ハイスクール/Apocrypha 03 修業期間はインフェルノ   作:グレン×グレン

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はい、ついに本格的な聖杯戦争が幕を開けます!!

オリジナルサーヴァントのつるべ打ちに、君は耐えられるか!!


第一話 停止教室のヴァンパイア

 

 悪魔になってからも、イッセーの人生は波乱万丈。……主にギャグ的な意味で。

 

「……なんで、モテる事なく死ぬのが確定するんだ!!」

 

 人間は平等でない。その不条理に涙を誘い―

 

「魔法少女になりたいにょ」

 

 そもそも性別の違いに戦慄し―

 

「なんで、鎧武者はいないんでしょう」

 

「そうね。なんでかしら?」

 

 主と外国人の間違った日本人観に頭痛を感じ―

 

「コカビエルと渡り合った赤龍帝が見てみたくてな。ちょっとお邪魔したぜ」

 

 -堕天使の総督にドッキリを仕掛けられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部長ぅううううううううう!!!」

 

 いや、最後はない。

 

「私の下僕の営業妨害なんて、この時期に何を考えているの!?」

 

「アザゼルは昔からそういう奴さ」

 

 赤毛の兄妹の久しぶりの邂逅は、新たな騒動への第一歩を踏み出す。

 

「……この駒王学園で、三大勢力の会談を開きたいと考えている」

 

「理由を、お伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

 割ととんでもない事態に、シャルロットはその理由を問い質す。

 

「冥界では天界側が邪推する可能性がある。逆に教会の敷地内に悪魔や堕天使の重鎮が入るのも敵愾心を生むだろう。だが、三大勢力が入り乱れたそもそもの発端の場所なら、十分な理由になるだろう。……それに、これは教会側からの要望なのだよ」

 

 その要望の理由もまた、すぐに来訪した。

 

「面白い。神滅具を二つ宿す赤龍帝なんて初めてだ」

 

「そこまでにしろ。人のことは言えないが、この複雑な情勢下で余計な揉め事を起こすのは感心しないな」

 

 突如イッセーに接触する、白龍皇ヴァーリの肩を掴み、彼を警戒させるほどの実力を示す謎の男。

 

 その男を見て、マスターであるイッセーとサーヴァントであるシャルロットは目を見張る。

 

「「サーヴァント……!?」」

 

「すまんな。現地を軽く見るつもりだけだったのだが、少々見過ごせない事態になったので介入させてもらった。ルーラーのサーヴァントだ。教会に世話になっている」

 

 ルーラー。裁定者を意味する特殊なサーヴァント。特殊すぎる聖杯戦争か、聖杯戦争によって世界に歪みが出る場合に召喚される、聖杯に呼び出される監視役。

 

 本来なら、どの勢力にも肩入れする事はない特殊なサーヴァント。そして特権を保有するがゆえに並みの英霊なら一蹴できる規格外。

 

 そのサーヴァントが、三大勢力の一角に籍を置いている。

 

 その事実に警戒をしながらも、しかし日常のトラブルは他にも増える。

 

「ソーナちゃんに会いに、魔法少女レヴィアたん来訪なのよん!」

 

「帰ってください!!」

 

 生徒会長の家族のアクの濃さに若干引いたり―

 

「……あれが、俺の義姉候補……!」

 

 戦慄するおバカがいたり―

 

「み、見ないで下さぁぁあああい!!」

 

 女装する引き籠りという矛盾した存在が後輩兼先輩だったり。

 

 ギャスパー・ヴラディ。ハーフヴァンパイアでデイライトウォーカーで時間停止能力持ちで引き籠りの女装癖。あと血が嫌い。

 

 この設定山盛りの後輩兼先輩の精神問題をどうにかする為に、イッセー達は色々と活動する。

 

「ギャー君、ニンニク食べよう」

 

「さあ、浄化されたくなければまずは体を鍛えろ!!」

 

「ひぃいいいいいい!!」

 

「あの、それたぶん逆効果だと……」

 

 シャルロットのツッコミが飛びかけ―

 

「なんでだ。俺の一瞬の期待を返してくれ!!」

 

「分かる、分かるぞ匙!!」

 

 変態共が意気投合し―

 

「あれ? 聖魔剣の使い手はいないのかよ?」

 

 堕天使総督まで乱入する。

 

 そんなカオスな混沌を生みながらも、イッセーは天界からの使者と顔を合わせる事になる。

 

「ルーラーの判断で、貴方に聖剣アスカロンを提供したいと思います」

 

 セラフのミカエルとの出会いを機に、そして朱乃の秘密を触れるイッセー。

 

「私は五大宗家の姫島朱璃と、汚れた天使のバラキエルとの間に生まれた忌子なんです」

 

「フラグが立った気がするわ」

 

「あの、気持ちは分かりますが落ち着いて……」

 

 リアスをシャルロット(こっそりついてきた)が抑えたりするなどの漫才を経て、ついに和平会談が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、コカビエルのバカがマジで悪かった!」

 

「あなたの謝り方も悪いわよ……っ」

 

 アザゼルのフリーダムっぷりにリアスの頭痛が増す!!

 

「俺は強い奴と戦えればいいだけさ。……君みたいなのとね」

 

「勘弁してくれ……」

 

 戦闘狂の白龍皇の熱視線に、イッセーの胃痛が増す!!

 

 だが、しかし世界の新しい一歩もまた踏み出される。

 

「めんどくせえ真似は無しだ。……全員和平狙いなら、さっさと結ぼうじゃねえか」

 

「そうですね。主も魔王も死に、戦争を起こせば人間達を巻き込みます。これ以上の戦争にはメリットがありません」

 

「私はどんな種族も滅びる事を望まない。戦争終結は四大魔王全体の総意だ」

 

「じゃ、和平をするで満場一致なのねん♪」

 

 あっさりと結ばれる和平条約。

 

 だがしかし、参列した裁定者であるルーラーと、枢機卿のヴァスコ・ストラーダの口から大きな危険因子が生まれていく。

 

「……そこのアサシンが関わったのとは別口で、世界に大きな歪みを生みだろう聖杯戦争が開催される。私はそれに対するカウンターとして呼ばれたのだが―」

 

「特権である能力が全く機能していないようだ。また、枢機卿に千年以上前の符牒で「主が死んだのならなおのこと悪魔を滅するべし」との警告が送られた」

 

 その驚愕の警告に、アザゼルとサーゼクスもまた警戒の色を濃くする。

 

「ああ、その事なんだが、五年前にウチから離反した連中がどうもはぐれ者の連合を作ってるみたいでよ」

 

「近年、旧魔王の末裔が何か動きを見せている。……イッセー君とシャルロット君の情報提供から逆算して、聖杯戦争に関わっている可能性は高い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその瞬間、赤い龍が別室待機を命じられたギャスパーを連れて突っ込んできた!!

 

「ドライグ!? 何やってんだよ!?」

 

 そしてイッセーの衝撃の発言が全員の度肝を抜く。

 

「あ、私の禁手の併用で、いざという時の為にドライグをギャスパー君の護衛につけてました」

 

 シャルロットの発言に、彼女の禁手のやばさを改めて知る一同。

 

 亜種禁手、爛漫に生きよ赤き龍(ウェルシュ・ドラゴン・リベレーション)。能力は独立具現型として、赤龍帝の鎧を若干弱めた部類の竜としてドライグのアバターを作り出す能力。

 

 イッセーの戦闘能力は強化されないので不向きと判断されたが、「ドライグが活動しやすいように」一応至ってある程度の自由を与えていた。

 

『ほぅ。それは十数代前のお前の宿主が至った禁手だな。何故至れる?』

 

『なに。シャルロットの禁手はそういう能力だと思えばいい。大半のかつて至った禁手にはなる事が理論上は可能だぞ?』

 

 二天龍の言葉を皮切りに、ついに本格的に動きが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いなアザゼル。アースガルズと戦える機会を用意すると言われては、俺はとても断れない」

 

 白龍皇の内通により、襲来するテロリスト。

 

 駒王町の山間部から突如巨大な城が出現し、そしてそこから大量の魔獣が襲来する。

 

 その魔獣の姿と城から放たれる気配に、イッセーとルーラーが敵を把握する。

 

「あの魔獣は! てめえか、魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)!!」

 

「サーヴァントの宝具か。だが、宝具を視認してもステータスが見れないだと!?」

 

「ああ、預託令呪を使って特権対策は万全にさせてもらったよ。サーチされないしステータスは見れないし、もちろん令呪も抵抗できる」

 

 堂々と姿を現す、魔獣創造の担い手、レオナルド。

 

「これより我々、禍の団(カオス・ブリゲート)は、現政権側の異形達をことごとく蹂躙する悉くに全面戦争を宣言する!! 英雄派サブリーダー、レオナルド・シルヴァ・ユグドミレニアが宣戦布告しよう!!」

 

 その言葉と共に、城から砲撃が放たれ、またサーヴァント達が襲撃を開始する。

 

「主の敵たる悪魔との和平など、聖人として断じて認めん! のちの決着の為の共闘という罪に対する裁きを受けてでもだ!!」

 

「くっ! よもやあなたが敵に回りますか、聖ジョージ!!」

 

 ランサーのサーヴァント、ゲオルギウスがアスカロンを引き抜きミカエルに切りかかり―

 

「んじゃいくぜぇ! 日ノ本なら俺様ちゃんの知名度は抜群ってなぁ!!」

 

「……むぅ。光の剣では私ですら切り裂けぬか。これが宝具……っ!」

 

 ヴァスコ・ストラーダの斬撃を、生身で弾き飛ばすシールダーのサーヴァント。

 

 更に魔王達にも、イッセーを強襲した英雄派幹部、カラミティ・ジェーンがサーヴァントと共に襲い掛かる。

 

「ハリーハリーハリー! いくよぉ、アン、メアリー!!」

 

「アイマム! 海賊らしく大暴れしましょうか!」

 

「同感、っていうか、ああいうのってプレミアつくよね、マニアに売りつけるように剥いでこうか」

 

「ちょ! レヴィアたんの魔法少女衣装を何だと思ってるの!!」

 

「「「凌辱ゲームとかで出てきそうだよね?」」」

 

 そしてアーチャーのサーヴァント、アン・ボニーはメアリーと共に、海賊というより追いはぎ強盗じみた真似をセラフォルーに仕向ける。

 

 更にはサーゼクスとアザゼルは、たった一騎のサーヴァントに追い込まれる。

 

「殺し合おう奪い合おう踏みにじり合おう!! それが戦争の醍醐味だぜぇ!!」

 

「ゲオルク。シールダーの魔力供給もだけど結界装置の強化を頼む。このままだとセイバーが暴れすぎて想定外の大惨事になりそうだ」

 

 レオナルド・シルヴァ・ユグドミレニアのサーヴァント、セイバーがたった一人で最強の魔王と堕天使総督を切り裂き、追い詰める。

 

「これが、サーヴァントの本領か……っ!」

 

「まったく、世の中こんな興味深い連中がいたとはな……っ」

 

 そして、イッセーにもまた、白龍皇ヴァーリが相対する。

 

「ふふふ。魔王ルシファーの末裔であるこの俺と相対するのが、神滅具二つ持ちとは、運命は中々いい趣向を凝らすものだ」

 

「……ま、マジかよ」

 

 ルシファーの血に由来する基礎性能と、正しく禁手に至り奥の手すらある程度制御する技量。

 

 現在過去未来において最強の白龍皇になりうる男、ヴァーリ・ルシファーの能力、現段階のイッセーでは本来相手にならない。

 

 だがしかし、兵藤一誠という男は単純な性能だけに頼る愚鈍ではない。

 

「お前の神器の能力を、制御できないほどに高めてやる!!」

 

 時として自身の能力と相手の能力を相乗効果で逆手に取り―

 

「お前の力、ちょっともらうぜ、ヴァーリ!!」

 

 時として、命を削る覚悟で相手の力すらその手に掴む。

 

 だがしかし、それはヴァーリという男にとって闘争本能を刺激する悪手ともなりうる。

 

 白龍皇の力を更に高め、ヴァーリ・ルシファーは次元すら歪める。

 

 その強大さに解析が追い付かないイッセーに、解析担当が戦闘を行いながらも簡単に説明してくれた。

 

「手っ取り早く言うと、その能力はリアス・グレモリーとシャルロット・コルデーの胸すら半分にする!!」

 

「………は?」

 

 そしてそれはイッセーの逆鱗に触れた!!

 

「てめえええええええええ!!! 俺の相棒と主のおっぱいを半分にするだとぉおおおおおおおお!??? こ、こここここ殺してやる!!」

 

 誰もそんな事は言っていない。

 

 だが、そんな事を突っ込む暇がないほどにイッセーがヴァーリを圧倒する。

 

 信じられない光景に一同の戦闘意識が真っ白になる中、しかし一人だけ警戒心を強めるレオナルドは、判断を早める。

 

「ゲオルク。結界装置ジャガーノートを起動。ヴァーリの覇龍を制御するんだ。あいつはここで潰す!!」

 

「いいね。俺も覇龍を見せる価値がある相手だと思っていたんだ。多少不愉快だけど、そのサポートは受け入れよう」

 

 封印系神器の極点、覇。

 

 龍種の覇にのみ特別に与えられる起動名、覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を開放するヴァーリ・ルシファー。

 

 魔術師ゆえに容赦なく、その制御を行う準備を整え、レオナルドは危険因子を滅ぼす為に動き―

 

「舐めんな。その対策はこっちもしてるぜ!」

 

 -だが、兵藤一誠という少年は、その圧倒的な力を奇抜な発想で穴埋めする。

 

「シャルロット! 暴走抑制に全力出してくれ!! そして……部長!!」

 

「ええ、分かっているわ、イッセー!!」

 

 思えば、三度に渡り無力を感じていた。

 

 カラミティ・ジェーンとの戦いでは、後ろ盾になったというのに圧倒された。

 

 ライザーとの戦いでは、自分の我が儘を叶える為に貴族達を敵に回しかねない綱渡りをさせてしまった。

 

 コカビエルとの戦いだって、一番危険な戦いをまだ下僕でない彼に任せてしまった。

 

 だが、それもここまでだ。

 

 リアス・グレモリーは恋する乙女だ。

 

 そいて、恋する乙女はいつだって限界を超えるのだ。

 

 おんぶされてもいいから、抱っこはされない。

 

 せめて電池ぐらいの役目は果たして見せる!!

 

「我、目覚めるは―」

 

 ヴァーリ・ルシファーが絶大な才能と多大なる魔力で覇龍を制御するのなら―

 

「行くぜ、シャルロット! 頼みます、部長!!」

 

「「ええ、もちろん!!」」

 

 兵藤一誠は、仲間の力に頼ってでもそれを補うのみ!

 

『馬鹿な! あの見栄で弱体化させた愚鈍な力に、こんな利用方法があるだと!?』

 

『ああ、今代の俺の相棒は凄いだろう? 単純に強いチンピラなお前の宿主とは凄さの方向性が違うのさ!!』

 

「面白い、面白すぎるぞ、兵藤一誠!!」

 

 驚愕するアルビオン。

 

 自慢するドライグ。

 

 そして、歓喜に振るえるヴァーリ・ルシファー。

 

 今ここに、覇龍同士の激突が勃発する!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてまた、サーヴァント達の猛攻にも陰りが見える。

 

「舐められたものだな。裁定者の前で世界を歪ませる真似が許容されると思うなど!」

 

 ルーラーの振るう紫炎の槍が、敵サーヴァントを弾き飛ばす。

 

「結界が強化されたのは僥倖だ。人間界で全力を出すには、これぐらいなければいけないのでね……」

 

 最強の魔王、サーゼクス・ルシファーの真の姿が、主神にすら届く絶大な力を示す。

 

「お披露目にはちょうどいい。俺の研究成果を見せてやるよ!」

 

 堕天使総督アザゼルの、神器研究の成果が開帳される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、この戦いは前哨戦に過ぎない。

 

 世界全土の命運すら揺るがす大いなる聖杯戦争。

 

 世界聖杯戦争とすら称せるだろう、異端極まりない聖杯戦争は、まだ始まったばかりなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、どうするのだ、シャルバ」

 

「そうです。結局英雄派はセラフォルー達を一人も殺せなかったそうですよ?」

 

「まあいいだろう。その方が、俺達真なる魔王の力を見せつけるのには好都合なのだから」

 

 そして、禍の団は決して英雄の末裔達だけの戦力ではない事を、彼らは思い知る事になるのだった。

 




開幕初戦から頂上決戦。ある意味03で一番密度の濃い戦いだったと思います。他は規模が小さかったり範囲が広すぎて薄まったりするので……。
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