クイラ王国 SO軍駐屯基地
「そっ、それでは説明を始めます」
狼狽えたフィアームは、気を取り直して話し始める。
「先進11ヵ国会議は、2年に1度開催される世界規模の会議で、次回は約1年程で開催され、会場は我が国の港町カルトアルパスとなります。参加国は基本的に文明国と列強だけとなっていますが、列強であるパーパルディア皇国の縮小とレイフォルの滅亡によって席が空いています。そこで、その空席をセカンド・オーダーとグラ・バルカス帝国で埋めることが、会議で決定されました。世界の国々はあなた達に注目しており、出席すれば大国として認定されるでしょう。また、各国は代表を護衛するために艦隊を送り込んで、力を示す習慣がありますので、舐められないようにするために艦隊を送ることを推奨します」
「説明ありがとうございます。我々セカンド・オーダーは国家ではありませんが、会議に参加することを表明します。後、1つ質問があるのですが」
「何ですか?」
「護衛についてですが、部隊をカルトアルパスの上空に侵入させることは可能ですか?」
「上空・・・ですか」
彼はサイモンの質問に首を傾げる。
「はい」
「もしかして、あなた方の戦闘機ですか?」
「戦闘機・・・もありますが、大型の空中戦闘艦です」
空中戦闘艦だと?!バカな、そんなものを持っているのは我が国だけのはずだ!
「実物を見せていただくことは?」
「今日は不可能ですが、翌日ならば可能です」
「分かりました・・・」
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「これからの進軍に関しては、お互いの技術体系が異なるため、2つに分けようと思います。ただし、双方の連絡のためにお互いに武官を送る形にしましょう」
第7師団長ナカムは提案する。
「確かに、それが良さそうです」
ヴィアーズは、その提案に賛同した。
1時間後、2つに分かれた部隊はそれぞれ動き始め、魔物と戦闘を始めた。
「弾種榴弾、装填!」
ヤヌス中戦車の47㎜砲に榴弾がセットされる。
砲塔が回転し、ゴブリンとオークの混成集団へと向く。それも、27両の物が。
「全車、撃て!」
榴弾が発射され、魔物の集団を吹き飛ばす。歩兵が前進し、倒れている魔物に銃弾を叩き込んで確実に殺していく。
「我が戦車大隊は最強だ。魔物など恐るるに足らず!」
戦車大隊長トウサはそんなことを言う。
「何を言っているんだ、トウサ。強力な魔物が出現する可能性もある。油断していると死ぬぞ」
すかさず第7師団長ナカムが注意した。
「以後、気を付けます・・・」
部隊が暫く進むと、岩が多く転がっているエリアに見えてくる。
「敵影無し・・・・え?」
突然、地面が揺れだす。岩が動き始め、複数の大きい岩の腕が地面から生えてきた。そして、全貌が明らかになる。なんと、岩の腕はゴーレムの腕だったのだ。大中小のゴーレムの数は明らかに100を越えている。
「まずい・・・数で負けている。一度撤退だ!通信兵、航空支援を要請しろ!」
ナカムは通信兵に命令した。
「了解」
歩兵が撤退を開始するのを援護するため、中戦車大隊は榴弾を撃つが、小型のゴーレムぐらいしか撃破できず、中型は足を破壊する程度で、大型に至っては割れ目が出来るだけだった。
「無理を言ってでも最新鋭の戦車を持ってくるべきだったか・・・」
本国には、120㎜戦車砲を装備したタイタン重戦車が存在する。ナカムは後悔した。
暫く経った後、通信が入る。
「こちら、海軍特殊作戦航空隊。これより支援を開始する」
上空を見ると、二式飛行艇にそっくりな大型の機体─28m級飛行艇Ⅱ式*1が大きく左旋回しており、突然機体の左側が煙に包まれる。次の瞬間、大型のゴーレムが派手に吹き飛んだ。機体の左側に装備された100㎜榴弾砲で砲撃したのだ。
「助かった!」
「いいぞ、もっとやれ!」
攻撃は暫く続き、大中のゴーレムは全滅する。小型のゴーレムに関しては、前進した中戦車に撃破されていた。
「あの機体、砲撃が出来るのか・・・」
同行していたライドルカは、自国には存在しない種類の機体に興味を持っていた。
ゲルニカを改造すれば、我々にも作ることは可能かもしれないな。
一方、セカンド・オーダー軍第212突撃大隊とハーク中隊は特に強力な魔物に当たることなく進み、大きな岩壁に突き当たった。
「大佐殿、岩壁に隙間が存在していたのですが、隙間から町が見えました」
ショット大尉が報告する。
「町だと?グラメウス大陸には文明が存在していたのか?」
ヴィアーズは困惑する。
「とにかく、人間がいるのであれば接触しなくてはならない。さて、どのように入るべきか・・・」
だが、接触は岩壁の向こうから来た。
「貴様ら何奴だ!魔物か?!」
丘の上で、馬に騎乗した男が叫ぶ。その後ろから歩兵も接近していた。
ヴィアーズは前に出て言う。
「我々はセカンド・オーダー、グラメウス大陸の調査に来た!」
「本当に人間か?!」
その男は騎馬から降り、歩み寄る。しかも、剣を抜いていた。
「怪しい・・・」
そのまま、剣先をヴィアーズの首に突きつけた。ショット大尉がライフルを構えるが、手で制する。
「人間だと誓うか?」
「もちろん人間だ。フォースに誓おう」
その言葉を聞いたとたん、男はきょとんとした目付きに変わる。
「フォース・・・か。中に入ることはまだ認められないが、付近への滞在は許そう。私は、貴様らのことを陛下に報告する。もしかしたら、中に入ることが許可される可能性もある。一応、貴様の名を聞こう」
「マックス・ヴィアーズだ」
「ヴィアーズか、覚えておこう。
私の名はジャスティードだ」
男は、馬に乗って去る。
あの男、フォースを知っているのか?
その直後、遅れる形で第7師団が到着した。
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サイモンは変な夢を見ていた。
それは、白い空間を歩く夢だ。
「ここは・・・どこだ?」
永遠に広がる白い空間、いくら歩いても行き止まりはない。
突然、彼の目前に青白い光を纏ったジェダイらしき男が現れる。茶色の長い頭髪に、青い目だ。
「誰だ!」
「まぁまぁ、落ち着け。君たちをこの世界に呼んだ張本人、クワイ=ガン・ジンだ」
「クワイ=ガン・ジン、あんたには聞きたいことがある」
「そう来ると思っていた。いいだろう、好きに聞いてくれ」
「まず、あんたは別の世界線のクワイ=ガンなのか?そうでないと、クローン大戦終盤の装備の共和国軍をあんたが率いていて、銀河の使者として召喚された証明にならない」
「そのことか。確かに、君の世界線にて私はダース・モールに殺されている。だが、こちら側の世界線では私が勝利し、クローン大戦に参戦している。その最中、私は部隊ごと召喚されたのだ」
「なるほど、ジェダイが勝利したのか。俺の世界線より平和だろうな」
「いや、そんなことは無い。ジェダイによるダークジェダイへの弾圧が始まったのだ。無理矢理ライトサイドに変えさせたり、ある時は拷問までしていた。ジェダイは変わってしまったのだ、ダークサイドを無くすためなら手段を選ばなくなった。しかも、独立星系連合の残党とダークジェダイが結びつき、反乱軍まで出現している」
「何だと?!」
「こうなった理由は1つ、ジェダイが大きな勘違いをしているからだ」
「勘違い?」
「そうだ、ジェダイオーダーはシスを倒すことがフォースにバランスをもたらすとしているが、シスを倒してもバランスは訪れない。光があるところに影はあり、影があるところに光があるのと同じで、完全に一方だけが存在することは不可能。共存しなければならないのだ」
「そうか・・・もう1つ聞こう、俺はもとの世界に帰ることが出来るのか?」
「可能ではある。魔法帝国を倒せば、世界間を移動できる装置の設計図が見つかるはずだ。それを解析すれば、行き来が可能になる」
「それは良いことを聞いた」
「だが、問題点がある。この世界と元の世界の時間の流れ方が、魔法帝国の存在による空間の歪みのせいでズレているのだ。この世界が1年進むと、元の世界が2年進むといった具合にな。帝国を倒せばズレは無くなるが、1度進んだ時間は元に戻せない。つまり、戻る頃には元の世界の技術が相当発展していて、セカンド・オーダーでは対処不可能になる可能性がある。十分に注意しろ」
「分かった。頭に入れておこう」
「そろそろ時間だ、失礼する」
クワイガンの体が消え始めた。
「待ってくれ!聞きたいことがまだある!」
「さらばだ。
クワイガンは消え、空間も消失した。
○28m級飛行艇
全長:28.13m
全幅:38.00m
全高:9.15m
⚪️Ⅰ式
・20㎜旋回銃5門
・7.7㎜旋回銃4門
・魚雷2本or爆弾2t
⚪️Ⅱ式(ガンシップ)
・20㎜旋回銃4門
・7.7㎜旋回銃3門
・100㎜榴弾砲1門