くっ、なぜ私はあの時好奇心に負けてしまったのでしょう……っ!
ですが凄かったです。世の男性ならば興奮すること間違いなしな感じでした。特にプリムさんの反応が
7月20日。
え? 日にちが飛んでいる?
いや何も起きなかったんですもん。びっくりするほど何もなかったんですもん。ずっとみんなでのほほんとしてただけの日々を書いてもどうしようもないじゃないですか。
というわけでこの日、何かないかと私はアクションを起こしました。
具体的に言うと、観察です。他の皆さんが夜どのように過ごしているのかを、観察しようと思ったのです。
まずマスター。ゴロゴロしてます。いつも通りです。ゴロゴロしてニ◯ニ◯動画を見ています。その時一緒によく動画を見ているのが、アルテナさんです。
彼女はマスターと動画を見るのが好きなようで、度々動画見ているマスターと画面の間に入って一緒に見ています。
この日もマスターと一緒に動画を見ていました。一体どんな動画を見ているのか、見てみましょうか。
「デカールだってー。マスターはデカール貼りとかしないのー?」
どうやらプラモデル関連の動画を見ているようですね。
「ほらー。確か私のボディペイントもデカールだったでしょ? 貼ってよー」
駄々をこねるアルテナさん。可愛いですね。
ちなみにマスター曰く「デカール貼りってね、よく失敗してるんだよね。ほらパ……じゃなくてボディスーツのデカールよくミスっててなんかこう難しいんだよ」だそうです。
まあ確かに、モデラー歴が正直長いとは言えない初心者なマスターにはアルテナさんのデカール貼りは苦労するでしょうね。
「もっとマスター色に私を染めてくれてもいいんだけどなぁ」
ああそうそう、ちなみにアルテナさんですが、何故こうもマスターにべったりなのかというと好きだからなのは勿論ですが、あるちょっとした事情があるそうなのです。
その事情というのがなんでも、製作時にプラモデル用のカッターでマスターが指を切ってしまったらしく、その罪悪感からどういうわけかマスターを守る! という方向に行ってしまったのだとか。
そのため動画だけでなく、アルテナさんはよくマスターと特撮番組を見て戦闘の勉強をしている、なのだそうです。
でもぶっちゃけ、作業が雑なマスターの自業自得のような気もするのですけど……。
「そういえばちゃんとフレズの名前決めてあげてよー? あの子結構気にしてるんだからさー」
その件に関しては私もめちゃくちゃ気にしてます。とっても気にしてます。早く轟雷からの改名を求む! ボイコットだボイコットだー。
と、失礼。取り乱しました。
ふむ、とりあえずこの二人はいつも通りのようですね。今度はゲームの動画を見始めています。
はてさて、そういえば珍しくクラウンさんの姿が見当たりません。
あの人はそれこそマスターの職場にもくっついていくくらいのマスターラブな人なんですけど、今日はどこにいるのでしょう。
あ、いました。何故かマスターの服の中に入っていやがります。もしかして変態ですかあの人。
「あーもう、今日はどうして構ってくれないのー? 構ってよー」
どうやら駄々をこねているようです。
おそらくですが、マスターはわざとやってますね。なんせマスターもクラウンさんのことが気に入っているので、ついつい意地悪しちゃうのでしょう。
羨ましい限り。ああ妬ましい妬ましい。
「むぅうううう〜! むぅ〜!!」
でもまあ、意地悪したくなるのもわかります。なんかこう、いちいち反応があざといけど可愛いんですよね。
私もマスターにああいう風に接してみましょうか。いえ、それでは私のアイデンティティが無くなってしまいます。それはいけません。
え? どんなアイデンティティかって?
それはそのー、ほら、私はマスターの案内役ですから。はい。
あ、我慢できずに動画を見始めましたね。
いや、というか、平凡すぎません?
こんなこと記録に残してなんになるっていうんですか。もっとこう、刺激的なところがないと面白くないでしょう!
他の皆さんもいつも通りというか!
イノセンティア姉妹は飽きもせずにポーズ練習なんてやってますし?
アルキテクトさんはずっと本読んでますし?
メラスさんは早々に寝てますし? なんか寝言で「轟雷ちゃん遊びましょう」って言ってるんですけど、私と遊んでる夢でも見てるんですかね。ちょっと抱きしめてきていいですか!
白虎さんは窓の外眺めてなんか黄昏てますし……明日はメイドになりますかね。メイド姿が可愛いとマスターにも言われたので、正直メイド姿のままでも。え? そんなことはどうでもいい? そうですね!
フレズはバーゼさんとゲームして遊んでますし。というか、なんかいつのまにか仲良くなってませんかあの二人。私も混ざりたい! いえ、今は観察に専念しなければならないのですそうなのですそれが私の仕事なのです。
くっ! かくなる上は、夜部屋が暗くなってからです! 部屋が暗くなってからであればきっと何か起こるはず!
具体的にはクラウンさんの奇行とか、プリムさんとローズさんの過激なイチャイチャとか。
よし、そうとなれば部屋の明かりが消えるまで待ちましょう。そうしましょう。
◇
というわけで部屋が暗くなりました。
別に何もおかしくはありません。これはそういう作品なんです、諦めましょう。
さて、まずはクラウンさんの奇行から観察しましょうか。本当に奇行をしているのか見たことなかったので、少し楽しみです。
「マスター、好き。好き、好き、大好き。私だけを見て、私だけのマスターになって。そして私と甘くてイチャイチャな生活を送るの。他の子とは接さずに、私とだけ接するの。どんな時も私だけと一緒にいて、どんな時も私だけに笑顔を向けて、どんな時も私だけにーー」
って重いわーッ!!
なんですか、重すぎません!? 愛が深すぎません!? 何をどうしたらそんなことにまで発展してるんですかこの人は!?
ていうかそれを眠ってるマスターの耳元で囁くとか、呪いか何かですか!?
「私、マスターの恋人になりたい。マスターの赤ちゃん産みたい。マスターのお嫁さんになって、沢山の人に祝福されたい」
いや、なれないでしょう。流石に無理があるというか。
というか怖いです。普通に怖いです。これを毎晩マスターの耳元で囁くとかホラー以外のなにものでもないんですけど。
まあ確かにですよ? クラウンさんは人前でこういうの出すのが恥ずかしいのか、いや恥ずかしがってるんですかね、本当に。
とにかくあまり表に出さないというか、いや、そうでもないような気も。
えーと、とりあえず、こう、抑えられない感情を抑えているのが夜の寝静まった頃に爆発しているということでしょう。そういうことにしておきましょう。
これ以上は野暮というものですね。というかこれ以上見ていたら私がトラウマを抱えてしまいますので許してください、はい。
なんでしょう。見てはいけないものを見てしまった気がします。何故アルキテクトさんはあんなものを見て冷静でいられるのでしょうか。しかも弄りの材料にしてますし。
やはりこう、冷徹な心みたいなのがあるんですかね彼女には。
ん? でもまさか、実はアルキテクトさんはクラウンさんに気があるとかそういう可能性も……無いですね。犬猿の仲ですし。
ここはお口直しがてら、皆さんお待ちかね、あの二人のイチャイチャでも観察しに行きますかね。
プリムさんとローズさんは必ず二人で一緒に寝ています。
しかしアルキテクトさん情報によると、この二人、暗くなりみんなが寝静まった頃に過激なイチャイチャをしているとか。
大丈夫ですかね。R18指定とかにならないですかね。
ですが気になります。もとい、気になってました。
いざ、出陣です!
「ふふふ、今日もステキな夜になりそうね? ローズちゃん」
ふむ、どうやら始まるばかりのようです。
「あなた、またフレズにちょっかい出してたでしょ。私というものがありながら」
おや?
いつもは素直じゃないローズさんなのに、もしかして夜になると積極的になるタイプですかね。
「ふふふ、ごめんなさいね。あの子可愛いからついつい」
「もう、バカプリム。あなたってホント可愛い女の子が好きよね」
「それはもう大好きよ。でも一番はやっぱり、ローズちゃん」
お、おおっと!?
プリム選手、ここでローズ選手と口づけを交わしたーっ!?
しかも長い! 長いですよ!
「ふぁ……ちゅ……ふりむ……かあいい……」
しかも舌を絡め合っているゾォ!?
どうもこんばんは。突然始まりましたこの番組「突撃! カップルの夜の営み!」の今夜は第一回目の放送となります。
実況は私、轟雷でお送りしています。解説に轟雷さんをお迎えしております。
いやー、解説の轟雷さんついに始まりましたね。
そうですね、実況の轟雷さん。この二人は常日頃からイチャイチャしていましたが、まさかここまで発展した仲だとは思いませんでした。これは視聴者の皆さんも驚愕しているのではないでしょうか。
そうですね、解説の轟雷さん。では続きを見てみましょう。
「ぁふ……ローズちゃんったら、いつもより大胆……」
「うるさい。いつも他の女の子にも手を出してるからでしょ、バカプリム」
「だって、他の子に手を出すとローズちゃんったら激しくなるんだもの」
おーっと! ここで驚愕の事実が発覚しました! どうやらプリム選手の美少女ガールへのセクハラは、ローズ選手を焚きつけるための行動だったようです!
なるほど確かに、そうなればさらに気持ち良くなりますからねぇ。プリム選手、考えましたね。
これには解説の轟雷さんも目が離せない様子。実況は私、轟雷でお送りしています!
「そうやって私を焚きつけて、後悔しても知らないわよ?」
「大丈夫。ローズちゃんになら何をされたってーーんん……っ!」
おおっと、ここでローズ選手、両手でプリム選手の二つの胸を愛撫し始めた! しかしホイッスルは鳴らない! これはどういうことでしょうか、解説の轟雷さん。
そもそもこれサッカーじゃないですからねぇ。ハンドも何もないですよ。
おっとそうでした。視聴者の皆様失礼いたしました。実況は私、轟雷でお送りしています。
「プリムのその顔、すごく可愛い」
「ふふふ……んっ……嬉しいわ、ローズちゃ……んや……っ!」
ところで解説の轟雷さん。これ、果たして放送してしまっていいんでしょうか?
大丈夫じゃないですかねぇ。所詮ただ胸を愛撫してるだけですし。
ですがこれ以上行ったらR18指定となるのではないでしょうか。
大丈夫ですよ、実況の轟雷さん。たまにはこういうときもあるんですよ。そこを如何に上手く実況していき、解説していくかが私たちの仕事なのです。
なるほど、わかりました。試合続行といたします。
いや、我々は試合をしてませんよ。
「この程度で感じちゃって。プリムってば口の割には弱いわよね」
「違うの……ローズちゃんだから……こんな、に……っ!」
「ふふふ、美味しそうな蜜が口から溢れてるじゃない。勿体無いから飲んじゃう」
ローズ選手、プリム選手の口の端から流れる涎を舐めて飲みました。というかこれ本当に大丈夫ですか、解説の轟雷さん。割とアウトな気がするんですが。
大丈夫。まだ大丈夫です。こう、ギリギリのラインを攻めていくのが、ベストなんですよ。それで勝敗が全て決まりますからね。
なるほど。というか、普段の印象としてはプリム選手が攻め側のように思いますが、意外にもこういう場ではローズ選手の方が攻め側になるのですね。
ちなみにデータベースアルキテクトによると、最初に告白したのはプリム選手ではなくローズ選手との情報があります。
なるほど。つまりそういうことですか。
そういうことですね。
実況は私、轟雷でお送りしています。
「はぁ……はぅ……待って! まだそこ舐めないで……っ」
「ん? どうして?」
「だってその……おかしくなっちゃうもの……」
「いいじゃない、おかしくなっても。今日は朝起きられないほどに壊してあげるわ」
あのー、解説の轟雷さん。そろそろマズくないですかね?
確かに、ちょっとマズイ雰囲気が漂ってますねぇ。そろそろカメラ止めた方が良い気がしてきますよ。
ですが、我々としては是非視聴者の方に最後まで見ていただきたい。どうしましょうか、解説の轟雷さん。
しかしこれ以上は規定に反してしまいます。そうなれば、初回放送で終わってしまいますが、いいんでしょうか。そうなれば実況の轟雷さん、あなたも私も終わってしまいます。
そうですね。確かに、この業界にいられなくなってしまう可能性もあります。やはりここはカメラを止めるしかないのでしょうか。
いや、ちょっと待ってください。何か様子がおかしいですよ。
「今日のローズちゃん……いつもより……激しい……っ!」
「ふふふ、そりゃそうよ。だってとことん見せつけてやらなきゃ。プリムは私だけのなんだって!」
「あぅ!? 見せ……つけて……?」
と、おやぁ? 解説の轟雷さん。これはもしかして、もしかするのではないでしょうか?
実況の轟雷さん。気づきましたか。そうですねぇ、ええ、おそらくそうです。
「だってほら、そこで轟雷が見てるじゃない」
「ふえ……?」
えー、視聴者の皆様。実況の轟雷です。どうやら最初から我々の存在を勘付かれていたようです。具体的に言うと、バレました。というより最初からバレてました。これは一大事と言うほかにありません。
ローズさんがニヤニヤとすごく怪しい笑みを浮かべてこちらを見ています。
プリムさんは顔を真っ赤にしてこちらを見た途端、両手で口を抑えて突然体を何度か跳ねさせました。多分アレですね、ええアレです。
「あのー、いつから気づいてたんですか?」
「はぁ? 最初からに決まってるでしょ。プリムは私のことしか見えてなくて聞こえてなかったみたいだけど、実況と解説の声ダダ漏れだったわよ」
「……ばんなそかな」
「そのネタ古いわよ」
そんなバカなことがありますか。全く気づかなかったんですけど。自分のことなのに、全然気づいてなかったんですけど。
もしかして興奮のあまりにってやつですか?
え、やだ。それじゃ私が変態みたいじゃないですか。そんな、そんなことって、あんまりですよぉ。
「さて、それじゃ轟雷。最後まで見てくでしょ? プリムったらいつも自分から襲ってるくせして、襲われるところを見るの恥ずかしいみたいだから。この子が恥ずかしがってるの見ると、私興奮するのよ」
「いや、そんな衝撃のカミングアウトはいらないです」
「いいから、遠慮せずに、さあ」
「やだ……! 見ないで轟雷ちゃん……!」
「大丈夫、朝になったら忘れてるからこの子」
どうしましょうか、これ。
いや、ちょっとした好奇心で見てみたんですけどね、流石に最後まで見ようという気は無かったんですよね。
だってほら、やっぱりこう、ね? あるじゃないですか。気がひけるじゃないですか。
「いえいえ、それには及びません。二人で楽しんでください」
「私たちの姿をみて興奮してたって、みんなにバラしてもいいのかしら?」
「えっと、みんなっていうと」
「そりゃ勿論、マスターにもよ」
いやマズイ。それはマズイです。だってまだ会って間もないのに変なイメージをつけてほしくないというか。いやそもそもこの性格設定にしたのマスターですけど、それとこれとは別というかですね。
結局この日の営みを私は最後まで見る羽目になりました。
感想だけ言いますと、とにかく凄かったです。誰かが薄い本のネタにしてもいいんじゃないかというくらいに。
なんせあのプリムさんが途中からーーいえ、これ以上はやめましょう。
実況と解説は私、轟雷でお送りしました。またの機会にお会いしましょう。皆さん、さようなら。
どうも。マスターのマスターによるマスターのための後書きコーナーっていうかさ、この話は大丈夫なのかね。規約違反とかならない?大丈夫?轟雷先生が「ギリギリを攻めたつもりです! 多分大丈夫!」とか言ってたけど根拠はなんなのさ。そんな疑問が浮かんでいるマスターです。
あ、前書きが途切れてるのは取り上げたからです。あれ以上言わせてはいけないのだわ……。
ちなみにプリムとローズが付き合い始めたのは確かえーと、いつだったかな。確かアルテナが来る前だった気がする。最初確かイノセンティア姉になぜか攻撃しているローズを、プリムが制裁。そこから三人は仲良くなり、プリムはローズのことをかなり気に入り……というか一番最初がプリム次にローズという感じでお迎えしたから自然と付き合いが長いもの同士がくっついた感じですよね。
それが今や体を重ね合う関係に。うん、世の中何があるかわからんね。不思議発見。
あ、あとクラウンの奇行は知ってるよ。たまに人間サイズのクラウンが夢に出てきてたのはそのせいだったんだなって、思います。早くクラウンを完成させてあげたいですね。
そろそろ名前決めてない子らの名前も決めようかなというところで、今回のあとがきを終わらせていただきます。ではでは。