この世界の未来は……。
DIOと、ジョースター家の因縁。
それは、決して切り離すことができない運命。
だからこそ、選ばれた。母胎として選んだのだ。
共に行くために選んだのだ。
花京院を救った翌日。
ホリィが倒れた。
おっとりした性格のホリィは、DIOの呪縛、そして自らに覚醒したスタンドを制御する力が無かった。
そのためスタンドが害となり、身体を蝕んだ。
高熱により意識を失い、やがてスタンドが命を奪う有様に。
しかし希望はあった。
アヴドゥルは、スタンドが害悪になる例を見たことがあるが、ホリィの場合は、50日という期限があり、なおかつスタンドを暴走させている原因であるDIOを倒せばそれを止めることができるということだった。
幸いにも、DIOの居場所は、ジョセフが念写した写真に写っていたハエを承太郎が見つけ、そのハエの種類から、エジプトにいることが分かった。
花京院が共に行く言い出し、旅立ちの準備の最中……。
「ひとつ教えな。」
『なにかな?』
承太郎が木舌に聞いた。
「お前達は…、DIOをぶっ殺すのが任務だったんだろ? 過去を変えてまで煉を送り出してんだ。お前らが最初の任務で失敗してるってことはだ…、俺達のことを知ってるのか?」
「ハッ!? まさか承太郎!」
『………言霊を、甘く見ると酷い目に遭うよ?』
「構わねぇよ。教えな。」
『…分かった……。承太郎、君達は……、DIOに負けてる。それが俺達が知っている未来だ。』
「なっ…!」
ジョセフ達は、その答えに絶句した。承太郎は、黙っていた。
「なるほど…、そうか。」
「承太郎…。」
「なら、変えればいいだけだ。」
『……そうだね。』
『だからこそ、お前達を閻魔庁が選んだ。旅立つお前達と共に行けば必ずDIOに届くからこそ。…結果的には、ジョースターの血筋を利用する形ではあるが。』
「……期待しないでいるぜ。」
『まあまあ、そう言わず。』
「…死なさない。」
「煉?」
「絶対に…勝つ。それしか、ない。」
『うん…。そうだね。そのために俺達は来た。お前も生み出されたんだ、煉。』
木舌が、煉の頭を撫でると、煉は、コクリッと頷いた。
『それはそうと。ひとつ提案があるんだ。』
『なんだ? 佐疫?』
『僕らが一度に6人出ると、どうも煉の動きが悪くなる。それってたぶん、煉の精神エネルギー量が6人分に全部回されてるからだと思うんだ。花京院との戦いで分かったことなんだけどね。』
『なるほど…、道理で身体がギクシャクしたわけだ。』
『そこでなんだけど、戦いのたびに、1人とか、2人とかにして、エネルギーを温存していこうと思うんだ。どう?』
『えーー! それじゃあ、俺戦えないかもしれないじゃーん!』
『敵によっては、お前がひとりで遠慮無く戦えば良い。もちろん、順番だ。』
『やったー!』
『それに、スタンドの性質の事前勉強で、距離が近ければ近いほどパワーが強くなるらしいし。僕らは極力、煉から離れず戦おう。僕らの本体の肉体は、獄都にあるんだ。精神だけここにあって、本体を煉ってことにして、繋いでいるんだからね。』
『もちろん、田噛。お前も、戦いには参加して貰うぞ?』
『……だりぃ。』
『ダメだよ、田噛。』
『チッ…。』
6人の中では、一番の頭脳派だが、その頭脳は、常にサボることに使っている田噛である。
そして、煉は、6人の獄卒と共に、ジョースター一行の一員として旅立つ。
DIOに敗北したという、最悪の未来を変えるため……。
このネタは、EOHみたいに、DIOに敗北した世界の可能性があった世界です。
やっと、旅立ち…、長かった……。
そして、煉と、スタンドとして存在している6人の獄卒ですが。
スタンドタイプで言うと、近距離パワーの群体型かも。(佐疫を除いて接近武器が多いので)
7人目のスタンド使いのスペシャルズみたいな感じですかね。