オリジナル兵器
○アルゴル型噴進戦闘機
グラ・バルカス帝国が2番目に開発したジェット戦闘機で、後退翼を備えている。F-86がモデル。
12.7㎜機関銃装備のⅠ式、20㎜機関砲装備のⅡ式、レーダーと対空ロケット弾装備のⅢ式(20㎜機関砲も装備可能)が存在する。
ムー 統括軍 情報局
「えっ?また観戦武官をやるんですか?」
技術士官マイラスは、驚きの表情で上官へと言う。
「すまんなマイラス君。今回は、戦術士官のラッサン君と共にグラ・バルカス帝国の兵器を見てきてもらう。」
「グラ・バルカス帝国は戦争でも始めるんですか?」
「実は、セカンド・オーダーと帝国が共同でグラメウス大陸に出兵することになったらしい」
「グラメウス大陸って確か、魔王討伐軍が派遣された場所でした。どうして彼らはそこに出兵するんでしょうか?」
「おそらく、第1の目的は軍事協力体制の構築。そして、第2は魔帝関連の物品を探すことだろうな」
「魔帝案件となると、あの国も観戦武官を送ってきそうですね」
「あぁ、
「それで、また航空機で行くんですか?」
「大陸へと向かうグラ・バルカス海軍がマイカルに寄港した際に拾ってくれるそうだ」
商業都市マイカルの港湾施設は、帝国によって拡張工事が行われており、グレードアトラスターが停泊できるぐらいになっていた。
「できれば、グレードアトラスターに乗艦したいところです」
「今回の出兵は、世界から注目されていて多くの観戦武官が来る。力を見せつけるためにグレードアトラスターを出すはずだ」
1週間後、マイカルの港にグラ・バルカス海軍の東方艦隊が停泊していた。艦隊の中でも最も目立つのは、監査軍から海軍に転属したグレードアトラスターだ。
マイラスとラッサンは、そのグレードアトラスターの艦橋へと案内されていた。
「東方艦隊司令長官のカイザルです」
艦隊司令直々か・・・
艦隊司令長官だと名乗ったため、観戦武官の2人は思わず敬礼した。
「観戦武官のマイラスです。ご足労いただき、ありがとうございます。こちらは・・・」
「同じく観戦武官のラッサンです」
「これから本艦隊は、第3文明圏の各国の港を経由してフィルアデス大陸東方の列島まで向かいます。あなた方には将校用の部屋を割り当てますので、何か困ったことがあれば申し付けてください」
「ミリシアル帝国には立ち寄らないのですか?」
あの国も観戦武官を送ると知っていたマイラスは尋ねる。
「ミリシアル帝国の観戦武官は航空機で向かうと聞いています」
やはりミリシアルはプライドが高い。
ミスリル級戦艦よりも大型で強力なグレードアトラスターをあまり自国に入れたくないのだろう。
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卵形のエンジンを吊り下げたテーパー翼を持つ胴長の白い機体、ゲルニカはロデニウス大陸の西方を飛んでいた。目的地はクイラ王国にグラ・バルカス帝国が建設した滑走路である。
ゲルニカはミリシアル帝国が保有している旅客機型の
「間もなく、クイラ王国の領空です。先導のためにグラ・バルカス帝国海軍とSOの戦闘機が接近します」
ペガススⅡ級航空母艦 サダルバリ
「レーダーに感あり。大きさからして、ミリシアル帝国の旅客機と思われます」
「来なさったか、エスコートの機を発進させろ」
甲板上へと出されていた2機の後退翼の機体、
アルゴル型噴進戦闘機Ⅱ式にパイロットが乗り込み、機体はそのままカタパルトで射出された。
「兄貴、SOの機体もエスコートに来るそうです」
片方の機体のパイロットが、兄貴と呼ばれたパイロットに言う。
「そうなのか?どんな形だ?」
「球体を2枚の板で挟んだ形です」
「あぁ、SOの主力戦闘機か」
兄貴と呼ばれたパイロットは、特徴を聞いてすぐに理解した。
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「はぁ・・・第1位列強国の外交官が文明圏外勢力と交渉するなんて、本当に屈辱でしかない。頭が痛くなりそうだ。とは言っても、ワイバーンではなく戦闘機が来ると聞いたときは本当に驚いた。さすがは、ムーの恩恵を受けている勢力だ。レイフォルやパーパルディアの下位列強を破っただけはあるな」
外交官フィアームは、グラ・バルカス帝国やセカンド・オーダーのことを、たかが下位列強を破っただけの勢力と捉えていた。
「フィアームさん、彼らに対しては先入観を絶ち切ったほうがいいですよ」
帝国軍情報局の人間で観戦武官の1人として派遣されたライドルカはフィアームに忠告する。
「分かりましたよ」
「彼らの戦闘機がどんなものなのか興味が沸きますねぇ・・・」
技官ベルーノも会話に入ってくる。
彼らがしばらく外を眺めていると、突然4機の機体がすれ違った。
1機は前方に付き、残りは左右に付く。
「「速い!」」
最初に右側へ付いた1機を見る。
「赤丸に刻まれた白十字のマーク、グラ・バルカスの機体か!」
「プロペラがないぞ! あれ?空気の取り入れ口がある・・・まさか、魔光呪発式空気圧縮放射エンジンを実用化しているのか?!しかも、翼型が後退翼じゃないか!あの機体は少なくとも音速に達するはずだ!」
技官ベルーノは、興奮して話す。
一方、フィアームは左側の2機を見ていた。
「なんて面妖な機体・・・こんな形の物が飛んでたまるか!」
フィアームは頭を抱えた。
「こちらはセカンド・オーダーの戦闘機でしょうが、航空力学を無視している形ですね」
そう言うのは、もう1人の観戦武官である
アルパナだ。
彼らが見ている機体は、セカンド・オーダーのTIE/SOファイターである。
「こんな形の物を飛ばす方法はあるのか?」
フィアームはアルパナに尋ねる。
「そうですね・・・1つだけ心当たりが」
「何だ?」
「空中戦艦パル・キマイラのことは、もちろん知ってますよね?」
「もちろんだ。存在は公にされていないが、名前と姿を知らない帝国臣民はいない」
「その空中戦艦ですが、形は明らかに航空力学を無視しており、反重力魔導エンジンを使用しています」
「まさか・・・」
「私は、
あの機体にも使用されていると見ています」
「独自開発か遺跡からの発掘になりそうだ」
「おそらく、発掘でしょう。我々ですらコピー出来ていないのですから、あの機体は少数しか存在していないはずです」
そんなことを抜かすが、そんな幻想は打ち砕かれることになる。
そして、ゲルニカは滑走路に着陸した。
彼らを出迎えたのは、グラ・バルカス帝国砲兵隊の祝砲と、左右に道を作るように展開したSO・グ帝合同の儀仗隊。
そして・・・・・・上空を通過した100機ものTIE/SOファイターの大群だった。
「訂正します・・・これは発掘じゃない。絶対に独自開発です・・・」
「あぁ、認識を改めたほうが良さそうだ」