落第騎士の英雄譚・竜帝は七星の頂を目指す   作:皐月の王

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第4話 ショッピングモール襲撃

校門の前に一輝・ステラ・竜司の三人が立っていた。三人の服装はいつもの学生服とは異なり私服を着ていた。映画を見に行くのに竜司は誘われて参加している。事の発端は一輝の妹珠雫からだ。映画を見に行こうと一輝を誘い、そしてステラが自分も行うと参加を表明し、一輝は快諾した。そして謹慎にならなかった功労者の竜司も声をかけようとなった。竜司はその日ショッピングモールに行きぶらぶらと過ごすつもりだったので、誘いを受けていくことにしたのだ。

 

「遅いわね。何やっているのかしら?」

 

「同じ寮なら一緒に出てこれたんだけどね」

 

「仕方ないだろ。俺達は第一学生寮で向こうは第二学生寮だからなぁ。こればっかりは待つしかねぇよ」

 

第一学生寮と第二学生寮は校舎を挟んで正反対の位置に存在している。そのため待ち合わせは校門と決めて待っているのだ。

 

「まぁ、もう少ししたら来るよきっと。……にしても意外だったな。ステラがそんなに映画に興味があったなんて」

 

「……だって、あんな暗い場所でシズクとイッキを二人きりにするなんて危険すぎるもの」

 

「え?何が危険なの?」

 

「その話俺にも聞かせてくれよ、俺も気になるしな!」

 

竜司はめを輝かせて聞く、ステラは珠雫が一輝に会った初日に皆の目の前でしたことを竜司に聞かせた。それを聞いた竜司は大いに笑い

 

「まじかよ!!一輝!まじかよ!!アッハハハハ!!兄妹でんなことすんのかよ」

 

「そのことについては、珠雫は『四年ぶりに再会して感極まってやりすぎた。反省している』って謝ってくれたよ。そもそも珠雫にとっても僕は兄でしかないよ。そんなにパックリ食べられたりしないよ。初日が特別だったんだって。だから大丈夫だよ」

 

「(四年間の間で何がどうなったんだろうな……四年より前の珠雫は俺が知る限り一輝の後ろにトコトコついてきていた妹って言う印象しかねぇんだけど。すごいアグレッシブな妹になったんだな)」

 

竜司は一人で考えながら、一輝とステラのやり取りを微笑ましそうに見ながら時間をつぶしていた。

 

「お待たせしました」

 

「あ。珠雫―――――」

 

「遅いわよ。何をやって……」

 

「お、ようやく来た……」

 

振り返り三人の顔が何かが固まる音を立てて固まった。

 

「すいません。少し身支度に手間取っていたので」

 

頭を下げて謝罪する珠雫。だが、いつも以上に綺麗に見えた。普通じゃない上がり幅で。今回の珠雫の服装は銀色の髪と小柄な体型を生かしたゴシックロリータとなっている。珠雫の雰囲気も合わさって魅力をより一層引き上げている。ただそれだけでは無く、お化粧も都てもレベルが高く仕上がっていた。

 

「(凄いな、いつもの珠雫じゃねぇな。相当に気合入ってんだなぁ)」

 

竜司は珠雫・一輝・ステラの三人を見ながらふと気づく、もう一人足りないと

 

「なぁ珠雫。ルームメイトはまだなのか?」

 

「はい、もうすぐ追いついてくるはずですが」

 

「おいてきたのかよ」

 

竜司が苦笑いしていると

 

「んもー珠雫足早すぎ。そんなに急いで転んだりしたらせっかくのメイクが台無しになるでしょ?」

 

珠雫が言った通りにすぐにルームメイトの有栖院が三人の目の前に姿を見せた。その瞬間三人は

 

「「「え?」」」

 

三人の表情が再び固まる。プロ顔負けのメイクを施した珠雫のルームメイト有栖院がどこをどう見ても男だったから固まってしまった

 

「うふふ。初めまして。今日は誘ってくれてありがとう。あたしが珠雫のルームメイトの有栖院凪よ。名前で呼ばれるのは嫌いだから、アリスって呼んでくれたらうれしいわ♪」

 

珠雫と同じモノトーン基調・ヴィジュアル系の装いに身を包んだ長身瘦躯の男はボーラーハットを脱いで恭しく一礼すると爽やかな笑顔で三人に握手を求めた

 

「え、えっと、よろしく」

 

「これはご丁寧に……」

 

「俺は皇樹竜司だ、よろしくなアリス」

 

二人が動揺している間に、竜司はそれを受け入れたのか普通に自己紹介をして挨拶をした。挨拶もほどほどにして五人は予定通りに映画を見るべくショッピングモールへと向かった

 

 

破軍学園の近くには全国的に展開されている大型のショッピングモールがある。今回の目的地は最上階である四階の映画館だ。だが、そこへ直行せず、有栖院の勧めで一階のフードコートに来ていた。

 

「ん~~このクレープ美味しい~っ」

 

「確かに、クレープなんて無駄に高いだけだと思って敬遠していたけど、これはいけますね」

 

ステラと珠雫は大変気に入ったらしく美味しそうに食べている。有栖院を含めクレープを食べながら別の甘いものの話をし始める女子達を一輝と竜司は輪の外から見ていた。一輝と竜司はこういう女子特有のテンションがあまり得意ではない。一輝自身はそこまで甘いものが好きじゃないというのも手伝っている。竜司は洋菓子より和菓子の方が好きであるため会話に入ることが出来ず、ただ自分のクレープを食べていた。その後色々ありながらも、雑談をして時間をつぶしているといい時間になったので一同は四階の映画館に向かった。

 

「そういえばイッキ、今日はどんな映画を見るの?」

 

「俺も気になっていたんだ。聞いていないのか?」

 

「それは僕も知らないんだよね」

 

「……アンタ、何しに来たの?」

 

「それをステラに言われるのは心外だよ」

 

「なぁ、珠雫。今日の見る映画はどんなのなのだ?」

 

「それはですね竜司さん。ごく普通のラブストーリーですよ」

 

「やっぱり。ついてきてよかったわ」

 

ステラは大きくため息をつきながら、そんなことだろうと言葉を漏らす

 

「で、どんなタイトルなのよ?」

 

「『私は妹に恋をした ※R15』」

 

「それのどの辺が普通のラブストーリーなのよっ!!」

 

「一輝。俺初めて映画にR指定あるのみたきがするわ」

 

「僕もだよ。珠雫……この映画はちょっとやめておこうよ」

 

「えー。どうしてですか。どこに問題が」

 

「むしろ問題が無いところが見当たらないよ……と、とにかくこれはナシ!他の映画にしようよ!」

 

「あ!これなんてどう?『砂漠の王女カルナ』砂漠の盗賊団に攫われた姫が若い盗賊のリーダーに恋をするアニメ映画だって。なんかロマンがあって素敵」

 

竜司はその説明を聞いてアラジンのようなものか?と頭でイメージ居ていた。その間にステラと珠雫は言い合いになっている。そこで有栖院がやれやれと言い

 

「これじゃあ何時まで経っても決まりそうにないわね。よし、ならここはあたしが間をとって『男たちの失楽園 ※R15』にしましょう」

 

「「誰が性別の間を取れって言ったのよ!!」」

 

「流石にないわ……」

 

竜司はその映画のタイトルを見ながら引いていた。一部には需要はあるだろうが、新しい友人が乙女だろうが、さすがにこれを見ることに成れば竜司はトイレで映画が終わるまで籠るだろう。

 

「あとは、アクションだね。アクションならジャンル的にも男も女も楽しめそうだし、いいんじゃないかな?」

 

「アクションなら別にいいぞ」

 

「極めて残念ですが、お兄様がそれがいいというのなら」

 

「仕方ないわね。まぁアタシはアクションも好きだし別にいいわよ」

 

「じゃあ決定ね。ちょうど上映開始もうすぐだからちょうど良いわ」

 

「アリス。因みにアクション映画のタイトルは何というんだい?」

 

「『ガンジー怒りの解脱』」

 

「「「「なにそれすんごい気になる」」」」

 

坊主頭に上半身裸でムキムキ、それに重火器を手に佇むその姿は、混沌を極めていた。何をどうすればこのアクション映画のタイトルがつくのか不思議だった。その行き過ぎたカオスぷりに皆の意見がまとまったのだが……。

皆はエスカレーターで四階の映画館フロアを目指していたが、その途中三階で男性陣がトイレに行くために離脱する。

 

トイレで一輝とアリスが何かを話していた。それは竜司も知っていることだ。竜司が一年の時はAランクということで優遇されはしたが、友人の一輝は冷遇なんてものではなかった。一輝の我慢は異様だとアリスは言った。その言葉は竜司にも思うところがある。小さい時からの友人。だけどつらい事を話してくれたことは小さいとき以降何もない。本当に

 

友人として出来ることはしてきたとは思うが、一輝にとってそれがプラスに働いたかそれは一輝にしかわからない。ふと、嫌な予感を感じ取った。それは有栖院も同様だったらしく

 

「一輝、竜司ちょっとこっちに来て」

 

「え!?え、え!?」

 

「いいから行くぞ!走れ!」

 

「――――――――ッッ!?」

 

一輝達の耳を貫いたのは、爆発音とガラスの破砕音。そして銃声と悲鳴だった

 




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落第騎士ヒロイン第2回

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