TS少女は作りたい   作:ミリウ

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6話

南地区にやってきました

 

なんというか、こっちにはプレイヤーの人全然見かけませんね

すれ違いもしませんでしたよ

 

そんな所に知り合いの方を見つけました

 

「精が出ますね」

 

「おーシズク…か?」

 

ユンお姉さんが耕してていた畑から汗を拭いこちらに顔を向け一瞬変な顔をする

 

「なんだその耳は」

 

なるほど、この装備の事でしたか

 

「先程偶然生産職の方に出会いまして、その時頂きました」

 

この装備見た目だけじゃなくて、ちゃんと防御力はあるし、なんとDEXボーナスまで付いてる良い装備です

 

「似合います?」

 

「似合ってる・・・な、気に入ってるなら・・・まぁいいか」

 

少し難しい顔をしていましたが、しょうがないなぁ、という表情に変わりました・・・解せぬ

 

「こほん・・・畑があるのは知ってましたが畑作りから始めないとなんですね」

 

「そうなんだよ、しかも土地代の他に道具代もかかって折角の稼ぎがすっからかんだよ」

 

なんて、苦笑いを浮かべていますが楽しそうでホッとする

・・・なんで安心してるんですかね、わたし

 

「何を育てる予定なんですか?」

 

「この一枚は薬草を植えようと思ってるよ」

 

「薬草・・・そういえば転売屋が沸いてましたね」

 

広場の露天を見て回っている時に薬草を売ってるプレイヤーの事を思い出しました

 

このゲームのNPCから買えるアイテムには個数制限があり、全プレイヤー共通なので、買い占められちゃったりすると他のプレイヤーは買う事が出来ない

 

それ自体はしょうがないし良いと思うのだけど、それを高く売ろうっていう魂胆が嫌いです

 

「ど、どうした、いきなり無表情になって」

 

おっと、いけない前世での事で無意識にイライラしてたみたいですね

顔をむにむにーっと・・・よし

 

「いえ、それよりちょっと頼みごとがあるのですが、よろしいですか?」

 

「お、おう、どんな頼みだ?」

 

「?、昨日と今日獲ってきた毛皮の類を【錬金】で変換して欲しいのですよ」

 

「なるほど、量はどれくらいある?」

 

インベントリを開き数をざっと数える

 

「《ウサギの毛皮》が200と《犬の毛皮》100に《動物の牙》100ですね」

 

「多いな!?」

 

少し大げさに驚くユンお姉さん

 

「実は昨日3時間ほど【投擲】センスの練習をしてまして、その副産物です」

 

当たるようになってからは投げては倒し、拾いに行っては又投げてを繰り返してましたからね

 

最後の一時間は三本のカイリーを別々のMOBに順番に当てて回収って事をしてたから狩が捗りました

 

「依頼という形にしたいので報酬は・・・」

 

「報酬はいらないぞ、こっちは【錬金】のレベル上げがタダで出来るんだからな」

 

機先を制されてしまいました

 

んー、タダでやって貰うっていうのは気が引けるんですよね・・・

 

まだ耕し終わっていない畑が目に入ります

 

「あの、畑って所有者じゃなくても触れますか?」

 

「どうだろ、許可を出すとかあるのか?」

 

ユンお姉さんがメニューを開いて操作して程なく

 

「お、出来そうだな、ここに手を置いてもらえるか?」

 

「あ、はい」

 

パーにした手を出されたので、ポンとわたしの手を乗せます・・・何故か猫の手の形にして

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

気まずいです、なぜ猫の手でやったのかわたし自身でもわかりません

 

「よ、よし、登録出来たから触れるぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

ユンお姉さんが流れを強引に突破してくれて助かりました

ううう・・・恥ずかしい

 

「ところで何で畑に触りたいんだ?」

 

「いえ、御礼になるか分かりませんが、ユンお姉さんに変換してもらってる間に畑仕事を手伝おうかと思いまして」

 

「いやいや、いいって」

 

「やってもらうのに、わたしが何もしない事に申し訳なく思ってしまいまして」

 

もう一押しかな?

 

「わたしを助けると思ってやらせて下さいませんか?」

 

「おまえ・・・意外と頑固だな」

 

面食らったような表情で自分の頭を少しかいています

 

「ふふふ、新しい一面を見られてしまいましたね」

 

わたしはニッコリと勝者の笑みです

 

「じゃあ、悪いけど頼めるか?」

 

ユンお姉さんは観念したのか苦笑いを浮かべてクワを差し出す

 

「勿論です」

 

クワを受け取り、畑の脇にシートを敷きその上に素材をモサッと乗せる

 

「それじゃ、これお願いします」

 

「おう、まかせろ」

 

素材の山の横に座り作業を開始したのを横目に、わたしは畑に入りクワで土を耕し始める

 

                *

 

あれから1時間ほど経ち肥料や骨粉を混ぜ諸々の準備が終わる頃には変換終わったみたいです

 

「やっと終わったー」

 

「お疲れ様です」

 

ここに来る途中で買ったお茶を差し出す

 

「さんきゅ、そっちこそお疲れ様な」

 

ごくごくと音を立てながらお茶を飲み伸びをするユンお姉さん

 

「いえいえ、久々に畑仕事が出来て気分は上場ですよ」

 

「そうか?」

 

「ええ」

 

ユンお姉さんの横に座りお茶を出す、お茶を一口飲むと冷たいお茶が喉を潤して気持ちが良い

 

「これが変換した物ですね」

 

「ああ、一応確認してくれ」

 

パパパッと数えてインベントリにしまう

 

「いいのか?、ちゃんと数えなくても」

 

悪い顔をしながらこちらをみてきますが

 

「ユンお姉さんは信頼出来ますから」

 

こちらはにっこり微笑んで返します

 

ユンお姉さんは一瞬ほうけた表情になっていましたが直ぐに苦笑いに変わり一言

 

「敵いそうにないな」

 

               *

 

あの後ユンお姉さんにお呼びがかかったらしく、そのまま別れてわたしは広場まで戻ってきました

 

「今から連絡してもよいものでしょうか・・・よし、連絡しましょう」

 

チャットを開きクロードお兄さんに発信し、数秒後に応答があり

そのまま広場で待っていれば来てくれる、との事

 

               *

 

「待たせたか?」

 

「いえ、そんなに待ってないですよ」

 

邪魔にならない所で武器の整備をして待っていると

クロードお兄さんがやってきました

 

「では、早速で悪いが取引を始めよう」

 

「はい、これが用意できた大きな、と付く素材です」

 

インベントリを開き見せる

 

「《大きな牙》もあるのか、これも買わせて貰おう」

 

「牙はどれくらいになりそうですか?」

 

「今のところ《大きな牙》をドロップするのは準ボス級のMOBだからな」

 

クロードお兄さんは少し考えこみ

 

「毛皮系は一応代用が効くが牙はそうは行かない・・・1000でどうだろう?」

 

《大きな毛皮》の2倍でちょっとビックリです

 

「その値段でぜひお願いします」

 

「よし、交渉成立だ」

 

トレード画面を出してリストに素材を入れていき、無事トレード完了です

 

「25000確かに頂きました」

 

「うむ、所でシズクは装備がまだ初期装備のままだが大変ではないか?」

 

トレードが終了して一息ついたところでクロードお兄さんが話しかけてくる

 

「そうですね、ちょっと・・・いえ、かなり辛いですね」

 

戦闘をしていると、どうしてもダメージを受けてしまい

結構な頻度でHPが危険域まで行く事があります

 

一本で回復し切らないのでもう一本、回復量的には二本だと超過してしまい、勿体無いのですよね

 

「防具の相場ってどれくらいなんですか?」

 

「一部位最低でも4万だな」

 

手持ちのお金をチラッと見る

 

「足りないです・・・」

 

「それならば今度、俺の店が手に入るからそこで売り子をしないか?」

 

クックックと笑みを浮かべさらに説明してくれる

 

「喫茶店併設の工房でな、料理を作る人材は手配できたのだがまだ人手が足りないのだ」

 

「でもずっとそこにいる訳には行きませんよ?」

 

わたしもやっぱり遊びたいですからね

 

「問題ない、手の空いた時に入ってくれるだけでも効果があるだろう」

 

「うーん・・・じゃあ、お願いします」

 

装備が欲しいので、わたし頑張ります

 

「さらに、俺の作った衣装を着てスクショを撮らせて貰い尚且つブログに載せてもいいなら割引してやろう」

 

割引・・・魔法の言葉です、何故か惹かれるんですよね

 

「どれくらい割り引いてくれるんですか?」

 

「ふむ、シズクは珍しい子供のプレイヤーだからな、半額にしてもいいだろう」

 

「いいのですか?、そんなにしたら利益より損失のほうが大きく上回ると思うのですが」

 

「俺の見立てでは損失以上の利益が獲得できると踏んでいる、何も心配は無い」

 

自信満々に言うので本当なのだろう

 

「で、どうだ?」

 

「・・・そちらもお願いします」

 

それくらいの事ならよくお母様に着せ替え人形にされてるので

問題ないのですよ・・・ええ、問題ないのです




[装備]

武器:簡易フレイル

頭部:犬耳ヘアバンド

外着:冒険者の服(上下セット)

内着:

腕部:

胴体:

腰部:冒険者の服(上下セット)

アクセサリー:

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【木工Lv9】【鍛冶Lv1】【細工Lv5】【生産の心得Lv3】【速度上昇Lv8】
【縄術Lv17】【攻撃力上昇Lv10】【跳躍Lv1】【投擲Lv9】【目星Lv13】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[控えセンス]
なし

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【挿絵表示】



ステータスの更新が無かったのでこちらをどうぞ(お茶濁し)


プロフィール(現実)

鏡神 雫(カガガミ シズク)

性別 女性(前世男性)

年齢 10才(小学4年生)

身長 116cm (クラスで並び、一列になれば、一番前に立つのは、いつもあいつ)

体重 軽い (軽い)

髪型 黒髪のストレート(切りたかったけど両親に懇願され断念、腰より下まで伸びた)


【挿絵表示】
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