・・・本当のところ、マジで寂しくなかった。この一人の環境に慣れすぎてて。あとどっちかといえば一人の方が好きだったこともあるんでしょうね。とはいえみんなでワイワイするのが嫌いというわけではないんですよ。・・・で、これ何の話?(困惑)
新たな施設に行けるようになったものの、修練場はまだ使えない。そのためしばらくはいつも通りグラウンドでの練習なるのだが、この日は練習の前に会議を開いている。メンバー全員で修練場が使えるようになった時の計画を立てているのだ。
「―――で、どれくらいの頻度がいいんヨ?」
「・・・難しいですね。あそこの練習がどれだけ厳しいのかわかっていませんし」
「できることなら、一日も欠かすことなく練習に励むことができれば最適なのだろうね」
あの機材の充実している修練場ならば、確実にパワーアップは期待できる。毎日やれば相当の力を手に入れることができるだろう。
だからといって、やたらめったら練習すればいいというものではない。
「もちろんだ。だが、毎日あれで練習するのはキツいだろうな。週に二回から三回、それ以外はここで基礎、連携を重点的やるのがいい」
過剰な練習は怪我のもと。ましてや、あそこの練習はハードというレベルを越えているという話だ。レベルの調整はできるらしいが、それでもやりすぎるのは危険だろう。
「しかし、そのペースで勝てるでしょうか?できる人は多少無理してでも毎日やった方が・・・」
「まあまあ、焦ったらアカンで涼華ちゃん?疲労とかは気づかん内に溜まってくもんや。特にあんたは前に怪我してるし、下手に無理して再発、悪化なんてしたら目も当てられへんで」
生真面目な麻宮は、余力のある人は多少無理してでもやるべきではないかと意見を出す。しかし、無理はよくないと支倉に止められる。
「・・・すみません。少し焦りすぎていました」
たしかに自分が焦りすぎていたと考えを改め、頭を下げた。支倉は気にするなと頭を撫でる。
・・・その際に胸に手がいっていたのを星見は見逃さなかった。当人が気にしておらず、こっちが標的にされたらたまったものではないので何も言わなかったが。
「そうそう、無理はよくないからな!怪我だけはしないようにな?」
・・・と赤城も無理はしないように言ったものの、正直赤城も焦っている。いくらいい施設が見つかったとはいえ、あれだけの差を見せつけられて余裕な気持ちを持てるはずがない。多少無茶してでも練習したいと考えるのは当たり前だ。
しかし、怪我はできない。人数がギリギリというわけではないが、このチームは一人一人がそれぞれの役割を持っている。一人が怪我すれば、そこに大きな隙ができてしまう。そのため過度な練習をすることはできない。
無理してでも力を付けたいとは思うが、それによる怪我は避けたい。まさに板挟み状態、ジレンマとはこういう状態のことを言うのだろう。
「とりあえず修練場を使うのは月の一週目と三週目は月水金の三回、二週目と四週目は火木の二回にしておこうか?これを基本として、あとは慣れとかその日の様子とかで細かく調整していく。これでいいかい?」
「ええんちゃう?うちは文句ないで」
「私もいいよ。やってからの調整は必要だろうけどね」
特に否定する声もなかったため、これで今後の予定はだいたい決まった。とはいえまだ使えないので、使えるようになるまではグラウンドで地道に練習するしかない。
早速グラウンドに移動し、今日も地道に練習開始。基礎、応用、技、各自で自分の今やるべきことを見つけひたすら特訓する。
「・・・裁野先輩、何の練習を・・・?」
裁野はボールも持たず、目を瞑っている。それにも関わらず、どこか近寄りがたい雰囲気を出しており、何もしてないとはいいがたい。
「・・・この地区で優勝を目指すなら、サイクロンだけだと厳しいだろうからな。相手のボールを直接奪う技も用意しておいた方がいい。だからイメージトレーニングをしていた、それだけだ」
世の中にはイメージトレーニングというものがある。想像し、頭の中でイメージを固めて技術を上げるというものである。
この練習の良いところは、まず物が必要ない。加えてあまり疲労がなく、集中力を高め、頭をすっきりさせることもできる。また、身体を使う場合はある程度の広さがある場所が必要になるが、想像するだけならどこでもできる。
頭の中で技のイメージを作り、架空の相手に技を仕掛ける。ひたすらそれを繰り返し、どのような技にするのかを固定する。
「・・・でしたら俺も一緒に練習していいですか?奪ったボールをキープする練習をする必要があるので」
とはいえイメージだけでは限界がある。実際に動かし、なおかつ相手がいた方がやりやすいだろう。ちょうどオフェンスの練習をしたいと思っていた黒鉄は練習に誘ってみる。
「・・・ちょうど技のイメージが固まったところだ。やるのは問題ない。だが、俺は練習でも容赦しない。やるなら覚悟しておけ」
「・・・はい!」
オフェンスとディフェンス、お互いがやりたいことをできる。条件が合致し許可もとれたため、今度は二人で練習を始める。
別の場所ではFWが練習している。シュートを打ち、威力の向上。また、新しい技の開発を試みている。
「煌、シュート練習してるの?」
そこにやってきた獅子神が話しかけたのは、シュートを打っている星見だ。前回はMFでの出場だったが、本来はFWだ。
「ああ、どれだけ守りが固くても点を取れなきゃ勝てないからね。攻め手は多いに限るよ。・・・で、なんでキミは私のことを名前で呼んでるのかな?」
「別にいいでしょ?だって私たちチームメイトだし、もうすでに仲良しじゃない!」
そう言って獅子神は星見と肩を組もうとしたが、星見はそれを避けた。その結果、獅子神は勢い余って顔面を土につける羽目になった。
「な、なんで避けるのよーっ!!」
「そうだね、なんというか・・・バカが移りそうだったからつい」
「ねぇ酷くない!?」
勘違いしてはいけないが、獅子神は決して頭が悪いわけではない。少しばかり疑う心が足りていないだけだ。ようするに偏差値などのバカではない。純粋なバカなのだ。
「酷いも何も事実じゃないか」
「うぅー!そんなに言うことないじゃないのよー!」
「・・・あれは大丈夫ですか?」
「あれはスキンシップだから多分大丈夫なんヨ」
ギャーギャー文句を言う獅子神とそれを適当にいなす星見。これではどっちが上級生なのかわからない。強いて言うなら獅子神の方が若干大きい。ドングリの背比べ程度の差ではあるが。
「それで三日月さんは何を?」
「うーんとね、ハイバウンドフレイムを一人で使えたら強いと思ってるんヨ。それで色々試してるんだけど上手くいかなくて・・・」
ハイバウンドフレイム、たしかにあれを一人で使えたなら強力だ。そこで三日月は一人でも使える方法を模索しているが、なかなか上手くいかないようだ。
やはり連携するのが一番だろうが、二人だと片方マークされると詰みだ。それにあれ以降赤城と共に練習したができなかった。三日月のパワーでは以前の高さまで安定して打つのは難しく、赤城の方も空中でバランスをとるのが難しいらしくコントロールできず外れてしまう。
結局幻の技となってしまいそうだった。
また別の場所では、キャプテンの赤城がボールを持って何か思案している。
「飛ぶ、羽・・・炎・・・えぇっと、あと何があるっけ・・・?」
この地区を勝ち抜くには、ヒートウィングだけでは無理。それは前の試合で証明された。ならばどうやって解決するのかという話だが、使い込んで強化する、より強力な技へ進化させる、まったく別の技を覚えるという三つの方法が主なパターンになる。
最初の方法が一番簡単だ。別に難しいことをする必要はない。ただひたすら技を使い続ければいい。と言うのは簡単なのだが、それ相応の強化をするにはかなり使い込まないといけない。ようするに手間がかかるのだ。
次にまったく別の技を覚えるという方法。上手くいけば、強力な技をすぐにでも覚えられるかもしれない。しかしこちらはゼロから始めるため、要領を掴めないと延々と時間がかかる。何もできずに終わるという可能性も充分にある。
それらの中間卓となるのが強力な技への進化だ。今ある技を軸にし、新たな技を覚える。たとえばワイバーンクラッシュという技。ドラゴンクラッシュの威力を継承しつつ、そこにスピードを加えた技。完全な新しいものではなく、あるものを正当に強化し進化させる。
これだけ見ると一番良いようにも見えるが・・・ヒートウィングの場合、どう強化したらいいのかが思いつかない。あそこから何を加えれば良いのだろうか?と悩んでいるところだ。
「うーん・・・まったくわからん・・・」
炎の翼をまとって飛ぶ。ある意味技としては完成形のようなもの。スピードを高めたり、より高所への飛翔、炎の強化など改善のしようはまだまだある。しかし、進化となると話は別。どうやって進化させたらいいのかまったく思いつかない。
「あーあ、こんなこと考えなくていいぐらい上手ければ良かったんだけどなぁ・・・」
もっと小さい頃から始めていれば?もし自分にたぐいまれな才能があれば?こんなことを考えても上手くなるわけでもなく、それらが手に入るわけではないが、人間は自分にないものを欲しがるもの。他の人が上手いとその欲はより大きくなる。赤城もまさにその状態だった。
「おおキャプテン!一人で何してるんじゃ?」
「・・・いや、なんでもないですよ!そっちこそどうかしましたか?」
そこにボールを片手に持った盤上がやってきた。邪な考えはさっと捨て、いつも通りの調子に戻して話をする。
「うむ、もっと強くなりたいからな!他にやることがないなら練習に付き合ってくれんか?」
「もちろんですよ!どんどん来てください!」
「ガハハッ!すまんのう!それじゃあ早速いくぞ!」
このままずっと考えていても、時間を無駄に使うだけ。とりあえず体を動かすしかない。赤城は盤上と二人で特訓を始めた。
ワイバーンクラッシュがドラゴンクラッシュの進化になるのかはちょっと記憶が定かではありませんが、そんなことを言っていた気がするし、言ってなかったとしてもそういうノリだっただろうから許してね?実際その系統ではあるでしょうし
そして荒央の募集も残り期間わずかです。そのキャラの採用についてですが、その件についてアンケートをします。内容は
採用不採用キャラ、共に理由をつけて発表
採用キャラ理由をつけて発表
不採用キャラの理由をつけて発表
採用キャラだけパッと書いて本編を進める
の4つです。前は全部書いていたんですが、なかなか面倒くさくて・・・。もちろん要望があれば書きます。今後の参考にもしたいため、よろしければお答えください
採用不採用キャラ、理由を書くべきか
-
採用不採用キャラ、共に理由をつけて発表
-
採用キャラのみ理由をつけて発表
-
不採用キャラのみ理由をつけて発表
-
採用キャラだけパッと書いて本編を進める
-
構わん、(自由に)やれ