「終わりましたね、サイモン様。戦後処理はどのようにするおつもりで?」
「大前提として、旧ロウリア領の主権は全て我々に有るものとし、軍隊は一次的に解散とするが、新たな軍隊を設立するまで、自警団を結成させる。ここまでは良いのだが、我々に反発する者もいるはずだ。そこで、拘留されているハーク=ロウリアを釈放し、形だけの代表とする。さらに、インフラや法律、制度の整備、奴隷解放、スラム街の貧困層支援、マフィアや盗賊などの犯罪組織の撲滅などを行い、支持率を上昇させる。この統治の方法は、後々他の土地を占領する際の基本となるだろう」
「この国には、奴隷が存在するのですね」
「そうだ。言うなれば、小さなタトゥイーン。そのような国が、第三文明圏には複数存在する」
「この惑星から奴隷が無くなってほしいと、私は思っています」
「是非、目指したいものだ。だが、我々の知名度は低い。それに、敵対視する国家は多いと思われる。だからこそ、懐柔策が必要だ」
「懐柔策ですか?」
「あぁ、クワトイネやクイラとの関係は良好であるものの、こちらを恐れている可能性は高い。現に、クワトイネはこちらの機嫌取りのために食料の提供を増やしており、クイラは提供する駐屯地の用地を増やしている。
いつ、民衆の不満が爆発するかも分からん。
だからこそ、懐柔策なのだ」
「今回は懐柔策として、クワトイネ=ギム特別区間のコンヴェイエクス輸送車*1の路線を延伸する形として、ロデニウス大陸に環状輸送網(無料)を設置する。さらに、鹵獲したガレー船や戦列艦、竜母の一部を譲渡することにした」
「我々に出来るのはそれぐらいでしょうね」
「確かにな。だが、問題は戦後処理の後だ」
「我々がこの惑星で生き残るには、惑星の勢力との付き合い方を真剣に考える必要があります」
「そのことだが、方針の簡単な骨組みは、ロデニウス紛争の前にできていた。この惑星に関して以前より詳しい情報を得た今こそ、方針を完成させなければならない。この方針を名付けるとすれば、ヤムト・プランだ」
「サイモン=ヤムトのプラン、
略してヤムト・プランですね」
翌日
旧王都ジン・ハークの
「最高指導者様に敬礼!」
佐官クラスのトルーパーがサイモンに敬礼をした。
「よく頑張ってくれているようだ。君が隊長だな?」
「はっ。ヘンリー少佐であります!」
「状況はどうだ?」
「はっ。スラム街の半分まで進出し、多くの奴隷商人やマフィアを拘束し、押収及び奴隷の解放は順調に進んでいます」
「このまま続けてくれ」
「最高指導者様、1つ質問してもよろしいですか?」
「何だ?」
「解放した奴隷や路上生活者をどのようにするおつもりですか?」
「いい質問だ。現在の所、奴隷に押収した物を換金して分配することになっていて、奴隷と路上生活者双方に水分農場などの仕事と簡易住宅を与えることにしている。希望者がいれば、SO軍に入隊させることも認める」
「それならば安心ですね」
支持率が上がり、軍の人員を増やせる。
一石二鳥という奴だ・・・
解放の終了後、500人の奴隷と路上生活者が職と家を得ることになり、そのうち150人*2がSO軍への入隊を希望し、SOアカデミーに入学した。
次回から番外編(魔王)の話と本編を交互に投稿します。