秩序の維持者となることはもちろんのこと、政治の腐敗を起こしてしまった銀河共和国や、反乱同盟軍などの反乱分子を生み出してしまった銀河帝国の轍を踏まないことであり、原因となる日和見主義、圧政、奴隷制度、差別などを禁止する。
ギムから1km地点
先遣隊約24000人はギム付近を目指して行軍していた。
「なぁ、相棒」
重装歩兵の1人が仲間に声をかける。
「しっ!無駄口叩くと騎士に怒られるぞ…」
「わかってる。小声で話そう…」
「で、何だ…?」
「少し前に味方のワイバーンが行っただろ…?」
「あぁ、けれども帰ってこないな…」
「全然戻ってこないのはおかしいだろ?」
「確かにおかしい。イヤな予感がする…」
その時、ワイバーンの声が聞こえてきた。
「やっぱり生きていた…」
「20騎ほどに減っているな…」
「ちょっと待て。ロウリアの紋章が無いぞ…」
「まさかな…」
「敵だ!」
怒鳴り声と同時に、2人より後ろに居た重装歩兵が炎によって焼かれた。
「クソッ!死んでたまるか!」
「逃げるぞ!」
2人は鎧を脱ぎ捨てて走る。
騎士の「逃げるな!」という怒号が聞こえるが、そんなのお構い無しに2人は逃げ出した。
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「攻撃成功!」
制空権が確保出来たため、ギム防衛隊のワイバーン部隊24騎は対地攻撃の為に出撃していた。
「制空権があればこっちのもんだ!」
「野郎ども、攻撃はまだ終わっていない。新兵器を使用するぞ」
「「ラジャー!」」
竜騎士達は、腰のベルトからサーマルデトネーターとブラスターライフルを取り出した。
「攻撃開始!」
投下されたサーマルデトネーターが、1発当たり歩兵を数十人規模で吹き飛ばし、ブラスタービームが敵兵を穿つ。
「結構な損害を与えたな。これより帰投だ。早くしないとミサイル攻撃に巻き込まれるぞ!」
ワイバーン隊が撤退した直後に大量のミサイルが着弾し、先遣隊は兵力の3分の1を失った。
「ミサイル全弾着弾を確認…」
AT-MPマークⅢの内部にて、観測手が報告する。
「良いぞ。後は、ここに来た奴らを叩くだけだ」
ヴィアーズ大佐はヘルメットの下でニヤリと笑みを浮かべた。
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東方征伐軍 本陣
「アデム指揮官、緊急事態です!」
伝令の兵士が駆け込んで来た。
「何があったのですか?」
「それが・・・」
「?」
「ギムへの攻撃に向かった、アルデバラン隊長率いる飛竜攻撃隊との通信が途絶えました」
「詳しい状況は?」
「空飛ぶ目玉が迫ってくる」という悲鳴を最後に通信は途絶してしまいました。
「空飛ぶ目玉ですか?変なことを言っていると、首を物理的に飛ばしますよ!」
「まあまあ、アデム君。怒鳴っても、途絶した結果は変わらない」
パンドール将軍が彼を諫める。
そこに、もう1人の伝令が入って来た。
「大変です!先遣隊が、ワイバーンの攻撃と謎の大規模な爆発によって兵力の三分の一を失いました」
「制空権を握られているのか・・・
それに、大規模な爆発?エルフの禁術、
もしくは発掘された魔法帝国の兵器か!?」
「将軍、援軍を呼ぶ必要性があります」
「確かにそうだな。アデム、王城まで出向いて援軍を要請せよ。こちらは、ワイバーン本陣に連絡する」
「了解しました」
アデムは馬に乗って、駆け出す。
しかし、アデムの行き先は明らかに港町の1つに向かう道であった。
「魔導兵器が現れた以上、攻略は失敗だ。
あの方に報告しなくては」
彼は、王国を捨てたのだ。
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「敵集団、再び前進開始」
「対ビークル砲、対人弾装填」
対ビークル砲に装填されたのは、新開発された子弾で攻撃する砲弾。俗に言うクラスター弾だ。
「対空ホバータンク、水平射撃用意」
「撃て!」
向かってくる集団の中でも足の遅い歩兵や弓兵が子弾の餌食となり、そこへ、対空レーザーの水平射撃が襲いかかった。
「騎兵隊、決して止まるなよ!先ほどの歩兵と同じ末路を辿ることとなるぞ!」
騎兵隊は、足の早さを活かしてギムまで300mの辺りに接近する。
「よく引き付けろ・・・・・・撃て!」
ブラスターライフルやウォーカーの主砲から赤い光弾の雨が騎兵隊へと発射される。
特に、AT-DTの放つ弾は着弾時に爆発する強力なエネルギー弾であり、敵に一発で多くの被害を出していた。
さらに、近距離で迫撃砲を喰らってしまい、木っ端微塵になる騎兵もいる。
騎兵隊の隊長が落馬し、近くにあった弓を拾って矢をつがえた。
「一矢報いてやr・・・」
しかし、スナイパーによる射撃を受け、最後まで言えずに散っていった。
異世界よ、これがセカンドオーダーの力だ。
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平原を歩く二足歩行のゴーレムらしき物。
それは、AT-STマークⅢ。
本陣を制圧すべく、機甲部隊に加わって動いていた。
両手のレーザー砲で完全に抵抗を排除し、指揮官がいるであろう建物を包囲する。
「将軍、SOを名乗る勢力が降伏を求めています」
「クワ・トイネでは無かったのか?」
「とにかく、決断を!」
「抵抗して死ぬか、降伏してもどうなるのか分からないの二択だ。私は、少しでも生きられる可能性がある降伏を選ぶ」
この日、征伐軍先遣隊は降伏した。