銀河帝国独立艦隊召喚記 (凍結)   作:ウエストモール

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上陸

フィルアデス大陸東方列島

 

「やっと着きましたね、マイラスさん」

 

グレードアトラスターから移乗した内火艇の甲板上にて、ラッサンがマイラスに言う。

 

「そうですね。ですが、我々の保有するラ・カサミ級や、最近建造が完了した初の蒸気タービンを搭載した新型のラ・ドレド級すらもこの日数では来れません。やはり、蒸気タービンに関する技術は彼らのほうが上です」

 

「そうですね。そう言えばマイラスさん、毎日のように砲塔を見ていたような・・・」

 

「確かに、見てました。今後のムー海軍の参考にするため・・・と言うか、ほとんど自分の趣味です」

 

マイラスは照れくさそうに返す。

 

「マイラスさんらしいですね。それで、何か参考になることはありましたか?」

 

「電波探信儀と呼ばれる探知装置と連動する砲です。複数の野生のワイバーンが襲ってきたときに、65口径10cm砲が高い命中率を叩き出していました」

 

「砲撃どころか対空もムー海軍は負けてますね」

 

「せめて、旧式のオリオン級だけでも譲ってもらえれば、ミリシアル帝国海軍とも渡り合えるほどになると思うけれど、甘いことは言ってられません。帰ったら軍の研究所に電波探信儀と砲を連動できる装置を開発させよう。テレビの技術を応用すれば、開発できると思ってます」

 

「ムー国軍の課題は、軍の装備の電子化ですね」

 

会話をしている間に、内火艇は港に到着した。

 

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東方列島合同基地

 

グラ・バルカス帝国とSOが合同で駐屯している基地にて作戦の説明が行われており、各国の観戦武官もその場に居た。

 

「私は、セカンド・オーダー軍のヴィアーズ大佐です。“グラメウスの夜明け作戦”第1段階である上陸作戦の説明を行います」

 

ヴィアーズが話し始めた。

 

「我々の攻撃型偵察機170スターファイターの偵察によると、上陸地点の砂浜に大量の肉食海獣型魔物が、そして少し内陸に入ったところにワイバーンの巣が確認されました。これは、上陸時の障害になります。その為、航空戦力や遠距離攻撃手段で排除しておく必要があります。その攻撃は、グラ・バルカス帝国軍に行っていただきます」

 

その言葉の直後、グ帝軍の制服を着た男達が3人立ち上がって順に話し始める。

 

「帝国戦略軍司令官のパトラー大将です。上陸作戦の際は、我々が試作した47年式巡航噴進弾を使用してワイバーンの巣を事前に破壊します」

 

後ろの画面には、巡航噴進弾が地上から発射され、海を越えて陸地に着弾する合成映像が流れた。

 

その映像を見た観戦武官達は、驚きの表情を浮かべている。

 

特に驚くのは、ミリシアル帝国のライドルカだ。

 

遠距離から海を挟んで攻撃するとは、コア魔法みたいじゃないか!その面でもミリシアル帝国よりも進んでいる・・・

 

「ペガススⅡ級航空母艦サダルバリの艦長、ジョウシ大佐です。噴進弾の攻撃の直後、艦載のアルゴル型噴進戦闘機Ⅱ式で砂浜の魔物を掃討します」

 

「第7師団長のナカム少将です。攻撃の後、戦車揚陸艦とドック搭載型の揚陸艦を使用して、合同部隊を上陸させて地点を確保します。」

 

画面には、直接砂浜に揚陸(ビーチング) する戦車揚陸艦や、揚陸艦のドックから発進する揚陸舟艇が映る。

 

「説明は以上です。上陸後の動きは、沿岸部確保の後に説明します」

 

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SO軍 クイラ王国駐屯基地

 

ミリシアル帝国の外交官、フィアームは駐屯基地の一室に通されていた。

 

「セカンド・オーダー最高指導者のサイモン・ヤムトです。先進11ヵ国会議の説明のために辺境までお越しいただき、ありがとうごさいます」

 

「説明を始める前に、最高指導者様に個人的な贈り物をお渡します」

 

フィアームは、持ち手の付いた四角いケースから、小型画面付きのブレスレットと、パソコンのディスプレイにそっくりな機器を取り出してサイモンに渡す。

 

「それらは、我が国の最新式の映像通信装置で、そちらのブレスレットとディスプレイの間で、音声だけではなく映像でも会話が出来ます」

 

「ほぅ・・・」

 

どうだ!驚いたか?反重力装置の量産化で遅れを取っているとはいえ、通信技術では負けないのだよ!

 

「どうです?音声だけの通信と異なり、情報が伝わりやすくなるのは、民間だけでなく軍事の面でも優位に立てます」

 

「それは一理ありますね。一応、我々も映像による通信が可能な装置を持っています」

 

「そうなのですか?」

 

「はい。この机には、その装置が組み込まれています。実際に通信してみましょう」

 

机に青白い半透明な人の形が浮かぶ。

 

「立体映像・・・だと・・・」

 

カラーではないが、立体の映像を映している。

 

さらに、サイモンはその人と話し始めた。

 

「ヴィアーズ、作戦の説明は終わったか?」

 

「もちろん、完了しています」

 

「分かった」

 

フィアームは唖然とする。

 

「どうですか?」

 

「すっ、素晴らしい・・・」

 

彼は内心、悔しがっていた。

 

「そっ、それでは説明を始めます」

 

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夜明け前 グラメウス大陸東方海域

 

揚陸作戦に参加する艦艇が薄暗い海に浮かび、観戦武官達は空母サダルバリに乗艦していた。

 

「夜明けまであと5分です!」

 

サダルバリの飛行甲板には、すでにアルゴル型噴進戦闘機Ⅱ式が16機並んでいる。

 

そんな中、基地のある列島の方角の空から、火を吹く長い槍のような物が飛んできて、艦隊の上空を通過しようとする。

 

「観戦武官の皆さん、あれが巡航噴進弾です」

 

観戦武官達は、巡航噴進弾の動きを目で追う。

 

噴進弾は山なりの軌道を描き、ワイバーンの巣へと向かう。

 

「着弾まで、3・・・2・・・1・・・今!」

 

着弾と同時に1000kgの弾頭が起爆し、広い爆発でワイバーンの巣を破壊した。

 

「爆破閃光を確認、航空隊発艦せよ!」

 

1機ずつカタパルトで打ち出される一方、東の水平線から太陽が頭を出し始め、銀色の機体を輝かせる。

 

「朝日を背に突入、各機続け!」

 

「「おぅ!」」

 

パイロットは操縦桿のトリガーに手をかけ、地上の目標を照準に入れてトリガーを引く。

 

「機関砲発射!」

 

機首に装備された20㎜機関砲が砲弾を高速で発射し、その場の魔物は鮮血を吹き出して倒れたり、肉片に変わる。

 

4つの4機編隊が代わる代わる機銃掃射を仕掛け、砂浜は血に染まった。

 

航空隊が引いたタイミングで戦車揚陸艦が榴弾砲を発射し、汚れた砂浜を掃除する。

 

戦車揚陸艦はそのまま乗り上げてハッチを開き、ヤヌス中戦車と随伴歩兵が上陸して警戒。あきつ丸にそっくりな揚陸艦からは、両方の歩兵が搭乗した上陸用舟艇が発進して揚陸を開始した。

 

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