『これは驚いた。何処からともなく、兄殿が現れるとは』
ゾーンのメモリで家に帰ると、家にはちびレプリカがいた。
何処からともなく現れて普通に家に入ってきたことに驚いており一瞬だけ戦闘態勢に入るのだが直ぐに俺だと分かり何時も通りにする。
「この姿を見て、なにも驚かないと言うことは修がなにか言ったのか?」
スカルの俺を見て、驚いたが直ぐに俺だと分かったレプリカ。
体格や声、他にも色々と異なる部分が多く影さんのサイドエフェクトを無効化するこの姿を初見で俺だと見抜ける奴はおらず、ほんの数分前まで影さん達に敵だと思われていたぐらいだ。
『私達から兄殿が半年ほど前に現れた近界民、スカルではないかと聞いた』
「……」
『幸い、と言うべきか奇跡的と言うべきかボーダーの隊員によって知っていることと知らないことの差が激しい。
とりまるは兄殿はボーダーを嫌いサイドエフェクトを持っていることを知っているが、ユーマが近界民だということを兄殿が知っていることを知らない。恐らくすべての情報を』
「もういい。どうせついさっきボーダー隊員の前で変身したから構わないし、大体分かった」
要するにボーダー隊員の情報が一人一人バラバラで、統率すれば捜査線上に俺が出る。
ある意味一番多く情報を持っており変な先入観を持っていないレプリカと遊真は一度ぐらいは捜査線上に浮かぶものの、直ぐに違うなと否定することをせずにいた。そんな感じか。
『オサムも兄殿が渡したトリガーを使えば兄殿の様になるのか?』
「いや、修に渡したのと今使っている物とは大きく異なる。多分、俺はレーダーにも写ってないんじゃないか?」
『確かに私のレーダーには写ってはいないが、これはいったい……』
『スカル!』
「こいつは、スカルは直訳すれば頭蓋骨だが、これは骸骨を意味している……骸骨を漢字で書いてみれば分かる」
骸の骨と書いて、骸骨。
生体反応とか生きているものに対して有効とかそういうのは一切通用しないのがこの姿だと変身を解除するとジャンプを片手に持つ母さんがトイレから出てきた。
「あら、お帰りなさい。思ったよりも遅かったわね」
「大変だったよ。敵と間違われ、攻撃されかけて……幸い知り合いだったから、暴露ネタを言えば納得してくれて」
「今までそれを隠し持っていたんだから仕方ないわ。
それよりも、お昼はちゃんと食べたの?おにぎりぐらいならつくってあげるわよ」
「避難場所で弁当を食べたか……あ、やべ」
「忘れたのね?」
「す、すみませんでした」
何事もなく普通に帰宅したが、弁当箱を避難場所に忘れてきた事を思い出すと怒る母さん。
土下座をして許しを乞うのだが大きなため息を吐かれて呆れられてしまう。本当に面目ない。
『カスミ殿も兄殿も緊張感が欠けているが、大丈夫なのか?』
「そうかしら?これでも結構、焦ってたりするのよ」
「我が家はこれが平常運転みたいなものだから気にしたら敗けだ」
緊張感に欠ける会話をしている俺達だが、割とこれが普通である。
ただ平常運転だからといって、物凄く気が緩んでいるとかそういう感じではなく緊張の糸は緩んでいない。
「レプリカ、ちょっと後ろを振り向いていろ」
『私がその気になれば、それぐらいは簡単に開けることが可能だが?』
「一応の為だ。中に入っているものを勝手に解析するなよ。大変なことに、人類滅亡へのカウントダウンがはじまるから」
帰って来たのでそろそろかと出かける用意を始める母さんを他所に自分の部屋に戻り、ベルトを入れている金庫を開ける。一応のプライバシーというものがあるので、一瞬で開けれようが開けれまいが見られたくはない。
『これが兄殿の持つトリガーか』
デカデカとアルファベットのXが書かれたアタッシュケースを取り出し、開く。
中にはEとJとSとZとDとA以外のガイアメモリが入っており、 そこにZとDのガイアメモリを入れ、別のガイアメモリを取り出し金庫に戻す。
『あのUSBメモリ型のトリガーは使わないのか?』
「あの中には俺に最も適合する物が、100%の出力が出せるものがない。
さっき家に帰って来たあの姿でも100%の出力は出せないし、なによりもこれは能力の一点特化で凄い剣とかそういう感じのはない。組み合わせ次第では、そういう感じのは出来るがメモリによって出力が変わるから安定しないんだ」
『となると、残る二つの内のどちらかを使うのか』
金庫に入っている2つのアタッシュケースを見るレプリカ。
俺はYGGDRASILLと緑色で書かれ、Aの部分に巨大な木が描かれている最も分厚いアタッシュケースを取り出す。
「っと、しまった」
『どうした?』
「着替えるの忘れてた」
着替えることを忘れていた。
学生服を脱ぎ捨てると母さんに色々と言われるので、ゆっくりと脱いで急いでスーツに……メロンニキと同じ格好になる。
『わざわざ着替える必要があるのだろうか?』
「ボーダーのトリガーと違って、俺のはコンパクトじゃないんだ」
ハンドグリップぐらいのサイズのボーダーのトリガーと違って、この転生特典はコンパクトじゃないしトリガーオンと言っても反応しない。音声認識の機能はなく、手動で変身しないといけない。
というかどのベルトも一度腰に巻かないといけない。
「このスーツは特注品でな、裏側にベルトを入れるポケットがある」
ロストドライバーとガイアメモリはコンパクトだが、他のベルトはコンパクトではなくフォームチェンジに色々と必要だったりとややこしく、それ用のスーツを用意した。何処ぞのホスト部隊と違って、ちゃんとした理由で着ている。
『あれは持っていかないのか?』
二つ目のアタッシュケースの中に入っている物を全て取り出し、準備万端な俺にレプリカは3つ目のアタッシュケースを見る。
その中にもトリガーが入っており、俺の持っているどのトリガーよりも強いのだが、どのトリガーよりも危険で、現時点ではまともに使うことは出来ない物。
解析しようにも物が物だけに解析するのは困難で、仮にレプリカが解析しようとすれば大変な事になる未来が待ち受けている。
「それだけは絶対に使わないし、使えないし、使いたくない。
なんか良い感じの処分方法は無いかと稀に思うぐらいに危険で神掛かった代物で……もしボーダーがなんらかの理由をつけて回収するならば、ボーダーを滅ぼさないといけない」
ガイアメモリはまだ研究して良い。
だがしかし、ユグドラシルとアレはダメだ。
歴代の仮面ライダーの中でも色々とややこしい設定を持ってるベルトで、研究なんかしてもロクな未来は待ち受けない。
「準備出来た?」
レプリカに絶対に見るなと何度も何度も釘を刺してちびレプリカをコッソリと作っていないかを確認した後、部屋に入ってきた母さん。
出掛ける格好をしているのだが、ジャンプの最後らへんを読むのに集中している。打ちきり作品にロマンを感じるのか、母よ。
「準備完了……母さんの方は?」
「さぁ、どうかしら?財布とか保険証の貴重品は色々と用意したけど、やらなきゃいけない事が多すぎるから準備なんてどれだけしても足りないわ」
「……ごめんなさい」
「貴方が気にすることじゃないわ。
こうなることが分かってたし、こういうことぐらい親がしてあげないと……やるからにはちゃんとしなさいよ」
これから起きる出来事や母さんに掛かる負担について謝るのだが、全くといって気にしていない。
この人には一生かかっても届かない。器の大き過ぎる母だと何度でも思い知らされてしまう。
『カスミ殿はなにをするつもりなのだ?』
「このゴタゴタが終わったら、私がこの子の持っているトリガーとかの説明をするの」
『このトリガーは兄殿の物では?』
「正確に言えば、拾った物なのよ。
拾って、それを警察に届ける過程で未成年のこの子だとなにかとややこしくなりそうだから……名義とかを私にしてあるのよ」
ボーダー関係者がみれば色々とツッコミたいことだらけだが、気にしない俺達。
母さんが家の鍵を閉めたのを確認するとトリガー(と言うことになっている転生特典)を……ゲネシスドライバーを取り出し、腰に当てると自動的に巻かれる。
「じゃあ、行ってくるわね」
ベルトが巻かれたのを確認すると病院に向かっていった。
『兄殿、カスミ殿はいったい何処に?』
「病院……色々と考えた結果、負傷する」
母さんが病院に向かったのは俺が頼んだから。
色々と考えた。サイドエフェクトを使って必死になって考えたが、どう頑張っても負傷する。修も俺も無傷での生還は不可能だ。
『トリオン体は生身の肉体ではなく、ボーダーのトリガーには緊急脱出機能がついているが』
「……バカを言え。
緊急脱出した先を狙えば良いんだ。京介とかレイジさんとか遊真が物凄く強くても、生身じゃどうにもならない。
ある程度の戦力を分散させ、ボーダー隊員の実力を測ってからその隊員を余裕で倒せたり捕獲出来るトリオン兵を出撃。
頭幾つも抜けて物凄く強いわけでもない並のボーダー隊員、捕獲or戦闘不能。戦闘不能になったら緊急脱出で本部や支部に帰還、暫くの間、トリガー使用不可。
そしてそのトリオン兵、市街地に行こうとする。レイジさんや京介の様に強いボーダー隊員、倒しにいく。本部手薄になる。トリガーを使う近界民、本部襲撃。トリガーを使えばある程度、戦えたかもしれないボーダー隊員達トリガー使えないので捕獲される的な展開もありえる。襲撃してくる敵は基本、なにやっても得になるからな」
優秀なトリガー使いをぶっ殺すことが出来れば、次の襲撃が楽になる。
優秀なエンジニアを捕らえる事に成功すれば、ボーダーで使っている技術を得ることが出来る。
遊真のを除いた黒トリガーを破壊すれば次の襲撃が楽になる。千佳や出水の様なトリオン豊富な人材を捕獲できれば、大儲け。もしかするとこの街にまだ居るかもしれない出水レベルのトリオン能力を持った一般人を捕獲できれば大儲け。ラッド一体でも三門市の外に逃がして、名古屋や神戸、横浜と言ったボーダーから遥かに遠い大きな街で門を発生させる事が出来れば大儲け。
本拠地を、地球を守らないといけないボーダーは犠牲者や市街地への被害を0にしなければならないのでそれら全てを防がないといけない。
「それで、今現在の状況は?ボーダー本部及び各地の状況は?」
『ラービットというトリガー使いを捕獲するトリオン兵が出現。
B級のスワという人物が捕獲されたが、カザマ隊が救出。実力のあるボーダー隊員も苦戦をしており、生半可な隊員ではラービットを倒せないので、実力のあるものがラービットを、そうでないものがモールモッドの様な日頃相手をしているトリオン兵をとなったが、今日、学校があった為か幾つか集合が不可な部隊があるそうでB級は基本的に部隊として行動しろと指示が出ており、このままでは市街地へ出る。
本部長は避難がスムーズに進んでいないところを優先し、一ヶ所ずつ的確に撃破する様に指示。チカが居る南部付近はスムーズに避難が進んでいる為か、後回しになりオサムがA級のキトラと共に向かっている』
「なんで木虎?」
『貴方が行くよりも私が行った方が効率が良い。ついてくるなら勝手にしなさいとのこと』
ツンデレかよ。
レプリカからの報告を聞き、どうしたものかと色々と考える。
「俺にどうしてほしい?」
『なにをするのか決めるのは兄殿の意思だ……私が兄殿になにかを言ったところで、君はチカやオサムの元に向かう』
なにかしてくれと言う命令的な指示は無いかの確認をとるが、最終的に断ることを分かっているレプリカ。
千佳と修の元に向かうから修達の情報だけをピックアップした事を教えられると、どうしたものかと考えてしまう。
『相手はラービットで未だにトリガー使いが見られない。兄殿の考えが当たる可能性もある。早く、二人の元に……兄殿?』
「ボーダー本部は、今言った指示以外でなにか特別な事を言っていたか?」
『もしもの時は本部長が出るそうだ……気になることでも?』
「相手がしてきた手に対処する防戦一方続きだから、じり貧だ」
『防衛戦と言うものは、そういうものだ。
ましてやトリガーが当たり前な向こうの世界と違い、トリガーを使えるのはボーダーぐらい……兄殿は例外中の例外だ』
防衛戦だから防戦一方なのは当たり前だし、ボーダーしかトリガーを持ってないから仕方のないこと。
そう言われればそうなのかもしれないのだが、ボーダーめ、もう少し大規模な襲撃に対しての対抗策とかを考えろよ。
「レプリカ、その小さい状態で出来ることは」
『本体の私と変わらない……なにかあるのか?』
「今必死になって考え中……本部は俺についてなんか言ってるか?」
『兄殿がスカルと鳴るトリガーを起動し、何名かの隊員をワープさせて戦闘可能とした。
その為、兄殿がスカルと判明しボーダー本部は少し慌ただしくなり、オサムに連絡が行ったのだが、今は信じろとだけ言って終わらせた。ボーダー本部は動けない状態だった部隊を2つ動かせる様にしたのを見て、スカルを今だけは味方と判断。終わり次第、何がなんでも兄殿を連れてこさせるそうだ……本部と連絡をとるか?』
「俺はボーダーの上とか嫌いだからいらん。仮に通信できても言うことは聞かない」
レプリカからの報告で大体の状況は分かった。
影さんとか隠岐とかを移動させたりして未来を変えてみたものの、その効果はまだ発揮したかどうか分かりづらく、殆どが原作通り。
ここから色々と重要となってくるのは分かっているが、そっちの方はもう余り気にしないでおこう。
「それと、今から成るのはスカルじゃない」
『メロンエナジー!』
メロンっぽいデザインが施されている南京錠、メロンエナジーロックシードを取り出す。
『待て』
「なんだ?」
『ここでそれを起動するのはまずい。
スカルと違うのならば、ボーダー本部のレーダーに反応するかもしれない。この場所での反応はまずい』
変身しようとする俺を止めるレプリカ。
我が家は蓮乃辺市と三門市の境界線上に存在しており、この場でトリオン反応を示すのは色々とまずい。レプリカが俺がトリガーを使ったと報告すれば良いかもしれないが、トリオンを探知してトリオン兵が押し寄せてくるかもしれない。
三門市どころか蓮乃辺市にまで被害を出してしまえばボーダーという組織は解体しろとか政府の役人が喧しくなる。
「仕方ない」
変身するのを一旦、取り止めて代わりにロックビークルの1つでプライベートでも使用しているサクラハリケーン(ホンダCRF250L)を出す。
「こいつはガソリンで動いているから、反応はしない……筈だ」
『この様な物まで持っているとは……』
伊達に仮面ライダーではない。
変身していないのでヘルメットをシートの下から取り出し、被る。
「レプリカ!……いや、これ言って良いのか……まぁいいか。ひとっ走り付き合えよ!」
『承知した!』
この辺、普通に公道で、今は変身をしていないから法定速度を越えると色々とややこしい。こんな状態だから、警察は機能していないだろうけども。サクラハリケーンで法定速度を守りながら駆けていった。
「……いったようね」
今の時点で出せる速度で千佳の元へと向かう俺が自宅から去ると母さんが戻って来た。
「レプリカから聞いたけど、ボーダーはいったいなにをしているのかしら?
手薄になって市街地に被害を出してしまいそうになるなんて、抑止力的な存在にもまともになれてないじゃない」
母さんも余り口にはしないけれど、ボーダーは嫌いな方だ。
色々と大人であり嫌いだというならば自分で変えてみせるタイプなので、胸の内にしまうだけで留めている。だが、今回の一件に関してはそれなりに怒っており、最近起きた事に対する鬱憤を晴らすかの様に愚痴る。
「そういえば、何時からだったかしら?
貴虎が書いている漫画やジャンプに興味を持ちはじめたのは」
母さんは俺の部屋に向かい、厳重にロックしているはずの金庫を開き、アタッシュケースを取り出す。
XともYGGDRASILLとも書かれていない3つ目の最も小さいアタッシュケース。
GENM
CORP
と書かれたアタッシュケースを開いた。
「これを使うのは本当に、いざというときね」
当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定というなの裏話
バグスターウイルス
説明
仮面ライダーエグゼイドに登場する人体に感染するコンピューターウイルス。
感染した人間が強いストレスを感じることによりウイルスは増殖し、ゲーム病という病気になる。
仮面ライダーエグゼイドに登場する怪人はこのゲーム病の原因であるバクスターウイルスで、バクスターウイルスを倒す(物理)ことによりゲーム病を治すことが可能。なんとも言えない物理的な治療法(後に特効薬的な物は開発される)
仮面ライダーエグゼイドに登場する仮面ライダーはこのバクスターウイルスを極々微量を注入し、抗体を作る予防接種的な手術を受けており(何名か除く)、バクスターウイルスの力を使ってバクスターウイルスを退治してるのだが、あらゆるバグスターウイルスを寄せ付けない完全な抗体はそう易々と出来ない。
バクスターウイルスを解析、研究しまくれば、人間をデジモンの様な電子の世界でも現実世界でも生きれる生命体に生まれ変わらせたり、VRMMOを作ったり、死んだ人間を生き返らせたりすることが可能であり、転生者のメガネニキが言うのもなんだが生命の論理に反しているので余り使いたくないし、神の才能が無いと扱いきれない。多分、鬼怒田さんでも扱いきれない。
その正体は2000年問題に起きるとされる誤作動を対応するために未知のウイルスに感染していたPCで誤作動の仮想シミュレーションを幾度もした為に、生まれた偶然の産物である。
当作品ではトリオン器官に感染するコンピューターウイルスであり、今のところメガネ(兄)と某人物に感染している。
ゲームとか漫画が好きだったメガネ(兄)は特になにもないのだが、バグスターウイルスに感染した某人物は感染後に段々と漫画に興味を抱いた。
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