イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

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今年ラストの投稿がこんなことになったのは私の責任だ。だが私は謝らない。君(読者)たちならギャグ回を乗り越えて、この小説をずっと読んでくれると信じている

さて、冗談はこのぐらいにしましょう。本当は今回荒央中学を出すつもりだったんですが、思いの外長くなったんで急遽ある程度書いてたこっちを先に出すことにしました。まあ新年一発目が荒央中学になると考えればこれでもいいのかな?

とにかく今年最後はギャグ回で終わります。荒央の登場および採用発表は来年にやるので今はこれでお待ちください。それでは本編の方をどうぞー


そこに山があったから

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、各々が次に向けて準備する。この後は帰宅、掃除、雑談、居残りなどやることは違う。

 

「おーっす、今日もはえーな」

 

そして、サッカー部所属の東条は部室に入る。一番乗りかと思ったが、そこにはすでに淀屋がいた。結構早く来たつもりだったのだが、淀屋の方が早かったらしい。

 

「せやな。でもそっちも早いやん」

 

「それもそうだな!」

 

またしてもこの組み合わせ。ここまで一緒になると、運命的なものを感じる。変態同士は引かれ合うといったところだろうか?もっとも、二人はもっと可愛い女の子を要求するだろうが。

 

「はぁー、しっかし誰か来るまで暇だな」

 

「誰かけえへんかな。二人やとさすがに暇やで」

 

揃いも揃って暇だとぼやく。とはいえ二人だけでは退屈なのも仕方ない。ましてやいつも話すような仲良し二人組。話したいことはおおかた休憩時間などに話している。暇なのは間違いないだろう。

 

「そんな二人の元に来てやったぜ!」

 

と、この暇な時間をどうするか悩んでいると、ちょうど誰かやってきた。快活そうな笑顔をしている男、太智優利だ。

 

「なんや太智かいな。現ちゃんやないんかい」

 

「チェンジだチェンジ。男に興味はない。現ちゃんを呼んでこい」

 

「そりゃないぜー、同じサッカー部の仲間だろ?」

 

さっきまで誰か来ないかと言っていたのに、モテたい男セットは太智を適当にあしらう。彼らは女の子が欲しかったのだ。まったくもって贅沢な話である。なお太智は気にせずぐいぐい来る。

 

「仲間やいうてもなぁ・・・正確には違う部活やし、なんかなぁ・・・」

 

たしかに場所と機材を提供してくれた点に関しては感謝している。あれがなければ地道な練習で大きな差を埋めなければいけなかったが、あの修練場さえあれば短期間で差を縮めることができるだろう。その点は本当に感謝している。

 

しかし、一緒にフィールドに出て戦う仲間と比べると仲間とは言えない気もする。ましてや今回の件は親切心というわけではなく、向こうにも利益があるから。仲間というよりは協力関係と言った方が適している。

 

「じゃあとっておきの情報を話してやるぜ」

 

「とっておきぃ?どうせくだらない話じゃねぇの?」

 

だいたいこういう時のとっておきというのは対した話ではない。どうせ信憑性のない七不思議だとか、全員が知っている教頭先生ヅラ問題程度のことだろうと適当にあしらうつもりでいた。

 

「いやー、知りたいと思うけどなぁ・・・

 

 

 

 

 

・・・現先輩の胸度、知りたくないのか?」

 

その瞬間、部室の空気が止まった。

 

「なんやて・・・?お前、まさか・・・」

 

「・・・なるほど、お前も俺達と同類かッ!!」

 

東条の一言に不敵な笑みを浮かべ、大袈裟な動きで頷いた。

 

「あの人は機械の改造とかしてるときはめちゃくちゃ集中してるから見放題だ!だから現先輩の胸度はだいたい把握しているぜ!」

 

「ナニィ!?なんちゅう羨ましいやっちゃ・・・ワイも技術工作部に入るべきやったか・・・っ!」

 

「淀屋、落ち着け!俺達だって試合中は合法的に見ることができるし、なんなら合法接触が可能なんだ!俺達の選択は・・・決して間違ってない!」

 

さすがは下半身に正直な二人。聞いてもいないのに自分が思ったことをはっきりと口に出した。

 

正直者は救われるという言葉があるが、正直者がバカを見るという言葉もある。きっと彼らはバカを見るだろう。まあこの場合は彼らが悪いので、意味は少し変わってくるが。

 

「それで、どのくらいなんだ?俺が見た感じ平均よりは少し大きいぐらいと予想してる」

 

「さすがだぜ。あんたの言うとおりおそらく並以上。ただ大とまではいかない、おそらく並と大の中間辺りと考えるのが妥当だぜ」

 

「なるほど、戦胸力6000といったところやな。なかなかやるやん」

 

さっきから胸度やら戦胸力といった謎の単語が出てきているが、気にしてはいけない。天才よりもバカの方が何を考えているのかわからないときだってある。

 

しかしそれを調べたとて意味はない。ただただ時間を浪費するだけ。聞き流してスルーしておくのが一番だ。

 

「・・・ところでさ、あれは何だ?」

 

ここで話を区切り、太智が指を差したのはよくわからない布。何かに被せているのか、やたらでこぼこしている。それになかなか大きい。人一人は隠せるぐらいの大きさがある。

 

「さあ?昨日まであんなもんなかったんやけどな・・・剥がしてもええんちゃうか?」

 

「まさか部室に変なものはないだろうしな。よし、剥がすか!」

 

あんなものを置かれていたら気になって集中できない。部室に危険なものがあるとは考えづらいし、仮に問題があったならまた戻せばいい。三人が布の周りに集まり、一気に引っ剥がす。

 

「・・・ん?」

 

「・・・えっ?」

 

わざわざ被せている辺り、何か貴重な物でも置いてあるのかと思ったが・・・あまりにも予想外だった。そこまで手入れされていない青色の長い髪の女の子が気持ち良さそうに寝ている。だが、完全に見たことある人だった。

 

「なあ、この人ってさ・・・」

 

「ああ、斧街先輩だな」

 

なんでこんなよくわからないことになっているのか?まさかとは思うが、誰か来た時に寝ているのがバレないようにするためわざわざ布を被ってカモフラージュでもしようとしたのだろうか?

 

正直目立っていたし、バレバレ。本当にそうならバカとしかいいようがないが・・・

 

「この人いっつも寝てんな。授業中も寝てるって話だし、逆に夜は何してんだ?」

 

「ホンマよう寝るわなぁ。とりあえず起こそか。このまま寝られててもそれはそれで集中できんし」

 

それにしてもこんなものを用意してまで寝るとは、よっぽど眠かったのか。それともここの寝心地がいいのか。何にせよ寝られていても困るので、起こすために手を伸ばす。

 

しかし、淀屋は()()に気づいてしまった。

 

「・・・ッ!!見てみい東条!エベレストや!エベレストが二峰もあるで!」

 

「は?淀屋さぁ。お前ついに幻覚でも・・・ッ!!」

 

ここは日本、世界の名峰であるエベレストなどあるはずがない。ましてや二峰とはどういうことだ。とうとう頭がイカれて幻覚でも見るようになったのかと思ったが・・・違った。

 

「なっ、なんだとぉ!?そんなバカなッ!?」

 

たしかにそこには巨大な山が二峰あった。その大きさは世界の名峰、エベレストに匹敵するぐらいの圧倒的大きさを誇っている。

 

・・・とまあ派手に言っているが、彼らが注目しているのは斧街の胸元である。つまり、そういうことである。

 

「せ、戦胸力10000・・・だと!?」

 

「な、なんちゅうことや・・・そんなことありえるんか!?」

 

「これは驚いたぜ・・・こんな近くに名峰が存在するなんてな・・・」

 

三人はいったん距離をとり、頭を落ち着けてから小声で相談。それぞれの考えを伝え合ったところ、三人の考えは同じ。結論を出した。

 

「ワイらはサッカー部。足腰を鍛えるのは当然のことや。練習も兼ねて、この山を登頂するとしよかぁ」

 

足腰を鍛えるために山を登る。言葉だけならわからなくもないが、やってることは完全にアウトである。

 

「なぜ山に登るのか?その問いに対し、登山家は言った。そこに山があるからだと。だからこの山に登るのは合法だぜ!」

 

とりあえずこの三人は登頂する前にやることがある。登山家に対しての謝罪である。というかそもそもこの山は登山してはいけない。

 

「よーし、お前ら!城翔中学登山部、始動だ!」

 

いつからここは登山部になったのだ。しかし、ツッコミを入れる者が不在。完全に欲にまみれた急造登山部が始動・・・

 

 

 

 

 

「―――協力してくれるのはありがたいけどなぁ。修練場で本当に勝て・・・あっ、もう来てたのか」

 

「おっ、キャプテンか!先に失礼してるで!」

 

と、そこに何かぶつぶつと呟きながらキャプテンの赤城がやってきた。しかし特に三人は気にしていない。挨拶だけして続けるつもりである。

 

赤城はというと、三人が何を言っているのかはわからなかったが、別にいいかと気にしないことにする。それよりも、三人と後ろでぐっすり寝てる斧街を見てうなだれた。

 

「また斧街先輩が寝てる・・・しょうがないな・・・」

 

寝てるかサボるかの斧街。やれやれと思いつつも、律儀に起こすためほっぺたをぺしぺし叩き始めた。

 

「あー!?おいキャプテン!!何してんねん!!」

 

「えっ?そんなに強く叩いてないけど・・・」

 

あんまり強く叩くのはいけないと思っているので、起こすときはいつも軽くぺちぺちする程度にしている。痛くないようにしているはずなので、淀屋が止めたことを疑問に思う。

 

「そうじゃねぇだろバカヤロウ!日頃の疲れが溜まって寝てるかもしれないんだぞ!」

 

「いや・・・それはそうかもしれないけどさ、日頃の疲れっていっても斧街先輩は基本サボり―――」

 

「シャラップ!!キャプテンの意見は聞いてない!とにかく起こすなんてもってのほかだぜ!恥を知れ!」

 

「え、えぇ・・・?」

 

いつもはそんなことを言わないのに、今日は絶対起こすなとひき止める。困ったものだと赤城は頭を悩ませるが・・・

 

「うぅん・・・あれ?もうこんな時間かい?いやぁ、よく寝たよ。それじゃあ今日も頑張るとするかねぇ」

 

だが、三人が大声を出して騒いでしまったことも相まって、三人が悪事を働く前に斧街が起きてしまった。

 

「言いましたね?言質取りましたよ?」

 

「手厳しいねぇ。そんなこと言わずにのんびりやろうよ」

 

目を覚ますと、今日は頑張るとこれ以上ないぐらい疑わしいことを言っている。遅刻常習犯が次から絶対に遅刻しないと言ってるぐらいには疑わしい。

 

「・・・斧街先輩」

 

赤城と斧街が二人で話していると、途中で東条が割り込んでくる。いつものようなふざけた感じではない。その目は本気だった。

 

「なんだい?あんたも疑ってるのかい?心配しなくても今日はちゃんとやるってば」

 

「そんなことどうでもいいんで、とりあえず寝てください」

 

「・・・うん?」

 

「あの、どうでもよくないんだけど・・・?」

 

てっきり東条も疑っているのかと思ったが、予想外の反応だった。赤城も訳がわかっておらず驚いている。

 

斧街からすれば味方が増えたということになる。それ自体はいいことだが、とりあえず今はもう眠くはない。

 

「いやいや、もう眠気はないし今はいいよ。またあとで・・・」

 

「そう気を使わずに。ほら、お疲れでしょう。今すぐに寝てください」

 

「え?いや・・・今はもう大丈夫だから・・・」

 

「疲れは自分の知らん間に溜まっとるって聞いたことあります。せやから眠りましょう」

 

さらに東条だけでなく、淀屋と太智の二人が加わり、三人がじりじりと詰め寄る。ちょっとしたホラー映画みたいだった。

 

「なっ、なんなんだい!?ちょっ、もういいから!」

 

斧街がいくら言っても聞く耳を持たず、三人は距離を詰めてくる。

 

「まさかずっと寝てたことに対する当て付けかい!?それは悪かったって!あたいも反省してるって!」

 

あまりにも必死すぎる。この寝てくださいは、永遠に寝てろ的ニュアンスを持っているのかもしれない。いつもサボっているため、心当たりは充分にある。

 

「いえ!ただの親切心ですッ!!ご気になさらずッ!!」

 

「それにしては目が怖い!?圧がすごいんだけど!?」

 

鬼気迫る表情で斧街に寝るように勧める三人。下手なB級映画よりもよっぽど怖い。

 

「そんなことないですわ!ワイらは斧街先輩のことを大事に思っとるんです!」

 

「そうそう!気のせいですから早くお眠りになってください!!」

 

「絶対気のせいじゃないよねぇ!?これ絶対永遠の眠りとかそっちの意味だよねぇ!ちょっとキャプテン見てないで助けてくれないかい!!」

 

「え、えぇ・・・?」

 

一応サボりの常習犯なので、身に覚えはある。これはまずいと赤城に援護を要請するが、状況を把握できない赤城はただ呆然とするしかなかった。

 

「おはよー!今日も元気にやっていくんヨ!」

 

ちょうどそのタイミングで他の部員がまとめてやってきた。そんな彼女らが見たのは、四人の男が斧街の周りを取り囲み、鬼気迫る表情で詰め寄っている場面である。

 

「えっと、あの・・・ご、ごめんなさい・・・?」

 

「三日月、見てはいけないよ」

 

「ねえ、退部してもいい?嫌なんだけど、こんなサッカー部にいるの」

 

唖然とし何を思ったのか謝る三日月。そんな三日月を見て、佐原がこの光景を見せないよう咄嗟に目に手を覆い被せて隠す。事情は知らないが、見せてはいけないような感じがした。そして星見はいつものごとく幻滅していた。

 

「・・・その、なんだ。無理矢理はよくないと思うぞ・・・」

 

「うむ、ワシらが来てない間に大変なことになっとるのぉ」

 

「・・・ちゃんと練習するなら好きにしろ」

 

黒鉄や盤上も目の前の光景を見て、呆然とするしかなく、ようやく言葉を発するも歯切れが悪い。なお裁野はあまり気にしていなかった。

 

そして、少し遅れて状況を把握した獅子神が声を荒げた。

 

「こんの変態どもォォォォォ!!いい加減にしなさいッ!!」

 

「ひでぶっ!!」

 

「あべしっ!!」

 

「うわらばっ!!」

 

「待って!?俺は関係な―――」

 

獅子神の強烈な蹴り、通称シシガミンキックが華麗に炸裂。冤罪の赤城も含め、四人は地に伏した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて・・・なんでこんな目に・・・」

 

「ご、ごめん。てっきりあの三人と一緒に何か企んでるのかと・・・」

 

「・・・すみません、僕がもっと早く声をかけていれば」

 

「いや気にしなくていいって!別に痛く・・・ごめん、やっぱり痛い・・・」

 

あの後誤解は解けた。本来なら証拠がないため覆しようはなかったのだが、実はあの場には千景もいたのだ。ゴタゴタしてしまったせいでいつものごとく気づかれていなかったが、ここに至るまでのことをすべて見ていた。

 

そして、赤城が蹴られて後にようやく気づいてもらえ、すべてを話したことで誤解だったことが判明。冤罪を作らずに済んだ。まあ蹴られた後ではあるが。

 

「よし、とりあえずこれでいい。怪我というほどのものでもないから動いても問題ない。多少痛むかもしれないが・・・」

 

「おお、ありがとー。それにしても麻宮は怪我の手当て上手いんだなぁ」

 

「怪我してから色々調べたからな。軽い怪我なら自分で治せる」

 

呆気からんと答えるが、そもそもこれは何の怪我に分類されるのだろうか?打撲・・・というほどのものでもない。とはいえそれはもうどうでもいい。とにかく誤解が解けてよかった。

 

「俺は疲れている斧街先輩を休ませようとしていただけだぜ!!濡れ衣だー!!」

 

「それはそうと麻宮ちゃん!ワイらにも治療を頼みますわ!!ハリーハリー!!」

 

「そうだそうだ!というか俺達の方が重症だ!!ぜひ俺達に愛の施しを!!」

 

「全然懲りてへんなぁ。まっ、それぐらいやないとセクハラなんかやってられんわなぁ!!」

 

「おお・・・っ!さすが支倉先輩!わかっていらっしゃる!!」

 

なお、残りの三人は当然許されなかった。三人はただ休ませてあげたかっただのこっちにも手当てをなどと供述しているが、誰も信じてくれなかった。唯一支倉先輩のみ彼らは将来有望やで・・・と言ったぐらいだった。

 

「・・・すまない。あれはどうしたらいい?」

 

「ほっとけ。あいつらはほっといても勝手に治る」

 

「そうだね。ほっといてもいいんじゃない?」

 

結局あの三人は手当てしなくていいと言われてしまった。三人は不満そうにしていたが、本当に何もしなくても勝手に治っていたとのこと。




とりあえず日常とかの回は変態を投げておけばなんとかなる。嘘だと思うなら聞いてみるといい、みんなそう言うから。でもそんなことを聞きに行くのはお相手さんに迷惑がかかるから聞きに行っちゃダメよ(矛盾)
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