ハイスクール/Apocrypha 03 修業期間はインフェルノ 作:グレン×グレン
原作よりも激戦が多いですが、この話も派手に行きますよ?
夏休みが終わり、駒王学園では二学期が始まる。
そして兵藤一誠の二学期は、大抵絶叫と共に幕を開ける。
「アーシアぁあああああああああ!!!」
アーシアの結婚式という悪夢を見て、絶叫と共にイッセーの朝はまた始まった。
アスタロト家の次期当主、ディオドラ・アスタロト。
唐突に判明した事実だが、彼がアーシアが治療した悪魔だという事実を自ら明かしたのである。
その勢いでアーシアに求婚までしでかして、イッセーはもはや動揺しまくっている。
「受けるわけないのによくもまあ心配できるわねぇ」
「ですよねぇ」
リアスとシャルロットがそうため息をつくが、しかしそんな事が気にならなくなるぐらい、事態は更に動き出す。
「ミカエル様の
暴走信徒は暴走天使となって駒王学園へと舞い戻る。
「……駒王学園世界史教師として赴任した、ピエール・ルーラーだ。よろしく頼む」
更に裁定者のサーヴァントまでもが、教師として学園に赴任!?
「今後の三大勢力の連携と、駒王町という和平成立の地に対するイメージを考えた結果だとよ」
苦笑するアザゼルは更に、新たなる事実を告げる。
「教会ではゲオルギウスが禍の団に就いた事で、和平に対する反対運動が活発化している。この戦い、思った以上に早い時期で大きな出来事になりかねねえから、ちょっと覚悟してくれや」
ゲオルギウス。聖書の教えの聖人としては筆頭格の1人。
龍殺しの英雄にして、イッセーが手にしたアスカロンの所有者としては、唯一歴史に名を遺した猛者。
彼の存在が教会の信徒達の和平反対意識を強め、そして大きくし始めている。
だが、日常もまた色々と騒がしくなるのが赤龍帝の生活らしい。
「んじゃ、兵藤とアーシアは二人三脚ね」
桐生藍華の策略といういらん気の回し方により、思わぬイベントが発生!!
「……俺は借り物競争。会長とは発展しない。しかも腕に変なあざができた……」
差を付けられる匙だが、しかし成長の兆しもまた生まれ始める。
「私はイッセーさんとずっと一緒です。絶対どこにも行きません」
そして、新たに始まる若手悪魔同士のレーティングゲーム。
旧魔王派の襲撃でお流れになったグレモリーVSシトリーの代わりに始まったのは、バアルVSグラシャラボラス。
そこでイッセーは、傑物という存在をその目で目にする。
「圧倒的じゃないか。あのゼファードルというのも、中々できそうなのだが……」
「凶児と呼ばれたゼファードルが、まるで相手になってない……っ」
ゼノヴィアと祐斗が戦慄するほどにまで、圧倒的なのはサイラオーグ・バアルの力。
だがしかし、その力の根幹は血統ではない。
この世で最も血統から裏切られたバアル、消滅の力どころか魔力すら欠片も持たぬ、バアル家の落後者。
だが、彼は己が体を信じて鍛え続ける事によって、文字通り若手最強と称される圧倒的な力を手にする事に成功した。
「レーティングゲームじゃシャルロットは本領を発揮できない。つまり、覇龍なしであいつをどうにかできなきゃ、サイラオーグとのレーティングゲームじゃ勝てないぜ」
アザゼルのその評価に絶句する中、しかしトラブルは頻発する。
「リアス・グレモリー。アーシアをトレードしたい」
「……愛する女性をそんな方法で手に入れるとか、信じられないわね」
どこかしこから透けて見えるディオドラの性根に、誰もが嫌悪感を露わにする。
「ディオドラ・アスタロトには気を付けた方がいい」
突如来訪したヴァーリからの警告もまた、懸念材料を増やしていく。
「……ちょっと、ソーナさんと個人的に話したい事ができましたので、行ってきますね?」
シャルロットもまた、その違和感の下に人に相談することを覚える中、イッセー達はイッセー達で色々と忙しくなる。
「テレビの取材が入ったわ」
「……俺、凄い事になっちゃったかも」
テレビ局の取材のついでに行われた、イッセーの新たな可能性。
そしてそれが秘匿される中、ついにディオドラとのレーティングゲームが行われ―
「するわけないだろう? サッサとアーシアを手に入れさせてもらうよ」
「旧魔王派に就いた者達の紋章……!? ディオドラ、あなた、禍の団に就いたというの!?」
本性を露わにしたディオドラに内通で、旧魔王派の悪魔達やレオナルドが生み出した魔獣及びホムンクルスが大量に襲来する。
だが、それは既に予見されたいた。
「そこまでです、ディオドラ・アスタロト!!」
「あなたの下衆な趣味は既に把握しました。……醜悪極まりない、死なない程度に叩き潰すとしましょう」
「まあ、和平成立前ならまだ黙認されていたでしょうが。……ドーピングで倒してくれた礼はするとしましょう」
「情勢の変化についていけないとは哀れだな。此処で叩き潰す!」
裏で嫌な予感を覚えていたシャルロットの協力で、若手悪魔達が一堂に会する。
そして、それと同時にアザゼルの仕込みもまた発動する。
「ほっほっほ。いい尻が揃っとるのぉ。眼福眼福」
「な……オーディン神だと!? この結界内になんで入っている!」
ディオドラの内通を察していたアザゼル達により送り込まれたオーディン神。
ディオドラは眷属を出して反撃するが、しかしろくに対抗する事もできず趨勢は決定仕掛け―
「さあ、聖杯戦争を始めよう」
「ひゃははは! ついに神殺しまでできるたぁ、最高の展開だなぁ、おい!!」
「グングニルを……切ったじゃと!?」
襲来するセイバー、レッドライダーによって一転して窮地に追い込まれるイッセー達。
そして同時に最大級の脅威が襲来する。
「ふん。忌々しいグレモリーと下賤な転生悪魔どもが。まずはここで滅びるがいい」
「セラフォルーの妹ですか。ちょうどいい、セラフォルーへの手土産にあなたの首をいただきましょう」
「ちょうどいい、サーゼクス達の絶望を生み出しそうないい手土産ができるな」
そして最高の好機と見て、シャルバ達旧魔王派の三幹部も動き出す。
そしてまた、英雄派は新たな動きを見せていた。
「さて、俺達の聖槍が最強の魔王にどこまで通用するか、試すとするか、アヴェンジャー」
「態々教会と手を組むなんて酔狂ね。私に滅ぼされる理由を作るなんてさ」
「聖槍の保有者が二人!? く、聖槍を保有していた者が英霊となっていたのか!!」
曹操とアヴェンジャーの二人掛かりによる聖槍の二重奏が、最強の魔王たるサーゼクス・ルシファーに襲い掛かる。
「マスターの邪魔はナッシングだよっと! いこっか、アーチャー達!!」
「その成金趣味の鎧は結構気になるわ! 海賊らしく強奪しましょうか!!」
「OK。最近海賊というより蛮族っぽいからあれだしねっと!」
「チッ! 面倒な奴らに目を付けられたもんだぜ!!」
カラミティ・ジェーンに率いられ、アン・ボニーとメアリ・リードがアザゼルから人工神器を奪い取ろうと強襲する。
「……あ、サーゼクスにアザゼル、久しい」
とどめに現れるは、禍の団の代表となっている存在。
無限の龍神、オーフィス。
世界最強の双璧をなす存在を前に、サーゼクス達は真正面から問い質す。
「オーフィス。世界の趨勢に興味を示さなかった貴方が、何故禍の団に力を貸す」
「静寂が欲しい、それだけ」
「……おいおい、まさかお前、グレートレッドを……っ!」
その真実に辿り着く中、情勢は刻一刻と変化する。
「オーディンはセイバーがどうにかしてくれるだろうし、んじゃ、一応投降勧告はしておこうかな?」
現れるレオナルド・シルヴァ・ユグドミレニア。
彼は不敵な笑みと共に魔獣にその身を取り込ませ、イッセー相手に単独で渡りあう。
そして告げるは、最大の勧告。
「ぼく達と一緒に勝者にならないかい? 願望機と神滅具が組み合わされば、世界の覇権すら握る事だってできるはずだ。月並みだけど、世界の頂点に立つとか楽しくないかい?」
その勧誘に、しかしイッセーは首を横に振る。
考えるまでもない。考慮の余地がない。断じてありえない。
「その世界はお前らが好き勝手にする世界なんだろ? だったらありえねえよ!!」
「何故だい? 理由を聞きたいと思うんだけど……」
「んなもん―」
そう、兵藤一誠はあの光景を見た。
子供達が楽しそうに笑う笑顔あふれる光景。
そう、自分は―
「俺が、子供達のヒーローやる事が決まったからだ!!」
「よく言った、赤龍帝!!」
そして振り下ろされる紫炎を纏った九つの刃。
即座に展開される魔獣軍団相手に無双しながら、ルーラーがレオナルドを引き受ける。
「魔獣創造は抑える!! ゆけ、赤龍帝!!」
「ああ! こんなところで終わるつもりは、欠片もないからな!!」
ルーラーの援護を受け、そして発動する覇龍。
「この、真なる魔王の末裔を蜥蜴如きがぁああああ!!!」
「前魔王と同格以上に高められた、俺達を倒せるものか!!」
「セラフォルーの妹もろとも、滅びるがいい!!」
激突する旧魔王派三幹部と赤龍帝。
そして、全力の激突が空間すら揺らし―
渾身の力でクルゼレイとカテレアを倒し、シャルバを撃退したイッセー。
そして悪意に満ちたディオドラすら打ち倒した、レオナルドとセイバーを撤退させた彼らは、ヴァーリ達と対面する。
「ふふふ、良いものが見れるから上を見るといい」
ヴァーリの言葉につられて見つけたのは、オーフィスと対をなす最強の存在、赤龍神帝グレートレッド。
オーフィスが倒したい邪魔者であり、ヴァーリが倒したい目標。
その遊覧飛行を最後に、旧魔王派との激戦は終わりを告げ―
過酷な激戦を潜り抜けた後の体育祭。
イッセー達は身体能力の差と、鍛え上げられた体によって大活躍をする。
「大変でしたね、兵藤先輩」
「まったくだぜ。しかもディオドラの奴、シスターや聖女を口八丁手八丁で悪魔に堕落させるのが趣味とか言うんだぜ? 勢い余って殺しかけたよ」
のちに知りえたディオドラの下衆な所業に、イッセーは顔をしかめ、百鬼も同意を示す。
とはいえ、英雄派と対をなす禍の団の二大派閥である旧魔王派は大打撃を受けた。
筆頭である魔王末裔三人のうち、二人が戦死。一人の覇龍の力によって大きな打撃を受け、当面の戦闘は不可能だと断言されている。
とはいえ本命のサーヴァントは全員無事。此処からが激戦といっても過言ではないのだろう。
「オーフィスの目的がグレートレッドの撃破ってのはやばいですね。専門家の間では、次元の狭間にグレートレッドがいる事が安定に繋がっているって意見もありますから」
「そっか。グレートレッドをなんとかできれば、オーフィスは何とかなるかもって思ったんだけどなぁ」
そんな事を言いながら、イッセーと百鬼は空をなんとなく見上げる。
「……で、アーシア先輩はどうするんですか?」
「……俺は、ハーレム王を目指す男だ。答えは十分だろ」
唇の感触は柔らかかった。それだけで十分だろう。