銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

35 / 42
グ帝編+番外編
異界の帝国


グラ・バルカス帝国 帝王グラ・ルークス

 

 我が帝国が帝国暦1945年に異世界へと転移した後、さまざまな困難があった。例えば、蛮国(パガンダ王国)による皇族の処刑や列強(レイフォル)との戦争などだ。

 

だが、それら以上にあの日は衝撃だった。

 

 あの日、早朝の帝都ラグナに、久しぶりの空襲警報が発令された。帝都防空レーダーによると、

約1600m程の機影が写り込んだらしく、誤作動かと思われたが、念のために警報を発令し、

転移前にケイン神王国(狂信者ども)の戦略爆撃機から帝都の空を守っていた、帝都防空隊の高高度迎撃機が緊急発進(スクランブル)した。

 

 惑星ユグドに存在したケイン神王国は、陸海軍こそ我が帝国よりも劣っていたが、帝国には存在しない第3の軍である空軍に力を入れており、特に高高度爆撃機(空中要塞)による戦略爆撃に頭を悩ませた。そこで誕生したのが、高高度局地迎撃機だった。それは、機体の後部にプロペラを搭載しており、本土の防空にて活躍したが、反抗作戦へと移ろうした時に、帝国は異世界へと転移した。

 

数分後、緊急発進した迎撃機から、耳を疑うような報告が、帝王府に入った。

 

 全長1600m程の灰色に塗られた楔型航空機(スター・デストロイヤー)、それも砲台が多数の物が飛んでいるとのことだった。その特徴を聞いて思い浮かべたのは、帝国で流行っている漫画、“星球大戦”に登場する敵勢力である、銀河王国の宇宙戦艦であった。

 

敵勢力の宇宙戦艦に似ているとあって、侵略の可能性を考えるのは自然のことだ。帝都に近衛軍を始めとした部隊が展開した。

 

そして、その空中戦艦はラグナ湾上空に現れ、下部の四角い穴から、3枚の翼を持つ航空機(ラムダ級シャトル)が現れる。いきなり侵略ではなく、交渉をする余地があるようだった。

 

セカンド・オーダーを名乗る勢力の使者を帝王府まで案内し、謁見させたところで、とある要求をされた。

 

それは、イルネティア王国に対する植民地化中止の要求だった。想定していた、こちらに対する植民地化要求ではなく。それどころか、表沙汰にはなっていなかった植民地化要求の予定が外部に漏れていたのだ。

 

彼ら(セカンド・オーダー)のほうが1枚上手だった。彼らの軍事力は確実に上。何を言われても従ってしまうかもしれない。私はそう思った。

 

次の要求は、予想外の貿易であり、クイラ王国という国で取れた石油を輸出し、代わりに駆逐艦の船体のみを輸入するとのこと。どうやら、植民地の海上警備隊に配備したいらしく、船体だけ購入して彼らの兵器や機関などを載せるとのことだった。

 

船体と言えども、兵器の輸出となると、議会を通さなければならない。審議した結果、輸出の代わりにSO側の軍事技術の1部を入手する方針になった。

 

星球大戦に登場する歩兵は全て光線銃を装備し、アーマーを着ている。実際、SOの護衛の装備は類似しており、現在進めている防弾チョッキの開発計画に、彼らのアーマーの技術を取り込む意向で、考えは纏まった。

 

この案を使者に示したところ、こちらが光線銃(ブラスターライフル)の存在を知っていることに驚いていたが、取り敢えずアーマーの技術の1部を提供してくれることになった。

 

ここまでは、公にされたやり取りだ。

 

SOは公にされた情報以外に、列強の軍事情報を流してきた。それは、空中戦艦、アトラタテス砲、誘導魔光弾なる兵器の情報だ。アトラタテス砲や誘導魔光弾は、科学で再現することを決定したが、空中戦艦に関しては、SOとの技術交流を待つのみとなった。

 

一方、イルネティアに対しては友好的に接触し、国交を締結。インフラや旧式兵器の輸出が始まった。侵略をすることは無くなったが、主戦派は植民地化することを主張しており、まだ少数であったため、意見が通ることは無かったが、主戦派がいつ暴走するか分からないため、警戒が必要である。

 

────────────────────

 

レイフォル地区

 

レイフォルのとある建物にて、とある組織の集会が開かれていた。

 

「国家でもない奴等に対して、そこまで弱腰になるとはな。使えない内閣だ・・・」

 

「そうだな。空中戦艦が現れたと言ってはいるが、あれは飛行船にハリボテを着けた物に違いない。陛下は内閣に騙されている」

 

「第一、帝国よりも強い勢力など存在しない。

 ユグドでも、完全に負けることはなかった」

 

「陛下の目を覚まさせなければならんな」

 

「だが、本土で行動したとしても、陛下によってすぐに反逆罪に問われてしまう」

 

「だったら、こことパガンダ地区でやれば良い」

 

「各方面から主戦派の人間を集めればできないことはない。そもそも、ここに駐屯している部隊は、基本的にグレードアトラスター以外、主戦派だ」

 

「ここだけでも、第1、第8打撃群、イシュタム、第8旅団、第4師団、これだけいれば・・」

 

「後は、主戦派の技術者がいれば問題ない。

 工場や鉱山もあるため、しばらくは持つ」

 

「陛下に対して行動で示し、

 陛下の目を覚まさせるのだ!」

 

「それで、いつ決行だ?」

 

「頃合いを見て動くことにする」

 

「では、対外強硬会の集会は一時的に解散だ」

 

帝王の知らない所で、見えざる脅威(ファントム・メナス)は少しずつ蠢いていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。