2月1日(土曜日)今日からボーダーのB級のランク戦が開幕する。
まだ正式なボーダーの隊員ではない私には今のところは関係の無い話である……そう、関係の無い話なんだ。
「さぁ、はじまりましたB級ランク戦実況は私こと武富桜子です!」
「解説はツインスナイプ見たでおなじみの佐鳥賢と」
「謎のマスクマンMがお送りいたします」
なんでこうなったんだろう。
影先輩との約束を果たす為にトリガー構成を現状出す事が出来る本気モードに切り替えているとなんかスカウトもとい解説を頼まれた。今日からランク戦が始まるから実況と解説担当の人が居るのは分かっている。だが、それをこんな怪しさ全開のマスクマンに頼むか普通。
「佐鳥、何故に私を誘った?そして武富、よく採用したな」
隣に座っている謎のマスクマンは誰だとざわめいている。そりゃそうだろう、胡散臭さが半端じゃない。
解説を一緒にやりましょうと誘ってきた佐鳥にちょっとだけ問い詰めるとサムズ・アップした
「またまた、晴れ舞台を豪華な席で見れるんですよ!」
「誰がそんなサポートしてくれといった。玉狛辺りで見ている……全く余計な事をしてくれたな」
「口ではそんな事を言ってるけどなんだかんだでノッてきてくれるじゃないですか……一緒に頑張って解説しましょう」
「佐鳥先輩の推薦なので名解説を期待しています!」
ハードルを上げてくるな。
なんだかんだ言いつつもここまでやってきた以上は解説をするしかないのだが……戦術系に関しては素人同然な私に何処まで出来るか。最悪佐鳥に丸投げすればいいが、コレも経験。色々とやっておくに越したことはない。
「以上が部隊でのランク戦の仕組みです」
武富が横でランク戦のシステムに関して説明した。
上位にはポイントを振られているとか下位、中位、上位があるとかボーダーに入って間もない隊員も居るので丁寧に1から教える。修達がコレから目指すのは単独でB級2位以上のランクだ……現時点では不可能に近いな。
「マスクマンさん、注目すべき部隊は何処でしょうか?」
「身内贔屓にもなりますが玉狛第二ですね。下位でモタついている吉里隊や間宮隊とは違い……これ以上は悪口になるので止めときましょう。新規の部隊なのでどんな感じの手でやってくるのか謎で、事前に何処まで情報を手に入れる事が出来ているのか……」
解説らしい解説を頼まれたので身内贔屓をしておく。答えを直ぐに言ってしまったりすれば悪口に繋がるので下手に口に出さない。
フィールドが決定されて各隊どういった作戦で行くのか試行錯誤している間にランク戦を見学している人達が増えてきた。
「意外と辛口なんですね」
「仕方ない、なにせ前回の大規模侵攻でC級、攫われる、B級、チームで合流しなくちゃ動けない、A級、敵の近界民にやられるのトリプル役満でボーダーを辞めたり、辞めてほしいと言っている親御さんが出たりと色々とあるんです……強くないとやってけないですよ」
キツい物言いをしている自覚はあるがあんな事があった後だ。何処かで誰かが憎まれ役をして釘を刺しておかないといけない。
広報担当の佐鳥にとってはヴァイオレンスな発言はヒヤヒヤものだろうがこれぐらい誰かが言っておかないと、誰かが最後の蓋を閉じる役目を果たさないといけない。
「実況解説が重要なのは分かりますが一応言っておきます。ランク戦をeスポーツ感覚で楽しまないでくださいね、最高の遊びかもしれないですけど一応は軍事演習の一環」
「ストップストップ、硬すぎですよみく──Mさん」
「お前達が緩いところが多いんだ……と、言いたいことを言っている内に試合が開始されました。武富オペレーター、この展開をどう見ますか?」
危うく本名をバラすところだった佐鳥を横に武富に話を回す。
既に試合は開始されて修と千佳ちゃんがバッグワームを起動しており他の部隊はレーダーに写っている……粗が見えるな。誰かが撒き餌になってとかそういうのじゃなく大した実力も無いのに迎え撃つ気でいる。
見知った顔が相手だから勝つ自信や算段がついている……のならば、もうちょっとバッグワームを上手い具合に使ってフェイクを入れたり色々とやっているな。
「そうですね。唯一狙撃手が居る玉狛第二の動きがやや気になるところ」
「玉狛第二の射撃はそりゃあもうスゴいんですよ!あっという間の驚きを与えてくれますよ」
「おおっと、そうこう言っている内に玉狛第二の空閑隊員が吉里隊と遭遇って、ああ!!」
「悪手ですね」
一箇所に固まっている吉里隊の元に遊真が飛び込んだ。
銃手が居るのにも関わらずなにか特にアクションを起こさずに素早く移動する遊真になにも出来ずに首をスパンと切られて緊急脱出。あまりにも呆気なく遊真が吉里隊を全滅させた。
「今のは吉里隊が悪いですね。吉里隊は遊真隊員が一回止まると思っていましたが遊真隊員は止まらずにノンストップで攻撃に入った……遊真隊員はかなりの実力者です。一手待つなんてしたらどうぞ殺してくださいと言ってるみたいなものです」
「玉狛の空閑って」
「緑川とやりあった」
「勝ったって聞いたぞ」
「歴代最速を叩き出したとか」
遊真が目立つ。一瞬の内にB級下位とはいえ部隊を全滅させて色々と噂に尾ヒレがついているのだから当然か。
間宮隊も一箇所に固まっているが相手はあの遊真だと警戒心を強めて動くことをしない。
「間宮隊動こうとはしていません……コレは待ちですかね?」
「そうですね。間宮隊には追尾弾の3人連続のフルアタックのハウンドストームがあります。恐らくは空閑隊員を釣ろうとして住居の裏に隠れています……ただ」
「ただ?」
「玉狛第二にはそれも悪手、おおっと!出た、出たぞぉ!!」
住居の裏にバッグワームを起動せずに遊真を釣る為に居るので何処に居るのかが丸分かりだ。
千佳ちゃんがアイビスを構えて狙撃……狙撃なのか?ビームをぶっ放して間宮隊が隠れている住居をぶっ壊す。
「な、な、なんじゃこりゃああああ!!アイビスか、アイビスなのか!!アイビスでこんな威力が出るのかぁ!!」
「手元の資料に寄りますと千佳隊員のトリオン能力は38とぶっ壊れです……いやぁ、この前砲撃で狙撃場に穴を開けたのは見てましたけども、ホントに威力がおかしいですね……ただ、コレだと何処に潜んでいるのか丸分かりですから撃つのは慎重にならないと」
「おっと、吹き飛んでいる間宮隊を空閑隊員が一掃したぞ!」
展開が一気に動いていく、というか詰む。千佳ちゃんのアイビスに吹き飛ばされた間宮隊の面々を遊真が刈り取り、緊急脱出。
マップには修達玉狛第二しか居なくなり試合が終了した。
「し、試合終了ぅううう!!強い、強いぞ玉狛第二!生存点を含めて8点を得ました!今の試合を振り返ってみて如何だったでしょうか?」
「まぁ、そうですね。根本的に駒の質が違いすぎたと言ったところですね。雑にやってもB級中位を安定して狙える強さを秘めている部隊で、動きが洗練されて無駄の無い遊真隊員が強かったのと千佳隊員のトリオン能力がぶっ壊れ性能だったわけですし」
「振り返ってみれば、玉狛第二ヤバいっすよ」
「しかし、隊長である三雲隊員は転送位置の影響もあってか特に目立った動きをしていませんでしたが」
「あ〜三雲隊員は雑魚ですからね。B級下位の隊員とはタイマンでまともに勝てない可能性もあります……まぁ、下位ならば遊真隊員と千佳隊員におんぶにだっこで良いと思います……ただ本気で上を目指すならば即座に落とさないとヤバい駒にならないといけないですね」
「と、言いますと?」
「そこは秘密です……とにかく隊員の質が違いすぎましたね。三雲隊員はJOKERになる素質はあるんですけども……まぁ、それは成長に期待をしておきましょう」
これ以上言えば修の成長を妨げる可能性があるので言わない。とにかく玉狛第二が凄く強かったとの印象が生まれた。
今回は新規だから注目をされていなかったが次からはそうはいかない。中位からはちゃんと動くことが出来る人達がいる。中にはマスタークラスも居るわけで中々に手強いのである。
「この一戦で暫定12位にまでのし上がった玉狛第二!次回からは中位となり対戦カードは荒船隊と諏訪隊!」
「次は駒の質だけでどうこう出来る相手じゃないです。作戦を練ったり色々としないといけないですね……まぁ、今回はやや有利になっていて選ぶ権利も考える時間も初見だという事もあるのでなんとかなるでしょう」
修ならばなんだかんだで上手くやるだろう。
玉狛第二の次の対戦カードが決まり、試合の振り返りも完全に終わったので徐々に徐々にランク戦を観戦するブースから人が離れていく。
「こんな感じで良かったか?」
解説も実況もやるのははじめてなので、なにが正解なのか分からない。
「辛口なコメントも色々とありましたけど良かったですよ。また解説をお願いしたいぐらいです」
「無茶を言わないでくれ。私は戦術に関しては素人同然だ……今回は戦術よりも駒の質で大きく差が開いていたから上手く噛み合ったけども、中位、上位で解説が出来るほど経験値は積んでない」
私の唯一の弱点は経験値不足なんだ。
実況やら解説やら一番向いていない……未来視のサイドエフェクトなんて無いし経験不足だ。まぁ、それを今から積み上げていくけども。
「いやいや、Mさん素質ありますよ。ズバッと言うところとか……またお願いしますね」
「勘弁してくれ……じゃ、私はここで失礼させてもらう」
武富は私の事を気に入ってくれた様だが私、そんなに上手く出来ないので遠慮させてもらう。
解説も終わったのでこの場を後にして向かうは個人戦が出来るブース。
「よぉ、待ってたぜ」
「影先輩、ランク戦あったんじゃないんですか?」
「んなもんとっくに終わらせたわ。約束通り本気でバトルしろ」
「はいはい、分かりましたよ」
昨日、本気のトリガー構成で挑むと影先輩と約束をしたのでその約束を果たす。
この人、ランク戦を喧嘩かなにかだと勘違いをしている……まぁ、なんだかんだで強くて頼りになるから問題は無いけども。ブースの中に入って影先輩と通信を取ってランク戦を行うと仮想空間に転送される
『ランク戦1本勝負開始』
機械的なアナウンスが流れると直ぐ様、スコーピオンを構える。
影先輩がどういう感じの戦闘スタイルなのかはなんとなく読めている。素早くて怒涛の攻めと呼べる攻撃をしてくる。守りでカウンターを狙おうにもサイドエフェクトがあるので不意を上手く突くことが出来ない。
「どうしたこんなもんか!!」
今回は戦いに集中していい、余計な事に思考を割かなくていい。
影先輩のサイドエフェクトに引っかからない様に心の中を空っぽにしてスコーピオンを手にして突きを入れるが影先輩は当然の如く躱してくる。影先輩ならそれぐらいは容易い事だ。
「もらっ──!!」
至近距離からの突きを回避して逆にカウンターで攻めに掛かる影先輩だがこの展開は想定内だ。
俺との間にグラスホッパーを展開して突撃する影先輩にぶつけることで影先輩を弾くのだがその間にスコーピオンを再構成、S字の形に切り替えるとグラスホッパーに弾き飛ばされた影先輩に刃の部分が刺さりトリオン供給器官を破壊した。
「もう一回だ」
「嫌です」
「あァ!!勝ち逃げは許さねえぞ!!」
「仕方ないですね」
影先輩との戦いは終わりを迎えたかと思えば影先輩は再戦を望む。
私としてはこの1本を如何にして濃密に過ごすかが重要であり、勝つか負けるかのバチバチやり合うクロスゲームを楽しむつもりは無い……近界民の事さえ無ければ、ゲームとして楽しむ事が出来るがそれだとゆるい。私がちゃんとしてないと後々痛い目に遭う。
『ソロランク戦2本目、開始』
「いくぜ」
影先輩のワガママに付き合いつつも経験値を積んでいく。
「逃げるが勝ち!」
「テメエ、逃げてんじゃねえよ!!」
怒涛の攻めを受け流す事は出来ても影先輩にはサイドエフェクトがあるのでカウンターが上手く決められない。
回避し続けるのにも何時かは限界が来てしまうのでグラスホッパーを使って堂々と逃亡すると影先輩はスコーピオンを2本繋げる事で射程範囲を伸ばすマンティスを使ってくるがマンティスの刃が触れるよりも先にグラスホッパーで跳んで逃亡に成功する……と言っても今回のトリガー構成にレーダーに写らないバッグワームを入れていないので影先輩は標準機能として装備されているレーダーを頼りに普通に追い掛けてくる。
「スラスター、
「レイガスト──っ、フェイクか!」
一手のフェイクを入れるのに言葉というのは本当に便利だ。
昨日、レイガストを使って戦ったおかげか影先輩は私はレイガストも使えるという認識を持っている。だが、残念な事に本日のトリガー構成にはレイガストは搭載されていない。近距離戦はスコーピオンメインでやる……コレでいい、影先輩相手に一手妨害のフェイクさえ出来ればそれでいい。
スラスター起動と言った際にスコーピオンを投擲した。スコーピオンは影先輩には当たらない、最初から当てるつもりも無い。逃げるのと同時に仕掛けた置き弾の
影先輩のサイドエフェクトは何処を狙ってくるのかなんとなくで分かる物だからこういう搦手を使わなければ落とす事が出来ない。この人、サイドエフェクトを持っているから強いとかじゃなくてナチュラルに強い。
「もう1本だ!」
「えぇ、まだやるんですか?」
「当たり前だろ。とっとと入れや!」
影先輩は燃えてきているのか再戦を望む。
楽しくなってきているのは何よりな事だけども……う〜ん……まぁ、他人にまで強要する事はイケないことか。
『ソロランク戦3本目、開始』
「ふっ!」
試合開始の合図と共にスコーピオンを一個作り出して影先輩目掛けて投げる。
影先輩には感情を受信するサイドエフェクトがあるので当然何処を狙っているのか丸分かりだ。投げるのは胴体のヘソよりもちょっと上の部分、私ならば確実に当てる事が出来る。そして影先輩ならそれを上手く対処する。胴体を狙っているので回避するのは難しい、弾くのがベストだと影先輩はスコーピオンを右手に出して、飛んでくるスコーピオンを弾いて逸らすがこの時点で既に私の作戦は始まっている。
「影先輩が作り出したんですよね」
「てん、めぇ……」
スコーピオンを投げると同時にもう片方にセットしてあるスコーピオンを起動、飛ばしたスコーピオンに向けて伸ばす。
影先輩が弾いた方向にスコーピオンの伸ばす軌道を変えて弾かれたスコーピオンと伸ばしたスコーピオンをくっつけてマンティスを作り上げて更に刃を伸ばし影先輩の首元に突き刺した。
「飛ばして空中にあるスコーピオンにスコーピオンをセットして詰みの一手に持っていく、空中マンティス……遊真達には無理か」
私の動体視力と判断力があるからこそ成り立つ空中マンティス。他の人が出来るかと言われればNOだろう。
「次だ」
「またですか」
再戦を要望してくる影先輩にキリよく終わるように5本にしようと残り2戦もバトルをして影先輩から勝利をもぎとる。
この人、ナチュラルに強いからホントに油断ならないけどもまだまだ私の手札は残っているので初見殺しの技を使う。次は通用しないのが恐ろしい。
「さて、ちょっと一息つくか」
影先輩と5戦やって5勝と順調に白星を上げることは出来たが相手が相手だけに色々と気を使う。
ちょっと疲れたので個室から出て飲み物を買いに自販機がある場所に向かう。
「あ!」
飲み物が売っている自販機に辿り着くとそこには黒江がいた。
謎のマスクマンと遭遇すると声を上げるが私は気にする事なくメロンソーダを購入する。
「あの、またランク戦をお願いしてもいいですか?」
「ああ、構わない……ただちょっと一服させてくれ」
影先輩相手に神経を尖らせていたので結構疲れている。
メロンソーダの蓋を開けてグイッと飲むのだがトリオン体で飲んでいるせいか満足感や満腹感は感じない。
「おい、コラァ!たった5本やっただけで音を上げてんじゃねえぞ!!」
「影先輩、もう充分でしょう」
一息ついているとカンカンにキレている影先輩がやってきた。
5本もランク戦をやったというのにまだやりたいとご要望の様だが今日はこれ以上は影先輩とやるつもりはない。
「影浦先輩、次は私の番です」
「とまぁ、こんな感じなのでまた明日、別のトリガー構成で行きますので」
黒江が居てくれて良かったというべきか、次に戦う相手が居ると言えば幾らでも引いてくれる……
「その次が空いてるだろ」
なんて上手くいくわけないか。
メロンソーダを一気に飲んで呼吸を整えてランク戦を行うブースに戻り、個室に入って黒江が居る部屋番にランク戦を申し込む。
『ソロランク戦1本勝負、開始』
市街地の一本道、ランク戦が開始されると同時にグラスホッパーを展開して後退して黒江と距離を取る。
当然の様に黒江は追い掛けてくるがグラスホッパー分間が開くので、その隙にとトリオンキューブを展開する。
「
「っ!?」
黒江は動作に無駄こそあれども立ち止まる事はしない。影先輩には使えない手も使える。
水上先輩がよく使う言っている弾と違う弾を撃つ技を使うと黒江はシールドを展開する。私と結構なトリオン能力の差があるのでシールドはパリンとあっさりと砕かれる……が、爆発の衝撃は避けたか。
「詰みだ」
手裏剣の形にしたスコーピオンをぶん投げる。
黒江は避ける事は出来ないと判断したのか狐月で弾こうとするがアウト。スコーピオンにはさっき出したメテオラの一部をくっつけている。衝撃を与えれば即座にボカンだと黒江は狐月で弾くとメテオラが発動して爆発を起こしてトリオン体が破壊されて試合終了。個室に転送される
「もう一回お願いします」
「ふぅ……昨日なんて言ったのか忘れたっと、いけないいけない」
再戦を望む黒江だが私は再戦をするつもりは無い。他人にまで心情を強要したらいけない。ペースは人それぞれだ。
再戦を望む黒江に再戦をするつもりは無いと言い個室を出ると影先輩が居た。
「終わったみたいだな」
「今日はもうやりませんからね」
「この後、なにかあるのか?」
「無いですけど……影先輩とはもう充分に戦ったと思いますよ」
「たった5回で充分なわけねえだろう」
まだまだバトルをしたいと言いたげな影先輩……言った方が良いべきか
「どうして私と再戦をしてくれないんですか!!」
私の流儀を教えようかと悩んでいると黒江もやってきた。
再戦をしてくれない事に対して不満を漏らしている。怒っていると電磁波からも分かる……
「このチビよりも俺の方が先だろうが」
「二人共ちょっと……」
取り敢えずここで騒ぎを起こしてしまえば周りに迷惑が掛かってしまう。
話し合いが出来る場所にまで移動をしようとすると東さんと偶然に遭遇する。謎のマスクマンが居るとなると悪目立ちしてしまう。東さんは私の事をジッと見つめている。誰だコイツと言った感じの視線を向けている。
「誰なんだ、お前?」
「ストレートに聞いてきますね」
「その声は……三雲、だったか?」
冬島さんと声がそっくりだが、私だと東さんは気付く。
「揉めてるみたいだが、何かあったのか?」
「ちょっと、再戦を望んでるのを断ってるところです……」
「なんで1回しか戦ってくれないんですか!!」
プンプンと怒っている黒江……
「別にもう二度と戦わないわけじゃない。明日になったら普通に戦う……1回だけだが」
「1回だけ……なにか考えがあるのか?」
「……意識を落とさない為ですよ」
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