ワイバーン本陣
「先遣隊のワイバーンが全滅?!
そんなことがあるわけがない。
こちらには、150騎も居たのだぞ!」
「ですが、本当のようです。空飛ぶ目玉に襲われたと言う報告も付いています」
「空飛ぶ目玉か。前線の連中は精神を病んでいるみたいだな。どちらにせよ、海戦にワイバーンを多く投入するため、こちらからは多く出せん」
「パーパルディア製竜母に載せる分を考えても、50騎ほどしか送れませんが」
「それで良いだろう。それにしても、クワ・トイネ風情に負けるとは、陸の連中は情けない」
「とにかく、制海権を握れば、陸の損失を取り返すことができましょう・・・」
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竜舎
「相棒、元気にしているか?」
竜騎士ムーラは相棒のワイバーンに声を掛けた。
しかし、相棒はなぜか上空を警戒しており、一定の方向を見続けている。
気になったムーラは相棒と同じ方向を見て、目を凝らした。
「あれは、いったい・・・」
最初はよく分からなかったが、それが近づくと形が明らかになり、富裕層が持っている眼鏡のような形をしていることが分かる。
あんな物は見たことがない・・・
そうこうしている間に、その眼鏡?はワイバーン本陣の上空を通過。同時に
ムーラは何が起こったのか理解する前に爆風で数十m吹き飛ばされた。
「陽動成功。シャドウ中隊は港を攻撃せよ」
TIEボマーが行った爆撃は、制空権を奪取するだけではなく、港にいるロウリア軍の注意を引き付ける役割も果たしていたのだ。
その一方、港に向かって飛んでいる複数の機影が存在していた。
「野郎ども、心の準備は出来ているか?」
「「おう!!」」
「では、作戦をもう一度確認しよう
今回、我々はシャドウ中隊による小型帆船に対する爆撃の後に、比較的大型な船である戦列艦と竜母にガンシップから直接降り立って制圧する。諜報員によると、10隻の戦列艦と3隻の竜母が停泊しており、出港はまだ先だったために船内には6人ほどが滞在している。
我々が制圧している間、ガンシップは施設に対して攻撃を行う」
兵士達はブラスターにカートリッジを装填し、バイブロナイフとシールドを点検する。
「装備の準備も出来たようだな、移乗に備えろ」
12機のTIEボマーがガンシップ群を引き離し、攻撃態勢を整える。
「こちらシャドウリーダー。各機、サーマルデトネーターを投下せよ」
「「ラジャー!」」
TIEボマーがガレー船の群の上に差し掛かり、サーマルデトネーターを大量に投下する。
多くの小規模な爆発が一斉に起こったことで威力が増大し、ガレー船の群を吹き飛ばす。
遅れて来たガンシップが、戦列艦などの上に静止する。
「移乗だ!」
スライドドアを開く。すると、2人の兵士が腰を抜かしている。トルーパーはブラスターのスタン機能を使用して気絶させた。
「クリア!」
「盾持ちは前に出てくれ」
盾を持ったトルーパーが扉を蹴破り、先陣を切って突入する。
「死ね!」
突然、剣を所持した水兵が斬りかかる。
だが、盾でガードされてしまい、スタンバトンの一撃を受けて昏倒した。
「危なかった…」
部隊は順調に艦内を制圧し、全ての戦列艦と竜母を掌握した。
「各機、レーザー砲を使用せよ!」
12機のTIEボマーからレーザーが発射され、大量のガレー船を粉砕、炎上させる。運悪く、レーザーや火矢用の油壺の引火による爆散に巻き込まれた水兵もいた。
船団が燃えている・・・
もうダメだ・・・
反撃したいが、相棒のワイバーンは木材に挟まれて動けず、ムーラ自身は骨折した。
「クソッ!!」
ムーラは自らの無力さに苛まれるのであった。
海軍司令部
「シャークン海将、襲撃を受けています!」
「何?どうして気付かなかった?!」
「爆発したワイバーン本陣の方角に全員が気を取られていました」
「先程の爆発は陽動だったのか・・・」
「現在の襲撃によりガレー船は激減してしまい、戦列艦と竜母は掌握されました。
さらに、
「そろそろ降伏を勧告するころだ」
搭載されたスピーカーから声が聞こえる。
「我々はセカンド・オーダーである。其方には抵抗できる力は無い、直ちに降伏せよ!これ以上の出血は求めていない。捕虜に関しては丁重に扱うことを約束しよう」
「もはやこれまでか・・・」
「海将…」
「私は無能の将軍として記録されるだろうが、若い者が生き残れればそれでよいのだ」
シャークンらは降伏した。それも、必死に用意したガレー船4400隻のうち港に停泊していた1500隻を犠牲にして・・・
次回はクワトイネ側の反応が出ます。
○シャドウ中隊
本作オリジナル部隊で、TIEボマーなどを扱う部隊。