銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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今作のカイオスは完全なる悪人(変態)です。


第15話 開戦直前

パーパルディア皇国 第3外務局

 

 第3外務局長カイオスは、セカンド・オーダーの使者を待っていた。数ヶ月前、若干の脅しをしつつ、旧ロウリア王国領を返還するように要求したが、その場で決定されることはなく、今日まで持ち越されていた。

 

カイオスは、黙って返還してくれれば、特に要求はしない・・・なんてことはなく、どっちにしろ別の要求を加えるつもりだった。

 

そして、使者が来る。やって来たのは、護衛らしき紺色の服の男と青い服の若い金髪美女だった。

 

この女が使者・・・なかなかの上玉だ。

歳も20代ぐらいか?セカンド・オーダーを下した際には是非、私の愛人(奴隷)にしたいものだ。

 

護衛の男は別の部屋に入れておくことにして、

カイオスは使者を部屋にいれた。

 

 

別室

 

表向きは護衛として副官セリシアに同行していた最高指導者サイモンは、別室に入れられていた。

 

あの男、何かを企んでいるな・・・

 

セリシアを見るカイオスの目付き。

異様な別室への兵士の配置。

 

全てが怪しい。こちらに戦争を仕掛けてこようとしているのは分かる。戦争以外に何かを仕掛けてくるのは確定しているが、分からない。

 

サイモンは、最大限警戒することにした。

 

 

局長室

 

「こちらに対する返事はどうなりましたか?」

 

カイオスがセリシアに言う。

 

「最高指導者様の伝言を預かっていますので、

 今から代読します」

 

果たして、最高指導者とやらは賢明な判断を下したのだろうか・・・?まぁ、いつかは滅ぼすことになるのだがな。その時は、この女を・・・

 

「では、読み上げます。

 

我々セカンド・オーダーは、貴国からの要求を蹴ることにした。ロウリア王国が保護国とは言っていたものの、実際は保護国でもなく、ただの搾り取る対象でしかなかった。他の列強の後ろ楯があると言っていたが、列強ムーはそれを否定している。つまり、貴国は嘘を付いていた。そんな国家とは付き合うことは不可能だ。

 さらに、パーパルディア皇国は周辺の国家及び属領に対して、恐喝と見てとれる外交や搾取を繰り返しており、世界の秩序を乱している。我々はその姿勢を許すことができない。よって、

我々セカンド・オーダーは、貴国に対して宣戦を布告する」

 

「宣戦布告だと?!それに、列強に対して宣戦布告する貴様らのほうが世界の秩序を乱しているではないか!この世界は列強こそ正義(ルール)。特に、この第3文明圏内にて、皇国は秩序そのものだ!」

 

「皇国を破り、我々が秩序となります」

 

「武装勢力風情が列強に勝てるとでも?

 現在、皇国はアルタラス王国と戦争に突入し、王国本土に派兵しているが、もうじき陥落するだろう。文明圏外国家が勝てないのだから、ましてや武装勢力では勝てるはずがないのだよ」

 

「実際に戦えばわかるでしょう」

 

「もし皇国に敗北すれば、首脳陣はほとんどが処刑。領地の民も、全てが奴隷となる。貴様も、名指しで私の奴隷となり、屈辱を味わうこととなるぞ」

 

「そんなことは分かっています」

 

これだけ言っても変わらぬか・・・

 

弱いゴブリンこそよく吠えるものだ。

 

そうだ・・・どうせ向こうが敗北するだろう。今の内にあの女を奴隷としてしまおう。

 

カイオスは兵士を呼び、小声で耳元に囁く。

 

命令して数分後、3人の兵士が局長室に入ってくる。そして、セリシアに銃を突き付けた。

 

「何の真似ですか?」

 

「助けを呼ぼうとしても無駄だ。護衛の男も、今ごろ死んでいるはず・・・・・・え?」

 

見ると、あの護衛が立っていた。

 

「貴様は死んだはず!」

 

「お前に、俺は・・・殺せない」

 

「今度こそ殺せ!」

 

兵士が発砲しようとするが、何故か銃身が曲がってしまい、謎の衝撃波で兵士は吹き飛んだ。

 

「貴様・・・何をした!」

 

「知る必要はない。痛い目に遭ってもらう」

 

「え?」

 

「喰らえ」

 

サイモンの手からフォースライトニングが放たれ、カイオスに当たる。長時間照射され、彼は醜いしわくちゃの顔になっていた。

 

「私の顔が・・・」

 

「それでは、帰らせてもらう」

 

2人は、出ていった。

 

「おのれ・・・・決して許さんぞ!

 

──────────────────

 

皇宮

 

「皇帝陛下、カイオス様が来ています」

 

主従長が、皇帝ルディアスに報告した。

 

「通せ」

 

ルディアスの前に、フードを被ったカイオスが現れた。フードを被っていることを疑問に思ったため、ルディアスは彼に尋ねる。

 

「その姿はどうした?」

 

「まず、セカンド・オーダーの使者が来たことを知っておいでですか?」

 

「あぁ」

 

「奴らに宣戦布告されました。さらに、あろうことか使者の護衛がいきなり電撃で攻撃してきたのです。その結果がこの醜い顔になります」

 

彼はフードを取った。

 

その顔は恐ろしいほど青白く、目は白目の部分が黄色い。深い皺も合わさって異形のようであった。

 

「酷いな・・・奴らもそこまで反抗するか。

 攻めてくるのならば、滅するのみだ」

 

「皇帝陛下、セカンド・オーダーを制圧するのであれば、その際に捕らえた人間から1人だけ、特に上層部の人間を奴隷として私が選ぶ権利をいただきたいのです」

 

「いいだろう。そういえばカイオス、

 アルタラス攻略に関して報告はあったか?」

 

「いえ、ありません。おそらく、戦利品に夢中で報告を忘れているのでしょう」

 

「それでも報告がない場合は、こちらから人間を送って確かめることとしよう」

 

「それでは、私はこれで・・・」

 

カイオスは出ていった。

 

「アルデはいるか?」

 

「はっ、アルデはここにいます」

 

玉座の後ろの柱から、軍の最高指揮官アルデが

現れた。

 

「我が命じる。ロデニウス大陸を制圧せよ」

 

「大陸を・・・ですか?」

 

「そうだ。成功すれば、現地の国土と人間を好きに扱うことを許そう。ただし、人間に関しては現地の上層部の人間以外だけだ」

 

「ありがたき幸せ!」

 

「準備はどのくらい掛かるか?」

 

「はっ、大陸を制圧するには大兵力が必要なため、集結に1週間は掛かります。たとえその間にこちらへ攻めてきたとしても、相手は文明圏外なので簡単に蹴散らせるでしょう」

 

「分かった。では、頼んだぞ」

 

 

後の歴史書には、この日が皇国の運命を決めた分岐点として、記されている。

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