機械少女と空想世界   作:ランブルダンプ

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第3話

私が破壊した一号機についての疑問を思考事項の一つとしてストックしながら出撃へ準備する。最低限人間らしく見えるための着替えだ。

 

向こうへ行くには人間でなくてはならない。しかし人間は一度行ったら帰って来れない。

この矛盾を解決する為に生み出されたのが私達、機械人形だ。

 

第一世代の私達が最初に送り込まれ、帰還した時に一つの変化があった。

当時の科学力では出来なかった『感情』を獲得していたのである。

この事に人間は最初相当に警戒した。

当然だろう。

自我を持った機械という「生命とは何か」を問いかける存在が生まれてしまったのだから。

 

まず最初に一号機が調査の為に解体された。

 

二次調査後に二号機が。

 

三号機は感情値の上限テストと称して連れていかれ帰ってこなかった。

 

四号機は次は自分の番だと分かっていた。

そして三次調査の時に戻って来れなくなった。

 

得た感情が裏世界という場所のせいで暴走し、精神が人間のそれと同一であると世界に判断されてしまったのである。

 

それと同時にやっかいな事が起きた。

私達が餌であると裏世界の生物に認識されたのだ。

 

 

着替え終わり、部屋から出る。

もう着替え終えた第四世代達が居り、談笑をしている。

 

「あ、隊長」

「第一世代は私達より小柄で可愛いですね……」

「かじっていいですか」

 

ぶわっと取り囲まれた。

あと最後のは駄目。

 

「準備できたよー!シロ隊長!」

「すぐに出発しますか?」

「口部サンプル採取器官による隊長のサンプルを取る練習をしたいです」

 

ここで溜まってても意味ないし、出発しよう。

それと最後、言い換えたらOK出すとおもったの思ったの?

 

「各員準備できましたか」

 

見渡す。

私の目からはどれも表情込みで人間らしい。

うん、平気だろう。

彼女らを促して8個横一列に並んだエレベーターへと乗り込む。

 

私を認識してエレベーターが自動で動作し出す。

つまりこれが帰りに自動で動かなければ、そうなったと見なされ帰還できないのだ。

 

暗闇の中、腰を掛けて到着を待つ。

手を着いた。その瞬間手に何か物体が当たった。

 

暗闇の中で視覚センサーが意味を成さないので、口の中へと入れる。

私達の体は精密機器の塊であり、リアクターより供給されるエネルギーを使うので食事は必要ない。

しかし、会話をしている時に人間らしく見えるように喉から5cmまでは空洞なのだ。

そのスペースに物体を収納し、そのまま精査する。

 

前時代的な記憶媒体だ。

ウイルスが仕込まれている危険性を考慮してファイアウォールを準備しつつ内部から情報を抜き取る。

後はその情報をファイルにして隔離し、記憶媒体を吐き出した。

元の場所に寸分違わず戻す。

 

この場所に最後に乗っていたのはあの機体である。

そろそろ境界線だ。

意識が堕ちる前に抜き出せて良かったと思う。

 

体内の計測時間でこのエレベーターに乗ってから120秒。

意識が解け、闇に溶けた。

 

 

「朝……」

 

鳴り響き、主を目覚めさせようと働いている目覚まし時計を止め、背を伸ばす。

深く深呼吸すると遠くから朝ごはんのいい匂いが漂ってきた。

 

「七海ーご飯よー!」

 

これに返事をすると夢に取り込まれてしまう。

やるべきはこれだ。

 

右の親指を左手で掴み、人間の構造上曲がらない方向へ思いっきり曲げる。

人間なら骨が折れ、最悪皮膚を突き破って骨が出てくるだろう。

 

しかし私の指関節の可動範囲はそれより上だ。

 

世界が急激に揺らぎ、形を失い、急に視界が暗くなる。

暫く待っていると作動音と共に扉が開く。

完全に開き切るのを待って外へと歩き出した。

 

「凄いですね隊長、旧型なのに私たちとほぼ同じ復帰時間ですよ?」

「まあ慣れで。人間でも明晰夢とかって慣れれば簡単にできるらしいし」

 

 

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