サブタイトル、バカとテストとボーダー隊員。
某月某日
「よー、メガネボーイ!」
「あ、三雲先輩だ!」
ボーダー本部へと呼び出された修は迅バカの緑川と槍バカの米屋と遭遇する。
「メガネボーイがこの辺にいるのって珍しいな」
遭遇した米屋はこの辺で会うのが珍しいと感じる。
修が本部に来るときは書類の提出や遊真の付き添いや誰かに会いに行くぐらいで、ランク戦のブースや何処かの部隊の隊室なのだが、そのどちらでも無い場所で出会った。
「指定された部屋に来いと呼び出されまして、本部は基本的にランク戦でしか来ないので迷いまして」
「って、メガネボーイも呼び出されたのか?」
必要な書類を届けるとかそういう感じでなく呼び出しをくらったと場所を教えると目を見開く米屋と緑川。
「オレ達も呼び出されたよ!」
「緑川達も……いったい、なんだろう?」
「ん~……取りあえず行ってみるか!」
交遊関係はそれなりではあるものの、特に関連性が浮かばないのでとりあえずは指定の場所に向かう3人。
指定された部屋の前に行くと、そこにはそこそこの数の隊員が居た。
「あれ、三雲くんも呼び出されたんだ」
「日浦さんも?」
部屋の前に結構な人だかりが出来ており、驚く三人に気付いたのは同じく呼び出された日浦。
指定された部屋の扉がまだ開いておらず、全員立ち往生していることを聞く。
「にしても、スゴい顔触れだね!オールスターって感じ」
緑川は立ち往生している面々を見て豪華だと感じる。
ボーダーのNo.1隊員の太刀川と攻撃手二位で個人三位の風間をはじめに、柿崎、弓場、熊谷、小荒井、別役、小佐野、仁礼、黒江、月見、帯島と早々たる顔触れ。
ポジションもランクも関係が無く狙撃手が別役だけなのは心許ないがそれを埋めるかの様な面子が揃っている。
「三雲か、迅か、それとも東さんか。またなにか面白いことでもおっ始めるつもりみたいだな」
集まった面々の法則性はよく分からないものの、かなりの人数がいる。
ランク戦とは異なる演習かなにかを誰かが企んでいるのか今から起こりうることを想像し、太刀川は心を踊らせる。
「米屋、準備が出来たぞ!」
「諏訪?」
まだかと待っていると扉のロックが解除される様な音が鳴ると、諏訪さんが入れと言う。
諏訪も呼び出されていたのかと風間さんは少し驚くのだが、それよりもどうして米屋を名指ししたのかと疑問に思う。
「諏訪さんからの指名だから、オレが一番乗りで!!」
よっしゃとワクワクしながら扉を開ける
「逃げんぞ!緑川!」
と、同時に逃げ出す米屋。
「なんで逃げんの?」
「良いから、逃げるんだ!!」
突如として逃げ出す米屋に驚く一同。
なにを見たんだと改めて開いたドアの向こう側は……学校の教室だった。
「おーおー、マジで逃げやがったぞ」
逃げる米屋を見て、マジかーと教室から出てくる諏訪さん。
「諏訪、これはいったいどういうことだ?」
「んだよ、見て分かんねえのか?というか、見たことねえのか……抜き打ちテストだ」
教室から出てきた諏訪さんになにをするのか風間さんが聞いたその瞬間だった、一部のボーダー隊員は教室から逃げるべく、全てを一瞬の内に察した米屋の後を追うかの様に走り出した。
「エスクード!」
「ぐヴぇ!?」
「と、とりまる先輩!?」
先頭を走る米屋の前に突如として出現したエスクード。
米屋は激突し倒れ、後ろを走っていた緑川は足を止める。
「知っているか、緑川……抜き打ちテストからは逃れられないんだ」
「何処の大魔王なの!?」
「商品券の半分をくれてやるから仲間になれって言われたから、魔王じゃない」
はいを押してしまった勇者の成れの果てである。
トリガーを起動した京介のエスクードに阻まれ逃げ道を無くすバカ達。
「諦めろ、わざわざ本部の隅っこを改造して作ったのはこの為になんだからよ」
「……はい」
逃げ場は何処にも無いと教えられた太刀川さん。
冷や汗を垂らしながら教室に入るとそこには貴虎と忍田本部長と沢村さんが居た。
「おそーい!もう、チャイム鳴ってるぞ!」
「三雲、やっぱそれは無理あるわ」
「まぁ、無理してテンション上げてますからね……はぁ」
入ると同時に変なテンションで接するも、無理しており落ち込み哀愁を漂わせる貴虎。
なんかまずいことをしてしまったのかと17歳以下の年齢の隊員達は申し訳無い感情になる。
「貴虎くん、大丈夫なの?」
「貴虎くんじゃなくて、三雲主任だ。
正直、大丈夫だがこれから大丈夫じゃなくなる……諏訪さんがネタバラシして米屋がもうなにもかも察していると思うから言うぞ。今から抜き打ちテストをする」
今回呼び出された理由、それは抜き打ちテストをすること。
諏訪にネタバレをされたのでそこまでは驚かないものの嫌そうな顔をするボーダー隊員はチラホラ。なんせ今は学校に行かなくて良いオフシーズン。勉強なんて忘れてランク戦に入り浸りたい遊びたい時期。
「嫌そうな顔をするな。私だって嫌なんだ……」
「じゃあ、なんでやるんだよ!
あたし達はテストをしない、三雲はテストをさせない!Win-Winじゃねえか!」
「黙れ、仁礼、大元を正せばお前等が悪い。それと三雲じゃなくて三雲主任と呼べ」
「アタシ達が悪いって、カゲみたいなことはしてねえぞ!」
影浦がやったことはせいぜい陰口叩いたC級と根付さんをボコる程度でそこまでの罪は無い。
「お前と米屋は留年しかけただろう」
暴行沙汰での罪はなくても、それ以外の罪は普通にある。
既に進級は確定しているものの、本当にギリギリのデッドエンドラインとも言うべきラインに立っているヒカリと米屋は危うく留年しかけたのである。
「とにかく、抜き打ちのテストをする……やっぱ、こう言うのは向いてないので諏訪さん、頼みます」
ヒカリを見て、更に落ち込み諏訪に託す。
「おお……まぁ、三雲の言うように抜き打ちテストだ。
ボーダーの隊員は基本的に中高生で、シフトの都合上学校を早退や遅刻しねえとならねえ。大学なら授業を受けるか受けないか選べるが、中学高校はそうはいかねえ」
託された諏訪はどうして抜き打ちテストをするのか大まかな説明をする。
「どうしても授業の遅れが出て、成績が下がっちまう。
これが中学ならまだ良いけど、高校ならば留年や退学も有り得ることだ」
「それは分かりますけど、なんで俺達まで?」
抜き打ちテストをする理由はなんとなく読めてきた柿崎だが、自分が呼び出された理由がよく分からない。
ボーダーに長い間いる彼は学校とボーダーを両立した人物なのだが、現在は大学生でありシフトとかは割とどうにでもなる。隣にいる弓場も同じくで、なんならば進学校出身だ。
「良い一例、悪い一例、普通な一例なのが必要なんだよ……よく見てみろ、今現在六頴館通ってる奴、一人も居ねえだろ?六頴館組は塾行ってたり自分で勉強してたり出来るから呼んでねえ」
「星輪女学院(お嬢様校)に通ってる人達は普通に成績が良い。
模範となるボーダー隊員を出そうにも……木虎だと確実に図に乗るし、小南パイセンだとカメラ回してると知れば猫を被るし、那須をこういう企画に参加させるのもあれで、別に今生徒の人を呼ばずに模範となる人を呼べば良いで終わった」
「そうだったの」
自分が呼び出された理由に納得をする月見さん。
基本的に成績良いので、模範となる人物が一人いてそれに選ばれたのかと少しだけ気分が良くなる。
「君達の成績は私達の方も概ね把握している。私は勉強が全てとも100点満点中99点だと0点と一緒だと言う考えを持ってはいない。だが、最低限の勉学は必要だとは思っている……特に慶、お前は遠征やらなんやらで大学に行けなくなる時が多い。ランク戦も良いが、勉強もしっかりするんだ!」
「え~」
「露骨に嫌そうな顔をするんじゃない!
遠征に行くとメディアに知られた際にマスコミとは別に大学の方から連絡が来たんだぞ!!レポート形式のテストや課題だけじゃ流石に卒業は出来ないと!!」
因みにだが、本部長も模範となる大人としてテストに参加をします。
「てか、成績悪い奴を呼び出すならカゲはどうしたんだ!アイツも悪い方だぞ!」
「国近も居ないぞ」
「三年はもう切り捨てる形で行きます……後、受験やらなんやらで忙しいところは忙しい」
時期が時期だけに三年生に構っている暇なんぞ、何処にも無い。
「ついでに言うと、日浦……私が体張って残留させてやったんだから赤点なんぞ叩き出せばどうなるか覚えておけよ」
「そこは弟さんの方じゃないんですか!?」
「修は六頴館狙える成績で下手な成績を叩き出せば、その時点で辞表を出さないといけないから問題ない」
元より自主的に勉強するタイプなので、特に問題はない。
強いて言うならば相棒である遊真の残念さ(陽太郎と同じレベルの成績)がどう影響するか分からない。
「本当ならばめちゃイ……時間差で呼び出してテストですと言いたかったが、色々と許可を取らないといけなくて出来なかった。あ、言い忘れたが既にカメラは回ってるぞ」
「カメラ!?なんでカメラが回ってるの!?」
「ランク戦みたいに記録して緑川みたいにバカの道を歩もうとしている隊員に見せて、自分は将来こうなれるのか、それともこの人達みたいになってしまうのかと危機感とかを持たせるためだ」
容赦の無い一言に若干だが泣きそうになる緑川。
残念なことか、此処は教室。文句を言うにはとにもかくにも好成績を叩き出さなければならず、それは緑川が苦手とすることである。
カメラが回ってることを伝えられると何名かの隊員は表情がしゃっきりとし、真剣な眼差しになる。しかしそれでもテストは受けたくない。
「い、今の時代はテストよりもコミュニケーション能力を重要視するって学校で言ってました!」
「成る程、別役くんは別の形式のテストが良いようだね」
「唐沢さん!?」
なんとか逃れようとするが、そんなことを想定していない貴虎ではない。
伊達にボーダートップレベルのバカを間近で見ておらず、勉学よりもコミュニケーション能力と言うやつ対策はある。
「ペーパーテストが苦手なら、実践形式も、入国審査風の英語のテストと言うのもあるが、どうする?」
アメリカに来たという設定で、入国審査を受けるという海外旅行に行けば絶対にしなければならないやつをテストとして用意している。
「What is the purpose of your trip?」
「……イエス!イエス!イエス!」
「太一、違う、そうじゃない」
取りあえずイエスさえ言っておけば良い感じの風潮だが、違うそうじゃない。
唐沢さんがなにを言っているのか分かった京介はなんだか可哀想なものを見るような目で見てしまう。
「でも、アレだろう?生駒から聞いたけど、海外って関西弁は割と通じるんだろ?海外の人達も関西弁喋るって言うし」
※日本語=関西弁ではありません。
こういう時には本当に口が回る太刀川。何がなんでも逃げたいのだが、逃げ道なんて何処にも無い。
「もうこれ以上はぐだぐだになるから、やるぞ……にしても、なんだお前達のその格好は!」
「え、いや、僕達は呼び出されただけで……この格好じゃダメなんですか?」
「三雲先輩、そういうのじゃないです。テレビ的な感じのあれです」
「?」
自分達の服装をみるが、特に場違いでもなんでもない格好でありキレる諏訪さんに粗相をしたのかと疑問を持つ修。
黒江はテレビの進行上言わなければならないので言っているだけだと教えるのだが、イマイチなにを言っているかがよく分かっていない。めちゃイケのパクり?知らないですね。
「今からテストなんだぞ?学生らしい格好をしやがれ!」
「この手の企画は諏訪さんが頼りになるな」
諏訪が呼ばれたのは司会進行役の為だけであり、成績優秀で模範となる隊員だからではない。この人、酒、タバコ、麻雀のトリプル役満である。因みにだが、東さんはこんな馬鹿げた企画にまで足を運ばせるわけには行かないと呼んでいない。結局のところ、身内のゴタゴタである。
「なんでアタシ達は休みの日も勉強しないといけないんだよ……学校の勉強なんて、社会に出ても全く役立たねえって!社会に出ても全く使えないものをやったってなんの意味もねえ!」
「そんな社会に出ても全く意味の無いことすら出来ない奴等は社会に出てなんの役に立つというんだ?」
「カゲのところに就職して役に立ってやるよ!」
え?
ヒカリの発言に、教室内の空気は一瞬で静まり返る。
「ひ、ヒカリ、あんたなにを言ってるの?」
とんでもない事を口走ってるぞと顔を真っ赤にする熊谷。
「カゲのところに就職するって言ってんだよ!
カゲのところは英語も理科も全く必要なくてレジ打ちとかコミュニケーション能力とかが重要なんだ!バカなアタシでも出来る!」
「……そう」
自分でとんでもない事を口走ってる自覚ゼロ、それがアホ4号、ヒカリ。
「橘高さん、今のところ丸々放送でお願いしますね」
面白いものは残さなければならない。
この企画の撮影等に協力してくれていて現在、カメラ越しで映像にブレとか無いかを確認している王子隊のオペレーターである橘高に頼むとOKサインが出る。
「オレはボーダーに就職するから」
「じゃあ、私と同じぐらいの点数は取らないとダメよ」
社会の役に立たないという発言の穴を言葉の槍で突こうとする米屋だが、沢村さんのテストの点数と言う名のシールドに防がれる。
「米屋くん
沢村さんは太刀川さんや東さんと同時期にボーダーに入隊し、当時は恋する突撃攻撃手と言われておりトリオンの都合とか色々とあり一線を退いた元戦闘員。
そして現在は本部長補佐官という冷静に考えればかなり良い地位に立っており、余り目立たないものの沢村さんは出来る女性である(忍田本部長へのアプローチは別である)
米屋達がボーダーに就職するとなると、沢村さんほどの働きを見せなければならない。
「もう、諦めろ。諦めないのを諦めろ」
どんな手を使おうとも、どんな言葉を使っても無駄でしかない。
あらゆる事を想定した上でこの面子が呼び出されており、逃げようとするならば四方から言葉による攻撃が来る。
本部長補佐である沢村さんを呼んだのは、バカどもの逃げの一手を完全に封じるためである。
「トリガーを配るが、起動はしないでくれ」
ドアをロックし、逃げ場を無くすとトリガーが配られる。
ここにいるのはボーダー隊員で、トリガーを携帯しているが、戦闘用の正隊員用のトリガー。今、配られているトリガーは起動すれば学生服を着たトリオン体に変わるだけのものである。
「学生服か……何年ぶりだろうな?」
本部長は見た目若々しいが三十路過ぎのおっさんである。
「忍田さんの学生服姿とか似合わねえ」
「いや、お前が言って良いことじゃねえだろ」
二十歳と言われても違和感しか無いぞ、太刀川。特にアゴヒゲが。
「でも、学生服だなんてなんか少し恥ずかしいわね」
「あ、その点に関しては大丈夫ですよ」
25で学生服はと少しだけ恥ずかしがる沢村さんだが、その辺の考慮はしている。
流石に25の婚期を逃すか逃さないかの瀬戸際の女性の学生服を見るのは心苦しい。どういうことだと頭に?を浮かべるのでものは試しだとトリガーを起動する沢村さん。
「え、これって」
換装した自分の姿に驚く沢村さん。
セーラー服を着るのかと思いきや、紫色の矢絣柄の着物に青色の袴を着ていた。
「現役女子高生がいるので、ここは女学生にしました……冬島さんとか雷蔵さんが、トリオン体をコレにしようアレにしようとか言い出して、凄く気持ち悪かった。橘高さんが何処かから話を聞き付けて来なければ、今ごろはブ……あ、本部長も」
「トリガー、
沢村さんに続き忍田本部長もトリオン体に換装。
オリーブ色の学ランの上に黒色のインバネスコートを着ており、帽子も被っていた。
「大正ロマンか!」
「そういうことです」
「つーことで、席についてからトリガーを起動しろよ。
あいうえお順で呼ぶから、順番に座ってけよ。この列は小佐野、帯島、柿崎、風間の順番だ!」
大正ロマンにご満悦な沢村さんと忍田本部長。
大体の流れや説明が出来たのであいうえお順で席に着かせるのだが
「諏訪、前が見えない。それと椅子を変えてくれ」
「あ、すみません」
若干ながら席順に悪意を感じる。
一番背の低い男を最後尾にし、その前に結構体格の良い男を置き、更にその前を女子中学生、一番前を女子高生と悪意を感じる。柿崎さんは謝らなくて良い。
「どうせテストしかしねえから、良いんだよ」
「なにを言ってる?6時間後には珍回答がはじまるのだろ?この席ではモニターが見えん」
「風間さん、今日はテストだけですから。珍回答は明日です」
「……そうか」
美味しいところを期待しているところ悪いが、それは明日である。
一番美味しい部分が無いと分かり、落ち込む風間さんはトリガーを起動すると短パン半袖で小学生がよく被っているイメージのある黄色い帽子を被っていた。
「ッブ!?」
「……おい」
「あ、雷蔵さんと冬島さんです」
「そうか」
小学生の格好をしても特に違和感の無い風間さん。
お腹を抱えて笑うのを抑えているのがバレバレな諏訪さんを睨み付けると、このままだと自分にも拳が降り注ぐだろうと察した貴虎は首謀者である二人を売り渡す。
因みにだが、その二人も裏方で爆笑している。
「つ、次は京介、熊谷、双葉、小荒井、沢村さんだ」
諏訪さんは笑いをなんとか抑え、次の列の隊員を座らせる。
風間さんがあんな姿になってしまったのでもしやと京介達は疑いの目をトリガーに向ける。しかし、進行上は起動しなければならず、急かされる四人。安全圏内に居る沢村さんは四人に暖かな目を向ける。
「って……案外普通なのね」
なにか恐ろしいものが待ち構えていると思っていたものの、いざ換装してみれば普通の制服。
普段はセーラー服だが、どちらかと言えばブレザータイプの制服でコレはコレで良いわねと熊谷が納得をしてると、ピンポンパンポンと放送が鳴る。
『テイルズオブゼスティリアのDLCの学生服、悪くないチョイスね』
「ゲームの方は糞でしたけど」
貴虎も制服に一枚絡んでおり、橘高さんにチョイスを褒められる。
「待って。これって、ゲームとか漫画に出てくる学校の学生服なの?」
「ああ……別に問題ないだろう」
着せられている服がまさかのアニメとかに出てくる制服だと知らされ、落ち込む熊谷。
とはいえ、普段はちょっとエッチい、なんかエッチい、小夜子特性の隊服なのでコレはコレでありなのかと思ってしまう。
「次は忍田本部長、太刀川、月見、ヒカリ、日浦だ」
「私のは大丈夫よね?」
「芋ジャージです」
「……っ……っ!!」
アニメの制服、小学生の格好と益々闇が深くなり月見さんは起動前に貴虎に確認を取ると芋ジャーだと教えられた。
話の流れ的にロクでもないものが入っているのは読めていたが、別の意味でロクでもなかった。変えてくれと言いたいが、変えたら変えたでロクでもないものが待ち構えていると踏んでおり、文句は言えずトリガーを起動する。
「まぁ、そう落ち込むなって。芋ジャージだろうが、お前はお前なんだからさ」
「太刀川くん……ッブ……」
「すげえ、あの人、違和感ねえし動じてねえ」
ノースリーブタンクトップ(白)と短パン(水色と白のストライプ)だけの休日のおっさん姿を完璧に着こなす太刀川であった。
「最後に別役、三雲、緑川、弓場、米屋!!」
「今までの傾向からして、誰か一人はおかしなのを着ないといけない……オレかよねやん先輩か」
「二人なのは決まってるんだ」
今までは面白いとかあのアニメの格好を!だったが、ここに来てキツいのが出てきた。
今までの法則性をなんとか見切ろうとする緑川だが日頃の行いも考えれば自分と米屋が痛い目に遭うなと思い、トリガーを起動するのだが、帝光中学の制服だった。
「あ、俺も普通だ」
別役の方も普通、と言うかよう実の男子の制服だった。
「やっぱ男子の方はそう簡単に面白いのは来ねえって、マジかぁ!?」
「よねやん先輩、それ卑怯だよ!!」
面白い男子の制服は無いだろうとメタいことを言う米屋。
何時も着ている学ランに換装するのだが、牛乳瓶の底を彷彿とさせるガリ勉がつけている渦巻きメガネをつけており、全員を爆笑の渦に巻き込む。
「え~と、僕のコレは?」
「ハリーポッターだな……御丁寧に、額の傷まで再現してる」
米屋達に続き、修もトリガーを起動するとホグワーツ魔法魔術学校の制服(グリフィンドール)を着ており、額にはあの人がつけた稲妻みたいな傷があり違和感も特になく、米屋のガリ勉スタイルが余りにも面白すぎたので爆笑は起きない。
「最後はオレか」
最後を飾るのは弓場さん。
果たしていったいなにが出てくるのかと全員が見守る中、トリガーを起動した。
「なんだ?」
弓場さんがトリガーを起動すると白色の特攻服を着ており、腰に晒を巻いていた。
余りにも違和感がないその姿に誰も文句は言えず、人相が悪いことを本人も自覚はしており、こう言うのが来るのを読んでいた弓場さんは騒がず、上着の背に書かれている漢字を見てなんて書いてあるか疑問に思う。
「当て字だから……
特に騒がない弓場に逆に恐怖を感じる何名かの隊員。
この隊服を作ったのはテストを受けないトリガーを使い、魔法科第一校の制服に換装しようとしている貴虎であり、本人は違和感は無いと楽しんでいる。
「う~し、じゃあ先ずはルールについて説明するぞ」
全員の換装を終え、説明に入る。
今いるもしくはこれから入隊するボーダー隊員の模範となる人物と模範としてはいけないバカを決めるテストであり、この中からバカと模範生が決まる。
テストは国数英理社の五教科に加えて一般常識の6科目で、1つにつき50分、休憩時間10分の合計六時間のぶっ通し。トリオン体なので空腹の感覚や尿意は特にないので安全である。
基本的に小学生から中学三年までの問題を出し、中学2年の緑川と帯島には習ってないところを考慮して60点を、黒江は120点を与えている。中学三年には優しさも思いやりも無い。
「モチベーションを上げるために満点を取れば三門市で使える商品券(三千円)を一科目につき、1枚あげます。模範生で600点満点を取ったらおまけに4枚つけます。
それともう一つ、模範にしてはいけないボーダー隊員が決まった場合はその隊員の肖像画と銅像を作りますので御理解の方をお願いします」
「そこまで岡村学院を再現しなくても良いだろぅ……それよか、三雲。
お前、さも当たり前の如く司会者側に立ってるけど、お前の方はどうなんだ?まさか、酷い点数じゃねえだろうなァ?」
ここまでふざけているのだからとギロリと貴虎を睨む弓場さん。
「600点満点です」
文句の一つでも言いたいが、残念かな貴虎は東さんよりちょっと頭良いのである。
「そうか」
因みにだが諏訪さんは478点であり数学と理科が足を引っ張った。
「うーし、じゃあ先ずは国語からだ。ここで落としたら、日本人失格だぞ」
「国語か、ここで点数を稼がないとな……ん?」
不名誉あるバカ隊員にだけは選ばれてたまるかと、取れるところで取ってやると覚悟を決める太刀川なのだがおかしなことに気付く。
「予習タイムは?」
本家の方には、ちょっとだけ勉強をする時間がある。
その時間で詰め込めるだけ詰め込んでやろうと企んでたのだが、予習タイムは無く国語のテストが始まろうとしている。
「んなもんねえよ」
「抜き打ちテストなんだからそんなもの、あるわけないだろ」
「ええっ、めちゃイケだとちゃんとやってるでしょ!?」
「緑川、言ったな。遂に言ったな。皆、ぼかして言ってるのにストレートにめちゃイケと言ったな。
本家とか岡村学院とかそういう感じにぼかして言え!真似してたりパクってたりする自覚はあるが、ストレートに言うんじゃない!」
遂に言ってはならないことを言ってしまった緑川を貴虎は叱る。
そして予習タイムが無いことを知らされると口から魂のようなものを出すバカ達。
「終わった……」
「テスト前の詰め込みは悪いとは言わんが付け焼き刃で、ところてん形式で頭から落ちる。普段からある程度は真面目に勉強さえしていれば、予習無しでも困ることはなにもない。なによりも出る問題は小中レベルだ、俺達が出来なくてどうする」
唯一の大学生(バカ代表)に厳しめの一言を言う風間さん。ド正論である。
「迅のやつ、こんなことが起きるならサイドエフェクトで教えてくれよ……」
「今回は迅は一切関係無いからな」
未来を知っていれば予習出来たと嘆く太刀川に、今回は全くと言って無関係だと教える。
迅は現在、修の代わりに防衛任務に出ており、千佳や遊真達の前でカッコいいところを見せてやろうとしている。
「迅さん関わってないの!?こんな面白そうな企画なのに!」
参加する側からすれば堪ったものではないが、企画する側では最高なバカテスト。
迅ならばノリノリで参加し、珍回答見たさに変な問題を入れようとサイドエフェクトを使いまくるだろうが、今回は全くといって関与はしていない。
「関わるもなにも、あいつ、大学生でも職員でもない無職だから最初から省いている」
「お前、ホント、迅と仲が悪いな」
諏訪さんは貴虎に呆れるが、無職には厳しい世の中である。
「迅は無職じゃないぞ。ボーダーに所属しているからフリーターだ」
太刀川さん、それは余計に質が悪い。
そんなこんなではじまるはバカ隊員と優等生隊員を決める防衛機関立諏訪学院の抜き打ちテスト!そのチャイムが鳴り響いた!
司会進行役等の事前のテスト結果
貴虎
国語 100点(満点)
数学 100点(満点)
社会 100点(満点)
理科 100点(満点)
英語 100点(満点)
一般常識 100点(満点)
計600点(満点)
諏訪さん
国語 97点
数学 53点
社会 84点
理科 61点
英語 88点
一般常識 90点
計478点(一般常識を除けば383点)
平均79、6点(一般常識を除けば76、6点)
橘高さん
国語 88点
数学 71点
社会 80点
理科 69点
英語 74点
一般常識 93点
計473点(一般常識を除けば382点)
平均78、83点(一般常識を除けば76、4点)
雷蔵さん
国語 72点
数学 89点
社会 66点
理科 93点
英語 76点
一般常識 62点
計458点(一般常識を除けば396点)
平均76、3点(一般常識を除けば79、2点)
冬島さん
国語 78点
数学 83点
理科 100点(満点)
社会 78点
英語 72点
一般常識 84点
計495点(一般常識を除けば411点)
平均82、5点(一般常識を除けば82、2点)
唐沢さん
国語 77点
数学 83点
理科 67点
社会 89点
英語 100点(満点)
一般常識 90点
計506点(一般常識を除けば416点)
平均84、3点(一般常識を除けば83、2点)
根付さんからのコメント
「まぁ、テレビの方と違って彼等は現役だったりしますからね。
小学校中学校レベルの問題ならば簡単で高得点は当たり前なんですよ。とはいえ、ケアレスミスや一般常識が若干低いのが目立つ。進学校組も含めてするのも面白そうだと私は思う……残念組に関しては本格的に塾かなにかを用意して叩き込む件を実行すべきかと検討させてもらうよ」
貴虎からの返信
「今回は引き受けましたが、こういうの主任の仕事じゃないと思うので勘弁してください」
根付さんからの返信
「外方面の仕事ならば嵐山隊に任せたいですが、ボーダー内部の出来事ですので君に任せます。その代わりある程度は好きに企画してください」
貴虎からの脅迫文
『Fuck you!』
ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)
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てれびくん、ハイパーバトルDVD
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予算振り分け大運動会
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切り抜けろ、学期末テストと特別課題
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劇団ボーダー
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特に意味のなかった性転換
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黄金の果実争奪杯