メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第54話

「……!」

 

 米屋と出水がトリガーを起動する少し前。

 三門市を一望するのにちょうどいい鉄塔にいた迅は驚いた。

 

「おいおい、またかよ!」

 

 未来が切り替わった。と言うよりは、ハッキリと見えるようになった。

 今から数分後に近界民が襲来するのが、今までと……それこそ四年半前の大規模な侵攻を上回るほどの大群で押し寄せてくる未来が見えた。

 本当に数分前までは何時来るかすらも分からなかったのに、それが急に切り替わった。

 

「原因は……米屋と出水だけど、コイツが犯人か」

 

 未来が変わった原因を今見えている未来から推測する迅。

 トリガーを起動した米屋と出水が学校に居るボーダー隊員達になにをやってるんだと言われているが、逆にトリガーを起動するんだと言い返している。トリガーを起動しろと言う二人の言葉は、未来が見えない者からすれば馬鹿なんじゃないかと思えることだ。例え、本部から大規模な侵攻があるとある程度の情報が通達されていようがだ。

 意地でもトリガーを使えと言ったり、放送室を借りようと無茶をしようとする二人の背後に常に顔の見えない誰かがいる。

 あくまでも視るだけなので詳しい会話の内容は一切聞こえない。だが、幸か不幸か、その人物は言葉でなく文字で米屋達と会話をしており、その文字を見て迅は気付く。今の今まで未来がずれたりした原因はコイツだと。

 

『迅、緊急事態だ!米屋と出水がトリガーを起動し、暴れている!』

 

 B級以上は基地の外でもトリガーを起動して良い。だが、勝手にはダメだ。

 迅の目で見る今は、なんの変哲も異変もない三門市で警戒区域ならまだしも学校内でトリガーを起動した出水と米屋は異常であり本部で近界民襲来に備えて警戒をしていた忍田本部長は迅に連絡を入れる。

 

「忍田さん、二人はなにか言ってるの?」

 

『それが、10分もしない内に馬鹿みたいな数の近界民がやって来ると言っていて……今のところ、こちらに異常はない』

 

「それ合ってますよ」

 

『な!?』

 

「たった今、見えました。後数分で近界民がやって来ます。

だから、二人を止めようとトリガーを起動する隊員に、戦わずにそのまま学校の生徒の避難誘導とかをするように指令をお願いします」

 

『分かった……迅、これはお前が仕組んだのか?三輪がそう言ったのだが』

 

「来る日が正確に分かっているんでしたら、シフトの調整をして全員が戦えるようにしてますよ。これ、オレじゃないです。二人の近くにいるオレの知らない誰かがサポートしてます!そいつに色々と聞いた方が良いですよっと、オレも少し動きますので忍田さんも動いてください!」

 

『二人の近くにか、了解した』

 

 色々と気になることは多い。特に未来を変えている人物は色々と気になるが、そちらに意識を持っていけば多くの人達が傷つく。

 迅は自分が何処に行けば良いのか分かり、急いで自分がすべき事をするため天羽がこれから向かう北西の警戒区域に先回りをする。

 

「うっし、さっさと警戒区域に」

 

【待て、(;-ω-)ノ。お前達が行ったところで焼け石に水だ】

 

「言ってくれんじゃねえの。オレ達、一応はA級だぞ?」

 

【槍が西!弾が東!空いている北と南の地区は誰がやるんだ!】

 

 そして時が少しだけ遡り、トリガーを起動した米屋と出水は急いで警戒区域に向かおうとするのだが貴虎に止められる。

 二人が行ってもそんなに意味はないと言い、舐めんなよと逆にやる気を出すのだが、もうこれはそういう感じの話じゃない。やってることは戦争となんら変わりない。というか戦争である。一瞬にして二人を黙らせて、足を止める。

 

『こちら、本部!トリガーを起動したようだがなにがあった?』

 

 冷静になり足を止めると本部からの通信が入る。非常事態なのでまさかと緊迫した空気を纏った声の忍田本部長は起動した理由を聞いた。

 

「っと……」

 

「721、720、719、718、717、716、715、714」

 

「10分もしない内に近界民がバカみたいにやって来ますんで、トリガーを起動しました!!」

 

 手で○を作り、なにかやれと言う文字での指示を一切せずに窓の外を見ながらカウントをする貴虎。

 これは言うしかないと本当に色々と噛み砕いて状況を説明すると教室は一瞬でざわめく。

 

「陽介、出水!何故勝手にトリガーを起動している!!」

 

 そして隣のクラスから騒ぎを聞き付けて、飛び込んでくる三輪。

 

「秀次、アレ、アレ!」

 

「698、697、696、695、694、693」

 

【尺が無い、時間が無いのを信じろ】

 

 米屋は慌てることなく、私を指差す。

 

『こちらのレーダーにはなにも写っていないが?今は非常警戒中だ、トリガーを』

 

「っ……!迅がそう言っていました!!」

 

 なにをカウントしているのか、なんの時間がないのか、なんでトリガーを起動したのか三輪は気付いてくれる。

 そしてこの場を切り抜けるのに物凄いまでに効果のある実力派エリートが言っていましたと言う今までで最も使いたくない嘘をつき、自身もトリガーを取り出し、窓から飛び降りながらの起動をしようとするのだが米屋に止められる。

 

「なにをしている!急いで、警戒区域に行くぞ!」

 

「オレ達3人だけじゃ東西南北すら守れねえ!」

 

「643、642、641……」

 

 米屋達がトリガーを起動し、軽い騒ぎになり何事かと集まる野次馬達。

 それを見て此処等が潮時だとカウントをするのをやめた貴虎はノートを閉じてカウントをやめた。

 

「……出水」

 

「なんだ?」

 

「ちょっと、乱暴な事をするがそれらの責任をボーダーに押し付けるぞ」

 

 これ以上、ここで騒ぎを大きくしても野次馬が集まったりするだけだ。

 騒ぎを大きくして周りの視線や意識を集めることには成功していると貴虎は罪を全てボーダーに擦り付ける気満々で人混みを無理矢理に駆け抜けていった。

 

「おい、ちょっと待て!」

 

 そしてそんな貴虎を追いかける米屋。

 カウントをやめ、ボーダーに押し付けると言われてもピンと来ない。ただ、よからぬ事をしようとしている事だけは分かると追いかけていくと、放送室に辿り着く。

 幸いと言えば良いのか、お昼の校内放送で使われていたのでドアに鍵が掛かっているということはなくスンナリとドアは開いた。

 

「そうか、放送室を使えば学校全体に!」

 

 どの隊員が何処にいるのか正確な位置は割り出すことが出来ない。

 貴虎がその気になれば見つけることは一応は容易なのだが残された時間は5分ちょっと。その時間を思いっきり有効に使うには、此処しかない。

 

「え、ちょ、今、お昼の放送だぞ!?」

 

「すんません、ちょっと借ります!!」

 

 突如として米屋と貴虎に驚く放送部員。

 一言謝り米屋は放送機材と放送時間を借りるのだが、目の前にある放送機材をどう使えばいいのかよく分からない。だが、貴虎はどうすれば良いのか、サイドエフェクトで機材から出ている電磁波を見てはじめて使う機材の何処に触れれば良いのかが分かり

 

『近界民襲来!近界民襲来!』

 

 近界民が襲来した時を想定した避難訓練で使う警報を鳴らした。

 

「ちょ、ちょっとなにを」

 

「後、数分で近界民が来るって情報があるんすよ!さっさと地下のシェルターに避難してください!」

 

 突如として鳴らされる警報に驚き、イタズラだとしてもそれはやりすぎだと止めようとする放送部員。

 今から本当に近界民が来ると正隊員でトリガーを起動している米屋が言うことにより、信憑性が少しだけ増していき顔を青ざめ、米屋が追い出した。

 

「ほら、いったいった!」

 

 放送室の外は突如として鳴らされた警報により、慌ただしくなっている。

 今、鳴っているのは本当に近界民が襲来した時と違う避難訓練用の警報だ。学校の避難訓練は基本的に何時やるか予告している。しかし、今鳴っている警報は予告されたものでなく、突如として鳴り響いたもので、死人が出る前に防ぐことができたイレギュラー門の一件もあってか、もしかしたらと騒ぐ生徒が続出していた。

 

「やばいぞ!先生達が」

 

「出水、米屋!開けなさい!!」

 

 外には急に避難訓練用の警報が鳴ったと、放送室でなにかあったに違いないと教師達が入ろうとするが出水が割り込んで乱入。すかさず、鍵を閉めて開けられない状態にする。

 

「来る途中、熊谷達が質問攻めにあってた!

このままだとおれ達がやってることが全部、水の泡になっちまう!なんかねえのか!?」

 

 突如として鳴り響いた避難訓練用の警報。避難訓練でもなんでもないのに鳴り響き、ボーダー隊員ならなにか知っているのではないのかとなり質問攻めにあっているのを見掛けたというか自分もあった出水。

 このままだと避難するなとなり、数分の遅れが発生する。たった数分、されども数分。A級隊員として最前線で活躍している二人にとって、その数分がどれだけの価値があるのか誰かに聞くまでもない。

 

「こうなったら……教室に置きっぱなしだった!!」

 

 仮面ライダードライブでやったあの手を使い、近界民が本当に襲来してきたと思わせる。

 懐に手を入れてロストドライバーを取り出そうとするのだが、懐にはなにもないことに気付く。貴虎が着ているのはブレザータイプではなく学ランタイプの制服で、裏ポケットとかそんなもんは存在しない。なので懐には入れられない。トリガーと違いコンパクトではない。

 

「なぁ、弾バカ」

 

「んだよ、こんな時に!」

 

「今日、当真さんって休みだっけ?」

 

「太刀川さんと同じで本部待機だった筈だぞ!」

 

「あいつの声、使えんじゃね?」

 

 どうしようと秘密道具を出して慌てふためく映画版のドラえもんの様な姿を見せる貴虎。

 そんな貴虎の姿を……声を聞いて一つの妙案が米屋に浮かぶ。

 

「声……そういえば、当真さんが似てるつってたな……おいおい、ちょっと待て!

声の感じは似てるけど、三雲は会ったことないんだぞ。三雲がモノマネとか滅茶苦茶うまいの知ってるけど、会ったことない人のモノマネは無理だろ!」

 

「今はそれに賭けるしかねえ!一か八かに賭ける!三雲!」

 

「なにをすれば良いんだ!」

 

「冬島さんのモノマネをしてくれ!!」

 

 貴虎の声は、その見た目が青学の部長なのもあってか置鮎さんだ。

 同じく中の人的な意味で一緒なボーダー隊員が一人いる。A級二位の隊長で現場(前線)で働くボーダー隊員の中でも最年長で5人いるエンジニアチーフの一人、冬島慎次。貴虎と同じく中の人が置鮎さんだ。

 

「なにすれば良いのかなんとなく分かるが、大丈夫なのか!?」

 

 貴虎と冬島は声が同じだ。

 顔が見えない声だけの校内放送でモノマネをし、トリガーを起動する様に言う。

 A級二位の隊長でエンジニアチーフの1人がトリガーを起動する様に指示し、避難させてくれと頼み込む。

 

「安心しろ、当真さんは本部待機、小佐野は諏訪隊が防衛任務中だ!」

 

 冬島隊に所属するNo.1狙撃手の当真は貴虎と冬島の声が物凄く似てる事を知っている。一緒に麻雀をするぐらいの関係の小佐野も貴虎と冬島の声を聞き分けることぐらいは出来る。

 その二人が学校に居ないのは幸運だが、それでもリスクが大きい。

 

「開けなさい!!」

 

 扉の向こうには先生達が居る。

 鍵を閉めているが、何時予備の鍵とかで開けられるかわからない。

 

「出水、お前がなんか土台を作ってくれ!いきなりの冬島さんだと信憑性が薄い!」

 

 目の前にはTV局やラジオ局レベルの放送機材はない。校内放送用の何処にでもある機材だ。

 ちゃんとしている機材で急場凌ぎのモノマネを流せば分かる人には分かるし、外には教師陣がいて貴虎が中にいると言いふらせば終わる。高確率でバレる。

 だが、数分間稼ぐことが出来る。後、数分で近界民がやって来るのはもう分かっている。欲しいのは数分間だけだ。

 

「米屋、数分間だけ扉を防げ!」

 

「あいよぉ!!」

 

 右手で鍵を左手でトアノブを掴んで絶対に開けられない様に固定。

 数分間だけ絶対にドアが開かなくなったのを確認した後、米屋を背に出水と貴虎は動く。

 

「土台って、なにすりゃ良いんだよ!?」

 

「適当な理由を作ればいい!なんでこんなことをしてるかとか、連絡があったとか!ボーダー隊員だけが知ってることとか、言葉を濁して、アレとかソレとかコレとか具体的な事を言わなくて良い!」

 

「アレとかソレとかコレとか……三雲!」

 

 ボーダー隊員だけが知ること、アレとかソレとかコレとか言って言葉を濁す。具体的な事を言わなくて良く、最終的には貴虎に繋げる。貴虎がいきなり出れば、嘘だと分かる。冬島のモノマネをする貴虎が極々自然に出てこれるように土台が必要になる。出水がその土台となる言葉を考えると、貴虎は放送を入れる。

 

「ボーダー隊員に告ぐ、ボーダー隊員に告ぐ!当真さんが本部待機の為に此処との連絡が取れないので、同じく本部待機の太刀川さんを経由しおれこと出水に伝わった!ざっくりと言えば例のアレで、トリガー起動して全員と通信を一斉に繋げたりする時間すら無い!悪いが、おれの通信を経由して冬島さんの言葉を聞いてくれ!」

 

 伊達にボーダーのトップの部隊に所属し、過酷な遠征を経験していない。

 近々、大規模な侵攻があるということはボーダーで通達があり、戦闘が出来ないC級隊員も万が一の時はトリガーを起動して避難誘導をしてくれと言う指示が来ている。その事について外部は知らされていない。しかし、ボーダー隊員は知っており、その事についてハッキリと言わずに例のアレと言葉を濁す。

 その上に今日学校に来ていない当真を出してからのこの学校にはもう通ってはいないが、ボーダー隊員なら知っていて当然の太刀川の名を出して、学校内にいるボーダー隊員の意識を向けさせた。

 

「時間が無いから、手短に言うぞ!一度しか言わないから聞いてくれ!

上から色々と連絡があったアレがもうすぐ起きる!総員、トリガーを起動して準備に入ってくれ!

AB問わずオペレーターは本部各支部に急行。三門第一高校に自身の隊の隊員全員が揃っている場合は現場に急行!

そうでないものは六頴館や三門大学、三門中学に通う自身の隊の隊員に連絡!手の空いている戦闘員はボーダー隊員以外の生徒及び教職員を1クラス3人ぐらいの割合で避難誘導を!

避難誘導が終わったら各々動き出して欲しいが、相手の底が見えない。だから、AB共に単独での行動は禁止。B級隊員は合流地点を決めて部隊を集結してから出撃!

A級隊員は部隊での合流が無理ならば同じA級隊員と共に混合部隊を、最低でも2名以上、最大で4名まで!合流及び混合部隊が不可能な位置にいる隊員及び部隊を組んでいない隊員は警戒区域付近の市街地に向かい、一般市民の避難誘導!近界民が侵入した場合、侵入した近界民を倒すのに集中してくれ!」

 

 後は数分間だけ、嘘を信じさせれば良い。

 

「って、おい!お前、なに指示してんだよ!?」

 

 近界民が襲来してくると分かったから、トリガーを起動して避難誘導してくれ。

 それだけで良いのだが、それ以外の事についても貴虎は言った。もう本部からの指示かと思うぐらいにコレでもかと出した。

 

「色々と考えた結果、そうなっただけだ。ぶっちゃけ似たような指示は来る。米屋、レーダー」

 

 言ったことについては反省しない。と言うよりは、言った方が良い。

 そう判断した貴虎は米屋にボーダーのトリガーに備え付けられているレーダーの機能を使わせる。

 レーダーはそこかしこにトリオン体の反応があると映し出しており、今の放送を聞いて他学年の隊員達がトリガーを起動したのが分かる。

 

「避難訓練をした際に移動と人数確認の点呼だけで十数分掛かる。

移動時間の短縮及び避難誘導するやつとしないやつを分ける。合流可能かどうか確認……十数分の価値はある」

 

 なにもしなかった場合に辿り着く未来にはもう向かわず、最善の未来へと着実に向かう為の時計の針を少し進めた。

 本来よりも数分早く、本来よりも二十数分の時間を得ることに成功したと感じる。

 

「お前達、どうする?」

 

 良い感じの未来に向かうべく二十数分のアドバンテージを得ただけで、まだまだ油断は出来ない。

 一先ずは目の前にいる頼りになる個人としても確かな実力のある二人は次にどう動くかを聞いてみる。

 

「槍バカと一緒にトリオン兵をぶっ倒す」

 

「オレと一緒に?」

 

「太刀川さんは今、本部にいるから合流できなくもないけど、太刀川さんは何処かの手薄だったり危険なとこに行かされると思う。穴埋め要因で欲しいのは近距離で戦える攻撃手だ。おれは一定の距離を開けての戦闘をしないといけねえから、太刀川さんと合流して穴埋め要因になっても戦力過多になる」

 

「米屋は?」

 

「じゃあまぁ、こいつと一緒にトリオン兵を倒してくる。

秀次と一緒に奈良坂達と合流して部隊での行動が良いかもしんねえけど、下手したら合流すら出来ねえし、あっちいってこっちいってになると思うから奈良坂達が生かせない場所に行かされるかもしんねえ」

 

「そうか」

 

 貴虎は一応の為にと、この後どうするのかを聞いて安心する。

 奈良坂達や太刀川達と合流しても戦力過多になる可能性が高く、別々での行動が最善手だ。もし行こうとするなら、なにか言っておくべきかと思っていたが、自分達がやるべき最善手がなんなのかを分かっている。

 

「あ、やべえ!」

 

 特にどうしろと言わない貴虎を見て、気を引き締めようとする米屋だが手に違和感を感じた。

 ドアの向こうにいる教師がドアの鍵を必死になって開けようとしており、米屋はそうはさせまいと掴む。

 

「もういい、一分切ってる!」

 

「ばっ、お前それ先に言えよ!」

 

 色々とやっている内に残された時間は数十秒となった。

 数十秒しかないのならばもう鍵を握っている必要はないと米屋はドアノブと鍵から手を離した。

 

「お前達、なにを勝手なことをしているんだ!!」

 

 その瞬間、開かれる放送室のドア。

 開くと同時に貴虎達の担任が怒りながら大声で叫びながら入ってきた。

 

「米屋、出水!幸いにも1クラスに1人か2人は隊員がいる!

避難誘導は1クラスにつき2、3人の割合と言ったが、お前達みたいな実力派エリートは避難誘導させるよりも現場に行け!!B組の避難誘導ぐらい、私がする!」

 

 1人でもいい。1分1秒でも早く優秀なボーダー隊員達に戦闘態勢を整えさせる。

 貴虎は二人を取り押さえようとする担任の壁となり、米屋達に後押しをする。

 

「サンキュー!!」

 

 入ってきた担任の動きを貴虎が抑えている隙に米屋と出水は放送室を抜け出して直ぐにある廊下の窓から飛び降りる。

 

「おいおい、マジかよ」

 

「今日一日は快晴だって、お天気お姉さん言ってたぞ」

 

 米屋と出水は目の前の光景を見て冷や汗を掻いた。

 自分達がお昼を食べようとしたその時までは雲こそあれども快晴と呼ぶに相応しい天気だった。傘を持ってきている生徒なんて全くといっておらず、この後雨が降るとも曇りともニュースではいっていない洗濯日和だった。

 今、目の前に広がる光景はどうだ?雲の数が段違いに増えて太陽の光を遮って今にでも雨が降りそうな雰囲気を醸し出しており、コレが本当に数分前に見た外の景色なのかと思う程変化を遂げていた。

 

「弾バカ!弾の貯蔵は充分だよな!」

 

「そっちこそ、槍は刃こぼれしてねえよな!」

 

 もうコレは何時もと比較することすら烏滸がましい量が来ると感じた二人は颯爽と学校を飛び出し

 

『門発生!門発生!大規模な門の発生が確認されました!

警戒区域付近の皆様は直ちに避難してください!繰り返します、大規模な━━』

 

 警報が鳴り響いた。

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯
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