「……ここ、は?」
目を覚ますと神社とは全く別の所にいて意識が混乱をしている三輪。
「秀次、大丈夫か!」
「陽介……そうか、俺は倒れて……」
「ここは本部の医務室だ。
救急車を呼ぼうにも時間が掛かるって言ってたし、掛かり付けの病院も遠いからこっちに運んだ」
周りを見回し、見知った顔が自分が寝ているベッドの隣にいるのを見てなにがあったかを思い出し、倒れている間になにがあってどうして此処に居るのかが分かる。
「あん時は驚いたぞ。
メガネボーイが全然秀次を背負えなくて白チビの近界民が持ち上げて、何処か寝転べる所はないか必死に探しててよ。三雲がその事を気付いて駆け付けて……」
「三雲っ!!」
「……ちょっとなんか飲み物買ってくるわ」
「米屋、三輪は起きたか?ポカリ買ってきたけど」
「起きてない。起きてないから来るんじゃねえ」
「陽介……」
普段は読まないが気を使ったのか空気を読んでくれて退室してくれる米屋。
飲み物を買ってきた出水の声が聞こえてしまい心配を掛けたと三輪は自分の気持ちを整理しようと風刃と自身のトリガーを見る。
「俺は……俺はっ……」
今のボーダーが出来て直ぐに三輪は入隊した。
その為に色々と知っている。ボーダーが今まで何度も何度も近界民の世界に遠征していることも知っている。そして何処の国が四年半前に襲撃してきたかは知らない。
何度も遠征しているものの全くといって分かっておらず、自分が最も憎まなければいけないのだが何処の国の誰だか分からない。
そんな中で何処の国が襲ってきたのかを割り出そうとしてくれるのは救いの手だが、それをしようとしているのが近界民なので受け取りたくない。
「失礼します」
「お前は……」
「スゥー……お互いに知っていますが向き合うのははじめてですよね。はじめまして、三雲修です。何時も兄がお世話になっています」
どうすべきかと答えが出ないそんな時、修がやって来た。
どちらも情報だけ知っている間柄で面と向かい合って話すのははじめてな二人の間にはなんとも言えない緊張感が生まれており、三輪はどうすれば良いのかが分からない。迅と接する時と同じ対応をしない。
「申し訳ありませんでした」
先に動いたのは修だった。
「空閑は、三輪先輩が四年半前にどんな目に遭ったのかは詳しくは知りませんが近界民を憎んでいる事は知っていました。純粋な善意で、四年半前に襲ってきた国を特定しようとしたのにそのせいで三輪先輩を傷付ける事になって本当に申し訳」
「やめろ!!それ以上は言うな!!」
目の前にいる男に、謝られる理由なんて何処にもない。
我が事の様に申し訳ないと頭を下げて謝る修の姿勢に益々と三輪は混乱をしていく。
「三輪先輩……」
「くそっ……どうしろと、言うんだ……俺が、姉さんの仇を取るのは間違いだって言うのか!」
近界民と仲良くする奴。近界民は排除しなければならない思想を持っていたが近界民の入隊を認めたトップ。入隊してくる近界民。危険な目に遭うのを見過ごす男。
ボーダーは近界民と仲良くしようとする組織か?ボーダーは近界民の侵略からこの世界を守る組織か?ボーダーは近界民を滅ぼす組織か?、三輪はなにも分からずに叫ぶ。
「……おい」
「あ、はい」
「三雲は……お前の兄は知っているのか?」
腹の底から叫んだのか、少しだけ気持ちが落ち着いた。
自分の憎しみと現実とどうしたいのか向き合う為に修に貴虎の事を問い掛けるのだが、答えるのを躊躇う修。
「知ってるよ。オサムのお兄さんは、おれのこと」
「空閑!?」
そんな修に代わり、外で聞き耳を立てていた遊真が答える。
「三輪先輩、その」
「大方、言うなと口止めされていたんだろ」
修が説明をしようとする前に大体を察した。今まで誰かがその事について聞いてこなかったが言うなと釘は刺されている。
「あの人は、おれの事を歓迎するって言ってくれた。
向こうの世界からやって来た人間であって近界民じゃないって」
「……」
遊真の口から語られる貴虎を聞いて、不思議と動揺しない三輪。
そうだと思える要素が余りにも多く更には誰かに教えて貰ったわけでもないのに、近界民の詳しい事情を当てた。知っていたとしてもおかしくはない。
その事について上に伝えれば記憶を弄くるだろうが、近界民の遊真に出会う前に自力で答えを導き出したので今と大差変わらないだろうと報告する気が起きない。
「失礼」
「城戸司令……」
「君が倒れたと聞いてな」
やっと気持ちが落ち着いたと思った途端にやって来た城戸司令。
さっきの話は聞かれていなかった様で見舞い品であるゼリーを置いて椅子に座る。
「……すまなかった」
緊迫した空気を壊した城戸司令は頭を下げて三輪に謝った。
「……それは、なにについての謝罪なんですか?」
分かっている。それはなんの謝罪なのか、なんの為に頭を下げるのかを。
「ボーダーには、近界民に対して恨みを持つ者が多くいる。君もまたその内の1人。
そして私もまたその内の1人であり君の憎しみが痛い程に分かる……そう思い込んでいた」
旧ボーダーの方針とは異なる方針を取り、大きくしていった。
根付、唐沢、鬼怒田の三人をスカウトし今まで出来なかった事をした。失わない為に守るためにとやっていた。復讐目的で入っていることを知っている。その思いは憎しみは本物である。それなのに近界民を入隊させた。
組織として大人としてそれはそれ、これはこれと割り切ったが三輪に、近界民に恨みを抱いている人物にいきなりそうしろと言うのは余りにも酷である。
「君の……君達の気持ちを考慮しなかった事を謝りたい」
これが三輪でなく香取でも同じ事になっていたかもしれない。
近界民に恨みを持つ人達を考慮しなかった事を、悩ませ苦しませたことを三輪に謝る。
「謝らないでください」
「……そうか」
「謝るぐらいなら、俺にチャンスをください」
「チャンス?」
「俺に、そいつと戦わせてください」
「なっ!?」
三輪は城戸司令の謝罪を受け取らなかった。代わりに遊真と戦う権利を求めた。
如何なる理由があろうともボーダーではランク戦以外の私闘を禁じられている。ボーダーに入った遊真とボーダー隊員の三輪にもそれは適用されているので戦うことは許されない。だから、三輪はその権利を求めた。
「一度で良いんです。戦わせてください。もし俺に対して本当に申し訳ないと思っているのなら、俺に近界民と戦う許可をください」
「……その一度で、つくのかね?」
「分かりません。
でも、此処で戦わないとこのまま永遠とこのままなのは確かです」
自分の中の気持ちの整理をつけるチャンスを求めた。
「……彼はそう言っている。君は応じてくれるか?」
「良いけど……こっちのトリガーを使えば負けるよ」
「いや、君の持つトリガーで戦ってくれ。一切の手加減をせずにだ」
「……分かったよ」
「少し、待ちたまえ。準備をしてくる」
たった一度のチャンスを与えるべく城戸司令は医務室を後にする。
「お前達も出ていけ」
それに続き追い出される遊真と修。
「どうして、空閑と三輪先輩が戦わないといけないんだ?」
『自分の中の落とし処を見つけるためだ、オサム』
「落とし処を?」
『近界民に憎しみを持つ者達が怒りを向けなければならない相手は四年半前に襲った国だ。
だが、それとは無関係なユーマに対して意識をしている。もしこれから先、何処かの国の近界民を斬ってしまえば最後、怒りの矛先を何処に向ければ良いか分からなくなり、止めれなくなる。例え復讐すべき相手を見つけて倒したとしても、そこから更には怒りをぶつけ続ける。近界民だから殺すといった風に成り変わる。そうすれば最後、襲った国よりも下等になってしまう』
「だから、空閑と?」
「オサム、なんでって分からないかもしれないけどそれはみわ先輩もだと思う。
どうすれば良いのかが分からないから今の自分の全力をぶつける。そうしたらなにかが変わるって、自分が見ないといけないものが見えるようになるって気づいているんだ」
だから、全力で叩きのめす。
遊真はこの世界で作られたトリガーじゃない。父親の命で生まれた能力をコピーする黒トリガーで戦うと普段のトリオン体でなく戦闘用のトリオン体へと換装した。
「これで良かった、のか?」
「いや、やっぱあの野郎、一発ぐらいはぶん殴った方がよかったかもしんねえ」
立ち会うのは城戸司令のみとなり誰もみれないと三輪を見送った米屋と出水は自分なりの答えを出そうとしている姿を見て喜べば良いのかが分からずに、そもそもでそうなった原因の1人である貴虎にその内、なんらかの事をしてやろうと考えた。
『君にとって戦いやすいフィールド、では君は納得しないだろう。警戒区域を再現した』
「ありがとうございます」
腹に見舞いのゼリーを詰め込み、気持ちを整えた三輪はトリガーを起動。
三輪にとって有利なフィールドでなくランク戦で使うフィールドに、ボーダーが警戒区域としている弓手町付近を再現した場所に転送された。そうでなければ意味がない。お膳立てされたフィールドで勝っても意味はない
「……こっちか」
備え付けのレーダーで遊真の位置を特定し、歩きだす三輪。
幸か不幸か、遊真がいた場所は本来ならばそこで戦う筈だった、迅のサイドエフェクトで戦う未来が見えた場所である弓手町の駅だった。
「……俺はここに来るまでにバックワームを使わなかった。ふざけているのか?」
「ふざけてなんか居ないよ……ただ、おれは全力で叩きのめす。
不意打ちとかでも倒せるけど、おれの全力は不意打ちじゃない。真正面からみわせ」
遊真の元に向かう道中、遊真はなにもしなかった。罠を仕掛けることも、遠距離からの狙撃もなにもしなかった。ただ真正面から三輪を倒すためにしなかった。そう言おうとした途端、三輪は拳銃を構えてアステロイドを3発撃った。
「起きろ、近界民。お前が黒トリガーなのは既に分かっている……本気の殺し合いだ」
遊真を敵と捉えて弧月を抜いた三輪は敵意を向ける。
敵と話し合うつもりなど何処にもないと仰け反る遊真にアステロイドを更に3発撃ち込んだのだが、ガキンという音が鳴る。アステロイドが肉体を構成するトリオン体に当たってもそんな音はしない。
「ほうほう、そういう感じの弾があるのか」
『いや、これは少し違う。オサムの使う弾を銃弾にして撃っているだけで、ただのアステロイドだ』
ケロっと起き上がる遊真の目の前には盾と字が書かれた盾が展開されており、アステロイドを防いでいた。
それを見て、特に驚かずに遊真の戦闘方法や黒トリガーについて考える三輪。遊真の持つトリガーは黒トリガーだと知ってはいるが、その能力は分からない。
風刃の様に武器らしい武器を持っていないが盾を作り出したとなれば、様々な能力を行使するものだと睨み一歩前へと踏み込み弧月を振る。
「
「っ!」
それに対して遊真は自身の力を強化する強の印を出し、弧月の側面を殴打。
レイガストほど頑丈ではないがスコーピオンよりは脆くはない弧月の刃は一瞬にして砕け散り、持っていた三輪の左腕は明らかに折れていると思える方向に曲がるのだが、今の三輪の肉体はトリオン体。掠り傷程度ならば修復され、真っ二つにされたり何処かの供給器官を破壊されたわけでもない三輪の腕は治ったのだが
「なんのつもりだ、近界民!」
遊真はその間、攻撃をしてこなかった。
腕が治るまでに少しの隙があった。太刀川なら二宮なら風間ならばその隙に自身を倒せる。遊真もその少しの隙で倒せるのにしなかった事を苛立ち怒りを向ける。
「……言っただろう。あんたを全力で潰すって。
ボーダーのトリガーには緊急脱出の機能がついてるから、普通に倒したとしても次があるで終わる。だから、その次を考えさせない様にする。それがおれの全力で潰すだ」
三輪に残っているトリオン全てを強印に使い思いっきりぶん殴るだけで遊真は勝てるがそうしない。
ボーダーの中でもベテランの隊員でA級で確かな実力を持ち、自身のスタイルを完成させている三輪。今のところ使っているのはアステロイド(拳銃)と弧月のみで、技らしい技もなにも使っていない。まだまだ使っていない手は幾らでもある。
遊真はその使っていない手を全て使わせた上で、三輪を倒す。
今の三輪が出来ることを全て防ぎ、三輪の全てに打ち勝ち、完膚なきまでに打ちのめす。
負けた時、あの時ああすればこうすれば勝てたと言う考えを一切抱かせない。ああしてもこうしても勝てないと感じさせる。
「ふざけるなぁあああああ!!」
勝とうと思えば勝てるのに、倒そうと思えば倒せるのにそうしない遊真の行動は三輪の逆鱗に触れた。
何処まで自分を馬鹿にすれば良いのかと拳銃をスライドさせて5発の弾を撃ち、マガジンを抜いて別のマガジンへと変える三輪。
「怒ってて、いいっと、曲がる弾か!」
銃口から弾がどう飛んでくるか予測した遊真は盾印を展開するのだが、弾はシールドに当たることはなかった。
三輪はスライドを引いた際に弾をアステロイドからバイパーへと切り替えており、遊真のシールドにぶつかることなく弾道が曲がり遊真に命中した。
「まだだ!」
油断をしてバイパーに命中したものの、アステロイドと比べれば威力の低いバイパー。
こんなもので倒せるわけがないとスライドを引いて銃の引き金を引くと、黒い弾が撃たれ、遊真に命中をすると遊真のトリオン体から六角形の重石が出現した。
「重くなる弾か……まずいな」
殺傷能力は無いものの、相手に何百キロの重石を付加する鉛弾。
遊真のトリガーの能力はまだイマイチだが戦闘スタイルはなんとなく分かってきた。勝負を決めにいくのはまだだが、鉛弾は効果はあり困っている。
「俺を馬鹿にした、お前の自業自得だ」
重石をつけている以上はグラスホッパーを使ったとしても素早くは動けない。
弧月の刃を作り出し斬りかかる三輪に遊真は鉛弾の重石を盾に使い、切り落として重さを軽減しようとするのだが、切り落とした重石は極僅かで体は軽くはならない。
「……レプリカ」
『印は
「みわ先輩、おれが悪かった……調子に乗っててすみません」
黒トリガーだったら迅以外の誰が来ても勝てる。そう思っていて、三輪1人ならば余裕の考えを改める遊真。
「後悔してももう遅い!」
遊真の戦法はもう見切った。
鉛弾で大きく動きの鈍った遊真ならば斬り殺せると踏み込み、弧月で攻撃しようとする三輪
「
その前に遊真が仕掛けた。
射の文字を中心とした四重丸の右斜め下に六角形に囲まれた錨の文字。
「こいつは……」
黒トリガーの使っていない能力を使ったと判断し、思考を加速させる三輪は遊真が何をしようか僅かな情報を元に考えた。
今の遊真にスピードある戦いはできない。拳で殴るよりも足で蹴るよりも先に自身の弧月が届く。強固なシールドを貼るのも手だが、シールドを出している時と出ている文字が違う。
動いて殴打する斬ることは不可能。盾とは違う文字を出している。出ている文字が漢字の射と錨に似ている。
「弾だ!!」
この場で出来る自身の対処法は弾だけだ。
三輪はシールドを展開して遊真が撃とうとする弾を防ごうとするのだが、防ぐことは出来なかった。
「っ!」
遊真の射った黒い弾は三輪のシールドを透過。そのまま三輪にぶつかると三輪の体から鉛弾の重石がはえた。
「これは、俺のよりも」
突如として鉛弾の重石がつけられ驚き、重さに耐えきれずに倒れる三輪。
何故どうして近界民の黒トリガーが鉛弾をと考えるよりも先に自分の使っている鉛弾よりも重石が遥かに重い事に気付く。
「今更だけど、おれの黒トリガーについて教えるよ。おれの黒トリガーは能力をコピーすることが出来るんだ」
「!」
能力について説明を受け驚愕する三輪。コピーをすると言っているが、そんな生易しい者じゃない。
三輪が使っている鉛弾が1つ100キロの重石だとすれば遊真が使ったのは1つ200キロの重石。本来ならば重くなる重石の能力にトリオンを多く注いで弾速が落ちたり射程が短くなるのに弾速も三輪の鉛弾の弾よりも早く射程も遠かった。
黒トリガーが自身の使っているトリガーの性能を上げていた。
「くっそ……」
まだ動くことが出来る遊真に対し、身動きの取れない三輪。
気付けば遊真の黒トリガーに入っていたレプリカが遊真の重石を取り外しており、遊真は自分になにもさせないと両手を蹴りあげて拳銃と弧月を遥か遠くに飛ばす。
「強印四重」
姉の仇をと近界民を憎み、同年代の中でいち早くボーダーに入り戦い方を学び強くなり、部隊を率いるようになったのに、文字通り立ち上がれなくなる自分の不甲斐なさに苛立つ三輪。
そんな三輪にとどめの一撃だと遊真は三輪の胴体に強化した拳を叩き込み大破させる。
『トリオン供給器官、破損』
「……」
胴体の殆どが吹き飛び、まともに銃も剣も握れない体となる三輪。
前までならばそれでも睨み殺そうとするのだが、そんな気が起きなかった。
頭の中に一瞬だけ米屋や奈良坂、古寺の自分の隊員が浮かぶ。四人でなら、オペレーターの月見さんも一緒なら勝てたのかと考えるが、そうじゃないとなる。東と加古と二宮の顔が浮かぶがそれも違うとなる。
なにを考えているんだと三輪は慌てるが段々となにを考えてきているのかが分かってきた。目の前にいるのは大嫌いな近界民だ……だが、四年半前に姉の命を奪った仇じゃない。近界民が憎くて仕方ない。これから先、仲良くなるなんてことは不可能だ。
だが、目の前に居るのは怒りを向ける相手ではない。本当に向けなければならない相手がいる。自分の中での落とし処を段々と分かっていく三輪。
そいつを倒すことが出来るのか?
もし四年半前に襲ってきた国を特定すれば奈良坂も古寺も米屋も……近界民に恨みを持つ者達は協力をする。
友好な関係になりましょうと色々と好条件を提示して来ても突っぱねて斬る。だが、そいつらと共に戦って勝てるのだろうか?黒トリガーを使う自分よりも歳下の子供に舐められて、本気を出させたら負けてしまった。
黒トリガーのスゴさは知っている。だからと言ってそれで負けを認めてしまうのは別だ。今ここで、目の前にいる黒トリガーを使う近界民1人を斬ることさえ出来なければ、姉の仇を取るなんて夢のまた夢だ。
「トリガー、オフ」
「!?」
後は緊急脱出をするだけで終わりだ……だが、まだその場に自分はいる。
ボーダーのトリガーで一番優れている機能、それは緊急脱出。その機能があるから負けても絶対に帰還することが出来る。緊急脱出があるからボーダーの隊員は安心して戦える……だが、三輪はトリガーを解除し生身の肉体に戻った。
「明日はいらない!今欲しいのは、お前を倒す一手だ!」
今ここで勝たなければ、本当の明日なんてやって来ない。何時までも
「風刃、起動!!」
三輪は明日を掴むべく風刃を起動した。
緊急指令
このメールが届いた者は○月○日○時に以下の場所へと出向くこと。
このメールが届いた事はこのメールが届いた者同士での相談や連絡、情報の共有は可能だが、このメールが届かなかった者には相談を禁ずる。
尚、○月○日に用事の有るものは参加が出来ないのならば直ちに不参加の返信をお願い致します。最低でも二時間以上は自由に動くことは出来ませんのでくれぐれもスケジュールのご注意とご確認をお願い致します
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