銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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第18話 皇都強襲作戦(1)

エストシラント沖を進む1つの艦隊があった。

それは、ロウリア区海上警備隊の艦艇で構成される陽動部隊である。旗艦の機械竜母アルデバランにて、ある男が指揮を執っていた。

 

彼はシャークン。そう、元はロウリア王国海軍の海将であり、セカンド・オーダーに捕らえられていたものの、海上警備隊設立にあたって雇用されたのだ。

 

「海軍本部の警戒区域までどのくらいだ?」

 

「はっ、本部直属ワイバーン部隊の哨戒区域はもうそろそろです」

 

「わかった。ワイバーンに発見されたとしても、撃墜せずに放置する。皇国海軍主力艦隊がある程度離れたことを確認できしだい反転し哨戒機を撃墜。そして、潜水艦隊に連絡だ」

 

「了解」

 

 

海軍本部直属哨戒部隊 1番哨戒騎

 

「1番騎から本部へ。謎の艦隊を確認した。

指示を請う」

 

「本部より哨戒騎へ。謎の艦隊に接近し、

判明したことを報告せよ」

 

「了解」

 

ワイバーンロードは謎の艦隊へと近づく。

 

やがて、艦隊の全貌が明らかになった。

 

「哨戒騎より本部へ。謎の艦隊は、帆無しの100m級竜母を中心とし、その回りをムーの小型砲艦に酷似している艦が30隻囲んでいます」

 

「了解した。貴騎はそのまま謎の艦隊上空に空中待機し、何か動きがあれば連絡せよ」

 

「了解」

 

哨戒騎からの報告は、海将バルスの元に届いていた。

 

「謎の艦隊?」

 

「はい。哨戒騎から報告がありました。

これが報告書です」

 

バルスはそれを見た。

 

「帆無しの100m級竜母に、ムーのものに酷似した小型砲艦か・・・おそらく、セカンド・オーダーの部隊だろう。もしかすると、ムーが兵器を輸出したのかもしれんな」

 

これは、苦戦するぞ。数で押すしかない・・・

 

「第1、第2、第3艦隊に出撃命令!

物量で押し潰すのだ!」

 

 

「偵察機より入電、艦隊が出撃したとのこと」

 

「わかった。全艦反転!また、上空の哨戒騎を撃墜せよ!」

 

すぐにアルデバランの回転式ブラスター砲が火を吹き、哨戒騎が撃墜された。

 

「偵察機より再び入電、竜母艦隊よりワイバーンロードが出撃、確実に200騎以上はいるとのこと」

 

「航空支援を要請せよ!」

 

航空支援が要請され、大気圏上層に待機しているヴェネター級ヴィジランスから130機、インペリアルⅠ改級シュトラールからは72機のTIE/SOファイターが。アルタラス王国のルバイル基地からは、アルタラスの戦いにおいて活躍したロウリア区防衛軍所属のエアスピーダーが50機発進した。

 

 

「謎の艦隊を補足、全機突撃せよ!」

 

ワイバーンロード部隊250騎は、海上警備隊の艦隊へと突撃を開始した。が、

 

 

 

 

艦隊の奥から何かが飛んでくるのに気づいた。

 

「何か来るぞ!」

 

確かに、奥から├◯┤の形をした物が多く来ている。そして、緑の光弾が大量に襲いかかった。

 

「前衛が喰われた!」

 

陣形が崩れたところに、すかさずTIE/SOファイターが突っ込み、格闘戦にもつれ込む。遅れて到着したエアスピーダーが下からワイバーンを追い込み、上からTIEが襲いかかる、肉食獣の狩猟とも呼べる一方的な虐殺だった。

 

「ワイバーンロード250騎、全て撃墜されました」

 

「やられたか・・・」

 

第3艦隊提督、アルカオンの表情が暗くなる。

 

「本部より連絡、竜母は温存のため後方に下げ、3艦隊は密集して敵艦隊に突撃せよとのことです」

 

この本部の指示で3艦隊は、突撃を開始する。そして、本部から離れた所まで陽動に掛かって移動してしまっていた。この時点で、海軍本部を守る物は沿岸砲のみとなる。

 

 

海軍本部の港

 

本部の港を掃除していた掃除夫シルガイアは、沖に出ていく艦隊を見ていた。

 

あのバルスがこの大艦隊を指揮しているのか。

 

「あいつは出世したなぁ・・・」

 

学生時代、彼とバルスはライバルだった。

能力はほぼ変わらなかったが、運とセンスの面で負けており、それがつもり積もってこの差となっている。

 

「あいつは、全てを手に入れたが、俺は、何も手に入れられなかった・・・」

 

彼はため息を着き、再び海を見る。

 

 

すると、何かが湾の中に浮上してきた。

 

「何だあれは!?」

 

それは、青い色をしている。

 

彼は、監査軍の兵士から聞いた話を思い出した。

 

それは、フェン王国に懲罰攻撃を仕掛けた際、青色の海魔に襲われたという内容だ。

 

目の前にいるのは海魔に違いない。

 

まずいぞ・・・・ここから離れよう。

 

その瞬間、海魔から緑の光弾が複数飛来し、沿岸の砲台群が文字通り蒸発してしまった。

 

やはり、例の海魔だ。緑の光弾を撃ってくるという特徴が一致している。

 

 

「敵の沿岸砲台、完全に消滅」

 

「よし、海軍本部へ誘導ミサイル発射!」

 

プロヴィデンス級インヴィシブルから、紫の光と煙を引いた3発の誘導ミサイルが発射され、海軍本部へと飛ぶ。

 

誘導ミサイルを見たシルガイアは、それが海軍本部へ向けられた攻撃であると理解し、海将バルスの死が近いことを察してその名を叫ぶ。

 

「バルス!」

 

直後、ミサイルが全て直撃して爆発する。

 

彼の叫びが原因となったかどうかは分からないが、海軍本部はバルス以下本部職員を巻き込んで崩壊した。

 

「あいつが呆気なく死んだ・・・」

 

この時点で、海軍の指揮能力は失われた。

 

一方、そんなことはいざ知らず、皇国主力艦隊は突撃を敢行していた。

 

 

「インヴィシブルより入電、沿岸砲台及び海軍本部を破壊したとのこと」

 

「全艦再び反転、敵艦隊に攻撃する。本艦の航空隊は発進せよ!」

 

アルデバランより、ワイバーンボマーと低空強襲トランスポートが発進する。

 

ワイバーンボマーは急降下爆撃をし、爆弾を喰らった艦は船体を真っ二つにへし折られた。

 

トランスポートはミサイルを叩きこみ、対人レーザー砲で船体に穴を空けつつ、合成レーザー砲で対魔弾鉄鋼式装甲を溶断する。

 

小型砲艦も攻撃に移り、主砲の絶え間ない攻撃が艦隊を襲う。

 

「戦列艦マルタス、レジール、カミオ、ターラス轟沈・・・・・被害はさらに増大中!」

 

 

「全艦、プロトン魚雷発射!」

 

小型砲艦の後甲板より各艦2発、合計60発のプロトン魚雷が発射された。

 

赤い光の矢が、次々と艦隊に突き刺さって爆発する。

 

「本艦にも飛んできます!」

 

「取り舵いっぱい!」

 

回避を指示するが、遅い。

 

第3艦隊旗艦、超F級150門戦列艦デュオスにプロトン魚雷が2発当たり、デュオスは轟沈した。

 

第1第2艦隊も突撃してくるが、やることはほぼ同じだ。

 

航空攻撃、砲撃、プロトン魚雷。作業のように行われる。ルバイル基地から補給を終えて再出撃したエアスピーダーも加わり、主力艦隊は竜母を残して壊滅した。

 

これは、海の戦い。

 

この一方で、陸軍基地への攻撃が始まっていた。

 

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