「迅さん、僕のことを覚えていてくれたんですか?」
三門市立第三中学へと向かう修は迅へ覚えてくれたか聞く。
「そりゃあ、忘れられないよ。試験の結果が気に食わないから上層部に直談判しようとした子なんて、メガネくんぐらいだ」
「そ、それはそうですが」
「ちゃんと覚えているよ。君は守りたいこととやりたいことがあるからボーダーに入ったのを」
「!」
予期せぬ感動の再会を果たし、喜ぶ修。
思ったよりもロマンチックなところがあるんだなと迅は頬を緩ませるのだが、修からある未来が見えたので直ぐに真面目な顔をする。修が誰かとなにかを話しており、なにか重要な話をしている未来。学校内で話している未来が見える。
「そういえば、学校の方に話は通っているんですか?」
全速力で第三中学に向かうのだが、それだけで特になにもしていない。
学校側の許可を取ったり等を一切していなかったりするし、なんだったら本日休み扱いにしてもらっている修。このまま向かって良いのかと聞くと迅は黙る。
「大丈夫、メガネくんが居ればなんとかなるから」
それは僕に全てを押し付けるだけでは?
修は行き当たりばったりな所に少しだけ心配をするが、学校に到着するとある程度の話は通じているのかすんなりと入ることが出来た。
「メガネくん、オレが倒すから校内にいる生徒の避難をお願いね」
「分かりました」
話が通っていたのは受け持つ授業がない校長や教頭だけで、生徒に伝えれば慌ただしくなると伝わっていない。
迅は自身の師の形見である風刃の刃を抜き、修に避難誘導の指示をすると修は警報機を鳴らす。
『門発生!!近界民襲来、近界民襲来!直ちに避難してください!』
近界民用の避難訓練の警報を鳴らせば、生徒は嫌でも動く。
突如と起きる近界民襲来の警報に教室内に居た生徒達もざわめき、なにも知らされていなかった教師陣営も驚く。しかし、そういう時に備えて避難訓練をしていると生徒はテキパキと動き出し、避難経路を歩き地下のシェルターを目指すのだが1人だけ全く別のルートを通る人を見つける。
「千佳、なにしてるんだ!?」
「修くん!?」
1人、道から外れて避難をしようとしなかったのは千佳だった。
近界民襲来の警報を聞いて、自分が引き付けようと勝手に列から出た。
「早く地下のシェルターに向かうんだ!」
修は近界民が襲来してきたからあえて抜け出した千佳に怒る。
今すぐに列に戻れと指差すのだが、それが原因でクラスメイトや後輩達に姿をハッキリと見られてしまう。
「三雲くん、ボーダー隊員だったの!?」
「三好、詳しい事情は後でボーダーから説明があるから今は地下に向かっていってくれ!そうじゃないと大変な事になる!」
「うっし、分かった!」
運が良かったのか、その中にはボーダー好きで有名なクラスメイトの三好がいた。
修がボーダー隊員だったことに興奮する三好だが、修が焦っていると分かると驚いている他のクラスメイト達を先導し避難していく。
「千佳も早く」
「で、でも」
近界民が直ぐ近くにいるとサイドエフェクトで感じる千佳は修の身を心配する。
「大丈夫だ。頼れる人が一緒に来てくれている」
1人ならば無理だったが、今は頼れるあの人と一緒だ。
他力本願なものの、迅の存在は修にとっては何よりも心強く言葉に力を与えてくれた。
千佳は修の言葉を信じ、地下のシェルターに向かっていくのだが修はあることに気付く。
「空閑がいない?」
三好以外にも色々とクラスメイトがいた。
その中には空閑が居ない。ラッドの事についてどうだったか報告をしたかったのだが、何処にも居なかった。何故居ないのかと疑問に持ちながらも修は避難誘導し、生徒及び教師一同を地下のシェルターに避難させた。
「迅さん、終わりました!」
「こっちも終わったよ、メガネくん」
「この後は、どうすれば」
「実力派エリートに任せなさい」
互いにすることを終えると避難先の地下のシェルターに向かう。
なんの前触れもなく警報が鳴った為にざわついており、迅と修が入るとピタリと静まり返る。
「どうも、実力派エリートの迅です。こっちはメガネくんです……ほら、メガネくん、挨拶を」
「あ、はい。どうも、三雲修です」
学校で使っているマイクを借り、気さくに挨拶する迅。修を巻き込み、ボーダー隊員だと言うことをアピールすると真面目な顔をして本題に入る。
「実は今、大変な事が起きているんだ」
「それって、市街地に発生したイレギュラー門のことですか!?」
「おおっと、そこの君!知ってるのかい?」
「ボーダーの事はなんでも知ってます!」
イレギュラー門について説明をしようとするとボーダー好きの三好は既に情報を手に入れていた様で、静まり返っていた空気は一気にトークライブの様な空気へと早変わり。
迅もこの未来は読み逃していたがラッキーだとこの空気に便乗する。
「そうなんだよ。今、市街地にイレギュラーな門が発生していてね……おっと、騒がないで。
詳しくは後で放送されるけど、その原因を隣にいるメガネくんが見つけてくれて今ボーダー側が解決しようとしている……だけど、その前にこの学校でイレギュラー門が開きそうだから来たんだ」
「生徒全員を移動させるにはこれしかなかった。驚かせたりして、申し訳ありません!」
イレギュラー門についてざっくりと説明をすると再びざわつく。
修は驚かせたことについて頭を下げて謝罪をするのだが、怒りの声はなかった。
「ありがとう!」
「イレギュラー門の原因を見つけたって、三雲スゲー!」
「学校に直接門が発生したら避難出来ないでしょ。先に誘導してくれてありがとう」
修の人徳なのか、事件が起きる前に解決してくれた事を感謝の声が響く。
中には修をヒーロー視する声があるのだが、見つけたのは兄でありラッドの情報を教えてくれたのは遊真なので自分の手柄ではない。それを言うわけにはいかないので困っていた。
「佐補、副!!無事か!!」
そんな時だった。
三雲スゲーの空気をぶち壊すかの様に嵐山隊のシスコンorブラコンの嵐山が叫びながら入ってきた。何事かと会場は一瞬、静まり返り嵐山隊だと分かると直ぐにざわめいたりするのだが、嵐山の弟と妹は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「よかった!!イレギュラー門がこの辺で発生すると聞いて、飛んで駆けつけたんだ!」
「ちょ、恥ずかしいって!!」
「やめて!」
「嵐山、お前防衛任務はどうしたんだ?」
シスコンブラコンを発揮し、弟と妹が無事なことに喜ぶ嵐山。
本日防衛任務の嵐山隊の隊長がこんな所に居て大丈夫なのかと聞くとそうだったと仕事に戻る。
「防衛任務は別の隊に変わって貰った。
俺達嵐山隊はイレギュラー門の原因である近界民の駆除をするまでの間に避難勧告をしてくれと頼まれたんだ」
ピッとレーダーを手元に出現させる嵐山。
学校付近にまだ何体かのラッドの反応を確認すると通信機で佐鳥達に連絡をし、ラッドの駆除に向かわせその間に避難やこれから起きることについて説明をする。
人前でなにかをするということに馴れているのか、テキパキと尚且つ分かりやすく説明をし、質問をした人にも丁寧に答える姿はまさしくボーダーの顔そのものだった。
「貴方の出番は無いわよ」
そんな嵐山を見ているだけだった修は嵐山隊のデコッパチもとい木虎に声をかけられる。
「そうみたいだね。嵐山さんが来てくれて、本当によかったよ」
学校に来てからなにかと目立っている修。
そんな修が気にくわないのか木虎は嫌味を飛ばしたのだが修は自分がヒーローだと持て囃されたい等と一切思っていないので全くといって通用しない。修は素直に嵐山が来てくれた事に喜ぶ。
「……貴方が拾った近界民、見たところ壊れていたけど基地外でトリガーを使ってはいけない規則を知らないのかしら?」
嫌味を飛ばしたのだが通じていないと、別の話題を出す。
木虎はラッドをトリガーで壊したと勘違いをしている。近界民を壊した事について言われるとなにも言えなくなってしまう。なにせ壊したのは自分でなく兄なのだから。
「はぁ……イレギュラー門の原因を見つけたからよかったけど、トリガーの無断使用はダメなことぐらい」
「木虎、今はそれは関係の無いことだよ」
言い返さない修を見てここぞとばかりの反撃をしようとする木虎だったが時枝が間に入る。
結果的にはイレギュラー門の原因を見つけているし、プラマイ0どころかプラスだと修の事を誉める。
「そうだ。君にはお礼を言わないと!
君が見つけてくれなかったら、佐補や副達が襲われていたかもしれない」
「いえ、僕は届けただけで実際は他の人達が色々と頑張ってくれたから防げただけです」
「謙遜しなくてもいいよ!君が見つけたから、今こうして皆が動くことが出来たんだから」
露骨な点数稼ぎを!と木虎はキッとするのだが、修はこれが素である。
「そういえば、君の名前を聞いてなかったな」
C級の隊員と迅が現場に向かっている。
そうとだけ話が伝わっており、嵐山は修の名前を聞いていなかったので改めて修の名前を聞く。
「修、三雲修です」
修もクラスメイト以外からは名前が呼ばれていなかったようなと改めて嵐山に挨拶をする。
「三雲!?」
「あ、はい。漢字の三に雲行きの雲と書いて三雲です……どうかしました?」
名前を聞いてビクッとした佐鳥。
もしかしてと時枝とともに修を見る。
「あの人、弟なんて居たっけ!?」
「知らない。けど、三雲なんてありふれてないそこそこ珍しい名字だから」
「そう言われればそうだけど……似てるかな?」
「中学3年であの顔となると、老け具合が似ているんじゃないかな?」
「あの、すみません。丸聞こえです」
よりによって顔を基準にする佐鳥と時枝。聞こえてしまったからには聞くしかあるまいと聞こうとするのだが、言葉が出ない。
「ええっと、三雲くんは……なんだっけなんだっけなんだっけ……とっきー、なんだっけ!?」
「えっと……三雲くんってお兄さんは居るの?」
「ズルい!!」
貴虎の名前を出そうとするのだが、下の名前を滅多に名乗らない。仮に名乗ったとしても三雲の方が呼びやすいし覚えやすいとして呼ばれない。
貴虎から名前を一度も聞いたことが無い佐鳥は名前を出すことも出来ず、時枝はダイレクトに修に聞いた。
「17歳の兄がいます」
「やたら老けてる?」
「老けてますけど、本人の前で言わないでください。昨日も間違われて、結構落ち込んでました」
「……その、三雲くんのお兄さんには何時もお世話になっています!!」
修が貴虎の弟だと分かるや否や、90度直度に腰を曲げて頭を下げる佐鳥。
「や、やめてください!」
「いや、本当に何時も何時もボーダーの皆様がお兄さんにお世話になっていまして」
「兄と僕は一切関係ありません!むしろ、そういった行為をしないでくれた方がありがたいです」
貴虎の知り合いにボーダー隊員が出来たのは知ってはいるものの、どういった関係かは知らず佐鳥がヘコヘコと腰を低くして下げるためにどうすればいいのかが分からない。
弟だからと特別視されることを修は嫌がり普通に接してくださいと頼み込み、なんとか頭を上げてもらう。
「他にもイレギュラー門を発生させようとする近界民がいる。急ぐよ、メガネくん」
「はい!」
兄と弟がどうのこうのは一先ず置き、残りのイレギュラー門を発生させようとするラッドの駆除へと向かう修と迅。
三門大橋付近にある複数のラッドを破壊。それにより、本来ならば死ぬはずだった18人以上の死を回避することが出来た。
「ん~……居ないか」
街にイレギュラー門を発生させようとするラッドを駆除し、被害者を減らすことが出来たのは喜ばしい事だがいくつかの疑問を迅は残していた。
迅のサイドエフェクトではイレギュラー門の犯人を誰かが見つけて、修が届ける未来が見えていた。そしてそれは明日に起きる事だった。だが、それが急変し今日となった。
未来は無数に存在していて、何時だって急に変わることだってあることを知っているのでそれについてはそこまで驚きはしないものの、修は誰かと会っている。だがその誰かが分からずにモヤモヤしていた。
学校にいけばその誰かと自分が会う未来があったのだが、学校にその人物は居なかった。
「メガネくんのお兄さん……じゃあ、ないよな」
その人物が貴虎かと考えるが、それだと中学に居るのはおかしいと首を振る。
迅が見ていた人物は遊真なのだが、その遊真は貴虎に休みになると言われたので学校に行かなかった。
「時折、誰かが未来を変えているけど……いったい誰が?」
直ぐに落ちたものの上位に入った那須隊、くさやを食べていた太刀川と堤、アクアリウムを破壊されてもそこまでの反応だった来馬。時折見えていた未来が急変し、それが人為的だと迅は気付いているのだが誰かは分からなかった。
未来を変えようとしている人物については一先ず置いておき、イレギュラー門を発生させようとするラッドを駆除するのに集中しようと気持ちを切り替えた。
「三輪7、米屋59、時枝11、京介9、佐鳥48、熊谷72、小佐野22、見知らぬ電話番号から32……どんだけ暇なんだ」
連日昼夜を問わずラッドの駆除を行われる一方、学校とか市街地に万が一イレギュラー門が発生するとややこしいので学校は一時休校しラッドの駆除に勤しむ修の邪魔をするわけにはいかないと貴虎は遊真と一緒に家に引きこもっていた。
貴虎の携帯にはこれでもかと知り合いのボーダー隊員から電話が入っていたのをみてため息を吐き窓の外を眺める。
「むぅ……右を見ても左を見てもオサムだらけだ」
「マジでそれ言うのをやめろ」
ボーダーのラッド駆除は嵐山隊を除いたボーダー隊員全てがC級の格好をするだけでなくオサムっぽい見た目をしており、その事に貴虎はお腹を抑えていた。
『確かに武器と見た目を統一すればある程度の情報漏洩は防ぐことが出来て、偽の情報を送ることは可能だが……これは中々にシュールなものだ』
「レプリカ、お前はシュールで済ませる事が出来るが私なんてシュールで済ませられないんだぞ」
右を振り向けば弟のそっくりさん、左を振り向けば弟のそっくりさん。前にも後ろにも弟のそっくりさん。
嵐山ならば喜ぶかもしれないが、貴虎はそこまでのブラコンでもなんでもないので恥ずかしかったりカオスだったりし、なんとも言えない気持ちになっている。
「しかしまぁ、こっちの世界に来て数日で、こんな事になるとはドンマイとしか言えないな」
「おれよりも、ボーダーに言った方が良いと思うぞ。
ラッドを使ってきたってことは、トリオン兵だけじゃなくおれみたいにトリガーを使う近界民が来るぞ」
「遊真」
「む?」
「お前は近界から来た人間で、近界民じゃない。
近界民はこっちの世界を養殖場や搾取する場所としか見ていないやつのことだ」
「そうか……」
意外な一言を貴虎から言われた遊真は嬉しかった。
「修もきっと似たようなことを言うぞ」
連日昼夜を問わずラッドの駆除をした事により、最初の6件を除けば被害は0に抑え込むことに成功。
ラッドを発見し、色々と意見を出したことになっている修はこの功績を称えて特別報酬と幾ばくかのポイントを贈呈。それにより修はレイガストポイントが4000点を越えてB級に昇格。
「兄さんが考えたりしたのに、僕の手柄でいいのかな……」
「構わない。私が金を貰ったりスカウトされたりするよりも、修のB級昇格の方が価値がある」
「でも」
「お前はB級に上がれて、私は目立たないWin-Winの関係だ。
それでも罪悪感があるならば、私には出来ないことをして誰かを助ければ良い。案外、遊真もお前の力が必要かもしれないぞ」
「空閑が?」
「遊真は何かしらの理由があってこっちの世界に来たはずだ。
ボーダー隊員でない私には相談ぐらいしか出来ないが、ボーダー隊員のお前なら相談以外にも力になれるはずだ」
その事について修は色々と罪悪感を抱いていたが、貴虎に上手く丸め込まれて終わり、改造されたラッドによるイレギュラー門の一件は終わりを迎えた。
「……う~ん」
かの、様に見えた。
事件解決後今後このような事が起きてはならないので雷蔵はラッドについて隅々まで調べさせられているのだが、頭を悩ませていた。
「どうした?なにか見つかったか?」
「いや、このトリオン兵にトリガーを使用した痕跡が無いんですよ」
「なに!?」
トリガーを使用すれば、ある程度の痕跡を残す。
トリオン兵を倒したとすれば確実に残るはずの痕跡が修の持ってきたラッドにはなかった。
「どういうことだ!」
「いや、オレに聞かれても分かりませんよ」
ラッドを駆除したのは貴虎で生身で無理矢理力業で駆除したので、分からなくて当然だった。
だが、わかりませんで済ませることが出来ない開発室の面々。
「とりあえず、三雲を呼んで問いただしますね」
「そうし、いや、待て」
「?」
原因は分からないからとりあえずは本人に聞こうと通信を入れようとする雷蔵を鬼怒田さんは止める。
鬼怒田さんはパソコンを操作し、ここ最近起きた出来事について纏めたものを読み返しており修がラッドを届ける前日の記録を見て、手を止める。
「このトリオン兵が届けられる前日に警戒区域に勝手に入ったから記憶を弄くった奴が居ただろう」
「あ~如何にもな柄の悪い中坊でしたよ」
「そいつら、何処中だ?」
「え~っと、三門市立第三中学ですね」
「……」
修がラッドを届ける前日、バムスターが倒された状態で発見されて正体不明のトリガーの痕跡が見つかった。
その付近に修と同じ中学に通う三バカがいた。
開発室長の権限でボーダーのデータベースにアクセスし、隊員のプロフィールを確認すると修の通う第三中学に居るボーダー隊員は修のみで他にはいない事が判明した。
修が届けたラッドはトリガーを使った痕跡が残っていない。
修が持ってきて、拾ったと言っている。
「雷蔵、今すぐに三輪隊を呼べ!!」
「三雲じゃなくて良いんですか?」
「三雲は呼ばん。代わりに三輪隊を呼べ!!」
おかしな点が幾つも浮かび上がり、点と点を線で繋ぎ合わせた結果答えを導き出した鬼怒田さん。修でなく三輪隊を呼び出す様に雷蔵に指示する鬼怒田さん。
不可解な点と点を繋ぎ合わせた結果、半年程前にトリガーを横領した鳩原を追跡した風間隊の前に現れ瞬く間に倒した謎のトリガー使い、スカルが浮かび上がった。
ラッドを届ける前日に近界民を倒したのはスカル。翌日にラッドを修に渡して色々と教えたとすれば、こっちの世界を偵察しに来た等のC級らしからぬ考えにも納得がいく。
その予測が当たっているかどうかはともかく、修が黒である事は確かで呼び出してもハッキリと答えないだろうと三輪隊を呼び出し、修の調査を命じられた。
ポジション 攻撃手
MAIN TRIGGER
弧月
旋空
シールド
FREE TRIGGER
SUB TRIGGER
FREE TRIGGER
メテオラ
シールド
バックワーム
トリオン 5
攻撃 6
防御・支援 8
機動 7
技術 8
射程 3
指揮 4
特殊戦術 2
TOTAL 43
実力派エリート「おおっと、今回は熊谷ちゃんのか」
メガネ(兄)「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話……今回は敢えて名前を伏せたが気付くか」
実力派エリート「実力派エリートなので、大体分かるんだよな」
メガネ(兄)「流石はセクハラ魔。来年やったら刑務所に送り込める様になるセクハラ魔」
実力派エリート「ラッキースケベで熊谷ちゃんのを揉んだり直に見てるお前にだけは言われたくない、老け顔」
メガネ(兄)「お前のは故意。私のは偶然だからな」
実力派エリート「その気になれば故意で触れても怒られないような気もするけど。くそ、羨ましい」
メガネ(兄)「サイドエフェクトでなにを見た……もうぐだぐだは良いか。
今回は熊谷について色々と説明を、した方が良いのか?ぶっちゃけた話、ステータス低いだろ?」
実力派エリート「今までどれかのパラメーターが10以上がある人ばっかで、A級とかボーダーのトリガーじゃなかったりで熊谷ちゃんのパラメーターはB級基準でも平均的。トリオン量ばかりはどうすることも出来なくて攻撃もぶっ壊れた攻撃手が多い中でも低い方だけど、防御は8と高めだ」
メガネ(兄)「防御・支援15の奴が言って良いことじゃない」
実力派エリート「太刀川隊の時だと17の人間がなにを言ってる。
とにかく防御・支援8はとても高く、B級の攻撃手だと遊真と荒船が防御・支援8だから分かりやすい」
メガネ(兄)「だが、それだけだろう。
遊真はそれに加えて攻撃、荒船さんは射程なんかが高く、パラメーターが熊谷よりも高い。空閑はマスタークラスの実力者、荒船さんはマスタークラス。熊谷はまだマスタークラスじゃない」
実力派エリート「厳しいことを言うねぇ」
メガネ(兄)「誰かが何処かでそういう厳しい事を言って汚れないといけないだろうが。喜んで汚れるぞ私は。
熊谷は防御は上手い。弧月で受け流す、所謂受け太刀が上手くてマスタークラスからもその辺は凄く好評価は受けている。しかし、そこからの攻めが無い。弱くはないが、頭一つ抜けて強いわけでもない。お前みたいに防戦しつつ自分の有利な展開に持ち込む事も出来ていない」
実力派エリート「熊谷ちゃんのいる那須隊のエースって役割は隊長の那須ちゃんがやってて、熊谷ちゃんは点を取るサポートをする機会が多いから攻撃低くてもあり、だとダメなんだろうな」
メガネ(兄)「上には上がいるからな」
実力派エリート「バイパーを使わないものの圧倒的な火力を持つ二宮さん、那須ちゃんと同じくバイパーの弾道をリアルタイムで処理できて全ての弾を使い火力のゴリ押しが出来る出水、よーいドンの一対一なら最強の弓場、二宮さんと弓場を足した戦闘をする里見。射手として頭一つ抜けて強い那須ちゃんの上にはその四人が待ち構えている。ハッキリと言えば、那須ちゃん1人でどうこう出来るものじゃない。里見と出水はA級だから今のところ個人戦ぐらいでしか当たることは無いけど、B級の弓場と二宮さんはそうはいかない。熊谷ちゃんと茜ちゃんが頑張って強くならないと」
メガネ(兄)「それは分かるが、この編成でA級とかって目指せるのか?」
実力派エリート「う~ん、ぶっちゃけ怪しいな。
那須隊と同じく3人編成で遠近中にバラけている影浦隊はA級に居たけど、作戦とかどうやって点を取るとかの考えとかあんまり無くてそれぞれの力量がスゴかったから上に行けた感じがあった。
駿を入れる前は遠近中の3人編成だった草壁隊も駿を入れた後だと大きく変わったし、メガネくんのところもヒュースが入って色々と変わったり出来るようになったし……連携とかも大事だけど、確立された個人の力が無いと上に行くのは難しい」
メガネ(兄)「確立された個の力、か……」
実力派エリート「何処かにレイジさんみたいに遠近中全部いけて尚且つサポートにも特化している人が入れば大きく化けるだろうな。でも、そんな奴、ボーダーにはいない!!」
メガネ(兄)「……自分で色々と蒔いた種だ。自分でどうにかする」
実力派エリート「そうか……ところで熊谷ちゃんのおしりとおっぱいどっちが柔らかかった?」
メガネ(兄)「そういうことを言ってるから、一部の……おい、なんか飛んでくるぞ!」
実力派エリート「え、アレってコブラ!?」
メガネ(兄)「あ、弾道が見えた。全弾お前に向かってる……撃ったの那須だな。聞かれていたのか。
と言うことで次回予告だ。B級に昇格した修は千佳について遊真がなにか知っていないか聞こうとし、貴虎も誘うのだが警戒区域付近に呼び出したことが判明。貴虎は修のメガネを剥ぎ取る。次回、ワールドトリガー!【見張られた我が家】に、トリガー、オン!」
実力派エリート「メロンくん、メロンのシールドとかスイカのガトリング兼シールドとか持ってない!?」
メガネ(兄)「メロン持ってきていないし、ウォーターメロンは体を痛めるから持ってきていない。
よゐこの皆、下ネタを話す時は男性用トイレとかの女性が居ない場所で話そうね!っと、第二波が来る前に逃げるか」
ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)
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てれびくん、ハイパーバトルDVD
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予算振り分け大運動会
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切り抜けろ、学期末テストと特別課題
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劇団ボーダー
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特に意味のなかった性転換
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黄金の果実争奪杯