クワ・トイネ公国政治部会
「セカンド・オーダー軍とロウリア軍の戦闘について、報告します。今回の報告書類は観戦武官からの報告だけでなく、SO側が示した情報と密偵からの情報を織り混ぜています」
首相のカナタは頷く。
「まずは、ギムの戦いです。最初に衝突が発生したのは空で、SOの目玉型飛行機械─通称セカンドオーダーTIEファイター96騎と、ロウリアのワイバーン150騎が衝突しました」
「ロウリアのほうが多いな・・・」
軍務卿が思わず呟く。
「ロウリアは、上下左右に展開した大量のワイバーンで包囲して一斉に火炎弾を浴びせる多数殲滅隊形─マルチ隊形にて先制攻撃を仕掛けました。しかし、時速1000kmを普通に出せる飛行機械に当たることはありませんでした。
その後、飛行機械は搭載した魔光砲による攻撃を仕掛け、ワイバーンの反撃はありましたが、直撃した火炎弾は魔導障壁によって弾かれてしまい、ろくな抵抗もできずにワイバーンは壊滅しました。そして・・」
「ちょっと待った!」
突然、外務卿リンスイが割り込む。
「彼らは魔法を使えないと聞いていたが、その説明では魔法系の技術を使えることになるぞ」
「説明が足りませんでしたね。確かに、彼らは魔法を使えません。今回、魔光砲や魔導障壁と呼んだのは、彼らの科学由来の兵器を想像しやすくするためでした。報告はまだ続きますが、このような説明を行いますので、ご了承ください」
「わかった」
「空戦の終了後、ギムからはワイバーンが24騎発進し、地上部隊に攻撃を開始しました」
「SOもワイバーンを使用するのだな」
「はい。彼らは制空権さえ取れていれば、地上に対する攻撃にワイバーンなどの生物を投入することを戦術の1つとしています。彼ら曰く、前の世界でも生物を戦争に投入することはあったそうです」
「だが、格下にしか通用しなそうだな・・・」
「ワイバーンの攻撃後、ギムに配備された
本陣も魔光砲を両手に装備した
一方的すぎるな・・・もしも敵対してしまったら、第2のロウリアになりかねん。機嫌を損ねないように対応しなければならない。
カナタは内心怯えていた。
そうだ、彼らへの食料の提供を増やそう。
それが良い。
「実は、SOは本陣を制圧したのと同じころに、別の作戦を行っていました」
「「別の・・作戦?!」」
「それは、港─それも、ギムに最も近くに存在する港に対する攻撃です」
「彼らは速いな・・・」
「この作戦の結果、海将シャークンと生き残りの竜騎士1人、大勢の幹部が捕縛され、文明圏による支援で貰ったとされる、戦列艦と竜母が鹵獲されました」
「戦列艦と竜母を取られたか・・・」
「これにより、ロウリアの侵略は停止しています。そして、SOは王都を攻撃するようです」
「ロウリアは災難だ。我々を攻めるつもりが、実際は格上にケンカを売ることになっているとはな」
軍務卿はロウリアを哀れんだ。