異界の帝国
グラ・バルカス帝国 帝王グラ・ルークス
我が帝国が帝国暦1945年に異世界へと転移した後、さまざまな困難があった。例えば、
だが、それら以上にあの日は衝撃だった。
あの日、早朝の帝都ラグナに、久しぶりの空襲警報が発令された。帝都防空レーダーによると、
約1600m程の機影が写り込んだらしく、誤作動かと思われたが、念のために警報を発令し、
転移前に
惑星ユグドに存在したケイン神王国は、陸海軍こそ我が帝国よりも劣っていたが、帝国には存在しない第3の軍である空軍に力を入れており、特に
数分後、緊急発進した迎撃機から、耳を疑うような報告が、帝王府に入った。
全長1600m程の
敵勢力の宇宙戦艦に似ているとあって、侵略の可能性を考えるのは自然のことだ。帝都に近衛軍を始めとした部隊が展開した。
そして、その空中戦艦はラグナ湾上空に現れ、下部の四角い穴から、
セカンド・オーダーを名乗る勢力の使者を帝王府まで案内し、謁見させたところで、とある要求をされた。
それは、イルネティア王国に対する植民地化中止の要求だった。想定していた、こちらに対する植民地化要求ではなく。それどころか、表沙汰にはなっていなかった植民地化要求の予定が外部に漏れていたのだ。
次の要求は、予想外の貿易であり、クイラ王国という国で取れた石油を輸出し、代わりに駆逐艦の船体のみを輸入するとのこと。どうやら、植民地の海上警備隊に配備したいらしく、船体だけ購入して彼らの兵器や機関などを載せるとのことだった。
船体と言えども、兵器の輸出となると、議会を通さなければならない。審議した結果、輸出の代わりにSO側の軍事技術の1部を入手する方針になった。
星球大戦に登場する歩兵は全て光線銃を装備し、アーマーを着ている。実際、SOの護衛の装備は類似しており、現在進めている防弾チョッキの開発計画に、彼らのアーマーの技術を取り込む意向で、考えは纏まった。
この案を使者に示したところ、こちらが
ここまでは、公にされたやり取りだ。
SOは公にされた情報以外に、列強の軍事情報を流してきた。それは、空中戦艦、アトラタテス砲、誘導魔光弾なる兵器の情報だ。アトラタテス砲や誘導魔光弾は、科学で再現することを決定したが、空中戦艦に関しては、SOとの技術交流を待つのみとなった。
一方、イルネティアに対しては友好的に接触し、国交を締結。インフラや旧式兵器の輸出が始まった。侵略をすることは無くなったが、主戦派は植民地化することを主張しており、まだ少数であったため、意見が通ることは無かったが、主戦派がいつ暴走するか分からないため、警戒が必要である。
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レイフォル地区
レイフォルのとある建物にて、とある組織の集会が開かれていた。
「国家でもない奴等に対して、そこまで弱腰になるとはな。使えない内閣だ・・・」
「そうだな。空中戦艦が現れたと言ってはいるが、あれは飛行船にハリボテを着けた物に違いない。陛下は内閣に騙されている」
「第一、帝国よりも強い勢力など存在しない。
ユグドでも、完全に負けることはなかった」
「陛下の目を覚まさせなければならんな」
「だが、本土で行動したとしても、陛下によってすぐに反逆罪に問われてしまう」
「だったら、こことパガンダ地区でやれば良い」
「各方面から主戦派の人間を集めればできないことはない。そもそも、ここに駐屯している部隊は、基本的にグレードアトラスター以外、主戦派だ」
「ここだけでも、第1、第8打撃群、イシュタム、第8旅団、第4師団、これだけいれば・・」
「後は、主戦派の技術者がいれば問題ない。
工場や鉱山もあるため、しばらくは持つ」
「陛下に対して行動で示し、
陛下の目を覚まさせるのだ!」
「それで、いつ決行だ?」
「頃合いを見て動くことにする」
「では、対外強硬会の集会は一時的に解散だ」
帝王の知らない所で、