落第騎士の英雄譚・竜帝は七星の頂を目指す   作:皐月の王

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今回初めてパソコンからの投稿となります。
思ったよりやりやすくてこれからそうしようかなと検討しています
アンケートも始めましたのでお願いします


第3話 始業式 古巣の来訪

時刻は早朝。巨大な敷地を有する破軍学園の前に三つの影があった。

 二つは正門前で肩を上下させて呼吸を整えて、各々の飲み物を飲んで汗を首にかけたタオルで拭っている、一輝と竜司。彼らはいつもの日課なので、難なくこなすことが出来ている。三つ目の影はそんな二人からかなり離れた場所でヘトヘトになりながらも、二人がいるゴールの校門目指して進んでいるステラの姿があった。

 

一輝と竜司は体力維持のために早朝に二十キロメートルのランニングを日課として行っている。そして一輝と同じ部屋になったステラも同じように三日前からこの、日課についてきている。だが、それはただの二十キロメートルのジョギングではなく、肉体に尋常ではないほど負荷をかけてトレーニングを行っているのだ。全力疾走とジョギングを交互に行うというものだ。

 

「すごいな、ヴァーミリオンの奴三日目で完走したぞ」

 

「うん、本当にすごいよ。今まで鍛錬をし続けてきたのがよくわかるよ」

 

そして、ステラはふらふらになりながらも、一輝たちが待つ校門へとたどり着く。それを見届けて、竜司は使っていないタオルを一輝はスポーツドリンクを水筒のコップに注ぎ

 

「はい、スポーツドリンク」

 

だが、ステラは一輝が出したスポーツドリンクに戸惑いの色を浮かべる。

 

「え、……それ、間接キス……」

 

「どうしたの?……あ、ごめんステラ……。男が口をつけたコップ使うなんて嫌だよね」

 

「べっ、別にイヤだなんて一言も言ってないでしょッ!!」

 

竜司はそのやり取りを見ながら、ニヤニヤと笑い持ってきていたカフェオレを飲んでいた。竜司が後ろの看板を見ながら呟く。

 

「いよいよ始業式か、今年は色々と面白くなるな、一輝は此処からだな」

 

「うん。いよいよ、ここから」

 

一輝にとっては感慨深いものだ。一年目はチャンスを与えられることなく、すべてが過ぎ去ってしまった。だが、今年は違う。新理事長の新宮寺黒乃のもと、全ての生徒にチャンスが与えられている。待ち続けて到来したチャンス。いやがうえに、高揚するというものだ。

 

「なんだか楽しそうね。イッキ」

 

「そう見える?実は会いたい人がいてさ」

 

「……それって女の人じゃないでしょうね?」

 

その言葉と共にステラから殺気が放たれた

 

「(あれ、なんか殺気を感じる)」

 

「(これは面白くなりそうだ)ヴァーミリオン。一輝が会いたいのは十中八九、女の人だぞ」

 

「さようなら」

 

「待って待って!!とりあえず《妃竜の罪剣(レーヴァテイン)》をしまって!あと竜司は知ってるんだから、ちゃんと言ってよ!確かに会いたいのは女の子だけど僕の妹だから」

 

「妹さん?……そういえば決闘の時に、妹がどうとか言ってたわね」

 

「そう、その妹が新入生として入って来るらしいんだ……四年前実家を飛び出してからご無沙汰だったから、久しぶりに会えると思うとうれしくてね」

 

「でも、妹と一輝はあまり似ていないんだぜ?一輝の兄貴と一輝はまだ似てるけどな(ストイックなところとか)」

 

竜司は一輝の兄の黒鉄王馬のことを思い出していた。シニア時代に文字通り死闘を繰り広げて、その末に竜司が王馬を打ち倒した。あの時の戦いは竜司とっては今でも忘れることのできないほど鮮明に色濃く残っている。再戦を約束した気がするが王馬はストイックな為、今どこで何をしているかもわからない。ただ、次戦う時が来るのならば、あの高揚感、充実感をその身に刻むことが出来るということだ。

 

「(だったら、負けられねえな)」

 

心の闘志に再度火をつけ、意識を向ける。今回の七星剣武祭に出るためには、校内の戦いを勝ち抜かなければならない。まだ見ぬ強敵を夢想するのではなく、校内の立ちはだかる強敵を悉くを薙ぎ払うつもりで居なければならない。

 

 

担任の話を聞く。去年までは『能力値』で七星剣武祭に出る選手を選抜していたが、今年からは『能力値選抜』ではなく『全校生徒参加の実戦選抜』に変わり、その上位六人が破軍学園の代表として七星剣武祭のメンバーとして選抜する。試合日程は『選抜戦実行委員会』から学生所にメールで連絡が行きわたる。指定の日時、指定の場所に来なければ『不戦敗』となるので連絡は確認する事と伝えられた。選抜戦は大体一人十試合以上あるらしく、感覚も、三日に一試合あると考えるようにと伝えられた。

 

「(三日に一試合か……全然いけるな、上がれば上がるほど感覚が狭くなるのか?)」

 

竜司は話を聞きながら少し気になったことを頭で考えたが、毎日試合は無いだろうと小さくため息をついた。もしも毎日あるのならば一輝の『一刀修羅』が使うのが格段に厳しくなるだろう。並みの学生なら技量だけで勝てるだろうが、ステラや生徒会メンバー、自分や刀華なら、『一刀修羅』を使わずに勝つのは至難の業だろう。始業式などホームルームが終わり、竜司はあくびをしながら、一輝達がいるだろう教室に向かっていた。

 

「(一輝と模擬戦でもするか、俺も固有霊装の技を確認したいしな)」

 

そんなことを考えて欠伸をしながらダラダラと歩いて一年の教室に向かう竜司。一輝のクラスの教室の近くに来た時に何やら嫌な予感を感じさせる光景が広がっていた。教室から避難している生徒が居たのだ。

 

「おーい、一年生一体何があったんだ?」

 

「ええと、先輩ですよね?今教室内で黒鉄先輩の妹さんとヴァーミリオンさんが固有霊装を出して一触即発状態でして、危ないので避難させました!!」

 

元気よく眼鏡をかけた一年生の少女が答えてくれる。竜司はそれを聞いて苦笑いを浮かべ、大きく息を吐く。

 

「たく、初日から何やってんだよ、一輝はそういうの言っても弱いしなぁ。俺が止めるしかないな」

 

「え?危ないですよ先輩!?喧嘩している二人は今年の首席と次席でヴァーミリオンさんはAランクなんですよ!?黒鉄先輩じゃなければ止めれませんよ!?」

 

眼鏡をかけた少女はどうやら心配してくれているようだったが。竜司からしたら、そんなことより早く止めて、ただの口論だけに収めたい。先生が来たらただただ面倒なだけになる。それだけならいいが、謹慎なんてくらえば、七星剣武祭どころか選抜戦で戦うことも叶わない可能性だってあるのだ。

 

「んなもん大丈夫だ。俺も同じAランクだしな」

 

そう話を切り上げ竜司は固有霊装を出す

 

「廻りて集え《七天竜王》」

 

教室から避難してくる一輝と入れ違いに竜司が教室に入る。二人はもう激突寸前

 

「「殺すッッ!!!!」」

 

「《幻想魔竜(ファフニール)》!!」

 

二人の一撃は第三者の介入に防がれる。互いの剣は第三者の剣に止められていた。

爆炎と水流がぶつかり、まき散らされる破壊の衝撃は、介入した剣が受け止めて、被害を最小にとどめたのだ

 

「お前らさ、学内学外問わず許可なく霊装の展開は禁止されてるの……忘れたのか?まぁ入学初日で知らねえなら、今後覚えとけよ?お転婆後輩。次したら謹慎になるぞ?謹慎になったら選抜戦にも響いてくるだろ?やるんなら訓練場でしろよな」

 

そう言い、竜司は”両手の剣“を二人から離し元の形状の戦斧と言えそうな大剣へと形状を戻した。二人はありえないものを見た。霊装の形状が変わったのだから。

 

「分かった。今度から気を付けるわ。迷惑かけたわねリュウジ。あんたもそれでいいでしょ?」

 

「貴女に同意するのは癪ですが、大ごとにならなかったのは、私たちを止めた先輩のおかげですから。以後気を付けます」

 

「分かればいいんだよ。あとで理事長に修理してもらうように話を付けてくるから、こっちは任せとけ。おい一輝も行くぞ、止められなかったんだからお前も手伝え」

 

「分かったよ、竜司。今行くから。じゃあステラは先にもどってて。珠雫もまた明日話し合おう」

 

竜司は一輝を連れて理事長に向かう。その背中を二人の少女は見送っていた

 

「(竜司…………もしかして、皇樹竜司さんなのかな…………お兄様を私以外で見ていた友人……)」

 

珠雫は『竜司』という名前に聞き覚えがあった。だが、その竜司か確かめる前に一輝を連れて行ってしまった。珠雫は次に機会があれば聞こうと思った。

 

その後理事長により、教室は元に戻り、二人の処罰は竜司が厳重注意したということでお咎めなしとなった。

 




竜司の霊装についてですが
普段の基本形態はアルファモンの王竜剣をイメージしていただければいいと思います
今回使ったのは竜司の霊装の能力の一端です。

落第騎士ヒロイン第2回

  • 雷切・東堂刀華
  • 深海の魔女・黒鉄珠雫
  • 比翼・エーデルワイス
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