「トリガー、
遊真達と分かれ、ボーダー本部へと辿り着いた修。
本部の基地内ではトリガーの使用は許可されているのでトリガーを起動し、荒くなっていた呼吸を整える。
「急いで、ラッドを」
「そこの君、なにをしている!」
急いでラッドを技術職の人にと開発室に向かおうとする修は職員に、ボーダー本部の本部長の忍田に声をかけられる。
「見たところC級のようだが、ダメじゃないか。
早くB級になりたいのは分かるが、それを理由に学校を疎かにしてはダメだ」
お馬鹿隊員のランク戦に入り浸るあるあるだと勘違いし注意しようとする忍田本部長。修は直ぐに勘違いをしていることに気付き、否定をする。
「違います、ランク戦をしに来たんじゃありません」
「なら、なにを……その手の物は?」
「家の前で拾ったものでもしかしたらと思い、今から開発室に向かうところです」
ラッドに気付いた忍田本部長にざっくりと説明をすると、驚愕する。
それを見た修は一先ずは開発室に向かわせてくださいと言うと忍田本部長も私も一緒に行こうと開発室に向かった。
「鬼怒田さんは居ないのか……少し、待っていてくれ」
「あ、はい」
開発室室長の鬼怒田さんは開発室にはおらず、居たのは寝落ちしているポッチャリ体型のエンジニア1人。
もしかすると、と考えている忍田本部長は急いで鬼怒田さんを探しに開発室を出ていった。
「どうしよう……」
色々と人が居ると思ったら、1人しか居ない開発室。
ラッドを届けに来た修は寝落ちしているポッチャリ体型の人に託そうと寝ているところで申し訳ないですがと肩を掴んで軽く揺さぶると目覚める。
「ん、んん……誰だよ?」
「寝ているところすみません。ちょっと、お時間よろしいですか?」
「よろしいもなにも、こっちは昨日から市街地に門が出て来て大変なんだよ」
ゆっくりと目覚めるポッチャリ体型のエンジニア、このエンジニアの名は寺島雷蔵。
レイガスト作ったり、メテオラを色々と改良したりする所謂出来るエンジニアであり戦闘員としても確かな実力がある男だ。
「昨日から、ですか」
「見たとこ、C級だな。まだ下には話が伝わってないんだっけ?なにかようか?」
「あ、はい。これを拾ったんですが、近界民っぽいなと」
「トリオン兵?見たことの無いタイプだな。ちょっと解析するからかしてくれ」
意識がゆっくりと覚醒し、相手をしてくれる雷蔵にラッドを託すと解析をはじめる。
ほうほうと最初はラッドについて興味津々で解析していくのだが、段々とラッドの構造や機能が判明していき顔色が悪くなる。
「君、これ何処で拾ったの?」
「家の前の電柱です。僕の家は警戒区域から遠い場所に━━」
「それで、そのトリオン兵はどこだ!」
「そこにいる彼が持ってきました」
その時のことについて説明をしようとすると、戻ってきた忍田本部長。
狸みたいな中年太りのおっさん開発室室長の鬼怒田を連れており、雷蔵はナイスタイミングだと手を上げる。
「イレギュラー門の原因、見つけました」
「なにぃ!?どういうことだ!?」
「そこの子が拾って来たコイツが原因ですね」
「お前が?おい、どういうことだ説明しろ!!」
「あ、はい!!」
トントンと話が進んでいくことに動揺を感じながらも、修は鬼怒田さんに説明する。
朝起きたら見つけて壊した。触ったりして見た目が近界民っぽいから提出しに来たと経緯をそれとなく説明をし、よくやったと肩を叩かれる。
「えっと、状況が上手く掴めないのですが」
「そうか、君はC級だから話が伝わっていないのか。
実は昨日から6件ほど市街地にイレギュラーな門が発生している。幸いにもその場に非番の隊員が居て、近界民を撃退したが原因が分かっていなかったんだ」
「なっ!?」
既に自分が思ったよりも大事になっていた。
開発室は慌ただしく動いていき、エンジニア達が集いラッドを隅々まで解析していく。
「鬼怒田さん、どうですか?」
「どうもこうもあるか、街の至るところにコイツがおる。軽く見積もって数千は越える」
「数千、ですか……まずいな」
解析がある程度進み、本部のレーダーに写るようになったラッド。
その数は夥しくレーダーの地図を埋め尽くさんと言わんばかりの数でそれを見て忍田本部長は焦る。現在、ボーダーの精鋭中の精鋭であるA級の1、2、3位の隊はいない。勿論、他にも強い部隊はちゃんといる。居るには居るのだが、今必要なのは物凄く強い人1人でなく、沢山のそれなりの実力者だ。そのそれなりの実力者はボーダーにそれなりにいるものの、それでも数が足りない。
どの地区に誰を配置すれば良いのかと悩んでいるとラッドにヒビが入っていることに気付く。
「この近界民、君が倒したのか?」
「え、あ、はい。自分が倒しました」
「そうか……そうか!」
倒したのは貴虎だが修ということにしておきたいので自分だと言うと閃く忍田本部長。
「鬼怒田さん」
それが出来るかどうか鬼怒田さんに調べて貰う。
ラッドの数、ラッドの固さ、ラッドには戦う機能があるのかと隅々まで調査してもらい、ラッドには光線を放つといった機能が一切なく訓練用のレイガストで破壊する事が出来るほど耐久力が無いことが判明。
「沢村くん、今すぐに各支部及び提携校に連絡をし召集を。AからB級、だけじゃない。訓練生のC級も、今動けるボーダー隊員総出で駆除を。城戸さんには私から話を通しておく」
「待ってください!」
ラッドをどうにかする方法へ辿り着いた本部長に修は待ったをかけた。
人海戦術、弱いラッドをC級も含めて動ける全隊員で駆除するのは効率が良いがラッドが偵察用だと知り、ついさっき兄と遊真が言ったことが頭に残っている。
「……これって普段ボーダーが相手にしている近界民とは違いますよね?」
修は貴虎から貰ったラッドについての要点を纏めたメモを開く。
「普段から此方の世界を襲撃してくる近界民とは違うが、これも近界民である意味一番危険だ」
「その……手口を変えてきたんじゃないでしょうか?」
「なに?」
「ボーダーがここに出来て、数年の間、三門市の人達を、この世界の人達を守ることは出来ています。
近界民からすればそれは人を拐う事に失敗していて、どうしてと疑問を持ってコイツを送ってきたのかと……見てください、カメラの様なものが背中についています」
【要点その1背中にカメラっぽいものがついている】
「確かに、カメラの様な物がついてはいるが……」
「これは誰かを拐ったりするわけでも倒したりするんじゃなくて、もしかすると情報収集する監視カメラの様な物じゃないでしょうか?」
【要点その2見た目からして戦闘及び捕獲用じゃない】
「監視カメラか……鬼怒田さん」
「確かにカメラの様な機能はついておるが、それよりも恐ろしいのは門発生装置だ。
ワシの作った門誘導装置がどれだけ優れていても内側から門を開けられては手の施しようが無い!今まではどうにかなったが早いところどうにかせんと手遅れになるわ!!」
「そこです!」
「なにがじゃ?」
「もう既に6件もイレギュラー門は発生しています。
でもそれら全て現場近くの非番の隊員が対処して解決することが出来ました。つまり、普段から襲撃してくる近界民の数と同じだと言うことです。もし奇襲を掛けるのならば沢山の近界民を送りつければ良いのに現場に居合わせた人達だけで対処することが出来る量、それを1回や2回はともかく6回もは明らかに不自然です。まるでこの街の正確な位置やボーダー隊員達がどうやって動けるかを近界民の親玉が知りたいかに思えます。もしC級も動員すれば、ボーダーがどれだけ居るか、どんな戦い方をするのかを知られるんじゃないかと」
【要点その3 近界民の親玉的な存在が此方の世界の情報を知りたがっている】
「なるほど……」
3つの要点をそれとなく説明をすると召集を中断する本部長。
四年半前に起きた大規模な侵攻レベルの襲来はボーダーが出来てから今まで受けていない。
その間に自分達は強くなり備えていたが逆に言えば相手にも備える期間があったということになり、このトリオン兵が此方の世界の対策として作られた物だと言われれば妙に納得が行く。
「お前の言いたい事は分かった。
だが、今は一刻を争う。トリガーに備え付けられているレーダーにコイツを写せるようにせなければならんし、なによりも何時イレギュラー門が開くか分からん。AとB級だけでは時間がかかり、その間にイレギュラー門が開く可能性がある。街には何時爆発するか分からん時限爆弾があるも同然なんだ、多少のリスクを背負うのは覚悟の上だ!」
鬼怒田さんもその事については納得したが、そんな暇はないと一喝。
実際問題、残された時間は本当に極々僅か。1時10分ちょっとに近界民が修の通う三門市立第三中学校にイレギュラー門を発生させ襲撃し、更には夕方以降に市街地にイレギュラー門が発生し、爆撃型トリオン兵を出して10名以上の死者を出す。今すぐにでもレーダーに写るようにして全隊員で動かなければならない。
しかしそれをすれば修の言ったとおりボーダーの情報を知りたがっているトリオン兵を送ってきた国の思う壺で、入念に準備してから大規模な侵攻をしてくる可能性がある。
修の言っていることは間違っていない。鬼怒田さんが言っていることも間違いない。どちらの言い分も間違っておらず、どうすれば良いのかと悩んでいるとメディア対策室室長の根付がやってきた。
「鬼怒田さん、聞きましたよ。イレギュラー門の原因が判明したと」
「おお、ちょうど良いところに来てくれた」
イレギュラー門の原因はラッド。
C級を動かそうにも、それが街中にいるのでイレギュラー門も含めてある程度は三門市に公表し三門市に協力を要請しなければならない。その辺の仕事を主とする根付さんがやって来てナイスタイミングだと鬼怒田さんはラッドの画像を根付さんに渡す。
「ほぅ、これが今回のイレギュラー門の原因ですか」
「そうじゃ。コイツが門を内側から開いとるせいで市街地に門が出ておる」
「いやはや、鬼怒田さんの門誘導装置が壊れたかと思いましたがコレが原因ですか」
「当たり前だ!ワシの門誘導装置に問題などなに一つない!」
「しかし、誘導装置が作れるならば誘導妨害装置も作れるはず。
近界民が門誘導装置の存在に気付き門誘導妨害装置を作ってきたら最後、どうにもなりませんのでその辺はお願いしますよ」
「分かっとるわ、それぐらい」
とんとんと話を進めていく鬼怒田さんと根付さん。
このままいけばC級を含めたボーダー隊員総動員で動くことになり、情報が漏れる。
「根付さん、少しよろしいでしょうか?」
「なんですか?」
内部の問題処理やメディアに様々な対策をしボーダーの地位向上、アンチボーダー団体を少なくしているのはこの人のお陰であり、もしかするとと情報漏洩を防ぐ方法が浮かばない忍田本部長はメディア対策室長になにかないかと意見を求める。
「なるほど、情報漏洩を防ぐ方法ですか……流石に全ては無理ですね」
「全て、と言うことは一部は可能ですか?」
「ええ。開発室の方々には少々お手数を掛けますがある程度の情報操作は可能だと思います」
「なにをしろと言うんじゃ?」
「全隊員のトリオン体の容姿を改造し大きさ以外は統一、そこにいる彼の様にC級だと見せるのです。駆除の際に使うトリガーも弧月、アステロイド、イーグレットの3つのみに固定。今回はC級を動員するのでプライバシーの都合上と色々と理由をつければメディア方面には簡単に対応が出来ます」
「成る程……」
ある程度の情報は漏れるのは仕方ないと見た目と武器を統一することにより漏洩する情報を操作すること方向へと切り替える。漏洩を逆手に取った方法があったかと本部長は納得する。
「嵐山隊はメディアに出るので変更は無しでお願いしますね」
「そうなると、ベースとなるモデルが必要になるな。そこのメガネ、ちょうどいいからお前がモデルになれ」
「え、僕ですか!?」
話が進んでいき、介入する間もなく見守っていた修。
自分に白羽の矢が立つとは思っておらず慌てるのだが雷蔵に腕を引っ張られ、トリオン体のデータを取られる。
「安心して、そっくりそのままコピーするんじゃないから。君の容姿をベースとしてこっちでちょこっと改造するから」
「雷蔵、どれぐらい掛かる?」
「十数分で……あ~でも、色々と出来るな」
母親の遺伝子が強いのか中性的な見た目の修。
ちょこっと弄くれば女にできるんじゃねと割とノリノリで妄想にフケてしまう雷蔵。なにをしていると鬼怒田さんに叩かれると話は戻り本部長は聞く。
「それらにどれくらいの時間が掛かりますか?」
「トリガーのレーダーに写るのと、全隊員のトリオン体なんかの変更じゃからざっと4時間ちょっとじゃの」
「そんなに直ぐに出来るんですか!?」
「逆だ、馬鹿者!四時間以内にイレギュラー門が発生する可能性がある、それが何処で発生するかはまだ此方では分からんのだぞ!」
早いように見えるが、逆である。
今ここでこうしている内にもイレギュラー門が発生して多数の死者が出る可能性があり、それの対処はまだ出来ていない。この数時間の大量の死人を出す可能性がある。
「それについては迅に、今日の分の防衛任務を変更してイレギュラー門のみに対応をさせます」
「ならば、決まりですね」
イレギュラー門についてやることは決まったと動き出す。
開発室はラッドをレーダーに写るようにし、修をベースとしたモブっぽい見た目のトリオン体の作成。
メディア対策室はテレビを通じてイレギュラー門の原因を発表、街に避難勧告や学校に休校等を要請、そのまま学校にいる召集可能な全隊員の召集。
本部は集めた隊員達を何処の地区にどういった編成でバラけさせるのか、万が一にイレギュラー門が発生した場合の対処をどうするかといった現場の調整をはじめる。
「はいはーい、お待たせしました実力派エリートの迅です!」
「あの人は……」
ラッドの駆除に向けて準備をしていく内にやってきた胡散臭いグラサン、ボーダーに二人しかいないS級隊員、迅悠一。
試験に落ちた自分を裏で色々として入隊させてくれた人だと少しだけ表情を修は変えるのだが、遅い!と鬼怒田さんに叫ばれる。
「忍田さん、どうしたの?」
「イレギュラー門の原因が判明した」
ポリポリとぼんち揚げを食べる迅。
イレギュラー門の原因はコイツだと忍田本部長がラッドを見せると、ぼんち揚げを食べる手を止める。
「読み逃した?」
「なにか見えたのか?」
「いえ、ちょっと読み逃しただけです」
「?」
迅は未来視のサイドエフェクトを保有している。
顔が見える人の未来をみることが出来るのだが、迅が見ていた未来とは大きく異なる出来事が起きており驚いている。
「読み逃し、大丈夫なのかそれは?」
「問題ありません。
オレのサイドエフェクトだと明日に一斉にボーダー総出でこいつの駆除するといってたんですけど、この調子でいけば今日の3時ぐらいから駆除が出来るようになるっぽいので」
「1日、早まったということか?」
「まぁ、平たく言えばそうですね。ところで、そこにいるC級は?」
「ああ、彼はイレギュラー門の原因を見つけて届けてくれたんだ」
「そう、ですか」
ジッと修を見つめる迅。
見知った人と会話をしている未来が多々あるのだが、その内の1つに自分が所属する支部の烏丸達に色々と教わっている未来が見える。修だけじゃない、顔は見えないが修の知り合いも一緒に教わっている……のだが、途中で未来が消える。ここ最近、ボーダー隊員達の未来がフラっと消えたり確定していた筈の未来が急に変わったりすることがあり、修にもそれが起きていた。
「全隊員総出でトリオン兵の駆除をするが、それまでにイレギュラー門が発生する恐れがある。
迅、お前はそれまでにイレギュラー門が発生しそうなトリオン兵を見つけて、それらを優先して破壊してくれ」
「了解しました!……っと、今から発生しそうなのは、ここだな」
モニターに写る三門市の地図に迅は今から出てくるのはここだと指をさす。
「ここは、うちの中学!?」
迅が指さしたのはここからそれなりの距離がある三門市立第三中学校。自身の通う中学で、そこには近界民を引き寄せやすい千佳がいる。
更に言えば、そこにはB級以上のボーダー隊員が1人もいない。イレギュラー門が発生すれば最後、現場に居合わせたボーダー隊員が対処と言ったことはまずない。
「お、君の通ってる中学か」
「はい。うちの中学なんですが、B級以上のボーダー隊員は1人もいません。もし、イレギュラー門が発生したら……」
「まずいな。迅、イレギュラー門が発生する前に直ちに対処にいってくれ!」
「了解です!」
「お願いします、迅さん!」
今のこの場で頼れるのは迅ただ1人。思いを託すのだが、迅は笑顔で修の肩に手を置く。
「君も一緒に来るんだよ、メガネくん」
「え?」
メガネくんも連れていきますね!
迅は忍田本部長から修を連れていく許可を貰い、颯爽とボーダー本部を駆け抜けていった。
太刀川慶
ポジション
個人総合一位 部隊一位 攻撃手一位
MAIN TRIGGER
弧月
旋空
シールド
グラスホッパー
SUB TRIGGER
弧月
旋空
シールド
バックワーム
トリオン 6
攻撃 14
防御・支援 9
機動 8
技術 8
射程 2
指揮 7
特殊戦術 2
TOTAL 56
弾バカ「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」
メガネ(兄)「……」
弾バカ「どうした?テンション低いぞ!」
メガネ(兄)「チェンジしないか?」
弾バカ「ん?」
メガネ(兄)「正直、太刀川さんは米屋の上位互換みたいなものだ。
米屋よりも強いし米屋よりちょっと賢いし米屋よりも指揮能力が高くて考えることが出来る。私生活は手遅れだが、ボーダー隊員としては右に出る者はいない」
弾バカ「おぉ、そうだな」
メガネ(兄)「更に言えば、太刀川隊には出水という優秀な射手がいて唯我というお荷物を抱えていても部隊として一位を取れる力を持っていて私が太刀川隊に加わった場合は狙撃手をして唯我に自爆スイッチをつけると何時かの日、説明した」
弾バカ「近距離最強の太刀川さん、中距離無敵のおれ、視覚強化の遠距離最強のお前、囮として使える爆弾。遠近中に特殊戦術とコンプライアンスを除けば全てに置いて非の打ち所がなくなるアレか」
メガネ(兄)「これ以上はなにをしろというんだ……」
弾バカ「あ……」
メガネ(兄)「ボーダー随一の弧月使い?ボーダーで唯一の弧月二刀流する人?DANGERをダンカーと読み間違えた?髭を囃している理由が賢く見えるから?!
弾バカ「ええっと……太刀川さん攻略ってのは?二宮さんがフィールドの障害物扱いで、太刀川さんは二宮さんより上だろ、どうやって太刀川さんを倒すか考えるのはどうだ?」
メガネ(兄)「私、太刀川さんなら何回やっても勝てるぞ?」
弾バカ「マジで?」
メガネ(兄)「攻撃手でやりづらいの生駒さんと迅だけで太刀川さんは割とどうにでもなる。
あの人は弧月の二刀流とかしてきて技術力も高く、グラスホッパーで機動力を持っているが私はサイドエフェクトで動きがよく見えて化物染みた手先の器用さがあるからどうにでもなる」
弾バカ「お前のサイドエフェクトチート過ぎるだろう!槍バカから聞いたけど、お前その気になれば電━━」
メガネ「それは言うな。私も、それは反則級とかゲームバランス崩壊させるとか思っている。
大体、ニノさんと太刀川さんは方向性が違うだろう。あの人は威力ある大きい弾と威力そこそこの小さく細々とした弾でのシンプルな揺さぶりが強く、火力のゴリ押しゲー出来るのが売りだ」
弾バカ「まぁ、そう言われればそうだよな。太刀川さんって、なにがスゴいとかじゃなくてシンプルに強いんだよな。
村上さんは驚異的学習能力で直ぐに相手の技を対策できる、風間さんはカメレオンを使った奇襲戦法、生駒さんは通常よりも射程範囲が広い旋空、雪丸はレイガスト二刀流からのスラスター(改)、迅さんは未来視を使って自分が勝てるように勝負を動かす+自分が十二分に使いこなせる武器なスコーピオンを作成、小南は玉狛が作った一品物の双月(斧)。
攻撃手の10000ポイント越えてたりする奴等はオプションとか無しの剣一本だけでも単純に強い+なんか持ってるけど太刀川さんはそういうの無いな。サイドエフェクトは持って無いし、カメレオンみたいな特殊な戦術で使うオプショントリガー使ってないし、A級の権限を使って迅さんのスコーピオンみたいに自分に合った武器を作ったりしてねえし」
メガネ(兄)「あの人こそ真の実力派エリートじゃないのか?」
弾バカ「……ぶっ!?」
メガネ(兄)「どうした?」
弾バカ「迅さんみたいに爽やか笑顔で、目を三にして実力派エリートの太刀川ですって言ってる姿を想像しちまったじゃねえか」
メガネ(兄)「すまん、絵面が
弾バカ「酷いって言うなよ……それで、組ませるなら誰と組ませる?」
メガネ(兄)「お前と組んでる時点でもういいだろう。狙撃手が欲しいなら、東さんか当真を入れる。なんなら、ニノさん、里見、当真の一位のみの部隊でも面白いぞ」
弾バカ「そういうロマン溢れるのも好きだけどよ、もっとなんかあるだろう。迅さんと組ませるとか」
メガネ(兄)「お前もロマンに溢れているだろう。そうだな……千佳と弓場さんとユズル?」
弾バカ「攻撃手1人、狙撃手2人、銃手1人か……どういう感じでいくんだ?」
メガネ(兄)「戦術だと分かっているが、それでもそれでも本当に嫌で嫌で仕方ないが千佳とユズルを組ませる」
弾バカ「それで?」
メガネ(兄)「千佳のメテオラぶっぱでフィールドを木っ端微塵して地形を生かす戦法をさせず、隠れることを出来ないようにする。
ユズルはその間、千佳を狙う奴から守ったり逆に狙撃したりし、木っ端微塵になったフィールドでは弓場さんが射手と銃手を、太刀川さんは攻撃手を優先して一対一に持ち込む。フィールドを破壊し終えた後、千佳はハウンド+鉛弾やライトニング+鉛弾で攻撃手を狙いサポート、ユズルは銃手の手や射手のトリオンキューブをメインに狙撃してサポートだな」
弾バカ「
メガネ(兄)「そして万が一太刀川さんと弓場さんが一対一で負けた時用に自爆機能を千佳に備え付け、ユズルにスイッチを握らせる。太刀川さん弓場さんの二人が倒された時は全員を道連れに強制的に試合を終わらせる」
弾バカ「お前、悪魔か何かの生まれ変わりか?」
メガネ(兄)「転生者だから生まれ変わりと聞かれれば、ある意味そうかもしれん……と言うことで次回予告」
弾バカ「もう!?」
メガネ(兄)「第三中学に潜むラッドを駆除しに向かった修と迅。速やかにラッドを駆除し、生徒一同を避難させたものの修はボーダー隊員である事を学校の皆から知られる。次回、ワールドトリガー!【繋がる点と点】に、トリガー、オン……右見ても左見ても修のそっくりさんは地獄絵図だった」
弾バカ「おれ、遠征中だからその様子見れねえんだよな……」
ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)
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