銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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戦後処理よりも軍拡やその他の話が多くなった件・・・


第21話 事の始末。そして・・・

エストシラント 皇城

 

皇帝ルディアスは自室に軟禁されていた。

 

扉がノックされ、セカンド・オーダーの兵士2名と紺色のローブを来た魔術師らしき色白の男が入室してくる。その男は、明らかに自分より少し若く見えた。

 

「そなたは誰だ?」

 

「私はセカンド・オーダーの最高指導者、

サイモン・ヤムトだ」

 

この若さで・・・

 

「最高指導者とやらが、敗北者に何用だ?」

 

「戦後処理に関する交渉をしに来た」

 

やはり・・・

 

「私は殺されるのか?」

 

「貴方には、皇帝のままで居てもらいます。この戦争の責任はあくまでもカイオス、あの男に全て被ってもらう」

 

「では、皇国は残るのだな?」

 

「確かに、皇国は残します。ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「こちらの要求を飲んでもらいます」

 

ルディアスに紙が手渡される。

 

「これは?!」

 

紙には、これらの内容があった。

 

○皇国は軍事指揮権を放棄し、軍の最高指揮官はSOの指示の元で軍を動かす。

 

○皇国の政治、外交はSOの許可を得て行う。

 

○皇国は属領を全て放棄する。なお、統治軍及び統治機構は解散とする。

 

○皇国はデュロをSOに割譲する。

 

○皇国は監査軍を解散する。

 

○皇国は辺境以外の陸軍を解散し、代わりにSO地上軍及び宇宙軍の駐屯を認める。

 

○皇国は保有する先進的技術を全て、独立した元属領を含めた第3文明圏国家及び文明圏外国家に開示する。

 

○皇国は余剰となった装備を、文明圏外国家に譲渡する。

 

 

「属領の放棄だと!穀倉地帯を失ってしまえば臣民が餓死してしまう!」

 

「それに関してですが、各国に対して皇国が食料支援をしてもらえるように交渉してあります」

 

「それは助かる。これを機に、残った領土で農業をするのも良いかもしれぬな」

 

ルディアスは安堵の表情を浮かべる。

 

「この要求でよろしいですか?」

 

「この要求を飲もう」

 

「分かりました。それでは、失礼します」

 

サイモンは部屋から出ていこうとする。

 

「サイモン殿!聞きたいことが」

 

何を思ったのか、サイモンを呼び止めた。

 

「レミールの所在を知っているか?」

 

サイモンは、少し静止した後に答える。

 

「あの皇族か。彼女なら今、こちらに向かっている筈だ」

 

「よかった・・・」

 

今度こそ、サイモンは出ていく。

 

扉が閉じた直後、扉がまた開いた。

 

入って来たのは、あのレミールだ。

 

「陛下!お怪我はありませんか?」

 

「レミール・・・私は大丈夫だ。そちらこそ、怪我は無いか?」

 

「私も大丈夫です。陛下・・・」

 

2人は熱い抱擁を交わした。

 

────────────────────

 

「体が痛む・・・」

 

カイオスは振動と痛みで意識を取り戻した。

 

「いったい何が・・?」

 

ナイフであの男を刺し殺そうとした時、衝撃波で吹き飛ばされた。そこまでは覚えている。

 

今、自分は牢屋付きの馬車に乗せられているらしい。

 

そして、道の両側にいる人々から罵声が浴びせられた。

 

とある老人が声を張り上げる。

 

「責任を取れ!カイオス!」

 

とある婦人が叫ぶ。

 

「あんたのせいで夫は海の底だよ!」

 

少年が叫ぶ。

 

「竜騎士のとーちゃんを返せ!」

 

さらに少年は投石を行い、他の人々もそれに続く。

 

カイオスは投石を受け、醜い顔から血を流す。

 

やめてくれ・・・やめてくれ・・・

 

「どうして私だけが・・・・・カハッ!」

 

彼は投石の末、ついに昏倒する。

 

その後、カイオスを見た者は誰もいなかった。

追放されたとも、衰弱死したとも言われている。

 

────────────────────

 

「軍事大拡張計画・・・ですか?」

 

ヴィアーズ大佐がサイモンに言う。

 

「そうだ。皇国を下したとはいえ、いまだに火種になりそうな物が存在するからな。それに、各国に展開できる戦力に限りがある」

 

「アニュンニール皇国は火種になりそうです」

 

「奴等は、謎が多い。分かることと言えば、大きな隠し事をしていること。そして、魔帝に関する案件であることだ」

 

「それで、どのように拡張するのですか?」

 

「まずは、人員の面だ。我々の保護しているロデニウス大陸を含めた文明圏外からは正規軍の地上兵と艦船クルーとして、第3文明圏からは外人部隊として募集を出すつもりだ。これに伴い、ハーク中隊は外人部隊では無くなる」

 

「これで私は、再び第212突撃大隊(アタックバタリオン)の所属ですね」

 

「そういうことだ。そして、人員の拡張に伴って各種装備の増産も行う。スターシップに関してだが、アークワイテンズ級軽クルーザーは練習艦としてだけではなく、対空用のミサイルと対空レーザー砲を追加させた護衛艦として、複数隻を新規建造する。ヴィクトリー級は、航空機(スターファイター)運用に特化した艦として改修した物を2隻建造し、片方は各国の航空機も運用可能な共同運用の艦とするつもりだ。ヴェネター級、インペリアル級に関しては新規の建造はコスト面から断念するが、ヴェネター級に対空用のミサイルを搭載する」

 

「流石に、1kmを越える大型艦は難しいですね」

 

「その面では、銀河帝国に負けている。だが、反乱同盟軍のように、航空機(スターファイター)で翻弄することは可能だ。航空機に関してだが、TIEシリーズのパイロットから苦情が寄せられている」

 

「いったい?」

 

「視界が悪い点だ。直接目視可能なのが前方だけだからな。センサーだけでは不満らしい。そこで、パイロットのヘルメットに改良を加えることにした」

 

「ヘルメットですか・・・」

 

「ヘルメットを通して外が透けて見えるようにする。ただ、センサーの増設はコストが上がってしまう。だから、視界が元々良い機体であるクローンZ-95スターファイターを改修した物も運用するつもりだ」

 

「それで、どんな改修を?」

 

「Z-95の改修では、翼の強度の強化と対空用ミサイル運用能力を付与したⅠ型、翼をTIEファイターの物として、外人部隊やロウリア区の部隊への配備、他国に輸出するⅡ型の2つに分ける」

 

「工場や研究の連中が過労死しそうですが」

 

「適度に休むように徹底させよう」

 

────────────────────

皇都エストシラント

 

「また、無職だ・・・」

 

シルガイアは途方に暮れていた。

 

彼は、海軍本部の壊滅によって職を失ってしまったのだ。

 

新たな職を探すものの、復興作業関連の職は既に埋まっている。彼以外にも、職を失った者が多数いるのだ。一部の軍の解散、属領の放棄など、原因は多い。

 

しばらく歩いていると、とあるポスターが目についた。

 

「これは?」

 

内容は、

 

“SO外人部隊募集中、SOは君を求めている”

 

「これだ!」

 

思わず、ガッツポーズを決める。

 

バルス、空から見守っててくれ。

 

俺は、お前の分まで生きる。

 

────────────────────

「何!」

 

サイモンは驚く。

 

彼に入ってきた情報は、愛人でもある副官のセリシアが体調を崩して倒れたとのことだった。

 

彼は、運び込まれた医療施設へと向かった。

 

 

「それで、ドクター。セリシアは病気なのか?もし何かあれば、大変なことだ」

 

「指導者様、落ち着いてください。彼女は病気ではありませんでした。なんと・・・」

 

サイモンの額から、汗が垂れる。

 

「妊娠しています」

 

「つまり・・・」

 

「最高指導者様のお子さまです」

 

俺の・・子供・・・

 

俺は、父親になれるのだろうか?

 

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