2月4日(火曜日)
「三雲、ランク戦しようぜ!」
昨日の暴走は何だったんだろうと言いたくなるのだが気にする事なく米屋は私にランク戦を挑みに来る。
「悪い、今日は別件で用事があってランク戦は出来ない」
何時もならばランク戦を行うブースに向かうのだが今日は出来ない。
学校終わりに告げておけばいいのだが色々と忙しくて言う事は出来なかったので今言う
「別件で用事?」
断られるとは思いもしなかった米屋は私の用事について疑問に思う。
何処かの部隊に所属しているわけでもない、かと言って防衛任務があるわけでもない。そんな私が用事があるとなれば疑問の1つや2つ持ってもおかしくはない。
「……そのケース……」
「この一件に関わっていいのは極々少数の人間のみだ……悪いがお前でも関わらせる事は出来ない」
私の両手に握られているアタッシュケースに米屋は目が向いた。
このケースが何なのかは米屋は知らないが、それが関連していると目を向けているが今回は米屋でも参加させるわけにはいかない。米屋に関係無いとキッパリと言えばボーダーの本部を出てバイクを、サクラハリケーンを走らせて玉狛支部に向かった。
「いらっしゃい、そろそろ来る頃だと思ってたよ」
「ふぅ……お前しかいないのか?」
玉狛支部に向かうとそこには迅が居た。他の面々は学校とか色々とあるのだろうが、迅は無職のエリートなので玉狛支部に当然の様に居る。
コイツは生理的に受け付けないので先に言っておくと迅は特に気にする事は無く玉狛支部の中に入れてもらう。
「む、おさむのあにか」
お子様S級ことバカ王子もとい林藤陽太郎はカピバラ(仮)である雷神丸に乗っていた。
「なにしにきたんだ?」
「色々と調べたい事がある。ボーダー本部でやっても良かったがタヌキのおっさんが喧しいし、太刀川さんや米屋辺りがまた暴走しそうでな」
「あ〜メロンくん、本部で実験は止めといたほうがいいよ。太刀川さんとか風間さんに絡まれる未来が見えてる」
「予知のチートを持っている男もこの通りだ……母さんは居ないのか?」
「おばさんは買い物に出てるよ。今居るのはオレと陽太郎とボスと」
「ただいま〜」
「小南だけだ」
「……1番必要じゃない奴が来てしまったな」
出来れば宇佐美やレイジさんとかの知的なタイプの人間が来てくれれば良かったが、向こうにも向こうの事情という物がある。
「修の兄貴じゃない、なにしに来たの?」
「私……いや、俺のトリガーについて色々と詳細を調べに来たんだ。ボーダーの本部でやっても良かったがそれだと色々と五月蝿いんでな」
「へぇ……じゃあ、私も付き合ってあげるわ!」
「いや、結構だ」
「なんでよ!?」
案の定、話に絡んでくる小南パイセン。
今回は小南パイセンの力は必要じゃない、というかホントにいらないんだ。
「今回、俺はなにが出来てなにが出来ないのかを確認する為にやってきた。トリガー使いと戦うわけじゃない……いや、戦えないんだ」
「どういうことよ?」
「コレが答えだ」
2つのアタッシュケースを小南パイセンの前に置いた。
開けろと言っているんだと認識した小南パイセンはアタッシュケースを開くと驚いた顔をした。
「ボーダーのトリガーとは根底から違うトリガーだ……いや、そもそもでトリガーですら無いかもしれない」
『スカル!!』
「変身」
『スカル!!』
ロストドライバーを腰に巻きつけるとスカルのガイアメモリを装填してロストドライバーを傾け、久しぶりにスカルに変身する。
「!」
「話には聞いてたけど……25本も黒トリガーみたいなのを持っているのね」
「小南、違うぞ。コレはトリガーである事すら怪しい物だ」
Eを除いたT2ガイアメモリを見つめる小南パイセン。
適合するメモリがあれば引き合うが小南パイセンと相性の良い適合するガイアメモリはどれでもない……早々に適合するメモリが見つかる筈が無いか。
「おいおい、マジかよ」
「ああ、マジだ」
「ちょっと、なに2人しか分からない会話をしてるのよ?なにがマジなのよ」
「……今のメロンくんにオレのサイドエフェクトがうんともすんとも言わないんだ」
「だろうな」
「はぁ!?どういうことよ」
無敵に近い予知のサイドエフェクトを持っている迅だがそのサイドエフェクトが今の俺に対して全くと言って発動しない。
「このUSBメモリのトリガーはガイアメモリ、様々な概念が詰め込まれたメモリだ。今、俺が使用しているメモリは骸骨の記憶が宿っているスカルメモリ……小南、骸骨は漢字で書くとなんと読む?」
「骸骨?……
「なら、聞こう。骸骨はなんの骨だ?」
「なんの骨って……そりゃ死んでる人の骨よ」
「そうだ。
迅のサイドエフェクトを無効化する理由を教えると開いた口が塞がらない小南パイセン。
そりゃそうだろう。迅のサイドエフェクトは防ぎようがないチートみたいなものだろう。防ぐ術は無い筈なのに目の前に存在しているとあらば驚くしかない。
「オレのサイドエフェクトだけじゃなく多分、影浦の感情受信体質も効かないと思うぞ」
「ああ、避難所でスカルに変身した時に影先輩に絡まれた。なにも感じなくなってしまったと言われて一悶着あった……自己強化系のサイドエフェクト以外の、相手が居て発揮するタイプのサイドエフェクトはスカルに変身している間は無効化される」
「サイドエフェクトを無効化するトリガーとかチートじゃない!!」
「ああ、そうだな……だが、コレはトリガーと呼んでいい代物かどうかは話が別だ」
「トリガーじゃないならなんだって言うのよ?」
「生体兵器だ」
そう言うとロストドライバーからスカルメモリを抜き取り元の生身の肉体に戻る。
「ガイアメモリは
「え、じゃあさっきの姿は」
「そういう感じの見た目をした生物に変身している……生身の肉体を別の姿に変えている。アフトクラトルのトリガー
ガイアメモリでの変身は装着系の仮面ライダーでなく肉体変化系の仮面ライダー、生身の肉体を変化させて骸骨人間に文字通り変身している。
「大丈夫なの?あんた、さっき骸骨人間になってたんでしょう。生身の肉体を切り替えて……なんか反動的なものは」
「あるぞ」
「なっ……なんでそんな危険な物を使っているのよ!!あんた、馬鹿なの?死んじゃったらどうするの!」
「骸骨は死んでいる……第一、そのデメリットを無くす為にこのベルトが存在しているんだ」
ガイアメモリ単体でも変身しようと思えば変身できる。
T2ガイアメモリは生体コネクタが無くてもドーパントに変身する事が出来るがその分毒素の様な物が回る。
「このベルトはメモリの毒素を限りなく取り除いて本当に必要な成分のみを抽出している……だがそれでも使い続ければ生身の肉体に異変が、超常的な力を使いこなせるハイドープと呼ばれる存在に成りかける」
「危ないじゃない……それ、修達は知っているの?」
「……そもそも修に適合しているメモリは1つだけだ。仮にハイドープ化してもなんら影響は無い……」
ガイアメモリに関する講義はコレぐらいでいいのだろうか。
生身の肉体を、人体構造を弄くってトリオン兵やトリガー使いと戦える様になっている事を教えると小南は危険だから使うなという。危険だから使うなと言うのならばトリガーそのものが危険だ。そもそもでボーダーがやっている事自体が戦争みたいなもので危険でしかない。
「そういえばEのメモリだけは無いみたいだけど」
「Eのガイアメモリは危険過ぎる代物でお前達に見せる訳にはいかない……ボーダーと敵対した際に躊躇いなく使う」
ロストドライバーとスカルメモリをアタッシュケースに戻していると小南パイセンはEのメモリだけが無い事に気付く。
Eのメモリ、エターナルメモリは危険過ぎる。仮にエターナルメモリが原因でハイドープ化してしまえば……どうなるのだろう。サイドエフェクトを無効化するサイドエフェクトとか手に入れたりするのだろうか。
「ガイアメモリの機能の調査も大事だが今回はこっちの方を重点的に調べたい」
ガイアメモリが入っているアタッシュケースを閉じ、もう1つのアタッシュケースを取り出す。
「こっちはあんたが前に使ってたやつね」
「戦極ドライバーとゲネシスドライバーだ……そろそろ実験をしたいし一室借りたい」
「……それもまたなんか物騒な能力とかデメリットがあるとか言うんじゃないでしょうね」
「トリオン体を構築せずにトリオンで出来た鎧を身に纏って戦う」
「危ないじゃない!!メモリといいベルトと言い、いったい誰なのよこんな物騒な物を作ってんの!!」
何処の誰が作っているかと言われれば……何処の誰なんだろう。
一応は転生特典で拾った物だが、コレが何処で作られたかと問われれば答えづらい。仏様的な存在が作り出したのか、それとも持ってきたのか、非常に謎である。
「このトリガーもどきを何処の誰が作ったのかは関係無い、俺が何時何処で使うのかが問題だ。このトリガーもどきには俺の知らない隠し機能が幾つか搭載されている。その隠し機能がなんなのか、それを知るために今日、玉狛支部に足を運んだ」
フォーゼロックシードでマグネットキャノンが出なかった事やバリズンソードが出なかった理由が知りたい。
一室を貸してもらうと戦極ドライバーを腰にセットし、メロンのロックシードを手に掛けるが途中で手を止める。メロンのロックシードは実際に使ってみて分かったのだが隠し機能の様な物は搭載されていなかった。
隠し機能と言って思い当たる機能は搭載されていなさそうだ……搭載されているのならば他のロックシード、レジェンドライダーロックシードだ。
「これか」
『ディケイド!』
フォーゼロックシードは手元に無く、アギトロックシードは一度使った。
カブトロックシードとディケイドロックシード、隠し機能が搭載されているならば恐らくはディケイドロックシードだ。
『ロック、オン!ソイヤ!ディケイドアームズ、破壊者オン・ザ・ロード!」
「なに、それ?」
「知らないから調べているんだ……というかなに普通に乗り込んできているんだ」
ディケイドアームズに変身していると小南パイセンが訓練室に入ってきた。
別に戦闘をするわけではないので入ってきても構わないのだが……なにか厄介な事が起きなければいいのだが。
「武器は普通にライドブッカーか」
ディケイドアームズの武器を確認する。ディケイドの武器は剣にも銃にもなるカードケースことライドブッカーだ。
なにか隠し機能は無いのかと調べているとライドブッカーが開くことに気付きライドブッカーを開いてみるとカメンライドに用いるであろうカードがズラリと入っていた……ディケイドアームズはディケイドの力を使う事が出来る。ディケイドの力といえばあらゆる仮面ライダーに変身をする事が出来る能力……
「コレにしてみるか」
試しにライドブッカーからカードを1枚抜き取り、戦極ドライバーに翳す。するとディケイドロックシードが光り輝き別のロックシードに、ウィザード(インフィニティ)ロックシードに変化していた。
『ウィザードアームズ!キラキラインフィニティ』
「……なるほど」
「なにが成る程なのよ。説明しなさいよ」
「ディケイドロックシードの能力が少しだけ分かったんだ」
ディケイドロックシードはドライブまでの仮面ライダーのロックシードにカメンライドする事が出来る。
通常よりも多くトリオンを食うがドライブまでの仮面ライダーにカメンライド出来る能力は超強力、特にウィザードのインフィニティースタイルを使う事が出来るのは大きい。
「迅、見てるんだろう!なんでもいいから強いのを出してくれ!」
この光景を迅は何処かで見ている。声を上げるとトリオン兵と疑似的に戦えるシステムが起動して……ラービットが出てきた。
「って、それはやりすぎじゃないの!?」
モールモッドかバムスター辺りが出てくると思っていた小南パイセン。
トリガー使いを捕縛するのを想定して作られたラービット……この世界線ではレプリカが破壊されていないからレプリカのデータを元にラービットを擬似的に再現したといったところだろうか。
「来い、ドラゴン」
ウィザードのインフィニティースタイルと同じ事が出来るのならば色々と出来る筈だ。
アックスカリバーを取り出してカリバーモードにして……自らの時間を加速させる事で高速で移動する。ラービットは私の事をターゲットにしていたが反応する事が出来ずにアックスカリバーに切り裂かれる。
「……ふむ……大体こんな感じか」
アックスカリバーで見るも無惨に切り裂かれたラービットを踏み台にする。
ディケイドロックシードの隠し機能、カメンライドの機能は理解する事が出来た……トリオン消費が激しいから使い時が悩みどころだが、インフィニティースタイルならば何時でも使う事が出来る……インフィニティースタイルはチートだ。
「中々やるわね……1回で良いから勝負を」
「俺に大怪我を負わせたいのならばいいぞ」
「……そうだったわ」
なんだろうな、女子ボーダー隊員って見た目だけは可憐だけども中身はアマゾネスの戦士が多いんだよな。
小南パイセンは戦いたそうな顔をしているけれども俺が生身の肉体の上に鎧を身に纏っているのを知っているので無理強いをすることはしない。流石に生身の肉体を傷つける訳にはいかないとモラルは守ってくれる。
「俺じゃないのならば戦わせる事は出来るぞ」
『ディケイド!』
変身を解除し、ディケイドロックシードを起動する。
すると門の様な物が開かれて上からディケイドが舞い降りる。
「お〜、面白そうな事をしてるな」
「って、おい!なんでここにいるんだ!」
ボリボリとぼんち揚げを食べながらやってきたのは迅だった。
訓練室の外で色々とこの部屋のシステムを弄っている筈なのに何をしてるんだ
「ボスに任せてきた。オレがこっちに来た方が面白い事が起きるってサイドエフェクトが言ってるんだ……そのピンク色のと戦うんだろ?」
「迅、こいつは私の獲物よ」
俺もといディケイドを獲物扱いか。
小南パイセンが倒されたら次はオレなと迅は挙手するとネオディケイドライバーを装備したディケイドはカードを取り出してディケイドライバーにカードを装填する。
『KAMEN RIDE WIZARD INFINITY STYLE』
「!、さっきの」
『ヒースイフード!ボーザバビュードゴー!』
「……なに今の音声?」
「細かいことは気にするな」
ウィザード、インフィニティースタイルにディケイドはカメンライドした。
変身時の音声を小南パイセンは気にするが戦うのには面白い相手である事に変わりは無いと言えば纏っている
『インフィニティ!』
アックスカリバーを取り出したディケイドウィザードのベルトから音声がなる。するとディケイドウィザードは高速で小南パイセンの元に向かい小南パイセンを切り裂いた。
「っ、とりまるのガイストよりも早い!!」
「小南パイセン、それは物凄く早く動いているんじゃない。自分の時間を加速させて高速で移動してるんだ」
「時間操作なんて、チートの代名詞じゃない!っこの!!」
ボーダーの何度でも繰り返し戦う事が出来るシステムのおかげで直ぐに小南パイセンは復活する。
ディケイドウィザードに隙ありと双月を振るうのだがディケイドウィザードは避ける事はせずに双月の一撃を受け止めた
「っ、硬い」
『ターン、オン!』
双月の一撃が通らないと小南パイセンは気付くが遅く、ディケイドウィザードはアックスカリバーをカリバーモードからアックスモードに切り替え、アックスカリバーを振り下ろした。
「小南、代われ。お前、2回もやられたんだ。次はオレの番」
「嫌よ!まだコイツとの勝負は終わってないわ!!」
「オレにも少しは楽しませろよ」
まだ負けてないと主張する小南パイセンだがディケイドウィザードに2回も負けているのも事実。
迅も未知の敵を相手にバトルをしたいとウキウキしている。ディケイドウィザードはこの状況をどうにかしようと考えると1枚のカードを取り出し俺と迅を一列に並べた。
『KAMEN RIDE CROSSーZ BUILD』
「え、ちょ」
『Are YOU READY』
「ダメです!」
『ラビット!ドラゴン!Be The One! クローズビルド!イェイ! イェェーイ!』
「…………ん?なにこれ?」
「おい、なんでこうなった」
小南パイセンと迅の言い争いの末に迅と融合しクローズビルドに変身してしまった。
「ちょっともしかしてコレ、メロンくんと融合しちゃったの!?」
「黙れ、迅!俺もなんでこうなっているのか聞きたいぐらいだ……なんだコレは。なんか変なのが視界に流れてきたぞ」
ラビット側が迅、ドラゴン側が俺で2人で1人の仮面ライダーになってしまった。
何故にこのタイミングでクローズビルドに変身なのかは不明だが、それよりも視界に何かが流れてきた。コレは……未来か
「小南から物凄いオーラっぽいのが見えてる。え、っちょ、なにこれ?オレのサイドエフェクト、おかしくなったの?」
「恐らくは俺とお前が融合した事によって互いのサイドエフェクトが混じり合ったんだろう」
「コレ、元に戻るの?さっきから変な光の波が見えて気持ち悪いんだけど」
「ワイプ画面みたいに未来が見えて気色悪い……ロックシードは、あった!!」
『ロック、オフ』
足元に落ちていたロックシードを回収し施錠をすると元の姿に戻る
「アレがメロンくんのサイドエフェクト……メロンくん、よく今まで平静を保てたな」
「そっちこそあんな風に未来が見えて、気が狂わないのか?」
偶然だが重なり合った俺と迅のサイドエフェクト。
互いに今まで見ることが出来なかった物を見ることが出来て不快感を感じてしまう。未来視のサイドエフェクトはあんな風に見えてるのか……気が狂うな。
「小南、オレちょっと抜けるわ」
「すまないが俺も抜けさせてもらう」
互いになんとも言えない気持ちの悪い感覚に襲われた。
お互い厄介なサイドエフェクトを抱えてしまっている……迅の奴は何時もあんなのを見ていた……いや、迅も俺が何時もあんなのを見ていたと気持ち悪がっているだろうな。
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