二人を抱えているので足を使い扉を蹴り飛ばし胸くそ悪い部屋から出る
ここまですれば流石にバレたのか警戒音らしいベルが鳴り響いているがもう関係無い、あとは脱出するだけだから
サクラ《先程検索と平行してこの研究所の地図をインストールしておきました、最短距離での脱出経路をナビゲーションします》
すると目の前にモニターが現れ、そこには最短ルートが書かれていた
サクラの案内通りにISを動かして飛翔する、どうやらこんなところで入れられたISの情報が役に立っているようだ
道中で白衣を着た連中が逃げ惑っているのを何度か目撃するが構わずに通りすぎる
サクラ《復讐はしないのですか?》
する意味もない、そんなことをするなら一秒でも早くここから出る
飛び立ってから五分ほどで研究所から脱出することは出来た
しかし出たときに目の前にあったのはだだっ広い鍾乳洞、どうやら鍾乳洞の奥に研究所を建てたらしい
ISの保護を受けられない二人に被害がでない速度を維持しながら鍾乳洞の出口を目指す
しかしそこから数分ほどたったところで
サクラ《敵IS三機を確認しました
このままの速度ならあと二分ほどで接触します》
やはり追っ手が来た
心の中で二人にごめんと謝りながら速度を上げる
しかしそれでも二人に気を使って速度を上げきることが出来ずに二分半ほどで追い付かれてしまう
ハイパーセンサーで振り向かずに確認するとIS三機の手にはマシンガンが握られている
三機は俺を確認すると迷わずにマシンガンを撃ってきた
しかし遅い、銃弾の回転がハッキリと眼に見えるほどに遅い
恐らくこれは色々と体を弄くられた結果なのだろう、今としてはありがたいのだが
発射される銃弾をすべて回避する
それに驚いたのか敵の手が一瞬止まるが構わないと言わないばかりに銃を乱射してくる
このままでは速度で負けているこちらが不利、どうにかしなければ
サクラ《ハルキ、私にはビットが備え付けられています
それで反撃を》
サクラの指示通りに腰に備え付けられていたビットを射出する
ビットの数は十二機
サクラの補助があったのかビットの操作は差ほど苦労はせず、敵を引き離すことに成功した
サクラ《出口が見えました》
サクラの言う通り目の前に光が見える
ようやく鍾乳洞から脱出をすれば広がる光景は雨が降りだしそうな曇天と地平線が見えるほどの広い荒野、間違いなくここは日本ではない
そして出口を見て追っ手を警戒するが追いかけてこなかった
サクラ《敵は諦めたようですね》
そうみたいだな・・・・・・
プスン!!プスン!!
背中にあるスラスターから煙が上がり機能が停止する
不味い!!
飛べなくなった俺はとっさの判断で自分の体を下にして地面に着地した
二、三度バウンドしてようやく落ち着くがその衝撃で二人は離れた場所に落としてしまう
そして纏っていたサクラの装甲が光の粒になって消えた
続いて体を襲うのは異常なまでの疲労感
これはISの保護が無くなったことが原因か、それとも俺の体が限界を迎えたのか、恐らく両方だろうが
サクラ《申し訳ありません、私のエネルギーが尽きてしまいました》
あーいいよいいよ、サクラは良くやってくれたし
仰向けになった体をうつ向けに直して這いずるようにして二人の元に向かう
十分か二十分かもしかするともっと時間がかかったかもしれないが僅か十メートルも離れていない距離を亀のようにノロノロと引きずりながらようやく二人に近づけた
どうやら巻き付けていた毛布がクッションになってくれていたらしく見たところ二人に怪我はなさそうだ
それを確認して緊張の糸が切れてしまったのか、俺の意識はここで途絶えた
雨の降る荒野を飛ぶ数機のISがいた
彼女たちは全員アメリカ軍の軍人で【ブラックホーク隊】、通称【黒鷹】と呼ばれる部隊に所属していた
彼女たちの任務は突如現れた未確認のISの捕縛、もしくは撃退
そのISというのはサクラのことだが彼女たちはそれを知らず命令に従って現場へと向かっていた
「そろそろあのISが確認された場所だ、気を抜くなよ」
黒鷹の隊長であるレイティ・インテグラが隊員たちに注意を促す
「それくらい分かってるよ!!私に任せなって!!ボコボコにしてとっちめてやるから!!」
レイティの注意に反応したのはアメリカの代表候補生のイーリス・コーリング
この返事にレイティは頭を抱えたくなった
イーリスは現代表候補生たちの中でも頭一つ飛び抜けた実力の持ち主であり代表になるのもそう遠くないと噂されている
レイティ本人もそう思っているのだがどんな人間でも欠点はある、イーリスの欠点は喧嘩っ早いというか戦闘狂(バトルジャンキー)というか・・・・・・口よりも先に手が出ることにあった
実際それのせいで何度か問題を起こしてレイティが頭を下げたことがある
『すいません、イーリの馬鹿がアホなことを言って』
ISのプライベートチャンネルを使い毒舌で話しかけてきたのはテストパイロットでありこの部隊に所属しているナターシャ・ファイルス
今回はバックアップを担当してもらっている彼女はイーリスと親友であり、イーリスが起こした問題の後始末を手伝っていたりする
ナターシャがいなければレイティの胃には穴が空いていたに違いない
レイティ「・・・これくらいならいつものことだそれよりもーーーッ!?」
未確認のISについて確認をしようとしたレイティのハイパーセンサーが見つけたのは三人の子供、全員が雨降る荒野に倒れていてピクリとも動かない
イーリス「隊長!!子供が!!」
レイティ「分かっている!保護するぞ」
レイティとイーリスが子供たちの元に向かい、他の隊員たちは周囲を警戒するように待機する
倒れていた三人のうち二人は銀髪の少女、顔つきが似ているので姉妹なのだろうと予想できた
そして残るもう一人はというと
レイティ「これは・・・・・・!!」
うつ向けに倒れていた子供を起こした時、レイティは目を覆いたくなった
髪は漂白されたかのように白く伸び放題、体は皮と骨だけで筋肉はまったくついておらず、手や足首元に至るまで注射の跡だらけ、さらには全身に手術の古傷の様なものまで見えた
レイティの頭の中に人体実験という単語が浮上する
そして推測する
この子たちは人体実験をされていて恐らく実験施設から脱出して力尽きたのだろう、ならばこの近くに施設があるに違いない
辺りを見渡せばさほど離れていないところに如何にもと言わんばかりの洞窟があるではないか
待機していた隊員たちにあの洞窟を調査するように命じようとした時、地面が揺れた
子供を起こすために地面に降りていたレイティとイーリスはたたらを踏むがなんとか倒れなかった
地震かと思ったレイティだったが洞窟から黒煙が上がったことで考えを改める
レイティ「自爆したのか」
今の揺れは爆発による震動、あそこまで揺れるとするとかなり大がかりな設備だったのだろう
洞窟への突入を考えるが隊員たちを危険な眼に会わせるわけにはいかない、何よりもこの子たちを放っては置けなかった
レイティ「・・・未確認のISが確認出来ないためすでに逃走したと判断しこれより帰投する
イーリス、その子たちは任せる
ナターシャ、医療施設の準備をしておいてくれ」
「「「「「はっ!!」」」」」
隊員たちに指示を出し、抱えた子供に刺激を与えないようにゆっくりと飛び立つ
イーリスの方を見れば多少は荒っぽいがそれでもいつもに比べれば大人しい方だ、恐らく彼女なりに気を使っているのだろう
こうしてブラックホーク隊は任務を果たせずに三人の子供を保護して来たときよりも格段に遅い速度で帰還した
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ハルキ、ラウラ、ラグナ脱出成功です
表現とか難しくっておかしいところがあるかもしれないけど勘弁してください
レイティ・インテグラはオリジナルキャラ、ブラックホーク隊も同じくこの小説オリジナルです
イーリスとナターシャの所属もオリジナル設定なので批判はまじ勘弁してください
そしてハルキたちがいる国はアメリカです
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