だが、この人と菊地原はリーチがない(BBFで両者ともに射程1と表記)。

 万能手の歌川はメテオラとアステロイドを装備している。スコーピオンの近接戦闘を避けてアステロイドとメテオラ主体で戦い、風間さんと菊地原が距離を詰めてくれば戦いにくい。

 そんな歌川はもういないとトリオン供給器官を狙いスカルマグナムを撃つのだが、歌川がやられたのを見てカメレオンを解除して姿を現し、シールド(極小二重)を貼って防ぐが物凄くヒビが入る。

 4、5発連射すれば壊れそう……そういえば、私のトリオン量ってどうなっているんだ?何回か近界民に狙われたことあるから、それなりにあるだろうが……。

 

「余所見をしても、いいの!」

 

 スカルマグナムを見て、色々と考えていると菊地原がスコーピオンで斬りかかるが避ける。

 万能手の歌川は落ちた。菊地原のサイドエフェクトは効かない。三上がオペレーターとしてサポートしようにも既に目の前にいて視界から逃せば何処にいるのかが分からない、レーダーには写らない。

 得意の戦法もサイドエフェクトも通じずサポートも受けられないとなると純粋な戦闘力と数で戦わなければならない。

 

「俺はお前達の天敵の様だな」

 

 私はスコーピオンで斬りかかる二人を避け続けながらそう言った。前々からなんとなくと思っていたが、風間隊と私は天敵で、私が勝ちやすい相手だ。

 風間隊はボーダー屈指の白兵戦特化の部隊だが、特化し過ぎていてバランスに欠けている。それが悪いと言うわけではないのだが、相性が悪ければ総合的にも個人的にも下の奴に負ける可能性がある。狙撃特化の冬島隊が2位で白兵戦特化の風間隊が3位なのも隊としての相性が関係している可能性が高い。当真を倒せばその時点で敗北確定みたいな部隊だが、その分、見つかったら即座に逃亡出来たり、追い掛けられないように罠を貼ってたりで、近付いての戦闘を前提としている風間隊の面々には相性が悪い。

 

「持ってる武器(もの)の差や俺がどれだけかは知れた、終わりにする」

 

 今の自分が何処まで出来るか大体知ることが出来た。

 カメレオン無くても個人として確立された強さを持つ風間さんと強化聴覚を生かすことの出来る菊地原を相手に一撃もくらっていない。

 サイドエフェクトとスカルメモリに頼りすぎていると言われればそれまでだが、それでも充分な成果を知ることが出来た。

 これ以上チンタラしていると二宮隊や太刀川隊が襲来してくる可能性がある。二ノさんや出水の様に質量のゴリ押し戦法が出来る奴にこの姿は弱い。技術よりも攻撃特化の奴は、メモリどうこうじゃなく、別のベルトを持ってきて変身して戦闘しなければならない。

 

『トリガー、マキシマムドライブ!』

 

 当初の予定ではトリガー持ってますよとアピールする為だけに持ってきたトリガーのガイアメモリをマキシマムスロットに差し込むとトリガーマグナムが左手に出現する。

 右手にはスカルマグナム、左手にはトリガーマグナム。この2つにもメモリを差し込めばトリプルマキシマムが出来るが、そんな事をすれば確実に体を痛めるのでしない。

 今は強者を余裕で喰らう強者でなければならず、多少の無茶をして限界を越える時ではない。

 

「トリガー……スカル……いや、いらないか」

 

 二つの銃に力が溜まっていくのを感じ、風間さんと菊地原に数発撃ち込みシールドでガードをさせている隙に距離を取りながら必殺技名を考えるが必要なかった。

 Wが必殺技名を叫ぶのは二人の息を合わせるためであり、ロストドライバーで一人で変身している私には必要の無いことだ。

 

「こうなったら!」

 

「待て、菊地原!」

 

 一撃も攻撃を当てることが出来ず、余裕を見せつける私に苛立ったのか先走った菊地原。

 だが、私との距離は5メートル以上は開いており、今までの攻撃やスコーピオンの形状からして近付くしか選択肢はない……そう思っていたのだが、スコーピオンが延びてきた。

 スコーピオンとスコーピオンをくっつけてリーチを倍にし、射程範囲を伸ばし鞭の様に操るマンティスを使ってきた。

 

「その武器は側面からの攻撃には弱いことには変わりない」

 

 スコーピオンは軽くて切れ味抜群だが、脆い。長くすれば長くするほど脆くなりスコーピオン同士をくっつけ射程範囲を一気に伸ばすマンティスともなれば更に脆くなる。

 銃口を少しズラし、側面に向かってスカルマグナムとトリガーマグナムを撃つとマンティスは砕け散る。

 

「これで決まりだ」

 

「!」

 

 銃口を向けると風間さんは退避しながら菊地原の前に小さなシールド(二重)を展開する。

 苦し紛れか、小さなシールドで攻撃を防ぐ極僅な時間で菊地原は次の手に出ると思っているのかはしらないがこれで決まりだ。

 スカルマグナムの引き金を引くと、巨大な頭蓋骨の形をした紫色の弾が発射し、弾は8等分に分裂し1つ1つが人の頭と同じぐらいのサイズの頭蓋骨の形に変化。頭蓋骨の弾は風間さんが出したシールドに命中する。

 トリガーマグナムの引き金を引くと銃口にあったサイズの無数の弾丸が連射され、風間さんが出したシールドに数発しか当たらずに残り全ては菊地原に当たる。

 

「これは、里見と二宮の!」

 

 大きいが数が少ない威力の高い弾、小さいが数が多い弾の同時撃ち。

 射手と銃手No.1の男が使うシンプルながらも強烈な戦法を使い、菊地原を蜂の巣にして緊急脱出させた。

 

「大丈夫か?」

 

『問題ありません。そいつ里見さんじゃないですよね?』

 

「そんなわけあるか。三上、増援の方はどうなっている?攻撃手と奴との相性が悪すぎる。当真や出水といった中遠距離での戦闘が出来る人員が欲しい」

 

『増援ですが防衛任務中のレイジさんと東さんが今そちらに向かっています。入れ替わりで草壁隊が防衛任務に、トリガーを起動した鳩原さんですが、非番の二宮隊と連絡がつきましたのでランク戦のブースに入り浸っていた太刀川さんと共に向かわせ、その後にそちらに向かわせるとのことです』

 

 菊地原がやられ、残りは風間さん一人となった。

 風間さんは諦めない目をしているが私を倒そうという気が無くなっている。風間さんは名指しして増援を要請している。それから考えられるのは……足止め、もしくは見失わない為の追跡か。

 増援も撃退してやろうかと考えるが、出水と当真さんと風間さんの相手は難しいと左手のトリガーマグナムを消し、トリガーのガイアメモリをマキシマムスロットから抜き差して今度はIのガイアメモリを出し、スカルマグナムをスライドさせ、スカルマグナムのマキシマムスロットに差し込む。

 

『アイスエイジ、マキシマムドライブ!』

 

 スカルマグナムをもう一度スライドさせ、元の形に戻し風間さんに銃口を向ける。

 風間さんはそれをみて、避けようとするがアイスエイジのマキシマムドライブは避けようと思って避けれるものじゃない。

 

「これで決まりだ」

 

 この一撃で勝負は決まる。

 スカルマグナムの引き金を引くと弾が放たれ、その弾を風間さんは避けた……が、意味は無かった。避けられた弾は近くの電柱にぶつかるとそこを中心とし瞬く間に凍りだし近くにいた風間さんは氷に閉じ込められ、二階建ての一軒家二軒分の大きさの氷山が出来た。

 

「!!」

 

「なにを言っているかは分からないが、3つだけ言うことがある。

1つ、色々と勉強になった。俺が何処まで出来るかを知ることが出来た。2つ、彼奴等を捕まえられなかったのは悔やむな。俺が居なくてもお前達は失敗していた」

 

 氷の中でもがくも、動けない風間さんは強く睨む。

 通信の電波が何度も何度も波を打っているから急いで来いと言っているんだろう。だが、帰る手段を用意していないほど、私は馬鹿じゃない。

 

「3つ、また会おう」

 

『ゾーン、マキシマムドライブ!』

 

「!」

 

 ゾーンのガイアメモリを使って、瞬間移動で帰る!

 座標等がハッキリと分かっているのならば、三門市内の大抵の居場所には一瞬で行くことが出来る。何れはまたこのこの姿で会うことになると予告し、瞬間移動で自分の部屋の押入れに帰った。

 

「ん?」

 

 今日の為に開けておいた押入れに帰ってくることが出来たのだが、変身が解除された。

 体に疲れや違和感は全く無い。マキシマムドライブ3連続で思ったよりもトリオンを使用しすぎたのかとスカルメモリを抜いてロストドライバーを外すと、ロストドライバーに極僅な切れ目が入れられている事に気付く。

 

「瞬間移動で体が消えるギリギリの直前を狙ってマンティス。

いや、ギリギリの直前じゃないな。慢心している1番のところを狙い、偶然に当てれた。風間さんを倒すまでにガイアメモリを二つ使用したのなら、スカルメモリが刺さっているロストドライバーは怪しいとなる……はしゃぎ過ぎたか~……」

 

 最後の最後でやらかし、詰めが甘い自分を私は思い知った。

 風間隊相手に勝ったものの、ボーダーのトリガーでないもので勝利したので余り勝ったと喜べない。ベッドに寝転び、弱い自分を反省し、麟児さんから受け取った札束が入った封筒を見る。今日からこれを何百倍にも増やさなければならない。サイドエフェクトを使えば大儲けできるのだが、1つだけ物凄くヤバいことをしなければ。

 

「母さん、首を縦に振ってくれるだろうか……」

 

 今の私は17歳、新しい銀行口座の開設なんかは出来るがFXとか株になると話は別だ。

 二十歳じゃないと出来ないとか出てくる。二十歳以上の誰かの名義を使えば簡単に出来るので……母さんに全ての真実を話さなければならない。




実力派エリート「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」

メガネ(兄)「本日はオプショントリガーのカメレオンと風間隊についてお送りいたします。宇佐美はなんやかんやで出れません」

実力派エリート「本編はシリアスなのにかる━━」

メガネ(兄)「まず、オプショントリガーをざっくりと言えば武器以外のトリガーだ。
使用している間はトリオンを少しずつ消費していくがレーダーに写らなくなる、トラッパー以外の全隊員が使用しているバックワーム、サブもしくはメインのトリガーの枠全てを消費して装備するトラッパー御用達のバックワームタグ、触れるだけで物凄く高く跳べるジャンプ台、グラスホッパーととにかく色々とある」

実力派エリート「おおっと、いきなりの無視か。まぁ、仕事しないといけないからいいけど。
今回紹介するオプショントリガーはカメレオン。その名の通りカメレオンの如く透明になるトリガーだ」

メガネ(兄)「カメレオンは保護色で風景に溶け込むだけで、透明にはならない」

実力派エリート「マヨネーズ魔法使いだってカメレオンの魔法で透明になってたからセーフ。
とにかくカメレオンは透明になるだけのトリガーなんだけど、これが物凄く強い。相手が何処にいるか分からないから奇襲を仕掛けるのはもってこいで一時期ボーダー内部で流行ったほどだ」

メガネ(兄)「だが、今は流行ってないようだが……なにがあった?」

実力派エリート「1番は対処法が徐々に徐々に出てきたことだな。
水辺のところで戦えば動いた際の波紋から大体の位置が分かる。レーダーの性能が上昇して、レーダー頼りの戦法が出来るようになったり、追尾弾が勝手に追跡してくれたり、炸裂弾適当にばらまいて爆破で巻き込むとか色々と対処法が出て来てブームは弱まり、カメレオンを使っている間は他のトリガーは使えないデメリットもあったから便利だけど使いどころを間違えれば敗北に繋がるトリガーでもあるって感じに納まったな」

メガネ(兄)「成る程。確かに今回の話で歌川を真っ先に倒せたのはカメレオンが足引っ張ってくれたところが大きい」

実力派エリート「けど、あんなことが出来るのは菊地原かお前だけだ。
オレのサイドエフェクトは無数の未来を見えるだけで今起きている出来事を正確には見えない。攻撃したところに居ない可能性もある。影浦のサイドエフェクトは何処に攻撃してくるのかと察して避けることは出来ても、位置が分かりづらくて攻めに変えられない。何処に居るのか正確に聞き分けることの出来る菊地原と透明になっていても姿がハッキリと見えるお前でしか出来ない」

メガネ(兄)「だが、カメレオンが効かないと分かればもう使わないだろう。今回しか使えない初見殺しだ」

実力派エリート「それいっちゃ、ダメでしょう。けどまぁ、そういう感じことが原因でカメレオンのブームは去っていった……特に風間隊はそれを手助けした感が大きいな」

メガネ(兄)「風間隊は攻撃手2位で総合3位の21歳児(原作開始時)の風間さんが隊長を勤めるA級3位の部隊」

実力派エリート「スコーピオンを使う攻撃手2人、万能手1人の白兵戦特化のチーム。
カメレオンを使った奇襲、連携。強化聴覚を持つ菊地原が拾う音を頼りにし相手の装甲の薄い部分を見つけたり、奇襲を回避したりと、とにもかくにも攻守共に優れた白兵戦特化のチーム」

メガネ(兄)「1番トピックするのは、風間さん?
攻撃手2位で太刀川さんがあのポイントとなれば、20000は越えてそうだが……」

実力派エリート「確かに風間さんの純粋な強さは目立つけど、オレとしては菊地原の強化聴覚だな。
風間隊が出来た頃に流行っていたカメレオンを菊地原の強化聴覚の共有をし、足音から正確な位置を割り出してカメレオンを無効化、自分達はカメレオンで奇襲といった戦法が出来て、菊地原を取ってなかった奴等は物凄く後悔していた」

メガネ(兄)「7~8倍ぐらいの聴覚と言われてもピンと来ないからな」

実力派エリート「本人もボーダーの人に言われないと気付かないぐらいに地味だから仕方ない」

メガネ(兄)「それ言えば私のは……」

実力派エリート「マサイ族並に視力が良いのはマサイ族連れてくれば終わるけど、電磁波見えるとかは普通にすごい。
この一見すれば地味に見える菊地原の強化聴覚を生かし一人一人が確立された個人の力を持つ白兵戦特化の風間隊はボーダー屈指の精鋭……なんだけどな~……相手が悪かった」

メガネ(兄)「そりゃまぁ、それ対策も若干あるからな。
変身している間は死んだも同然の状態になるスカル。心臓の音を聞いたりして動揺を誘うなんて出来ないし、スカルの武器は銃で、変身者のお前にはカメレオンは通用しない。体の何処からでも出せるスコーピオンなら殴る場所に出してくるかもしれないと拳での戦闘をせずに銃のみでの戦闘をする。白兵戦特化のチームだから白兵戦以外で攻める」

実力派エリート「弱点を付くのは戦闘での定石だけど、あんま付きすぎるのもよくないと思うぞ」

メガネ(兄)「それぐらいは分かっている。
いざというときは特殊能力でなく個人の能力で全距離で戦えるようにならないといけないのは私の今後の課題だ」

実力派エリート「いや、別に全距離は……まぁ、いいや。
白兵戦特化のチームの攻撃を視覚を頼りに全て避け、唯一中距離での戦闘を可能とする歌川を真っ先に倒し、常に自分のペースで戦い続けた。初見殺しのところもあったけど、今回は金星だな」

メガネ(兄)「相性ゲーを突き詰めた結果だから、白星だ」

実力派エリート「謙遜するなよ」

メガネ(兄)「謙遜じゃなくて事実を言ったまでだ。
あの姿は技術や能力で戦うタイプの相手には滅法強いが、火力のゴリ押しで戦う奴には弱い」

実力派エリート「単純なトリオン量だけで見れば、千佳ちゃんの次に多いのお前だけどな」

メガネ(兄)「馬鹿を言うな。私の敵は襲撃してくる近界民で、ボーダーの人間は敵じゃない。
角持ちのアフトクラトル民が汎用性なんかを無視した純粋な火力で勝負するタイプのトリガー使ってきたら、ヤバい。
空間に穴を開けるとか相手をトリオンキューブ化するとかじゃなく切れ味抜群の無数の刃を超高速で操り360度あらゆる角度から攻撃することが出来るトリガー、どうしろというんだ?ぶっちゃけ、アフトクラトルに行った際に誰が倒すんだ?私、警戒反応とかには優れてて相手の弱点をついたりして充分に動くことは出来ているが動きに洗練さが無いとバレて杖の剣でボコられるぞ」

実力派エリート「それネタバレ……だよな?サイドエフェクトがバグって見えない」

メガネ(兄)「涙を流す千佳の前に己の無力さを悔やみ、麟児が帰って来るその日の為に資金を集める貴虎。自分がしたいことはなにかと探す修。次回、ワールドトリガー「三雲兄弟」にトリガー、オン!!」

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯

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