『次、130』
米屋との些細な事が切っ掛けによりはじまった体力測定勝負。
長座対前屈も反復横跳びも立ち幅跳びは圧勝で持久走はギリギリの接戦で勝ち抜いて最後はシャトルラン。
流石に持久走からのシャトルランなんて空気読めない事を学校側はしない。
「米屋、とっとと敗北しろ!!成績的には10点満点なんだ!と言うよりは、お前はもう負け確定だろう!」
「まだだ!オレはこんなところで終わる男じゃねえ!」
シャトルランで生き残ったのは私と米屋の二人。
あ、三輪は私がやる前に記録を測って81回目で終わった。結構悔しがっていたが、反復横跳びとかの時間制限あるやつは米屋より上だからそこまで悔しがることじゃない。
それよりもとっとと足を止めろ、米屋。もう敗けは決まっているんだから、最後ぐらい私に花を持たせてくれ。全勝させてくれ。
「オレは皆の、皆の思いを背負っているんだ!」
「なに!?」
「具体的に言えば、小佐野、柚宇さん、光、出水、熊谷の思いをオレは背負っている!」
「無駄にカッコいい事を言って……」
どういう風の吹き回しだ。と言うよりは、出水以外は会ったことないボーダー隊員だな。
「そしてお前は秀次の思いを背負っている!」
「待て、まさか、それは!!」
チラリと三輪を見るとペコリと一礼して申し訳なさそうな顔をする。
思いを背負っていると言うのは、コイツら人で賭けていたのか?飯を奢るかどうかの些細な事を。
「今、挙げた人物は出水と三輪以外は顔を知らないぞ!」
「問題ない、全員ボーダー隊員だからな!」
「お前、覚えておけ……あ、ちょうど良い復讐があったな」
米屋へに効果は抜群の復讐を思い付いた。
だが、その前に勝たなければならない。勝って最後を綺麗に締めて終わりたい。そして三輪がどうしてそんな賭けに乗ったのか聞いておきたい。
125回走り終えた時点で足を止めておけばよかったと止めなくてよかったという二つの矛盾した感情が混じり合いながらも米屋との一騎討ちに挑み、178回目、単純計算で3560m走りきったところで勝負がついた。
「諦めるな!お前なら200いける!」
だけど、このバカは別のところでも賭けてやがった。
なんだこいつ。本当になんなんだ、賭けグルイなのか、それとも単純に馬鹿なのか?余りにもムカつくので199回目で歩いてやった。というか、とっくにチャイム鳴ってる。
「……すまない」
「いや、三輪はまだ良い。
出水もまぁ、ギリセーフだ……柚宇と小佐野と光と熊谷って誰なんだ?」
「ボーダー隊員だ。
国近柚宇先輩は一学年上で、後は他のクラスの隊員だ……陽介の奴、高校生になったから携帯代金自分で払えとか色々と言われた上に親に財布を管理されているらしくて、色々と節約しようと飲み物の賭けを……俺は聞かれて、お前が勝つと言っただけなんだ。すまん」
「なんだろう、容易に想像が出来る」
三輪に悪意の様なものは存在していないのは、サイドエフェクトが無くても分かる。
とりあえず、米屋には結構ガチ目の復讐をさせてもらう。三輪には悪いが、その罪悪感を利用させて貰う。
「いや~負けた負けた。完敗だぜ、まったく」
「割とあっさりと負けを認めるんだな」
「まーな。
約束通り味自慢のラーメンを奢るよ……ゴールデンウィーク最終日で良いか?」
「いや、普通に昭和の日があるだろうが」
「……そうだな」
ロクな事を考えていないな、こいつ。
授業はとっくに終わっており、そそくさと急ぎ足で教室へと向かう私達。四時間目の授業でよかったと思いながら、教室について着替えて即座に弁当を取り出して食べる。因みにだが、弁当は昔懐かしの長方形で厚みのあるドカ弁だ。
「聞いたぞ、お前全勝したみたいだな」
弁当を食べ終え、出すもん出し終えて次の授業は選択科目(二時間連続)
米屋と三輪は習字を取っており、私と出水は芸術を、音楽を取っている知り合いは知らない。米屋は昼休み中に来ないなと思っていたら出水達に敗北した事を報告しに行っていたようで、出水に会うと早々にその事について言われた。
「出水……は、まだ構わない。
だが、他の顔も知らない奴等と賭けをするのはやめてくれないか?」
「それに関しては悪かった。
けどまぁ、お前本当にスゴいよな。冷静に考えたら、体力テスト、男子で学年一位じゃないのか?」
「10点満点だが、ハンドボール投げとか立ち幅跳びは野球部とか陸上部に負けた」
「球技系はな……って、足の早さは勝ってんのかよ!」
「学年一位だが、体育祭のクラス対抗とか学年対抗のリレーには絶対に出ない。
後、部活動にも入らない。体育会系のノリとかもう本当に勘弁してほしい。私はテストで100点満点を取るんじゃなくて90点を満点とし80~70で細々とするのが好きだから」
「世の中には70点すら取れないかわいそうな頭の人達も居るんだ。謝れ」
割と普通の会話をしているのに何処か遠い目をしだした出水。
ハッキリと米屋と言わないところを見ると、出水の知り合いには頭が残念すぎる人が多いんだろうな。本当に誰とは言わないが。
「アルファベットがさ、D、A、N、G、E、Rって書いてあったらどう読む?」
「やめろ、それ以上は聞きたくない」
「なんで、なんでダンガーなんだよ……」
「……中間、大丈夫なのか?」
「世界史が怪しい」
「世界史はメソポタミアとかの四大文明の本当に初期中の初期だぞ?」
「どうもそっち系は苦手なんだよ。
防衛任務とかで授業を休まないといけないから、やり方さえ覚えておけば良い数学とか理科の方がな……ノート、貸してくれ」
「構わないが、米屋には貸すなよ。
三輪にもチラッと言ったが、今回の一件の仕返しにノートを貸さないし、テスト対策で泣きついてきても見捨てるようにと言っておいた」
別にガチギレするほどの案件じゃないが、知らないところでそんな事をされていたらそれはそれで腹立つ。
なのでアイツの一番の弱点をつく仕返しをする。罪悪感に苦しむ三輪には申し訳ないと思ってはいたんだが、その事について話すと割とあっさりと承諾。三輪も三輪で米屋の成績の悪さに関しては困っており、高1の一学期の中間の赤点を回避出来るぐらいにはしてほしいと遠い目をしていた。どれだけ頭が悪いのだろうか。
「まぁ、ボーダー内でもワースト5だから一度ぐらい痛い目に遭わないと……いや、大丈夫かそれ?」
「出水……口を動かすのは良いが、絵を早く描くんだ。後、ゴールデンウィーク辺りで泣きつくと思うぞ」
お喋りはこれぐらいにしておこう。
喋り過ぎて絵の描く速度が遅くなっている出水。私は先週の一時間目で終わったが、出水というか他はまだ終わっていない。
「お前が、お前が早すぎるんだよ。
動物の絵を描く授業なのに、なんで25分で終わるんだよ……一発OKで、描いた絵が刺青の雉って」
「雉じゃない、朱雀だ」
動物の絵を四時間フルに使って完成させる予定だが、30分あれば大抵の絵は描ける。
刺青っぽい感じの朱雀を25分で描き終えて提出して終えた。後ろの方にある動物の図鑑とか描き方の本とかを一切使わずに、黙々と描いて終わったから割と暇である。もう一枚描かないかとか、コンクールに出さないかとか言われていたが、出すかそんなもんに。漫画はともかく絵の評論家はなんか嫌いなんだ。
「ところで、お前はさっきからなにを描いているんだ?」
「きのこの山代表のキノコちゃんとたけのこの里代表のミスTAKENOKOの激闘。
ミスTAKENOKOは禁断の兵器、SAORIYOSHIDAを導入しキノコちゃんを滅ぼそうとする。そんな時、すぎのこ村のスギちゃんが自らを犠牲にして闘いを食い止める。
傷ついたキノコちゃんとミスTAKENOKO、失ったものの大きさに気付いて手と手を取り合おうとした瞬間、ブルボン王朝から現れし7人の刺客、ルマンド、ロリータ、エリーゼ、リエール、ロール、ルーベラ、サンドが現れた……とこまでだな」
「とりあえず、ブルボン王朝の王様の名前がアルフォートなのはよくわかった」
流石にそれは誰でも分かるはずだろう。
永遠に終わらない戦争をするんじゃねえよと言いたげな顔をするが、ブルボン王朝は平和なんだ。オリジナルアソートという詰め合わせが存在しているから。きのことたけのこも似たようなのあるが、見なかったことにする。
「ねぇ、ちょっといい?」
最終的にはポテトチップスと税の値上げに潰されるオチにしようかなと考えていると、女子が声を掛けてきた。
顔は知っているが全くといって関わったことのない別のクラスの女子。出水はお!という顔をしている。
「熊谷じゃん、どうした?」
「先生が三雲くんが暇だから見てもらえって。絵を一つ一つ処理するの大変みたい」
「私は暇じゃない、考えているんだ。
ブルボン王朝は年々税を上げていき、不必要な新たなるものの発明の為に軍備縮小しルマンド達の装備品が少なくなる。
最終的には変わらぬ10円の雑魚どもであったうまい棒が全てを滅ぼすか、ポテトチップスには勝てなかったおにするか悩んでる」
「どこにツッコミを入れれば良いわけ?」
「大丈夫だ。こいつ、こう言う変なことをサラッと言う変な奴だからさ」
「で、具体的になにをしろと?」
「あ、話はちゃんと聞いてくれるのね」
暇じゃないが決して手が空いていない訳じゃない。
スケッチブックを渡されて修正すれば良いところがあるのか、なにが足りないのかと聞いてきた。熊谷だけに熊の絵を描いたらしいが
「……テディベアにしか見えない」
「うっ、やっぱり?」
「劇画チックじゃないから、毛を少なくする。
目を黒丸だけで終わらせないようにして、若干白目の部分を作る。で、綺麗な丸じゃなくてちょっとボコッとするだけで良い」
描き直しはせずに、別のページでお手本を描く。
後はまぁ、熊だけを描かずに森とかを描いて如何にも熊ですよと言うのをアピール。最悪、鮭を出しておけばどうにかなる。
「熊谷だったか?」
「なに?」
「米屋から聞いたんだが、賭けていたな」
「それは……ごめんなさい。なんか巻き込まれたのよ……同学年で落ち着いてるの、進学校組と三輪くんだけで」
「え、おれは含まれてないのか!?」
「あんたはかなりノリノリだったじゃない。
まぁ、結果的に負けてよかったと思うわ……本当にごめんなさいね」
「だったら、米屋への制裁を手伝ってくれ。具体的にはだな……という感じで頼む」
「一番効果ありそうね、それ……ついでだから、他の子達にも言っておくわ!」
サムズアップで割とノリノリの熊谷。
徐々に徐々に米屋中間包囲網が作られていくが、巡りめぐって米屋の元に種が戻ってくるだけである。と言うよりは、高校一年の中間テストで赤点を取らないように頑張れば良いだけだ。赤点回避のみに集中して勉強さえすれば、ところてん形式で忘れるように勉強しておけば赤点はちゃんと回避できるぞ。
「ところで、出水」
「どうした?」
「なんか……物凄く面倒な事が起きるぞ」
「もうとっくに起きてるでしょ?」
「いや、そうじゃない。
来月辺りにスゴい面倒なのを押し付けられるぞ、お前」
転生特典ことサイドエフェクトのココの能力。オンオフ効かないのが難点だが、今出水から凄く面倒なオーラが出てる。
出水自体が面倒なことになるのでなく、出水に面倒なことが押し付けられる。まぁ、大体なんなのか分かるがそれ以上は言わないでおく。既に余計な事を言っているが、これはこれで私なりのアピール……本当に面倒くさい事をしまくってるな、私。潔く、キッパリと言ったら直ぐに終わることなのに……。
「……まさか、三雲くんって」
「ストップ、熊谷……一応は守秘義務があるし、影浦さんみたいな可能性がある」
「……どうかしたか?」
私の発言を聞いて、サイドエフェクトを持っているんじゃないのかと考える熊谷。
聞こうとするのだがサイドエフェクトはボーダーが世間に公表していない事の一つでもあるので出水は止める。
「いや……具体的にはなにが起きるんだ?」
「なんか面倒なことを押し付けられる」
「いやだから、その面倒なことってのを知りたいんだよ」
「……いや、そんなもん分かるわけないだろう」
具体的になにが起きるかは知っているが、この能力で分かることは出水に凄く面倒なのを押し付けられる。
私のサイドエフェクトで分かるのはそれだけで、具体的な原因までは分からない。それにココと違って的中率は74%でハズレる時はハズレる。だが米屋が赤点をとる未来は確定している。
メガネ(弟)「さぁ、今回よりはじまりましたワールドトリガーが100……え、違う?あ、それはアニメの台本ですか」
メガネ(兄)「今回よりはじまりました、当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナー……と言う名の設定とか裏話」
メガネ(弟)「ちょ、ちょっとそういう危ない話は」
メガネ(兄)「問題ない。ぐだぐだ時空とかコハエース時空みたいなところだから。現に私達はSDキャラだろ」
メガネ(弟)「……えっと、第1回は兄さんのプロフィールです!」
メガネ(兄)「あ、因みに色々と変わる可能性があったり公開できない部分もあるから、何回かこのコーナーでプロフィール出したりします。今回のは現時点です」
三雲■■
PROFILE
ポジション ボーダー隊員で無いので無し
年齢 16歳
誕生日 4月19日
身長 181cm
血液型 A型
星座 はやぶさ座
職業 高校生
好きなもの 肉、メロン、ゲーム、漫画(読む、描く両方)
FAMILY
父、母、弟
トリオン 19(?)
攻撃 ?
防御・支援 ?
機動 ?
技術 ?
射程 ?
指揮 ?
特殊戦術 ?
TOTAL ?
RELATION
三雲修←人としては立派すぎる弟
三輪秀次←学校関係でボーダー16歳組一番の苦労人
米屋陽介←揉め事に巻き込んでくる友達
三雲香澄←なんかもう色々と勝てない親。
迅悠一←絶対に会いたくない人
出水公平←友達
SIDE EFFECT
強化視覚
毒舌で有名な某A級の某K隊の某Kと同じ強化五感の一種。
視力が10ぐらいに強化されているのだが本質はそこではなく、普通の人間では見ることの出来ない微弱な電磁波等を見ることが可能で、光学迷彩等は一切通用しない。
占いや探知にも使えるには使えるのだがその辺は努力しなければならず、メガネ(兄)は宝くじ売り場でスクラッチ及びくじの購入、御正月に昨年の残ったお年玉全額競艇に突っ込む、炭火焼肉で肉の最高の焼け具合を見抜く、当たり付きアイスの当たりを当てる、神経衰弱やポーカーで確実に勝つ、百人一首を読む前にとる、警戒区域付近や人気の無い所に隠れている千佳を修と一緒に迎えに行く、門誘導装置が作られるまで近界民から逃げるなどの基本的に己の私利私欲を満たす為に使い続けた結果、的中率は74%になった。
説明
時折とんでもないことをするけど、人としては立派すぎるメガネの兄。
戦う力も才能も持っている逃げたダメガネ。真面目がメガネ掛けた弟にとっては恥だろうなと思っている所がある。しかしそれでも戦わない、ギリギリまで追い詰められたり大規模侵攻的な事になら無い限りは基本的に戦おうとしないクソメガネ。ボーダーについて色々と思うところがあり、ボーダーという組織はあんまり好きじゃない。
尻か乳かで言えば、乳と即答。ロングがショートかといえばロングと速答。きのこでもたけのこでもなくアルフォート。勉強は100点満点よりも多数の80点をとり、20点を諦める。TPOは弁えるときと弁えない時がある。
メガネ(弟)「これが兄さんの大まかなプロフィール……でも、色々と書いていない部分が多いね」
メガネ(兄)「大規模侵攻何度かトリガーを使ったが、戦う為じゃなく逃げるためだから計測出来ない。ボーダーの隊員じゃないから、トリオン量以外は分からなくて当然だ」
メガネ(弟)「でも、千佳の半分のトリオン量なら狙われていたんじゃ」
メガネ(兄)「トリオン兵が来る場所とかそう言うのを見抜けないほど、私のサイドエフェクトは弱くはない……最悪、玉狛支部辺りに逃げておけばどうにでもなる。お陰様か嫌になるくらいに足が早くなったり体力がついたりしたぞ」
メガネ(弟)「そ、そうなんだ……ところで、兄さんのトリガーの紹介は?」
メガネ(兄)「私のトリガー、それは……」
メガネ(弟)「それは……」
メガネ(兄)「いずれ話すときに話すので、此処まで」
メガネ(弟)「あ、もうこんな時間!?」
メガネ(兄)「今言えることは、一度目の大規模侵攻の時に拾ったものだ。修、しめろ」
メガネ(弟)「次回もお楽しみに!」
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