○マックス・ヴィアーズ
元傭兵の大佐で、歴戦の猛者。
中央暦1638年4月末
クワ・トイネ公国
クワトイネ公国では、パニックが起こっていた。突然、1100mにもなる楔型の飛行船が現れ、そこから発進した
出てきた人々は平和的に接してきたが、政治部会は続行不能な程に混乱し、首相のカナタ自ら応対することとなった。
首相のカナタは、椅子に座る2人の人間を見る。
左側には、白地に黄色塗装の鎧を着た歴戦の猛者らしき壮年の男。
そして、右側には蒼い服を着た金髪美女が座る。まさか、色仕掛けでも仕掛けるつもりなのか?
美女が口を開く。
「私は、軍事政権セカンド・オーダーの使節代表、セリシアと申します」
「陸上部隊所属の大佐、マックス・ヴィアーズです」
「今回私達がやって来たのは、貴国で栽培される美味な食料を入手するためです。もちろん、それなりの対価を払います」
「その対価とは?」
「軍事力の提供と、輸送網の建設になります」
軍事力の提供か。ロウリア対策として良さそうだ。あの巨大飛行船のこともあるし、相当強いと思われる。
「気になるのですが、あなた方の陸上兵力はどのようなものとなりますか?」
美女と軍人が目配せをし、軍人が箱を机に置く。
「それは何でしょうか?」
「これは、動く精巧な絵を表示するものです」
見ると、ガラスのような部分に何か表示される。
写ったのは砂漠で、
「これは、
今、22年前と言われた。
彼らの力は明らかに列強並みであり、22年経った現在ではさらに強くなっているとカナタは想定した。
「許可を貰えるのであれば、すぐにでも軍事力を提供します。ただし、土地を分けていただきたいと思っています」
優しめの言葉で言ってはいるが、割譲を要求しているのと変わらない。
「割譲ですか。その話は私の一存では決められないので、少しお待ちください」
カナタは、落ち着いたであろう政治部会に向かった。
政治部会
「皆の者、向こうからの要求内容が判明した」
幹部達が、カナタの言葉に耳を傾ける。
「それは、食料と土地の提供だ」
怒号が上がる
「領土の割譲などできるわけない!」
「徹底抗戦だ!」
「皆落ち着け!あの巨大飛行船相手に勝てるとでも?」
外務卿リンスイの言葉を聞き、怒号を上げた幹部達は我に返る。
抗戦以前に勝てる訳が無いのだ。
「もちろん対価を払うことを約束してくれていて、軍事力の提供と輸送網の構築をしてくれることになった。提供する土地は、駐留が目的となっている」
「対ロウリア戦の際は、捨て駒になってもらうべきです」
軍務卿は、そう進言した。
「最悪の場合はそうなるな… これに反対する者は?」
回りを見渡すが、反対意見は出ない。
この日、双方が契約に同意。
ギム周辺がセカンド・オーダーに割譲された。