イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

27 / 42
数日前に色々あってテンションは下がり気味だけど今月も無事に投稿できました。マジで色々あったよ・・・。まあいいこともあったんですけど、ただ雪崩れのように不幸が襲ってきたんで一瞬メンタルが地の底にまで落ちてました。でも乗り越えたんでもう無敵です。ヒャッハーって感じです


嵐の前の静けさ

いよいよ明日からフットボールフロンティアの予選が開幕する。部員が集まらない、勝つことができないと一時はどうなることかと思ったが、なかなか形になってきた。

 

もちろん完璧というわけではないものの、みんなは優秀だ。あとは試合をしていくうちにコツを掴んでいくだろう。

 

「黒鉄、一点ではなくもっと広範囲を見ろ。相手が正面から突破してくるとは限らないぞ」

 

「わかりました・・・!」

 

「うーん、もっと技のレパートリーを増やした方が良いわよね?」

 

「あるに越したことはないと思うよ。少なくて困ることはあるだろうけどね」

 

「それじゃあもっともーっと頑張るんヨ!」

 

今日も真面目に練習に取り組み、明日に向けて備えている。ときおり問題のある行動もするが、それはさておき本当に頼りになるチームメイト達だ。

 

「みんなー、ちょっと集まってくれるか?」

 

集中して練習をしているところで悪いのだが、話すことがあるため全員呼ぶ。みんなは赤城の声を聞くと動きを止め、ぞろぞろ集まってきた。

 

「まずは今まで着いてきてくれてありがとう!明日からフットボールフロンティアが開幕するけど、こうやって参加できるのはみんなのおかげだ!」

 

「な、何を今さら言うとるんや。そんなストレートに褒められたら照れるやんか・・・」

 

「へへっ、むしろこんなおもしれぇことに参加しないわけがないだろ?」

 

「ワシらはただ着いてきただけじゃ、気にするでない!」

 

いきなり褒められて照れる、また当たり前だと笑顔を見せる者。

 

「ホントよくこんな無謀なことをするよ。まっ、だからこそ価値があるんだけど」

 

「そうそう、夢は大きくないと楽しくないよね」

 

「お陰で毎日が楽しい。それに価値のある時間を過ごせているよ」

 

無茶だと思いつつ、加入して協力し、この夢に乗ってくれた者。

 

「むしろ感謝を言いたいのはこっちだ。誘われなかったら、私は逃げたままだった」

 

「一度はサッカーから離れた。だが、再び意思を取り戻せたのはお前がいたからだ。・・・感謝している」

 

不甲斐ない形で離れたにも関わらず、引き戻した赤城に対して恩義を感じる者など、それぞれ理由は違えど赤城に感謝していた。

 

皆に感謝するはずが、まさか返されるとは思っていなかった。赤城は照れくさくなり、強引に話を変える。

 

「ええっと、話を戻すけど明日は試合だから今日はもう終わりにしようと思う!ここからは自由にしていいぞー!」

 

明日は試合、ギリギリまで練習したらむしろ動きが悪くなるだろう。そのため今日は早めに切り上げることにした、というのが今回の話だ。

 

「おっ!マジでか!?」

 

「なんやて!じゃあこれからナニワランドとか行って遊んで帰ってもええんか!?」

 

本当は早めに帰って休んでもらうのが一番ベストだ。疲れが溜まった状態では動きが鈍るため、帰ってしっかりと休息を取ってほしい。

 

「でも怪我とか問題は起こしたりしないようにな?それさえ守ってくれたら好きにしてくれていいぞ!」

 

とはいえここまでずっと頑張ってきてくれたのだ。遊びたい気持ちはよくわかるので止めることはしない。問題さえ起こさなければそれでいいだろう。

 

「よっしゃー!!キャプテンも行こうぜー!」

 

「あー・・・俺は明日の準備とかしないといけないから・・・ごめん!みんなで楽しんできてくれ!」

 

これから先、しばらくは大会で忙しくなる。だから赤城も一緒に行こうと誘われたが、明日に向けての準備があるため今回は断った。

 

「ほんならしゃあないなぁ・・・よし、それやったらキャプテンの分もワイらが楽しませてもらうわ!行けるやつで遊びに行くでー!!」

 

「おう!!今からでも遅くねぇ!全部の乗り物制覇してやる!ナニワランドRTAの開幕だぜ!!」

 

行けないのであれば無理はさせられない。淀屋達もそれなら仕方ないと強要はせず、遊べるメンバーを誘って行くことにする。

 

「よーし、煌!私達も行くわよ!!」

 

「なんで私が・・・そもそもこっちにも予定とかあるからね?・・・まあ今はないから別にいいけど」

 

獅子神から誘われ、星見も行くことにした。なんだかんだ言いつつその顔は満更でもなさげだった。一番最初に話したときの印象と随分変わったものだ。

 

「・・・・・・」

 

一方麻宮は行こうかどうか迷っていた。本人として行ってみたいというのが正直な気持ち。ストイックな性格だが彼女も中学生、遊びたいと思うのは当然の気持ち。であれば行けば良いじゃないかと思うだろう。

 

とはいえ生真面目な麻宮は普段あまり馴れ合ったりしない自分が行ったところで周りに気を使わせるだけにならないかという迷いがあった。自分のために周りに気を遣わせることはしたくはない、その思いが彼女の動きを縛っていた。

 

「おっ、涼華ちゃんも行くか?楽しいで〜」

 

「私は・・・」

 

そこへやって来た支倉から誘われはしたものの、本当に自分が行っても迷惑をかけないか心配だった彼女は答えに詰まる。

 

支倉はその様子を見て、少し唸った後再度話しかける。

 

「んー、迷ってるんやったら行ってみたらええんちゃう?やらずに後悔するよりやって後悔やで!それにみんなで行ったら絶対楽しいし!」

 

「楽しい・・・」

 

「そうそう!この間も何人かでいったんやけどな、そこでやったたこ焼ロシアンルーレットはなかなかの傑作やったで!いやーみんなにも見せたかったわ!」

 

楽しいという言葉でふと思い出す。前の中学校にいた頃は一年からレギュラーということもあり、期待の目で見られていた。

 

そして、麻宮本人も周りの期待に応えるようとするあまり、サッカーで結果を残すことしか考えられなくなっていた。

 

ひたすらボールを蹴り、昨日の自分よりも強くなること。それだけを考えていた彼女はいつしか独りよがりになり、昔のように楽しんでサッカーをすることを忘れていた。

 

ここで行かなかったら、また独りよがりになってしまい、また楽しむことを忘れてしまうかもしれない。サッカーは個人プレーではなくチームプレー。何より楽しむ心を忘れてはいけない。

 

「では・・・私もいいですか?」

 

すぐ昔のように戻れるわけではないが、この経験でみんなと楽しむサッカー、昔の気持ちに戻れるかもしれない。まだ自分にはそれができないが、その一歩として今回の誘いを受けることにする。

 

「おっしゃ!それじゃあ一緒に行こか!!」

 

支倉はもちろんだと言わんばかりに手を差し出す。麻宮はその手を握ると、少しだけ笑みを浮かべた。

 

「・・・裁野先輩、どうしますか?俺は行くつもりですが・・・」

 

折角の機会なので、黒鉄もみんなと一緒に行くつもりだ。そして同じDFとして世話になっている裁野に行くのか行かないのかを聞いている。

 

「俺も行こう。こういうのも悪くない」

 

あまりこういうことには興味がなさそうだが、面倒見のいい裁野もついて来てくれるようだ。ただ彼の場合は遊ぶよりも、問題を起こさないよう監視するという目的が含まれていそう・・・いや、そっちが真意かもしれない。

 

「たこ焼きとかもあるかな?折角だし出店の料理コンプリートしたいねー」

 

「ガッハッハッ!試合前の景気付けというわけじゃな!!ワシも屋台巡りでもするかのう!」

 

盤上と華咲の二人も料理目当てで行くことを決めた。あそこにはたこ焼などを筆頭にフードスペースも充実しているため、試合前の景気付けにはちょうど良いだろう。

 

「あっ、あたいはパス。眠いから家でのんびりと眠らせてもらうよ」

 

しかし赤城以外全員が行くというわけではないようで、斧街はパスするらしい。理由がこの上なく彼女らしかった。

 

「そっすかー。斧街先輩らしいっすね」

 

「サボりじゃないからな。今回は許可しよう」

 

「・・・いつから承認式になったんだい?」

 

そもそもサボるのが悪いので許可も承認もないのだが、何にせよ今回はいかないということで合意が取れた。無事にお休みである。

 

「よーし、それじゃあみんなで━━━━」

 

「・・・あの、僕も行きます」

 

「キャアァァァァァ!?」

 

「・・・すみません、驚かしてしまったみたいですね・・・」

 

これで全員集まった・・・と思ったら、千景が背後におり、獅子神の叫び声が響き渡る。もう何回やったかわからないやり取りだが、いまだに慣れない人は慣れないらしい。ナニワランドのホラーハウスにいれば即戦力だろう。

 

「やっぱ影薄いな・・・いっそ全身金ぴかの服を着させたら釣り合いとれんじゃね?」

 

「いくらなんでもそれは目立ちすぎると思うんヨ・・・?」

 

「ふむ、今度試してみようか。後輩の悩みを解決するのも先輩の役目、ここはワタシに任せてくれないかな?」

 

「・・・ありがとうございます?」

 

なんだか変なことになっているが、一応考えてくれているのでお礼を言っておいた。実際やるとなれば間違いなく逃げることになるが。

 

 

 

 

 

 

みんながナニワランドに向けて出発してからしばらく後、赤城は自宅にいた。明日の試合の事で頭がいっぱいだった。

 

「ふぅ・・・」

 

息を吐き、カレンダーを見つめる。去年にサッカー部を設立。そして時間はかかってしまったものの、今年になってようやく動いた。

 

一人、また一人と増える度に嬉しくなった。仲間と練習できる、試合ができる。人数が増えていく度に部室は彩られていき、騒がしくながら毎日楽しい日々だった。

 

「あぁ、もうそんなに経ったんだなぁ・・・」

 

初めての試合を思い出す。たまたま組むことができた練習試合、初試合ということでみんな緊張していた。だから緊張することはないと、楽しむことが大事なんだと伝えた。その結果、なんとか引き分けまで持っていくことができた。初めての試合で引き分けまで持ち込めば充分だろう。

 

「やっぱり強かったよなぁ。そりゃ負けちゃうか」

 

そして大阪府大会では強豪校の強さを見せつけられ負けてしまった。とはいえ、かなり善戦したといえるだろう。元より負け試合だった試合で取ることのできた最後の一点の価値は、一点よりもずっと大きい。

 

「・・・・・・」

 

これもみんながいたお陰、感謝してもしきれない。間違いなく頼もしく、心強い仲間だ。

 

 

 

 

 

だが、心の奥底では違う感情もあった。

 

「本当に、大丈夫なのか・・・?」

 

一人、また一人と仲間が増えていく度に、嬉しい反面不安な気持ちも増えていった。

 

仲間が頼れないとか、実力がない、また性格に問題があるとかそういう話ではない。先程も言った通り、みんな頼れる仲間で実力だってある。何より諦めない心だって持っている。これ以上ないぐらい最高の仲間だ。

 

「みんな強いよな・・・」

 

だから不安なのだ。みんな自分よりもセンスがあり、ずっと強い。精神、才能共に自分より上だ。そんな周りより弱い自分がキャプテンでいいのかと不安になってしまう。

 

それに、キャプテンにも関わらず試合に負けても仕方がないと考えるのはないだろう。チームのキャプテンがそんな思考でどうするのだ、と自分が嫌になる。

 

あんなにも優秀な仲間がいるのに一度も勝ててないというのはよろしくない。数回の練習でコツを掴み、技を得とくし、基本的な動きを覚える。ポテンシャルは相当高いはず。なのに今のところ一度も勝てずじまい。

 

「そうだよなぁ・・・」

 

その理由はわかっている。自分が弱いからだ。精神も能力も才能も指揮力、他の誰よりも劣っている。

 

最初の試合はブランクや素人勢の動きが仕上がっていないから、二回目は地区でナンバー2に君臨しているチームが相手だった。たしかに負けても仕方がないとは言える。

 

しかしそれはただの言い訳に過ぎない。そもそも負けた時に考えるべきは負けた理由ではなく、次に勝つための方法を考えないといけない。

 

だというのに、自分は負けても仕方がないと言い訳ばかり探している。まだ本番じゃない、練習試合だから、初めてだから、強豪だから、まだ時間があるから。いつもこれだ。

 

たしかに練習試合はあくまでも練習だ。自身の成長が何よりも大事。双輝中学との試合も、強豪との対決ということはいい経験にはなるし、あの試合は負けても次があるとは言える。

 

だか、だからといって勝つことを放棄していいわけではない。いくら得るものがあったとしても、負けて満足していてはいけないのだ。ましてやそれがチームの前に立つキャプテンなら尚更だ。

 

「・・・みんなは頑張ってる。それなのに、俺は・・・」

 

何度も思う。メンバーは間違いなく優秀、数回の練習、試合である程度の動きを身に付け、技を修得した。試合でも諦めず、最後まで勝つという意思を持って戦う。

 

そんな優秀なメンバーを本来纏めるはずの自分が一番頼りない。そんなことだから負けるのだ。

 

フットボールフロンティアで負けたら間違いなく自分のせいだ。もし負けたら、自分のせいで十四人の努力が無駄になる。自分のせいで無駄にしてしまうのだ。

 

重みが違う。サッカーはチームスポーツ。自分一人のために残りの十四人が負けてしまったらどう責任を取る?取れるはずがない。責任を取ってどうこうなどという甘いものではない。

 

ましてやみんながみんな自分からサッカー部に入ってくれたわけではない。多少の無理をして仲間になってもらった人もいる。そのため尚更負けられないという不安が大きくなっていた。

 

だが、最初はそこまで大きく考えていなかった。たしかにマイナスな思考になることはあったが、まあなんとかなるだろうと気楽に考え、サッカーを楽しもうと考えていた。

 

しかし、メンバーが揃い、キャプテンとしての自覚を持つようになってからは変わった。みんなと一緒に練習をし、試合をしていき、周りの才能、精神力の高さに気づくと自分の弱さが嫌でもわかってしまう。その結果、不安が大きくなっていった。

 

「俺に・・・できる、のか・・・?」

 

心が強く、実力もあって頼れる仲間。それに対して実力も心も弱く、仲間が持っているものを何一つ持っていない自分。

 

しかも一番必要なキャプテンとしての素質もない。チームを統制することはできない。自分の頭の悪さではチームの内情を完璧に把握することなどできない。

 

諦めないように鼓舞することもできない。そもそも自分が諦めているのだ。うわべだけならできるが、内心で諦めていればそれはチームに薄々伝わってしまう。

 

みんなを導くこともできない。自分が一番最後尾にいる。導くどころかついていくのがやっと、それ以上なんてできない。

 

唯一あるのは明るさだけ。その明るささえも、芽生えてきた不安から消えつつあった。

 

サッカーが好きという思いは変わらないし、楽しむことだってできている。だが・・・どうしようもなく不安になる時がある。そしてFFが開幕する前日、その不安はいつも異常に膨れ上がっていた。

 

もう負けてはいけないという状況が、いつも以上に不安を大きくしてしまっているのだ。

 

「・・・いや、何を考えてるんだ!」

 

・・・そもそもこういう思考になることがいけないのだと切り替える。ポジティブシンキング。日頃から常にプラスに考えること。そうすればこんな考えに至らないはず。

 

どうせ明るさしかないのだから、せめてそれぐらいは絶やさないようにするしかない。今自分にやれることといえばそれぐらい、ならばそれをやるしかない。

 

「・・・よーし、やるぞ!!」

 

明日の試合、みんなの前では笑顔でいよう。それだけでいい。それしかないのだから、無理してでも自分にできることをやる。不安をあおってはいけない。

 

赤城は頬を叩き、気合いを入れ直す。そして明日に向けての準備を進めた。




いよいよ視界からお楽しみ?のフットボールフロンティアですが、次回はちょっと遅れるかもしれないです。もちろん私生活もあるんですが、最後のキャラ選定をして、どのキャラを採用してどこでスポットを当ててどのタイミングで活躍させるかとか決めてようやく書き始めるって感じなので

読者参加の大変なところはこれなんですよね。送られてきたキャラによってストーリーが変わっちゃうんですよ。稀に奇跡的な噛み合いが起こることはあるんですがそんなことなかなか起きないので、最低限の採用条件とか皆さん極力守ってくださいね?じゃないと余計な手間がかかる場合があるので

ではまた次回。全国の募集もそろそろやりたいとは思ってますので、次に投稿する時に告知したいですね。そのときはご協力をお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。