銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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第19話 皇都強襲作戦(2)

 

 海上警備隊が海軍本部を攻撃している一方、陸軍基地に対する攻撃が始まろうとしていた。

 

「攻撃部隊、出撃」

 

ヴェネター級ヴィジランスとゴザンティ級クルーザーより、爆撃機であるTIEボマー40機とその強化型のTIEスーパーボマーが20機、護衛のTIE/SOディフェンダーが10機発進した。

 

 

皇都エストシラント 北東空域

 

 第18竜騎士団 第2中隊のワイバーンオーバーロード20騎は、北東の空域を飛行していた。隊長のデリウスは、ベテラン団員のプカレートと魔信で会話する。

 

「プカレート、セカンド・オーダーについて知っていることはあるか?」

 

「確か、皇国を倒して新たな秩序になるという、大層なことを宣言した蛮族だったような・・・」

 

「それが、共通の認識だな。で、セカンド・オーダーについてなんだが、とある情報が海軍本部から回ってきている」

 

「なんですか?」

 

「それが、セカンド・オーダーらしき艦隊が南方より接近しているという情報だ。そして、帆無しの100m級竜母と多数の小型艦で構成されているのだが、全ての艦がムーの軍艦と似通った部分があるらしい」

 

「まさか、列強ムーが背後に?」

 

「その可能性がある。となると、100m級竜母の艦載騎は飛行機械マリンかもしれない」

 

「本当にそうならば、第3艦隊のロード種だけでは太刀打ちできません」

 

「とはいっても、竜母は1隻だけ。物量で押すことは可能なはずだ。仮に竜母戦隊が敗北したとしても、皇都防衛隊がいる。オーバーロード種はマリンに対抗するために作られた種。マリンを必ず落とすだろうな」

 

「ですね」

 

隊長が再び前方を見ると、前方より何かが飛来してくるのを感じた。

 

「各騎、警戒せよ」

 

双眼鏡で前方を確認。

 

すると、球状で3枚の板を付けた物体が10体、かすかに見える。

 

隊長は記憶を総動員して、物体の正体を探る。

 

士官学校の教本、昔話・・・いずれにも、一致するものは一切無い。いや、待てよ?元ロウリア軍の竜騎士が、隣国に攻めた際に2枚の板を左右に付けた空飛ぶ目玉に襲われて、自分以外が死んだと言っていた。だが、あの物体は3枚の板を付けている。もしかすると、目玉の上位種かもしれない。とは言っても、負けるつもりはない。こちらは第3世代のオーバーロード種で、最新で、最強なのだから。

 

「各騎、あれは敵だ。必ず落とせ!」

 

「「了解!」」

 

 

 

「あの動き・・・こちらに気付いたようだ」

 

「そのようです。目の良さだけは褒めてやりたいですな」

 

「各機、対空用のミサイルを用意しろ。相手は20騎、こちらは10機、各機それぞれ2発だ。相手との距離、500mで撃て」

 

「「ラジャー!」」

 

 

「火炎弾、発射準備。至近距離で撃つぞ」

 

ワイバーンオーバーロードの部隊は、あろうことか至近距離で撃つことを選択してしまった。ミサイルを知っていないことから起こる弊害だ。

だが、ミサイルを知っていたとしても、最新鋭戦闘機TIE/SOディフェンダーには、逆立ちしても勝てない。

 

ついに双方の距離が500mになる。

 

「撃て」

 

ディフェンダーの上部に設置されたソーラーコレクターとコックピットの間から、ミサイルが2発発射され、オーバーロードに向かう。

 

「敵機、何かを発射!」

 

「散開せよ!」

 

全ての騎が回避機動を取るが、ミサイルはそのまま追尾する。

 

無慈悲にミサイルは命中し、部隊は全滅。

肉片が市街地に降り注ぐ。

 

戦場など知らない住民達は、悲鳴を上げ、気絶する者もいた。最強なはずのワイバーンオーバーロードが簡単に落ちた。絶望しかない。

 

「全騎、撃墜を確認」

 

TIE/SOディフェンダー部隊はTIEスーパーボマーと合流し、通常のボマーを後方に置いて滑走路を破壊しに向かった。

 

─────────────────────

 

北方陸軍基地

 

「緊急事態発生!北東空域を飛行中のワイバーン部隊の反応が消失した。待機中の第3中隊は緊急発進(スクランブル)して確認に向かい、必要ならば敵騎を要撃せよ」

 

滑走路を第3中隊のワイバーンオーバーロードは縦一列で走り、離陸を試みる。が・・・・

 

「敵接近!」

 

隊員が叫ぶ。

 

「目玉の化け物だ!」

 

聞きなれない音とともにTIE/SOディフェンダーに搭載された6門のレーザー砲が火を吹いた。

 

 

「第3中隊が殺られた!」

 

皇都防衛隊陸将であるメイガは、いきなりのことに驚いて叫んだ。

 

10体の空飛ぶ目玉は、そのまま高度を上げて空へと消えていく。

 

基地に警戒アラートが鳴り響き、戦闘体制へと移行する。そして、ワイバーンの発進が再び始まろうとしていた。しかし、敵は待ってくれない。

 

「第2波、来ます!」

 

今度は中心に棒を付けた眼鏡の化け物が20体だ。

 

「攻撃開始!」

 

TIEスーパーボマーの機首に搭載された回転式レーザー砲 が、滑走路へと発射される。これは、ただのレーザー砲ではなく、AT-DTの主砲のエネルギー弾を参考に強化されており、爆発するレーザーを撃てる砲となっている。そのため、攻撃を受けた滑走路はボロボロになってしまった。

 

TIEスーパーボマー編隊は反転し、滑走路を完全に破壊するために震盪ミサイルを発射する。

 

ミサイルが滑走路に多数着弾し、爆発とともに大きな振動が起こる。メイガの目の前のガラスが割れてしまい、彼の目に突き刺さった。

 

「目が、目がぁ~!!イッタイ、メガァ!!!」

 

あまりの痛みに、彼は転げ回りながら絶叫する。

彼は完全に失明した。

 

「状況はどうだ!」

 

「滑走路が破壊され、使用出来ません!」

 

「何だと?ワイバーンオーバーロードを飛ばせないではないか!」

 

「陸将、まだ滑走路はあります」

 

「そうだった。まだ、離れた所に緊急用の地下滑走路があったな。それを使って一矢報いるとしよう。また、基地の要員は防空壕に避難させておけ」

 

「了解」

 

避難した直後、TIEボマー編隊40機が襲来。

 

彼らの邪魔をする者は、現時点では存在しない。大量のプロトン爆弾を降らせて、基地を完全に破壊した。

 

────────────────────

 

「皇国が・・・皇国が・・・終わる・・・」

 

レミールは悪夢を見ていた。

 

それも、皇国が滅亡の危機に瀕するというもの。

 

爆発の起こる基地から黒煙が立ち上ぼる。空を見れば、轟音を響かせる白い大型の飛行機械が爆弾の雨を大量に降らせていた。

 

場面が変わる。

 

ムーのラ・カサミよりも巨大な鋼鉄の軍艦がエストシラント湾に浮かんでいた。

 

その軍艦は船体を横に向けて、装備された3連装の巨砲3基を横に向ける。そして、皇都へ向けて巨砲を発砲した。しかも、市街地もお構い無しの無差別攻撃である。

 

皇城も吹き飛び、ルディアスの頭部が彼女の目前に落ちていた。

 

再び場面は変わる。

 

逃げる皇国民達。後方からは連発銃などを装備した兵士が迫っていた。銃撃を受けて人々は倒れ、命乞いをした一家が問答無用で焼き殺される。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

彼女は目を覚ました。

 

「夢か・・・外の空気を吸おう」

 

そのままベランダへと出る。

 

「なっ!」

 

驚くのも無理は無い。だって、悪夢の最初の場面で見たところに似た状況になっていたのだから。

 

悪夢と同様に、基地は爆発し続けて黒煙が上がり、上空を眼鏡の形をした飛行機械が飛んでいる。

 

「まさか、セカンド・オーダーか?」

 

レミールは皇城へと急ごうとしたが、背中に銃のような物を当てられている感触があった。

 

「何者だ!」

 

大型の鏡を見ると、黒いアーマーを着た人間に銃を突き付けられているのが写っている。

 

彼女は護身用のナイフを抜こうとするが、そんな気はすぐに起こらなくなった。なんと、さらに3人の人間が実体化したのだ。これで4対1、逃げるのは不可能。

 

「皇族のレミールで間違いはないな?」

 

「その通り、私はレミールだ」

 

「大人しく付いてきてもらおう」

 

「私は辱しめなど受ける気はないぞ!」

 

「人質になってもらうだけだ。眠っていろ」

 

レミールは注射器を打たれ、眠ってしまった。

 

「こちら、デルタ分隊。要人を1人確保した。

迎えを頼む」

 

「了解。陸戦部隊の着陸と同時に迎えをそちらに寄越す」




レミールの悪夢は、原作に加えて他の二次創作の皇都攻撃シーンがモデルになっています。
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