メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第30話

「私は反対よ。

大体、どうして今頃になって入ろうと言うの?貴虎がトリガーを拾って帰った時に、ボーダーに提出しようって貴方は何度も何度も言って、最終的には貴虎の言葉に折れたわよね?いざという時は、そのトリガーを使って戦って逃げるって言ったわよね?」

 

 昔の発言を掘り下げてきた母さん。

 私がトリガーを持っていて、それをボーダーに通報していない。いざというときは自分がそのトリガーを使う。そういう感じに納まった当時のことを出されるとぐうの音も出ない。気が変わったなんて言ったらグーが飛んできそうだ。

 

「確かに、僕はあの時そう言ったし納得もしたよ。

だから、兄さんについてはなにも言わないし頼らないつもりだよ」

 

「そう……それで?」

 

「それでって」

 

「貴虎に頼らないつもりなのは分かったわ。

それは良いことだけれど、それだけよ。ボーダーに入りたい理由を、入ってなにがしたいか聞いてないわよ?少なくとも、私はボーダーに対して余り良い感情を持ってないわ」

 

「……母さん、割と」

 

「お前は黙ってろ」

 

「あ、すみません」

 

 電磁波から見るに修の口から修の意志を聞ければ、首を縦に振るつもりの母さん。わざわざ修に理由を教えてと聞いた。

 ちゃんと向かい合って話し合いをすれば割と堕ちるものだなと母さんの修に対するチョロさを改めて知る。

 

「千佳ちゃんを守るなら、貴虎でも出来るわ。いえ、むしろ貴虎の方が向いているわ。

このボーダーの書類、戦う人を採用するかどうかの試験を申し込む書類よね?だったら、尚更反対よ」

 

「体育の成績が悪い僕が戦うだなんてクラスメートが聞いても笑うだけだ。けど、僕は戦いたいから入りたいんじゃない。守りたいから入りたいんだ」

 

「結果的には戦っているじゃない。

どんな言葉で隠していても貴方は戦場に出て戦うことには変わり無いはずよ」

 

「母さん、名探偵とヒーローって聞いてどう思う?」

 

「名探偵にヒーロー?」

 

 名探偵とヒーロー……随分と分かりやすい一例を出したな。だけど、修らしいと言えばらしい……のか?

 

「名探偵は殺人事件を推理する、ヒーローは悪い敵をやっつける。

どっちも凄い存在だと思う……けど、本当はどっちも居ちゃいけないんだ。殺人事件は起きちゃいけないし、悪い敵もやっつけるんじゃなくて捕まえたり、悪いことをさせないようにしたりしなければならない」

 

「ええ、そうね……」

 

「僕は兄さんから、色々とボーダーについて不満に思ってることを聞いた。

それを聞いて成る程と納得出来る自分がいる。それはつまり、まだまだボーダーに改善する余地はある。僕は事件が起きて解決するヒーローじゃなくて、事件を起こさない人になりたい」

 

「そう。起きる前に未然に防ぐ、その心意気は立派ね。でも、それが無理な事ぐらい理解してるわよね?

こういう比較は良くないことだけれど、ボーダーには貴方より立派な人達が何人もいるはずよ?それでも今こんな状況なのだから、貴方一人が入ったとしてもなにか変わるのかしら?なにもしないよりはましなんて曖昧な理由は無いわよね?」

 

 修の言っていることを真っ向から捩じ伏せていく母さん。

 ぶっちゃければ、修のお陰で大きく変わったりするのだがそれは未来を知っているものの特権なので、それに関してはなにも言えないので言わない。下手な事は言えないし、その事を言う母さんを説得させるのが修がやらないといけないことだ。

 

「もう一度聞くわ。ボーダーに入って、なにがしたいの?」

 

「兄さんの持っているトリガーは近界民と戦うことが出来るけれど、近界民から街を守ることは出来ない」

 

 私の持っているトリガーが話題に出ると母さんがチラリと視線を向けてくるので修の様に冷や汗をかく。

 飛び火してきた……だが、言っていることは間違いない。私の持ってるT2ガイアメモリ以外の戦闘系の転生特典、文字通り戦闘に使うもので他になにか出来るかどうかと聞かれて特にピンと浮かばない。

 

「ボーダーに入って、千佳を守りたい。麟児さんの行方を知りたい」

 

「そう……わかったわ」

 

 修の気持ちを理解してくれた母さん。

 入隊試験の申し込み表にサインをしてくれると思ったのだが、サインはしてくれず次に私の方を見る。

 

「貴虎の番よ」

 

「私は、銀行口座の開設をしたい……正確に言えば、これを使う母さん名義の銀行口座が欲しい」

 

 サインは後だと次は私の番が来た。

 先ずはと銀行口座に振り込む麟児さんから受け取った約100万の札束が入った封筒を差し出すと母さんは中身を確認し、本物かどうか確かめる。

 

「また勝手に宝くじを買って勝ったの?」

 

「いや、麟児さんから受け取った」

 

「なっ!?……兄さん、それどういうこと!?」

 

「母さん……今から言うことを、出来たら内密にして欲しい。

いずれはバレるのは分かっているけど、それでも出来る限りは誰にも言わないで……」

 

 麟児さんの事を出すと驚く修だが、母さんは余り驚く姿を見せない。

 金の出所がなんとなく分かっていた様で、麟児さんが昭和の日に家に修でなく私に用事でやって来た日について大まかに語ると私も修も椅子から立たされて並ばされ

 

「っ!」

 

 強烈なビンタをされた……修だけが。

 私は一切の迷いなく頬をグーで殴り飛ばされ、母さんは冷たい目で口を開く。

 

「この程度の事で痛いなんて言わないわよね?

もっともっと痛くて苦しい思いをしている子がいて、その子に苦しくて痛い思いをさせているのだから」

 

「はい……」

 

「正座しなさい」

 

 物凄く怒られることをした、殴られて当然で、痛いことはされていない。

 自分にそう言い聞かせながら床に正座をし、母さんに見下ろされながらも色々と考えるが、この事で修のボーダーの試験に受けるの無しになったかもしれないと少しだけ焦る。

 

「それで、このお金をどうしたいの?」

 

 長時間の説教をくらうのを覚悟していたら、意外な一言が出てきた。

 

「話を、聞いてくれるの?」

 

 問答無用でダメかと思ったが、話を聞いてくれる母さん。

 本当に怒らないといけない子がいるから、自分がこれ以上は怒るつもりは無い。もし千佳ちゃんが妹だったり、修や貴虎が拐われたのなら自分もそうしたかもしれないから攻めれないともう一発拳骨をくらって麟児さんを見逃したことに関しては納まった。割と痛かったが、泣くなと怒られる。

 

「このお金を元に、何十倍にも増やしたい。増やしたお金を過去に連れ去られた人達がこっちの世界で暮らせる復興支援に使いたい」

 

「……麟児くんのお金でやる必要はあるの?」

 

「麟児さんが帰って来た時に、麟児さんには復興支援の……連れ去られた子達の勉強を見る教師をしてくれって言ってある。もうそれに関しては麟児さんも首を縦に振った」

 

「そう……でも、麟児くんを教師に出来る保証はあるのかしら?

少なくとも、連れ去られた子達の社会復帰の復興支援は国がしてくれると思うわよ?彼は中学レベルも教えれるけれど、ちゃんとした教師じゃないのは知ってるでしょ?国の人がベテランのちゃんとした教師なんかを用意する筈よ?」

 

「なにも麟児さんだけを教師にしろって言ってるんじゃない。麟児さんも教師にしろってボーダーに言うつもりなんだ」

 

「ボーダーに?」

 

 私があくまでも金を出すのはボーダーで、国に直接渡すつもりはない。

 こんな御時世に国に金を渡せばワケわからないノーパンしゃぶしゃぶの費用とかに使われる可能性がある。横領だけは絶対にされたくはない。

 

「国一つ変われば、文化や生活様式が大きく変わるよね?」

 

「ええ。海外に行くことの多い父さん(あの人)も何度かそれに驚いているわ」

 

「それなら世界一つ変われば、文化や生活様式が大きく変わる。

少なくともボーダーが出来てから誰かが拐われましたなんて私は一度も聞いたことはない。

四年前の侵攻で誰かが近界民の世界に連れ去られた以来、そういったことは起こってないと思ってる……四年前のあの侵攻で拐われた人達は、色々と変わってると思う。拐われた人達の割合で言えば小中学生が多い。生きていて順応していたら、色々と変わってる。それこそ常識も」

 

「常識が変わったとして、それを教える人もいるわよ?」

 

「問題はその常識だよ」

 

 ベテランの教師なんかがやって来るのは分かっているけれど、常識を教える人に関しては割と来れない。

 常識に関してはボーダーは徹底しておかなければならない。アフトクラトルに拐われたC級はまだ大丈夫だが、四年前に拐われた人達は別だ。

 

「近界民の世界と、日本とじゃ大きく常識が異なる。

それこそ近界民の世界の住人なら誰でも知ってる様な事を、日本の住人じゃ知らないことを」

 

「それは当然よ。けど、それになんの問題があるの?」

 

「多分、と言うか確実に拐われた人達を助け出した後の復興支援にボーダーが深く関わってくる。

ボーダーのB級隊員なら誰でも知っている事とかと近界民の世界じゃ常識的な事は一致していると思う」

 

「根拠はあるのかしら?」

 

「母さん、私の目が良すぎる事を知ってるよね?

私は間違いなく修の兄で母さんと父さんから生まれた子供だ。それなのに何故かマサイ族並に視力が良い。

マサイ族は自然豊かな生活環境で育っているからあの視力で都会育ちのマサイ族なんかは視力は平均的な物だ。父さんも修もメガネで、母さんの血を濃く継いでいても視力10は異常だ。

ボーダーで精鋭のA級の隊に所属している友人にその事について特に気にせずに教えたんだけど、その時にサイドエフェクトって溢した。ボーダーは私の視力がどうして異常な迄に良いのかの理由を知っている。それこそ、エンジニアでも医者でもなんでもない隊員の人でも。私はサイドエフェクトとやらがなにかは知らないけど、ボーダー隊員の友人はそれを言ってはいけないことだと別の友人の口を塞ごうとしていた」

 

「つまり、ボーダーでは常識な事は近界民の世界でも常識な事……そう言いたいのね?」

 

「全部が全部じゃないけれど、そうだと思っている」

 

 トリオンとかサイドエフェクトとか黒トリガーとかはボーダーでも近界民の世界でも常識的な用語だ。

 だけど、それは無闇矢鱈に口外してはいけないものだ。トリオンなんて電気に成り変わるエネルギーを悪用したらまずいし、黒トリガーは命を代価に作る物で、作れれば良いなレベルの代物。普段から襲ってくる近界民はロボットで、近界民の世界にちゃんと人間がいましたと世間に報じれば確実に大変な事になる。

 

「口封じの為にも深く関与してくる。

別にそれ自体がダメだと私は否定するつもりは無い。何でもかんでも喋れば良いものじゃないのは分かってる。

増やしたお金を修を経由してボーダーに渡して、これで復興支援の資金にしてくださいと言って麟児さんも教師にしてくださいと言うつもりだ。

四年前に拐われた人達をボーダーは入隊させようとする。

勿論、保護者から反対されれば手を引くと思うけれどもその保護者が居なくなっている身寄りの無い奴等は入隊させると思う。向こうの世界の事を知っていて、戦い馴れている。1月、5月、9月、年に三回の入隊をさせるぐらいに人材不足なボーダーにとっては即戦力になる逸材だと思っている。だったら、国に直接渡すんじゃなくて間にボーダーを挟む」

 

「貴方以外にも数億出す復興支援者は居ないとは言えないのよ?ましては、それに関しては国がなんらかの関与をするわ。

向こうと此方の事情を知っている麟児くんが教師をすると言うのは良い点だけれど、大分どころかかなり甘い見通しじゃないかしら?」

 

 流石と言うべきか一筋縄ではいかない母さん。

 麟児さんが働く利点はあるけれども、それだけで出来るかどうか怪しい。金だけ貰って終了どころか金すら貰わない恐れがある。

 

「麟児さんには防衛任務で授業に出ることが出来なかった学生隊員にも勉強を教える役目をして貰うつもりだよ」

 

 本人には特に了承はしていないけれども、手遅れな馬鹿達の勉強を見る役割もしてもらう。

 前々から愚痴っているボーダーの隊員が防衛任務で授業を休むので、どう頑張っても普通の生徒と遅れることを説明し、米屋という手遅れな馬鹿を話に出して、国や復興支援団体が用意する教師とは別にボーダー側で教師を雇わなければならないと思っていることと、その教師も麟児さんにやってもらうことを伝える。

 

「修、貴虎……貴方達の言いたいこととしたいことは分かったわ。だから、少し待っていなさい」

 

「?」

 

「正座を崩したらこの話は無かったことにするわよ」

 

 開設する銀行口座等の説明も一通り終えた。

 母さんから出ている脳波や電磁波は修が母さんを説得しようとしていた時と同じで、穏和な感じで了承してくれたと思うのだが、母さんはまだ修の書類にも私の方にもサインもなにもしないまま家を出た。

 

「……言えるだけの事は言ったよね?」

 

「分からない……自分でもなに言ってるんだかワケわからなくなった」

 

 母さんを前にして、圧が掛からない人は草々にいない。

 自分でもなに言ってるか分からない。どうしてあの時に変な事を言ってしまったんだと修と反省会を開くのだがものの数分で母さんは帰って来た。

 

「子供の成長は、早いものね。貴方達は二人でちょうど一人前だったのに、気付けば一人で一人前になろうとしている」

 

 手にビニール袋を持っている母さん。

 何処かに買い物に行ってたようで、ビニール袋からはなんの変哲もない極々普通のオーラが出ているので何処にでもあるものが入っているのだが、夕飯の材料とかそんな感じの物じゃない。

 

「自分からなにかをやらないけど、それに必要な能力を持っている貴虎、自分からなにかをやろうとするけれども、それに必要な能力を持っていない修。二人でちょうど自分からなにかをしようとし、それに必要な能力を持った一人前になる……けど、今はもう違うのね」

 

「僕も、兄さんもやりたいことが出来たよ」

 

「修、それがどう言うことか分かっているの?」

 

 私達の成長を感じている筈なのに、修のボーダーの試験を受ける受けないの話の雲行きが怪しくなっていっている。

 

「コレにサインするには幾つか条件があるわ」

 

「幾つかの条件……」

 

 ゴクリと息を飲み込む修。

 とんでもない無茶を言ってくるんじゃないかと思ったが、そこまでじゃなかった。

 ボーダー関係では基本的に私には頼ってはいけないと、私経由でボーダーの人を紹介してもらうとかそういう感じのやつはダメだと。

 やるからにはちゃんと自分の力で人脈を作ったりしろと、私と修はゴールは同じかもしれないが違う道を歩むのだから今までの様に色々と頼るなと、仮に頼るとしてもどうしようもないと思った時だけで、私も進んで修にヒントを与えるなと厳しく釘を刺される。

 コレに関しては釘を刺されてよかったと思う。修が本当の意味で成長するには答えを知っている私が横からああだこうだと言うのはいけないし、修の人徳なら放置してても知り合いが増えるから、私経由なんてしなくても良い。

 

「貴虎の話を聞く限りだと、真っ昼間から防衛任務もありえるのよね?赤点を取ったらその時点でやめさせるわ」

 

 二つ目も納得のいくものだった。

 授業があるけど、防衛任務を理由に早退するのは母さんもあんまり良くないことだと思っており、成績を落とすなとは言わないが、赤点だけはダメとなる。これもボーダー関係なので、遅れた分の勉強を教える事はダメだと母さんに言われる。だが、余り心配することはない。修は物凄く頭が良いわけではないが普通校基準では高成績で、修自身がテスト前とか関係なく自主的に勉強するタイプなので心配は特にない。

 

「それとこれが最後の条件……」

 

 スッと私にビニール袋を差し出すので受け取った。

 

「えっと……!?」

 

 中身を確認すると膨らませていない紙風船(50個入り)と柔らかい素材で出来ている剣が入っていた。

 ボーダーに入るか入らないかの話で、母さんが出す条件、そしてこの二つの品で母さんがなにを言いたいのか直ぐに全てが繋がった。

 

「貴虎はなにかをするのに必要な能力はあったけれど、やる気は無かった。そんな貴虎がやりたいことを見つけた。

なら、それを否定することはしないわ。けど、こう言った差別をするのは苦しいけれど、修は自分がやりたいことを成し遂げるのに必要な能力を持っていない。これから先、貴虎と目指す場所は同じでも歩む道は大きく異なる……だから、自分は一人前だと貴虎に勝って証明しなさい」

 

「なっ!?……僕が、兄さんに……」

 

 最後の条件は、自分は一人前だと証明すること。

 私は頭に、修は体の好きなところに紙風船を付けて柔らかい素材で出来た剣で割るという勝負をし、私に勝つ。どれだけ負けても構わない。GW以内に1度でも私に勝利をすれば良いという一見すれば破格の条件かもしれないが、修にとっては一番の難題な条件を突き付けられた。




槍バカ「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」

メガネ(兄)「本日はこれ!」

三雲貴虎

DANGER TRIGGER

骸骨(スカル)

トリオン 19(?)
攻撃 13(30)
防御・支援 20
機動 6
技術 13
射程 4
指揮 0
特殊戦術 12


TOTAL 87

槍バカ「え~っと、これはあれか?
あの骸骨野郎に変身した時の姿……で、あってるよな?」

メガネ(兄)「ああ、あってる」

槍バカ「随分と偏ったパラメーターだな」

メガネ(兄)「まぁ、仕方ない。
ボーダーと協力せずに戦うから指揮能力もへったくれもない」

槍バカ「けど、防御支援が今までで一番だな」

メガネ(兄)「スカルは徒手空拳と近距離での銃撃戦で戦う。
だから、剣を持ったお前みたいに攻撃手として強い相手や出水や北添さんの様に火力ゲーが出来る奴には弱いから、サイドエフェクトを思う存分に使う」

槍バカ「でも、それはボーダーのトリガーでも一緒だろ?」

メガネ(兄)「下手に攻めずに避けたり守ったりするのに集中している。
攻撃は元々のトリオン量が多いから、銃弾一発一発が高火力でマキシマムドライブ時はトリオン効率とか消費量度外視の一撃を叩き込むからこうなってる」

槍バカ「30……二宮さんとか出水とかレイジさん達で十枚のシールドをはればいけるか……」

メガネ(兄)「単純な威力重視の弾丸はそれでいける。
ただ、スカルマグナムに差し込むガイアメモリを変えればそれは通用しなくなる」

槍バカ「例えば?」

メガネ(兄)「アイスエイジのガイアメモリを差し込めば、撃ったところを中心に氷河期の如く凍らさていき、氷山が出来る。ゾーンのガイアメモリを差し込めば撃った相手を知っている座標に飛ばせる。ウェザーのガイアメモリを空に撃てば天気を問答無用で変えれる。キーメモリを差し込んで鍵やロックされている物に撃ち込めば解除することも出来るし、その逆の閉めることも可能だ」

槍バカ「特殊戦術がやたら高いのはそういうことか!」

メガネ(兄)「そういうことだ。
スカルメモリで変身した私は擬似的とは言え、死んでいる。
血の暖かさは感じることが出来ず、生体反応は消失して生体反応とかでのレーダーには引っ掛からない。菊地原の耳でも心音は聞こえず、影先輩のサイドエフェクトには引っ掛からない。死人に口無しなのか遊真のサイドエフェクトも引っ掛からない。後、死んでる人にもう未来は無いから迅のサイドエフェクトにも掛からない」

槍バカ「嘘だろ!?あの姿って、サイドエフェクト無効化出来んのか!?」

メガネ(兄)「いや、完全同時並列思考とか強化睡眠記憶とかはそのままだ」

槍バカ「ああ、村上さんのは死体とかそういうの関係ねえか。
でも、これだけ見るとお前の持ってるトリガー半端ねえな。ベルト量産出来たら26人もS級出来るんじゃねえの?」

メガネ(兄)「やめておけ。
変身する人が単純に強くないと意味がない面倒な物で、メモリの種類によってはよく分からない能力もあるし、単純にパワーが上がって狂暴になるだけのVのメモリみたいなのもある。メモリの適合率のことも考えれば、全員が選択出来る武器から最大八個まで装備できて、どうするか試行錯誤するボーダーのトリガーと違って、一個の能力をどう活かすかの異能力バトル物のトリガーだから」

槍バカ「ヒロアカみたいだな」

メガネ(兄)「あながち間違いじゃないから否定することはできない」

槍バカ「でも、そう言うのって能力無効化とかが最強クラスでシンプルなパワー系の能力がなんだかんだで滅茶苦茶強いとかいうオチで面白くねえよな」

メガネ(兄)「やめろ。確かに仮面ライダーWは能力が強いとかじゃなくて普通に戦って強い相手には弱いけれど、最近だと白と青のWとか出てきてロマンに溢れてるんだぞ!」

槍バカ「お前が持ってるのロストドライバーだけどな。
あ~オレもガイアメモリとか使ってみてえよ。メガネくん変身する予定があるんだから、オレも変身予定出来ねえかな?」

メガネ(兄)「お前にあう変身って、マツボックリぐらいしか浮かばない」

槍バカ「いや、なんだよマツボックリって」

メガネ(兄)「忘れろ……次回予告!
ボーダーの入隊試験の申込用紙にサインをするために出した最後の条件、それは兄である貴虎に一度でも勝つこと。
優しさでのお情けの勝利は必要ない、全力の貴虎に修は挑む。次回、ワールドトリガー【メガネ(兄)vsメガネ(弟)】に、トリガー、オン!」

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯

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