劣化品の名を持つ者(物)   作:鎌鼬

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春季君にはもう少し荊の道を歩いてもらいます


作者が下道と呼ばれるのは構わない・・・・・・ッ!!


拘束、救出

 

 

レイティさんに助けられてから二週間ほどたった

 

 

その間にレイティさんの部下だという二人と出会った、まぁ俺の頭が空っぽなせいかいまだに覚えられないが

 

 

そうそう、ラウラとラグナも目を覚ました

 

 

多少の記憶障害を持っていたがそれ以外は今のところは異常なし、どうしてだか分からないが俺のことを兄だと言ってよくなついてくれている

 

 

対する俺は昔のことをほとんど忘れていた

 

 

レイティさん曰く元々脳の容量が少なかったところに色んな情報を無理矢理に詰め込んだために記憶が上書きされた可能性があるとかどうとか言っていたっけ?

 

 

 

そんなことを考えている現在の時刻は夜の11時、最初にいたベットとは別の部屋のベットの上で上半身を起こして両隣で寝ているラウラとラグナの頭を撫でている

 

 

10時頃に二人がやって来て恐くて眠れないから一緒に寝ようと言われて寝付いたのがついさっきのことである

 

 

断ろうとしたけど泣くのは卑怯だと思います

 

 

ふと二週間前とは比べて多少肉の着いてきた右手を見る、確かに着いてきているがそれでも少しだけで骨と皮の状態からガリガリになった程度である

 

 

ハルキ「本当に・・・・・・俺は“何”なんだろうな」

 

 

俺がこう思うようになった切っ掛けはレイティさんが受けさせてくれた精密検査だ

 

 

健康状態には異常ない、身体能力には異常あり

 

 

中身の入った缶ジュースを軽く潰す握力、軽く流しただけなのに一秒で二百メートルで駆け抜ける脚力、発射された銃弾の軌道すら読み取れるほどの動体視力

 

 

あの研究所で色々と弄られた結果俺は本格的に人外になったらしい、ここまでくればもはや“化け物”の領域だ

 

 

それなのにレイティさんも、部下の二人も、ラウラもラグナも態度を変えようとしない

 

 

それが嬉しくもあり辛くも感じてしまう

 

 

眠っている二人の頭を撫でながら思わず呟く

 

 

ハルキ「なぁ・・・・・・お前たちはどうして」

 

 

俺に優しくしてくれるんだ?と続けようとしたがそれは叶わなかった

 

 

突然銃を持った男たちが部屋に入ってきたのだ、数は五人で全員が俺に銃口を向けている

 

 

ハルキ「何のようだ」

 

 

いつでも飛び掛かれるように身構える、インストールされた情報とこの身体能力をフルに使えばこいつらを殺すのに五秒もいらないだろう

 

 

「動けば撃つ

貴様には当たらんだろうがそこの二人はどうかな?」

 

 

そう言われて体が止まる

 

 

眠りが深いのか二人はいまだに起きていない

 

 

俺が撃たれた銃弾を避ければこの二人に当たることは必須、インストールされた情報にはこんな状況をどうにか出来るような情報は無かった

 

 

ハルキ「・・・・・・」

 

 

無言で両手を上げて降参を認める

 

 

すると男の一人が近づき、銃底で俺の後頭部を殴り気絶させた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ませば手足に鎖を付けられて台の上に拘束されていた、そして服装は真っ裸

 

 

右の手首につけていたブレスレット(サクラの待機状態、ピンクのシンプルなブレスレット)が無いことからサクラがいないことがわかった

 

 

それにしてもまたここか・・・・・・

 

 

ハルキ「もうどうにでもなれよ」

 

 

諦めたように吐き捨てると視界の端に様々な薬や器具を持った人間がやって来るのが見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイティ「どういうことですか!!」

 

 

レイティはある男の前で怒鳴り散らしていた

 

 

その男はレイティよりも階級の高い少将、低身長でこれでもかと言うほどに肥満に加えてねちねちと嫌味ったらしい性格なので部下の間では“ブタ野郎”とも呼ばれている

 

 

ラウラとラグナにハルキがいないことを告げられて探し回った結果、少将の部隊がハルキを“回収”していたことがわかった

 

 

だから今こうして直訴をしている

 

 

ブタ「どうもこうも無いよインテグラ君

あの少年は私が預かることになった、それだけの話だ

それにしても素晴らしい少年だな、まさかあれほどの身体能力を保持しているとは」

 

 

少将が手元にある書類に目を落とす、その書類はハルキたちの身体検査の結果をまとめた物だった

 

 

ブタ「そのメカニズムさえ分かれば我が兵たちを強化するのも容易くなる」

 

 

レイティ「まさか・・・・・・ハルキを解剖するつもりですか!?」

 

 

ブタ「口を慎みたまえ

よくある話ではないか、“異国の人間が他国で行方不明になるというのは”

ともかく少将である私の命令だ、アレのことなど忘れ通常任務に戻れ」

 

 

そう言うと少将は重たい体を持ち上げて部屋から出ていった

 

 

残されたレイティは怒りに体を震わせて少将の使っていた机を力任せに殴った

 

 

机を殴った拳から血が出るがレイティにそれを気にする様子は見られなかった

 

 

レイティ「これ以上・・・・・・これ以上あいつを苦しめてやるものか!!」

 

 

レイティの腹は決まった

 

 

ハルキをあの少将から助け出す

 

 

ハルキの位置を特定するために彼女独自の情報網へと連絡しようとした矢先に誰かから通信が入った

 

 

『はじめまして、レイティ・インテグラね?』

 

 

相手は声の高さからして女性と判断できた

 

 

レイティ「・・・誰だ」

 

 

このタイミングで通信をしてきたということはただ者ではないと判断して頭を切り替える

 

 

『あら?そう言えばまだ名前を言って無かったわね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はスコール、亡国機業(ファントムタスク)の総司令よ』

 

 





ごめんなさい、ハルキ君研究所に戻します


ブタ少将の狙いはハルキだけだったのでラウラとラグナはなんとか事なきを得ます


そしてこのタイミングで亡国機業から通信


スコールさんは何を企んでいるのか?


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