ただ、城翔中学からこっちに回したキャラはチーム用に少し性格が変わってしまっているかも(めちゃくちゃ大きくは変えてはいない・・・はず)。不満に思われたら申し訳ない
少し話は変わりますが、こうして読者参加でキャラを募集していると、キャラを作るのが上手い人の特徴がよくわかります。設定を詰め込みすぎず、かといって薄くもならないようにして、矛盾なども起こらないようにしつつ、しっかりと技にも性格や特徴を反映させる。そして無理矢理ではなく、いい感じにストーリーな会話に絡められる特徴を持たせる。私はあまりキャラを作るのが得意ではないので、作るのが上手い人は尊敬しております
で、ここから採用不採用発表の話です。前のアンケートが自由にしろと理由付けて書いてくれが同票だったので、活動報告の方に採用不採用のキャラを書き、その理由も書いています
採用はもちろん、不採用にも不採用だった理由をしっかりと書いていますので、今後作る際の参考にしてもらえてたらと思います。特に先ほど上手い人は上手いと言いましたが、逆に不採用の人も固定だったりするので、これをよく読んで今後のキャラ作りの参考にしていただけたらなぁと
例の大阪大会は順調に進み、今日から三回戦の幕が上がる。ここまで来るとチームもそれなりに減っており、ある程度の実力を持つチームが残る。
そのため圧倒というよりも白熱した試合が起こりやすいこともあって、観客も試合が始まるのを今か今かと待っている。
・・・もっとも、今回の場合は少し違う。
「ええ調子やなぁ。このまま優勝いけんちゃうか?」
「よーし、このまま一気に駆け上がってやるぜ!」
「負けちまった城翔中学の分まで頑張らないといけないな。今回も勝とうぜ!」
なんとか三回戦まで進出した輪成中学。相手が良かったということもあるが、城翔中学との試合で火がつき、かなりのパワーアップを遂げていた。
しかし、次の相手はそう簡単にはいかない。
「地区最強・・・か」
誰かがポツリと呟く。自分達がこれから戦う相手は、この地区で王座に君臨しているチーム、荒央中学だ。
観客がいつもよりも試合を楽しみしているのはこれが原因。王者の圧倒的な強さ、今はそれをもとめているのだ。
「なんや、ビビってんのか?」
「まさか、むしろ楽しみっすよ!」
仲間の威勢のいい返事を聞いたキャプテンの三堂はニヤリと笑う。地区最強、前年度地区大会優勝校。実力は自分達とは桁違いだろう。
とはいえ相手がどこだろうが、やることはいつもと変わらない。一試合を全力で戦って、ただ勝ちにいく。それだけだ。
「みんな行くでぇ!!格上なんて関係粗へん!!今回も勝利やー!!」
「おっしゃー!!やったるでー!!」
「負けへんぞー!!ウィーアーチャンピオン!!」
輪成中学と荒央中学の試合は騒がしい中開幕した。
それからしばらくして、赤城達がかなり遅れて試合会場に到着した。
「━━━輪成中学のみんなには頑張ってほしいよなぁ」
「なに、あいつらなら大丈夫じゃろう!きっとなんとかしよるわ!」
「そう上手くいくかねぇ。何せ相手が相手だし、なかなか厳しい戦いになると思うよ?」
赤城達が最初に戦い、同点と拮抗した相手、輪成中学。自分達は一回戦で負けてしまったが、輪成は順調に勝ち続け、三回戦で地区最強の相手、荒央中学と戦うことになった。そこで荒央中学の偵察を兼ねて応援に駆けつけたのだ。
ただ全員が来たわけではない。星見、裁野、黒鉄、麻宮、華咲、佐原、千景ら七人は残って自主連をしている。大人数で偵察しても仕方ないし、何人か残って練習するのは正しい選択だろう。
「でもどうせなら最初から見たかったよな。結構時間経っちまっただろ?」
「まさか電車が止まるなんて予想外やったわ。危うく見られへんところやったで」
赤城達は電車で会場まで向かっていたが、途中何かトラブルがあったということで、到着がかなり遅れてしまった。そのせいで前半戦を見ることはできなかった。
「でもなんとか間に合ったし、問題ないんヨ!」
すでに後半戦は始まっているため、試合自体はあまり見ることはできない。それでも試合の動きだけなら後で動画などで確認することができる。
今回は実際に見ることによって、動画などでは測れない力を見るのが目的。だから遅れても大きな影響はない・・・とはいえないが、意味がないわけでもない。会場内に入り、観客席に向かう。
「おー、やってるやって・・・」
なんとか試合中に間に合った。まだある程度時間はあるし、これならばしっかり見ることができると安堵するが・・・スコアを見て、言葉を失った。
「8対2・・・!?」
スコアボードに写し出される現実、想像以上の点差。たしかに強いとは聞いていたが、さすがにこれは想定していない。思わず絶句する。
「ほら、でも二点取ってるんヨ!」
「えっ、あっ・・・そ、そうだな!!輪成も頑張って━━━」
あまりの惨状に放心状態になってしまったが、三日月の一言で赤城は我に返る。よくよく見てみると、二点取っているのだ。つまり付け入る隙自体はある。この悪い空気を払うべく、すぐに声を出していく。
「あんちゃんそれは違うで。この二点はわざとあげたんや」
だが、赤城達の話を聞いてきたおじさんが口を挟んできた。いったいどういうことなのか?疑問に思っていると、察したらしいおじさんが話を続ける。
「まず前半は新入生の実力を測るためにスタメンがほぼ一年で構成されとった。せやから隙が大きいて、突破も決して難しいわけやなかった」
試合で一年生を多めに起用する。これはたしかによく聞く話だ。なるべく試合で経験を積ませ、三年が引退しても穴ができないようにするのだ。
「それに加えて荒央中学正キーパーの不破羅王、こいつがなかなかのクセ者や。まだ一年やが、こいつはテストとかじゃなくすでにレギュラーを勝ち取っとる男。一年レギュラーとだけあって、荒央の中でも指折りの実力者なんやが・・・いかんせん尊大でな。最初の二点は見逃すんや」
「・・・えぇ?それってキーパーとしてどうなんだよ?」
同じキーパーである東条は訝しげな顔をする。相手の攻撃を防ぐ最後の砦。いつもふざけてスケベな発言ばかりしているものの、やると決めた以上絶対に守るという意思だけはいつも持っている。それゆえ彼の行動には疑問を感じざるを得なかった。
「こいつに関しちゃ何とも言えんわ。まあええように解釈するんなら味方への信頼っちゅう考え方もできるわな。こいつらやったら三点以上取ってくる、そう考えとる。それに・・・」
「それに?」
「実際のところ、三点目は取られてないやろ?」
たしかに三点目は取られていない。二点までは止めず、それ以降はすべて止めているということ。自信に違わない、実力の証明だ。
そして後半になってからは二・三年を投入。一気にギアを上げ、シュートすら打てない状況が続いていた。
「分身ディフェンス!!」
「うおっ!?増えやがった!」
三人に分身した荒央のDF、梔子。その分身の一体がボールを奪い、別の分身へパス。そして本体にボールを回ると分身が消えた。
「三人に増えた程度で驚いてたら優勝なんかできんで!ジブンらもっと練習せなアカンな!」
梔子は知っている。全国にいけば、このぐらいのことは平然とやってのける選手など山ほどいる。試合経験、鍛え方が違うのだ。
「クッソ、負けるかぁ!!」
「考えもなく突っ込んでくるなんて、実績もなければ考える頭脳もないんだねー。そんなことじゃあ万代ちゃんには勝てないよ!」
続いて荒央の最もバランスのいい選手、千堂はボールをキープしたまま縦に一回転、その着地と同時にボールが増えた。
「イリュージョンボールか!!」
「と、思うでしょ?」
だが、まだまだ終わらない。さらにボールをキープしたまま一回転、二回転と回っていく内に、ボールが数えきれないぐらい増えていく。
「はぁ!?ど、どうなってんだ!?」
「これぞミリオンイリュージョン!!君ごときじゃ見極められないよねぇ?それじゃ、あとはよろしく!」
あまりにも数が多すぎる。これでは狙いを定めるどころの話ではない。千堂は困惑している姿を嘲笑うかのように本物のボールを足元に寄せ、ディフェンスを突破。
そして、千堂からパスを受け取った祇園。その背後に戦艦の大砲が出現する。その大砲にボールを装填し、ゴールに狙いを定めた。
「終わりだ!!
祇園の声が合図となり、ボールが発射される。この技はロングシュートだけでなく、威力を調節すればパス技としても使うことができる。
今回はロングシュートとして使用。距離があるためゴール前で打つよりは威力は落ちる。とはいえ自力が違いすぎれば、威力が下がっていようが止められるはずがない。このシュートでさらに点差が開いてしまった。
「お前ら諦めんな!!まだまだいくで!!」
「もちのろん!まだまだ諦めてないっすよ!」
それでも諦めない。試合時間にチームの実力、どう考えても何とかなるような状況ではないが、それでも諦めることはない。まだ勝てる。心の底からそう思っている。
諦めず、試合が再開してすぐに攻め込む。なんとか隙を見つけて、そこから崩していきたい。
「・・・どうした、その程度か?」
「ジブンらまだまだ戦えるやろ?それとも、もう限界なんか?」
だが、隙がどこにもない。なんとかパスを出したいが、DF陣に阻まれる。かといってこのままドリブルしても自分では突破できないだろう。
「クッソ!これでもくらえっ!」
このまま何もできずにやられるわけにはいかない。そう判断した鶴葉はここから強引にシュートを放つ。
「ローリングキック!これでどうだ!!」
とはいえこの技は威力が高いわけではない。加えてこの技は本来ロングシュートではない。そのため威力はかなり低くなってしまう。
「ふんっ!!」
ヤケクソのロングシュートを相手キーパーの不破
はただのパンチングで弾き返す。本来ロングシュートでない技を無理矢理な体勢で打つ。そう考えれば当然の結果なのだが、なかなか辛いものがある。
「退屈だ。この程度でよくここまで勝ち上がって来られたものだ」
やはり決めることはできなかったが、弾かれたボールは運良く確保。これでとりあえずは安心できる・・・と思っていたが、安堵している暇もなかった。
「その程度のパワーで、俺達を崩せると思ったか?もしそうならば心外だな・・・グレイブストーン!!」
「うわぁぁぁっ!!」
が自慢の豪腕を地面に叩きつけると、地面にヒビが入る。さらに無数の尖った岩が隆起。徐々に狙いが正確になり、最後は真下から隆起していた岩に突き上げられ、ボールを奪われる。
「祇園、やってこい」
続けて祇園が剛力山からのパスを受け取るも、輪成も負けじとすぐにディフェンスを固めて守る。先程ロングシュートを打ってきた選手、打たせないために一気に距離を詰めてボールを奪いにかかる。
「さあ、この爆音を聞いていきな!爆竹フェイントォ!」
「だぁぁぁぁぁうるせぇぇぇぇ!?」
それでも祇園は余裕は崩さない。周囲に大量の爆竹が出現し、すべてが一気に鳴り出す。近づいたことが仇となり、思わず輪成のDFは耳を塞いでしまい、その間に突破されてしまう。
「しゃあっ!!若迫、決めてこい!!」
ここまで完璧な動きで攻撃を封殺、ボールが繋がれ、ゴール前まで持ってこられてしまった。
「さあ、今度うちの見せ場やで!覚悟しいや!!」
足を上げ、身体を反らしながら華麗に一回転。その間にボールに鮮やかなエネルギーが集まり、最後の方は後ろに下げた足を振り抜く。
「ローズスプラッシュ!!」
ボールのあとに続くように優美なバラの花びらが撒き散らされる。それでいて、鋭いトゲが止めるものを傷つける。
「おぉぉぉぉ!!ヒッティングハリセン!!」
巨大なハリセンを持ち出して対抗するも、やはり止めることはできず、またしても点を取られる。誰がどう見てもサンドバッグのような状態だっだ。
「そんな・・・ここまでの差があるのか・・・?」
観客席で見ていた赤城はポツリと口に出す。自分ならばこの僅かな残り時間、せめて一点だけでも決めて次に繋げようとするだろう。
しかし、実際に戦ったなら・・・間違いなくそれすらもままならない。今のままでは勝てる勝てないという話ではない。きっと相手にすらならない。それぐらい絶望的な力の差がある強さ。
みんなでわいわい楽しくサッカーをしながら優勝するなんて・・・夢なのだろうか?
「・・・キャプテン、大丈夫かい?」
その様子を隣で見ていた斧街が話しかけてくる。
「えっ、ああっ!問題ないです!むしろ楽しみですよ!」
「おー、あの惨劇見て楽しみって言えるんか・・・変わったやっちゃなぁ。ワイも負けてられへんな!」
「なにおう往生際の悪さなら俺も負けてねーぞ!」
伝説の男、円堂守はどんなに絶望的な状況でも諦めず、サッカーを楽しんだ。絶望的で、勝ち目がないような時でも笑顔を絶やさなかった。その結果、それがチームにも伝染し、試合中の爆発的な成長へと繋がって勝つことができた。
キャプテンとはそうあるべきなのだ。チームを鼓舞し、常に頼られる存在でなければならない。だから仲間に弱みは見せられない。特にメンバーが増えてからは、責任感からかよりそう思うようになった。とにかく笑顔は絶やさず、仲間に心配はかけさせない。それを心がける。
それによくよく考えてみれば、サッカー部がない状態、ゼロから始まったのだ。今さら一つや二つ、無謀なことが増えたところで変わらない。無理やりではあるが、そう考えて自分を納得させることにした。
「・・・よし、俺がなんとかしてやらんといかんな!!ワイルドパンサー!!」
「なに!?しまった!!」
このまま何もできずに負けてしまうかとも思われたが、ここでキャプテンの三堂が奮起。悪い流れを打破するべく、限界まで意識を集中させ、相手のディフェンスを突破していき、相手キャプテンの篠原を突破することに成功する。
「おーし!一発強力なやつぶちこんだれぇぇぇ!!!」
「任してくれ!通天閣・・・シュートォォォ!!」
キャプテンが限界を超えて、ここまで繋いでくれた。ならば自分もそれに答えなければならない。繋いでくれたキャプテンの意思を受け取り、全力のシュートを叩き込む。
「ほう、我が牙城を崩してきたか・・・いいだろう!ならば俺の技を見せてやる。光栄に思え!!スフィンクスクローッ!!」
ここまで技を使わず完封してきた不破の背後からスフィンクスが出現する。スフィンクスはその巨大な両前足を動かし、ボールを地面にたたきつける。
「これこそが我が奥義の一つだ」
残った力を振り絞り全力で打ったシュートだったが、あっさりと止められてしまう。これが無理なら、正面から突破することは不可能だ。
「なんてこった・・・パンナコッタ」
「何言ってんすか!?」
「よーし、ナイスツッコミや!まだいけるな!」
こんな状態でもツッコミは忘れない。つまり心の余裕があるということだ。それならば問題ない。
「そうだ!俺達は諦めねぇぞ!」
「まさか、まだまだいけまっせ!!」
「最後まで戦いますよ!希望を捨てちゃいかんって偉い人が言ってた!」
「よーしよう言うた!!みんなついてこいや!!」
心が折れることはない。止められたのなら、入るまで攻撃を続ければいい。正面突破が無理ならば、奇襲をかければいい。それだけの話だ。
「ええ根性してるやん。そういうの嫌いやないで?」
「ああ、好感は持てる。だが容赦はしない。グレイブストーン!!」
なんとかボールを奪って攻め込むも、また相手のディフェンスに妨げられる。だが、この技はもう見きった。この技は自分のところに来るまではラグがある。それまでにパスを出せばいい。
「キャプテ━━━」
「おっと、そうはさせへんで?分身ディフェンス!!」
しかし梔子がそれを許さない。鋭い岩が隆起する中でなんとか見つけたパスコースだったが、それらは分身によって塞がれてしまう。
「クソ!ダメか!!」
結局突破することはできずボールを奪われさらに追加点を決められてしまう。それでも、いくら得点を入れられても、決して諦めない。
「みんな!!最後の最後まで諦めんなぁ!!こっから逆転やぁ!!」
普通に考えて、この残り時間僅かな状況で逆転などできるはずがない。実力は相手が上、点差も開き、こちらはもうスタミナがほとんど残っていない。
それでも試合中は何が起こるかわからない。何かが起こ、そう信じて最後まで全力でプレーする。
だが、その言葉を打ち砕くかのように何も起こらないまま無情に時間だけが過ぎていく。必死に足掻いても何も起こらない。
そして試合終了間際、一人の少女にボールが渡った。
「希望?奇跡?あいにくそんなものはないんだよね!な・ぜ・な・ら、この私を相手にしてるから!!」
腹辺りのところまでボールをあげると、姫百合の背後にキラキラと光輝く細剣が現れる。そして、細剣の刀身がゴールの方へと向けられる。
「プリンセスレイピア!!!」
鋭いソバットキックが炸裂し、相手を突き刺す勢いでボールが放たれる。キーパーの芳本が技を出す間もなく、ゴールに決められてしまった。
「負けるわけがない!なぜなら、私がいるからね!!」
丁度決めゼリフを言ったところで試合終了のホイッスルが鳴り響く。結果はまごうことなき惨敗だった。
「だあぁぁぁぁぁ!!負けたぁ!!」
「手も足も出んかったな。あらバケモンやわ。おっそろしいなぁ」
負けた輪成中学の選手は緊張の糸が切れたように地面に倒れ、他の選手と話す。流れに乗っている今ならもしかしたらとも思ったが、やはり簡単にはいかない。流れや勢いで押し切れるようなチームではなかった。
わかっていはいるものの、やはり悔しい。仰向けになって寝転がっていると、最後にシュートを決めた相手チームのエースストライカー、姫百合がニマニマとした笑顔でやってくる。
「まあまあ負けたのは仕方ないって、それよりも地区ナンバーワンのチーム、そした地区最高の美少女ストライカーと戦えたことに誇りにグエェ!?」
姫百合が話している真っ最中、何者かに首を掴まれる。それにより女の子が出してはいけないような声を出してしまった。
「すまん!!うちのドアホが余計なこと言うたな!おらさっさと帰んぞ!」
姫百合を掴んだのは、相手キャプテンの篠原。随分と手慣れた様子で姫百合を引っ張る。どうやらこういうことはよくあるらしい。
「なにすんだこの石頭!はーなーせー!!」
「だぁれが石頭や!!帰ったら反省会!!終わったらそれを踏まえての練習や!ボサッとしたらアカンぞ!」
「ゲェ!?やだぁ!!試合の後ぐらい余韻にひたらせろやコラー!!」
強引に連れていかれる姫百合を見て、唖然とする輪成中学のメンバー。しかしいつまでもボーッとしてはいられない。三堂は頬を叩き、気合いを入れて立ち上がる。
「みんな!帰ったら反省会して練習するで!次こそあいつらの鼻を空かしたろうな!」
「・・・!もちろんっすよ!次は俺達が勝つ!」
「次は絶対負けへん!負けへんぞー!!」
次は自分達が勝つ。チーム全員が気合いを入れ直し、スタジアムから去っていった。
一方試合を見終わった赤城達も準備を済ませて帰っていく。その帰り道で今日の試合の感想を口々に話していた。
「あいつら、あれだけやられて全然へこんどらんな。試合には負けたけどメンタルだけなら勝ってたんちゃうか?」
「メンタルだけって条件なら俺達も負けてねーよ!まっ、実力の方もいつか追い越すつもりだけどな!なあキャプテン!」
「お、おう!もちろん!最後の最後に勝つのは俺達だからな!!みんなビビったらダメだぞ!」
自信を失くしたり、勝てるわけがないと諦めてしまう人も出てくるかもしれないと覚悟していたが、意外と余裕そうだった。危機感がない、呑気なだけかもしれないが・・・諦めてしまうと立ち直らせるのにかなり時間がかかるので、そうなるよりはマシだろう。
「すごい人ばっかりだったね。戦えるのが楽しみなんヨ!!」
「私もよ!早く帰って煌達にも教えてあげなきゃ!」
「みんなその調子や!相手が強いんやったら、うちらもそれに負けへんぐらいつよなればええ。本番まではまだ時間もある、それまでにパワーアップや!」
支倉の言うとおり、フットボールフロンティアが開幕するまでまだ時間がある。それまでにどこまで実力を上げられるかが大事だ。
こうなると少しの時間も惜しい、一刻も早く修練場が完成するのを祈るしかない。
場所は変わり、荒央中学のサッカー部室。ある程度の広さがあり、物も充実している。さすがは名門といったところだ。
現在は水分補給や着替えの際中であり、やることを終えたメンバーがまだ着替えている残りのメンバーを待っているところだ。
今日の試合自体は大差で勝利、さぞ喜んでいる・・・と思うかもしれないが、そんなことはない。
「あーもー!あいつらホンマ好き勝手動きよって!俺の気持ち考えたことあんのか!?しかも帰ってくんのもおっそいなぁ!!」
主に・・・というかキャプテン一人がかなりキレていた。とはいえ試合中に指示を無視して好き勝手にやるメンバーが多数なので、こうなるのは無理もないのかもしれない。
「まーまーそう言わんと、今回も勝てたしええやん。ある程度のゆとりは大事やでー」
「忍・・・お前はなんでそんなに気楽なんや・・・」
「まぁたしかにどいつもこいつもイタリアもしゃあないやつらやけど、これぐらいエゴがないと勝ち上がれんで」
と、同じ三年の梔子はそれっぽいことを言っているが、実際には自分に関係ないので適当に流しているだけである。こればっかりは篠原がキャプテンになってしまったのが運の尽きだ。
「せやけどさぁ・・・せやけどさぁ!!」
「すまんかったって。ほら、これで涙拭きぃや」
さすがに可哀想になってきたので、ティッシュを投げ渡す。ありがたくそれを使い、一旦落ち着いた・・・かと思ったが、再度声を荒げ始める。
「ちくしょー!不破のやつはお前らなら余裕だろとか抜かしよって二点取られるまでは動かんし!
若迫は若迫でうちはCCC以外からの指図は受けんとか言い出しよるし!
挙げ句の果てに姫百合や!!なんやあのワガママ問題児は!?
どういう育ち方したらあんなことなんねん!?まさか敵校のスパイか!?俺の胃袋を潰しにかかっとんのか!?」
「(これは相当ストレス溜まっとるなぁ・・・)」
あまりの荒れっぷりに引きつつも、内心で同情してしまう。どこかで機会があれば、ラーメンでも奢ってあげようと心に決めるのだった。
「まったく、下級生はキャプテンの気持ちを汲んで欲しいものだ」
「ホンマに・・・って、お前もやぞ豪!!三年で同期だから関係ない思っとるかもしれんけどお前も大問題やからな!?」
隣で話を聞いていた剛力山はたしかに、と言わんばかりに頷いていたが、キャプテンの篠原はお前にも問題があると指摘する。それに対して剛力山は不服そうな表情を浮かべる。
「なに・・・?俺はチームのために守備に徹していただろう。何が不満なんだ」
「そこじゃないわアホんだら!!お前いっつも相手チームに女子がおったら我先にとスリーサイズ聞きに行くやろが!!その度に俺が謝っとんねんぞこのドスケベ!!」
「中学男児たるもの女子のスリーサイズは気になって当然のことだ。試合中に気になって集中できないよりマシだろう」
プレーはたしかに問題ないが、他に問題がある。しかし本人はまったく悪いと思っておらず、なんなら言い訳をし始める。
「それっぽいこと言うてごまかそうとすな!!結局お前が聞きたいだけやろ!?」
「・・・ええいそれがどうした!!だったら何が悪い!!」
「こいつとうとう開き直りやがった!?」
お手本のような手のひら返し。開き直り方もよくあるやつである。
「まったくだよねぇー。まっ、剛力山先輩は三年だからいいとして、一年は一番下なんだからちゃんと目上のいうこと聞かないと」
すると、それまでの話を聞いていた千堂も会話に入ってくる。
「全然よくないわぁ!!てか千堂ォ!!お前はお前で試合中に相手チームに対していちいち数字マウントを取んな!!一回えらいことなったんを忘れたんか!?」
篠原は今でもその時のことをはっきりと覚えている。去年の三年生が引退し、篠原がキャプテンに就任したばかりの頃の話。新世代としてはりきり、とあるチームと練習試合をすることになった。
・・・だが、その試合の際に千堂が相手チームに対して偏差値の低い底辺集団と煽ったのだ。その結果、近くで聞いていたヤンキーがぶちギレて乱入、試合どころではなくなったことがあるという前科を持っている。
結局この事件は篠原が全力の土下座を決めて事なきを得た。まさか中学生で、しかもキャプテンに任命されてすぐに全力の土下座をするとは思いもしなかった。
「あー、うん。あれは・・・ごめん」
さすがにキャプテンに土下座させたのはまずかったと思っているのか、頭を下げる。ただ謝るなら相手を煽るのやめろと言いたいところだ。何を言っても数字マウントを取るのを止めない、なぜなのだ。
「どうなってんねん・・・特にあの一年が入った辺りで自己中が伝染しとる・・・」
三年にも二年にも問題がある選手がいるが、今年入ってきた一年が特に問題児となっている。一年が好き勝手やるせいで、今までは問題なかった人まで問題児化するというバイオハザード的なことが起こる始末。正直胃薬が何個あっても足りない。
「あー、疲れた!誰か肩揉んでー」
と、そこに遅れて噂の一年生と残りの二年生が部室に帰ってくる。やっと着替えてきたかと思えば、一言目がこれである。なおこの一言は件の問題児、姫百合のものである。
「なぁにが肩を揉めや!!さっさと席に着け!!」
「もー、まだ試合が終わったばかりだよ?何するの?」
「反省会やる言うたやろ!?話聞いとんのか!?」
首根っこ掴んだ時に間違いなく言った。なんなら帰りのバスでも言ったし、バスから降りた時にも言った。
三回である。三回も言ったのに、こいつは一回も聞いていなかった。
「えぇー?でも私は得点決めたし、逆にキャプテンは抜かれてたし。反省しないといけないのはキャプテンなんじゃないのー?」
「なぁ!?」
「私はしっかり決めてきたのにキャプテンは相手に隙を与えちゃうなんて、これはキャプテンとしてどうなのかなー?ねぇー?」
たしかに今日の試合で、あまり活躍らしい活躍はできなかった。対して姫百合はしっかりと得点を決めてきた。それをわかっているからか、ここぞとばかりに憎たらしい笑顔で話してくる。
「そうかそうか・・・お前はそういうやつなんやな・・・!」
笑顔とは不思議なもので、時に憎たらしく、時に怖いものになる。特に笑顔でキレられると怖い。さすがの姫百合も今回はヤバイと思ったのか、慌てて言い訳を始める。
「そ、そんな顔しないでさぁ・・・ほら、さっきの発言は若気の至りってやつだし・・・許して?」
「安心せえ、怒ってへん・・・怒ってへんからなァ!」
「じゃあそのバカデカいハリセンはなに!?絶対怒ってんじゃんかー!?」
逃げる姫百合、追いかける篠原、それを見て爆笑する残りのメンバー。いつも通りの光景が広がっていた。
前書きにキャラ作りが上手い人は本当に上手いと書きましたが、折角なので上手い人に許可をもらって、このキャラはここがいいっ!みたいなことがしたいと思ってた時期もありします。これができたらよく不採用になってる人の参考になり、キャラの作り方が上手くなるかもしれませんし、なんなら私ももっと上手く作れるようになるかもしれないと思って計画したりもしました
ただ皆さんお忙しい、またそういうことはしないで欲しいという方もいるでしょうし、そもそも私も書いてる余裕がないので多分このままやらないで終わると思います。人の都合も考えない、ご迷惑をおかけするのはよくない、はっきりわかんだね
あっ、まだ二校募集してるのでよろしければ参加してください。双輝と荒央ぐらいの活躍と出番は難しい(なんなら片方は弱小)ですが、それでも見せ場は作る予定なのでよろしければどうぞ!