メガネ(兄)   作:アルピ交通事務局

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第9話

「ごめんなさい」

 

「構わない……この前、通報されかけた時よりはましだ」

 

 先生に見えた発言に若干落ち込む。

 老け顔なのは自覚しているが、銃手の一位の方が老けている。ああ、そうだ。そうに決まっている。

 某支部の支部長が、何処ぞの中佐に似ているが銃手の一位もそれとなく何処ぞの中佐に似ている。顔が手塚だから老けているのは認めるが、私はナンバー1じゃない。

 

「あ、あの老けて見えるんじゃなくて大人っぽく見えるんです!

三雲さんはクラスの男子と違って、何処か落ち着いている雰囲気で大人っぽいんですよ!」

 

 落ち込む私を励ましてくれる女子中学生もとい日浦茜。

 素でそう言うことを言うと、色々とややこしくなるぞ。いや、本当にややこしくなるぞ。

 

「ありがとう……ところで、さっき走っていたが何処に向かうつもりだったんだ?」

 

「あ、そうでした!本屋に行って、本を買わないと!」

 

「だから、走らないの!」

 

 これ以上はと気持ちを切り替え、急いでいた理由を聞けば走り出そうとする日浦。

 熊谷が腕を掴んで止めると、可憐な女性こと那須玲がショッピングモール最上階にある映画館のチケットの半券を見せる。

 

「オペレーターの小夜ちゃんが風邪を引いちゃって……前々から皆で一緒にこの映画を見ようと約束をしていて、三人で見るのは申し訳ないから中止にしようとしたのだけど、小夜ちゃんがそっちの方が悪いってなって」

 

「調べてみたら、この映画、小説化していたんです!折角だから買おうってなって」

 

「まだ夏休みがあるからもう一度……いや、すまない。忘れてくれ」

 

 風邪が治ってから、もう一度見に行けばと言いそうになったがやめる。

 那須隊の隊長である那須玲は病弱(トマホーク)だ。ボーダーでもぶっちぎりの病弱で、トリガーを使ってその病弱な体をどうにか元気にすることが出来るかどうかの実験に付き合っている。

 なにかと蒸し暑い今年は雨も多く、油断できない。外を出回れない病弱な那須にとっては天敵な季節で、防衛任務等のボーダー関係の事をしていたり、つい最近まで出水達が近界に遠征していたのを考えれば、A級上位陣が居ないのでシフトの穴埋めに夏休みの学生が多いB級隊員が多く入れられ、那須の体調が良くて皆で映画を見に行くことの出来る休日、しかも夏休みなので一日あれば良い方なのかもしれない。

 

「配慮に欠けた事を言ってしまった、すまない」

 

 空気を読まない事を言ってしまった。私は頭を下げて謝ると慌てる三人。

 

「べ、別にあんたがそこまで謝ることはないわよ」

 

「そうですよ。今回はダメでしたけど、また次があります」

 

「今度は四人で来れるように、頑張るから三雲くんが気にしなくていいのよ」

 

「次、か……」

 

 今回はもう無理とキッパリと諦め、次を見据えている三人。

 だが、彼女達の残された時間は本当に極僅かでチャンスも数回しかない……。

 

「そういえば、三雲さんは何処に行くつもりだったんですか?」

 

「ああ、私は……スケッチブックを買いに来たんだ」

 

「あ、じゃあ行くところは同じですから一緒に行きましょう!」

 

「おいおい……」

 

「三雲くん……時期が時期のせいか、油断すると変なのが玲と茜に近付いてくるのよ」

 

「よし、行くぞ」

 

 男避けに使われる事については、色々と思うところがあるがわざわざ那須達に聞こえない様に言ってきたから熊谷の苦労が見える。そういう感じのことをこういう風に頼まれれば断りづらい。後、まぁ……うん。

 とにかくボーダーが三門市にあるのと大規模侵攻の影響かどうかは分からないが、この街はやけにガラが悪い調子に乗ったパリピが多いので使えるのならば使ってくれればいい。引き寄せに使うのは嫌だがな。

 

「そういえば、映画はどうだった?」

 

 本屋にまでそこそこ距離があり、無言でいるのも気まずくあれなので、とりあえずは手頃な話題を出す。

 

「面白かったけど、ネタバレになるから何処がどうとかは言えないわ」

 

「くまちゃんの言うとおりね。この映画はちゃんと映画館で見ないと面白くないわ」

 

「衝撃のラストが、三雲さんを待ち構えています!」

 

「……私、そういう類の映画の予告は嫌いだ。うん……」

 

 最後の10分、騙されるとか忘れていたあの頃の青春とか予告あるあるは割と嫌いだ。

 もう何番煎じか分からないし、大体が予告詐欺だし、地雷臭しか漂わない。

 

「三雲くんは、映画を余り見ない方なの?」

 

「そこそこ見る。結婚式前夜の独身パーティではしゃぎ過ぎた末になんかワケわからない事になった海外の映画や有名な若手イケメン俳優を使わない内容で勝負している謝罪の映画とかが好きだ」

 

「コミカルな映画が好きなのね」

 

「かもしれない。

最近は映画監督が手を抜いているのか原作者に少しばかりのお金を払えば1から考えずにすむから便利だとやっているのか知らんが、話題性を出す為だけに役と合わない若手イケメン俳優を起用してアクションバトル要素が強い漫画を原作とした実写をバンバンと出したりしていて面白味が欠ける。この数年、そういう映画やアニメの総集編と言う名の映画や海外の有名な映画会社のシリーズばかりで見に行かずにDVDレンタルで済ませている」

 

「確かにこの数年、そういう映画ばかりね。

底無し沼に沈めても猛吹雪で荒れる雪山で気絶させて捨てても危険だからと呼ばないようにしても二人がかりで挑んでも警察の権力で捜査を打ち切ろうとしても犯人に仕立てあげてもなんだかんだで謎を解き、キック力を増強する靴とか足代わりのスケボーなんかの凄い道具は一切無しで身一つで行動して細かなトリックで逆に犯人を騙して陥れたりする男性アイドルで有名な事務所が何人も主役を務めた推理物の実写が成功してるけど推理物は見る人を絵や設定で引き付けるんじゃなくて文章にしても内容が面白いからで成功するのよ。派手なアクションやバトルがメインの漫画の実写はCG混ぜ合わせた際にかなりの違和感があるし、アニメーションの方が迫力があって、コスプレ感が強くて真剣味に欠けるわ」

 

 ※個人の感想や意見です。

 

「あんた、意外とそういうの詳しいのね……」

 

「熊谷は私をなんだと思っているんだ?」

 

「てっきりこう、夏休みを利用して富士山を登頂するとか」

 

「冗談はよしてくれ。

初日の出を見に行きたいとか頼まれればするが、登山好きでもなんでもない人間が自発的に行くわけがない」

 

 那須との会話が弾むのだが、熊谷が意外そうな顔をする。

 熊谷とは基本的に学校関係でしか絡まないから、お前休日なにやってんの?ぐらいの距離感はあるのは分かるが、私はそういう趣味はない。

 

「ネットカフェで興味あるけど購入するのを躊躇う程に巻数のある漫画を読んだりしてゴロゴロと過ごす。それが私だ」

 

「三雲さんって小夜子先輩みたいな感じなんですね」

 

 この際だとバッサリと言い、引かれると思ったが逆に日浦に親近感を持たれた。

 那須も熊谷もそうかとなんか納得し、私がどう見えているんだと思っていると本屋に到着。書籍だけでなく、文房具の類も置いており、私は直ぐに何時も使っているスケッチブックを購入した。

 

「これよ、これ。さっきあたし達が見てきた映画の小説……買っちゃダメよ」

 

 私がすることを済ませ、次は女性陣の番。

 熊谷は見てきた映画の原作を手に取り、教えてくれるが渡してはくれない。映画館で見に行けと遠回しに言う。

 この映画、最後の10分、貴方は騙されるとかのどんでん返しを予告するタイプの映画だから正直小説とかネタバレサイトとかで見れば……いや、失礼かそれは?

 

「……買わないのか?」

 

 ショッピングモールの映画館で上映されている映画なので、今話題の!と押されてあっさりと見つけることが出来た小説。お会計を済ませれば良いだけなのだが、那須は何故か同じ小説を数冊手に持っている。

 

「買うけれど……私も買おうかなって、悩んでて今日、来れなかった小夜ちゃんだけ小説だから私も読んで、それで何処が面白かったか話し合いがしたいの」

 

 那須はなんでこうエモかったりする発言をするのかな!

 4人分、全額出してやろうかなと一瞬だけ考え、それをしてしまえば引かれてしまうと諦める。

 こういうすごく良いのを見れたから、ゴキブリホイホイを買って直ぐに帰ろうとしなくて本当によかった。

 

「そういえば、茜は?」

 

「茜ちゃんなら、他の本を見に行くって」

 

 どうしようかと考えている那須をみて、胸キュンしている熊谷。

 日浦が居ないことに気付くと那須がなにをしてくれるか教えてくれたのだが――

 

「一瞬だな」

 

 なんかガラが悪いというか、チャラそうなのに絡まれていた。

 占いとか恋愛心理学とか女性に需要がありそうな本が並んでいる列で絡まれている。

 あれは明らかに本屋で本を買いに来ている人じゃなくて、本屋で本を買いに来ている人をナンパする目的で来ている馬鹿だな。

 

「茜ちゃんを助けないと」

 

「待て待て待て。お前がいけば更にややこしくなる」

 

「向こうの男性は数人だから、玲も確実に巻き込まれるわ。あたしがバッサリと」

 

「熊谷、お前も行こうとするな。どっちが行っても、君可愛いねとかそういうの言われて、ナンパされてちょっと揉める未来しか待ち受けてない……こういうのは野郎の仕事だ」

 

 目を離した一瞬の隙にナンパされている日浦。

 読モと言っても何一つ違和感の無い可愛い女子だが、中学二年の14だぞ。コンプライアンスとか……考えていないだろうな。

 那須と熊谷は直ぐに日浦を助けに行こうとするのだが、ナンパをしている男性は数名で熊谷が行こうが那須が行こうが二人も一緒に遊ぼうぜぇ的な事を言われるが、嫌ですと断りまくって逆ギレされるパターンだ。

 日浦を助けようと必死になっているが、こういう時の為に私だろうと私が日浦の元に歩く。

 

「へぇ~占い好きなんだね。オレも占いが好きでさ、君何型のなに座なの?」

 

「占いが好きとかそうじゃなくて」

 

「あ、じゃあ興味を持ったんだね。相性占いとか色々とあるけど、どれをやってみる?」

 

「日浦、決まったか?」

 

「あ、三雲さん!」

 

 本棚の一番上に置かれている占いの本を取ってあげて、これ君が読みたかったやつとか言ってナンパする無駄に用意周到な方法でナンパしているチャラそうな連中。

 私が日浦の前に出ると、日浦はよかったと言う顔をするのだがナンパ連中は野郎がいるのかと電磁波が若干乱れ苛立っており、品定めをするかの様に私を見る。

 

「他の皆はお会計を済ませたから、後は日浦だけだ。買いたい本はあったか?」

 

「……あ、無かったです!

他の皆が買い終わってるなら、もう行かないと」

 

 私の即興の嘘を見抜き、極々自然とこの場から去ろうとする日浦。

 これで決まりだ!と思ったのだが、ナンパ連中は思ったよりもしつこかった。

 

「えぇ、買い終わったのなら良いじゃんか。

他の人達も連れてさ、占ってみない?誰と誰が相性が良いのかさ」

 

「案外、俺達と君の相性もいいかもよ!」

 

 なんかこう露骨かつ強引に止めてくる。

 あいつらの手中に占いの本はあるから、仮に日浦が教えたとしてオレと君の相性Win-Winだねとかそういうの言いそうだ。

 

「てか、彼氏なの?」

 

「ち、違います!」

 

 あ、こら、今は嘘つけ。

 

「だったら、俺達と遊ぼうよ。そんな面白くなさそうなメガネ掛け機の大学生なんか放ってさ」

 

 そうですと頷いておけば楽に話が進めたが、否定した為にややこしくなった。

 絡んでくる奴等と私を比べたのか、日浦は嫌そうな顔と嫌悪感をチャラい連中に向けるのだが余り向けすぎると逆ギレされてしまう。この手は余り……いや、本当に使いたくはない。だが、ことがことで私がやると言ったんだから日浦を助けなければならない。

 メガネ掛け機と言われた事もムカつくので、私はメガネを外してメガネケースに入れて日浦の手を握る。

 

「いくぞ、茜」

 

「え、あ……」

 

「ちょ、ちょっと」

 

「なんだ?」

 

「い、いえ……なんでも無いです」

 

「なら、いかせてもらう」

 

 日浦を連れていこうとすると、止めてきたが強く睨むとあっさりと引いた。

 ナンパをするなとは言わないがやり方が強引で、嫌がる相手の手を引かないと煙たがれる……だから、夏休みに野郎だけなんだ(震え声)

 

「すまん、少々手こずった」

 

「あ、ううん……私達だともっと時間が掛かっていたわ」

 

 日浦を連れ戻し、那須達の元に戻ってきた。

 最終手段を使ったし思いの他、時間がかかってしまったと謝るのだが那須は特に気にしていない。

 特になにも煽られずに済んだので私はメガネを取り出す。

 

「三雲さん、コンタクトにしないんですか?」

 

「目が悪いからメガネをしているんじゃなくて、目が良すぎるからメガネをしているんだ」

 

 ジッと私の顔を見る日浦。

 メガネを外した方がイケメン度が上がり、心理学を学んでるメンタリスト兼マジシャン志望の中学の友人曰く置鮎ボイスと混ざりあったのかイケメンビームがめっさ出ている。

 ザ・メガネな修もコンタクトに変えればイケメンビームが結構出る。修の事をよく知っている女子の前でメガネを外すと、好感度が一瞬にして上がる。修の人の良さ+メガネを外せばイケメンだっと言う驚愕の事実を合わせればフラグが絶対に立つ。修は誰とでも合う。

 

「ところで、占いの本を買っておくか?」

 

 また戻ればややこしいので私が買った方がいい。

 修の事を頭の片隅に置いて、日浦に聞けば首を横に振った。

 

「あ、大丈夫です。面白いかな?って見ようとしただけで、そこまでは……」

 

「そうか。もし買うなら、心理学に基づいた物と占星術の占いがあるから取り敢えずで買わず」

 

「三雲さん、詳しいんですね!占いとか、出来るんですか?」

 

「各国の占いをごちゃ混ぜにしたオリジナルの占いを出来る……なんか不吉な相が出ている」

 

「……え!?」

 

「ちょ、ちょっとそれどういうことなの!?」

 

「道具とかが無いから、これ以上は分からないな。

今年の学園祭でこのオリジナルの占いで一儲けをしてやろうかなと考えているから、来てくれたらちゃんとする」

 

 日浦から死相とは関係無いが、不吉な相が出ている。

 その不吉な事がやって来るのは今から約一年半後で、不吉な相が具体的になんなのかは知っているが今、これ以上やり過ぎれば某セクハラエリートと同じなんじゃと見られる。炭火焼肉で最高の焼け具合を見抜くぐらいしか使えない。

 

「不吉な相ってなにが起きるんですか!?」

 

「安心しろ、交通事故に遭うとか肉体的苦痛じゃなくて一年半ぐらいは不吉な事が起きないのだけは分かる」

 

「……くまちゃん、三雲くんってもしかして」

 

「迅さんとは違うわ。出水達から聞いたけど風間さんの所の菊地原と同じので、三雲くんは目らしいわ」

 

 私の発言を聞いて何処ぞのぼんち揚げと同じサイドエフェクトをもしかしてと考える那須だが、熊谷が違うと否定する。

 ボーダーに入るつもりも無い事も言ってくれてこれ以上はサイドエフェクトがどうとかは触れず、オペレーターへのお土産である小説を購入し、そろそろゴキブリホイホイを買いに行かなければと那須達と分かれてドラッグストアに向かった。

 

「何処ぞの実力派エリートと違い、実力派でもエリートでもない私が……未来を変えれれば、いいなぁ……」

 

 日浦茜の未来はどうなるのか、私のサイドエフェクトは遠くのものや電磁波が見えたりするだけで未来すら見通すレベルの千里眼じゃないのでどうなるかは分からないが出来れば変わって欲しい。




弾バカ「当小説が二乗ほど面白くなるおまけコーナーと言う名の設定とか裏話!!」

メガネ(兄)「前回予告した通り、射手の必殺技とも言える合成弾の説明だったな」

弾バカ「合成弾はその名の通り、二つの弾を合成した弾で銃手も射手も使える。
銃手の合成弾は事前に登録して使い、八個あるトリガーの枠を一個消費し、合成弾しか撃つことの出来ない銃になる。その点、射手の合成弾はちょっと違う。
射手の合成弾は手から出した合成弾の原料となる二つの弾をくっつけて合成させて放つもので、使う人によって合成の時間が長くかかり1行程どころか結構時間かかる奴もいるな」

メガネ(兄)「銃手は既に作られた物を撃つ、射手は1から自分で作って撃つのか。そう見れば銃手の方が有利だな」

弾バカ「確かにそう見えるが、銃手で合成弾使う奴は見ねえな。
トリオンの消費量が多いし一回一回、弾道とか弾速とか威力を弄くれるわけでもねえから銃で使わなくてもいいと思うやつが大半だろうな」

メガネ(兄)「まぁ、安定性とかそういうのが銃の売りっぽいからな。
ところで合成弾は二つの異なる性質の弾を合成させた弾、じゃなくて二つの弾を合成させたものなんだな」

弾バカ「お、良いところに目をつけたな。
合成弾は異なる性質の弾を合成させた弾だけじゃなくて同じ種類の弾を合成させたものもあるんだ。
アステロイド+アステロイドと同じ弾を二つ合成させることでアステロイド以上の貫通力を持った徹甲弾、ギムレットが出来る。アステロイドで貫けない頑丈な相手に使ったりする」

メガネ(兄)「ギムレットなら、銃で使えそうだな」

弾バカ「まぁ、ギムレットはな。
同じ性質の弾を合成させる合成弾はギムレット以外にも二つの追尾弾、ハウンドを合成したホーネットって弾がある……原作未登場だから漢字は分からねえ!」

メガネ(兄)「堂々と言うな。名前からして、蜂とか入りそうだな」

弾バカ「ホーネットだからな。
んで、次は異なる性質の弾を合成させた合成弾。
炸裂弾であるメテオラに変化弾のバイパーを合わせた変化炸裂弾、トマホーク。
炸裂弾であるメテオラと追尾弾のハウンドを合わせた誘導炸裂弾、サラマンダー。
通常弾のアステロイドと変化弾のバイパーを合わせたホーネットと同じく原作未登場のコブラだ」

メガネ(兄)「メテオラ+メテオラ、バイパー+バイパー、メテオラ+アステロイド、アステロイド+ハウンドは無いのか?」

弾バカ「ねえな。
アステロイドは相手を撃ち抜く弾で、メテオラは爆発する弾だから性質的に合わなさそうなのもあるし、メテオラやバイパー同士の合成弾だと単純に爆破力が高まったり変化できる軌道の上限が上がったりとかで、そこまでの需要はねえ」

メガネ(兄)「弾関係になるとスゴく真面目に考察をするな」

弾バカ「これでも合成弾の開発者で弾バカって言われるぐらいだからな」

メガネ(兄)「成る程、米屋が弾バカと言うだけある。ところで、合成弾はどういう感じに生まれたんだ?」

弾バカ「なんかノリでやったら出来た」

メガネ(兄)「おいおい……」

弾バカ「言っとくが、こういう感じの技術って大体理論よりも感覚で生まれるんだぞ。
スコーピオンとスコーピオンをくっつけて射程範囲を伸ばしたりするマンティスも理論よりも感覚派の影浦さんが生み出したしよ」

メガネ(兄)「机上の空論よりも実際にしてみないと出来ないというやつか」

弾バカ「まぁ、そういうことだ。
合成弾は強力で、戦局を一瞬にして変えたり強力なトリオン兵を一撃で倒せる必殺技として使えるがデメリットが多い」

メガネ(兄)「合成に時間が掛かるとか両手が使えなくなって隙が大きいとか、一発一発のトリオン消費量が多いとかのさっき言ったことじゃないのか?」

弾バカ「それもある。だけど、それ以前に単純に扱いが難しいんだ。
ギムレットとかホーネットみたいな同じ弾の合成弾なら合わせるだけである程度は使えるけど、異なる弾の合成弾だとどれぐらいの速度にするか爆破の威力はどれぐらいかと色々と処理しねえと使いこなせねえ。スゴく分かりやすく言えば、右手で漢字を左手で英文を書いてるって思えば良い」

メガネ(兄)「となると、リアルタイムでバイパーの弾道を変える演算処理できる出水はその時その時によって書く漢字と英文の内容を変えることが出来る、か」

弾バカ「まぁ、そんなとこだな」

メガネ(兄)「太刀川さんのインパクトがなにかと強すぎるせいなのとポジションとA級だからランク戦で活躍的なシーンが出せなくて、黒トリガーを使う近界民と戦わされたのと二宮さんが射手の一位のせいなのとA級3バカという不名誉な称号を持ってるせいか影薄いが、お前はとんでもない射手なんだな」

弾バカ「それオレの影が薄いんじゃなくて、他が濃すぎるだけだからな!……じゃあ、やるか」

メガネ(兄)「またか……アステロイド」

弾バカ「てめ、こら!オレが手元から弾を出すの分かるからって間合いつめて速度と威力重視のアステロイドを全く分割せずに手元を露骨に狙うんじゃねえ!!発射前の弾壊すんじゃって、顔面殴りに来るな!!」

メガネ(兄)「私は射撃戦よりも近距離戦闘の方が好むし、トリオン量だけなら私の方が上だから発射前に手元にあるのをぶっ壊すゴリ押し戦法が一番で、お前のトリガー構成的に近距離まで詰められれば対抗する手段はない。那須が!相手だろうと!顔面は!殴る!男女平等パンチは、私の武器の一つだ!」

弾バカ「ぐふぉう!?……じ、次回もお楽しみに」

メガネ(兄)「因みに次回はスナイパー編ではない」

ギャグ短編(時系列は気にしちゃいけない)

  • てれびくん、ハイパーバトルDVD
  • 予算振り分け大運動会
  • 切り抜けろ、学期末テストと特別課題
  • 劇団ボーダー
  • 特に意味のなかった性転換
  • 黄金の果実争奪杯

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