銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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第9話 王国の最後

 

 王都ジン・ハークから1km地点に、セカンド・オーダー軍は展開している。運び込まれたビークルの中に、一際目立つウォーカーが存在していた。

 

それは、AT-DESTROYER(デストロイヤー)*1

転移前に独立艦隊によって極秘に開発されていた新型ウォーカーであり、肩には大型の実体弾砲が積まれている。それもただの砲ではなく、イオンが含んでいる電気を利用して弾を打ち出す、イオン加速式実体弾発射砲と呼ばれる、事実上のレールガンである。

 

試験中であった一号機は、試射として城壁を破壊するために展開していたのだ。

 

 

王都入り口 関所

 

 関所の前に、幌を取り去った馬車が現れ、黒服と仮面を着用した怪しい人間が降りてきた。門番は止まるように促すが、止まらない。

 

「そこの奴!止まれ!」

 

「黒いお前だ!聞こえているのか?!」

 

馬車を降りたその人間は、槍を交差させた2人の門番の前で止まり、手をヒラヒラさせる動きを見せた。

 

「こいつ、怪しい・・・捕縛するぞ」

 

門番は手をヒラヒラさせている人間に近づく。

すると、人間は声を発した。

 

「私は、怪しい者ではない。ここを通せ」

 

 

「貴様は怪しい者ではない。ここを通そう」

 

先程まで怪しんでいた2人は、なぜか彼を通してしまったのだ。

 

馬車に乗った黒い人間は、そのまま誰もいない路地裏に入り、仮面を取る。その顔は、サイモンであった。

 

さらに、黒い装甲服のトルーパーが12人、サイモンの回りに実体化した。

 

「最高指導者様、今のは?」

 

1人のトルーパーが尋ねる。

 

「今のは、マインド・トリック。精神を操るフォースの技の1つだ」

 

「フォースという物は便利ですな」

 

「だが、マインド・トリックが効かないものも存在する。例えば、ハット族やトイダリアンにはマインド・トリックが効かない。そんなことより、クローキング装置の実戦使用は上手くいったな」

 

「はい。使い方しだいでは、こちらを少数に見せることが可能となります」

 

「作戦開始だ。こちら、潜入隊。砲撃を行え」

 

 

「ラジャー」

 

AT-DESTROYERの加速砲が、1km先の城壁を向く。

 

「イオン、充填完了」

 

「3・・2・・1・・・発射!」

 

甲高い音とともに、砲弾が発射される。

 

砲弾は、城壁を粉砕した。

 

 

「爆発?!」

 

「敵襲!敵襲!」

 

多数の兵士達が、爆発した城壁へ向かう。

 

「陽動は成功だ。行くぞ」

 

守りが手薄となったハーク城へと到着した部隊は、アセンションケーブルを撃ち出し、壁を登る。

 

ベランダに降り立ち、ガラスをE-11ブラスターライフルで破壊して派手に突入した。

 

「半数は、下の兵士を食い止めろ。残りは私とともに来い。いいな?」

 

「「ラジャー!」」

 

Z-6回転式ブラスター砲を装備した者は、下の兵士を食い止めるために、2つだけある階段へと向かった。

 

サイモンが率いる部隊は、王の自室までの廊下を進む。

 

剣や槍、時には、魔法や弓での抵抗は有ったものの、近接武器は射程外から一方的にやられ、魔法や矢はライトセーバーによって弾かれる。

 

彼らに勝つことは不可能である。

 

一方、自室の前では、近衛隊長ランドが立っていた。

 

近衛騎士団は多くが破れ去り、せめてでも王を逃がすために、時間稼ぎをすることにしたのだ。

 

やがて、1人の男が現れる。

見ると、人間とは思えない白い肌であり、黒いアーマーを着ていた。

 

「やあ、こんにちは。近衛隊長のランドと申します。少し、お話ししま・・・カハッ!」

 

浮遊感と共に、首が絞められる。

しかも、相手は一切触れていない。首の前で、手を握っているだけだ。

 

「茶番など要らん。ここを通せ」

 

通せる訳がない。王は我々の光だ・・・グホッ!」

 

さらに強く絞められる。

 

「隊長!」

 

柱に隠れていた近衛兵が出てくる。

 

私に構うな。殺れ・・

 

近衛兵達は斬りかかる。だが、

 

「今だ」

 

高音とともに、複数の光弾が近衛兵に直撃し、近衛兵は死に絶えた。同時に、黒ずくめの兵士が出現した。

 

部隊が・・・1人だと思って油断してしまった

 

「お前の負けだ」

 

壁に叩きつけられ、気絶した。

 

 

6年もの歳月をかけ、列強の支援と服従と言っていいほどの屈辱的なまでの条件を飲み、ようやく実現したロデニウス大陸統一軍、錬度も列強式兵隊教育により上げてきた。

 

資材も国力のギリギリまで投じ、数10年先まで借金をしてようやく作った軍だ、石橋を叩いて渡るかのごとく軍事力に差をつけた。

 

圧倒的勝利で勝つはずだった。

 

しかし、ギムを攻めてから、運命の歯車は狂った。

 

後で判明したが、ギムは所有権がクワ・トイネからセカンド・オーダーに移っていた。

 

SOなる勢力と衝突し、統一軍先遣隊は反撃も出来ずに壊滅した。

そして、王都が攻撃されるに至る。

 

敵は迫っており、扉の向こうでは、高音とともに近衛兵の悲鳴が聞こえる。

 

黒ずくめの一団が自室に雪崩れ込む。

 

「ま・・・まさか・・・魔帝軍か!?」

 

ハーク・ロウリアは恐怖に慄き、尋ねる。

 

1人が前に出て、話す。

 

「魔帝ではない。セカンド・オーダーだ。

 貴様を拘束する」

 

彼の腕に、スタンカフ*2が付けられた。

 

 

たった3日で終結したこの戦争を、

惑星の民は3日戦争と呼び、

SOはロデニウス紛争と呼んだ。

 

*1
オリジナル

*2
抵抗すると、電流が流れる手錠




ロウリア王国は終了しました。
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