イナズマイレブン 〜熱き太陽の導き〜   作:チェリブロ

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皆さんいかがお過ごしでしょうか?私はなんだかんだ楽しくやれております。ちょいとガッカリすることもありましたが、トータルすれば楽しかったので良しです

さて、今回で非宋中学との決着がつきます。お楽しみに~


vs非宋中学 後編

前半から怒涛の攻撃を仕掛けた城翔中学。その甲斐あって四点を取ることに成功し、差を大きく広げることができた。

 

「あーあ、終わったな。俺達も引退かー」

 

一方前半の段階で四点を取られた非宋中学。当然ながら空気は重苦しい。三年は当然のことながら、すでに二年生達も大半が落胆していた。

 

無理もない、進道達の代も二年になる頃には進道以外は諦めるようになっていた。自分達では勝てない・・・と。

 

「おい、そんなこと言うなよ。まだ後半が丸々残ってるんだぞ」

 

だからといってこのままでいいわけがない。試合もそうだが、諦めてもいいという考えを払拭しないと今後の人生でいつまで経っても羽ばたくことはできない。

 

一生逃げたままで、自分と向き合えず、きっと後悔することになってしまう。それでいいはずがない。

 

「じゃあなんかあてあんの?ここから逆転できる方法」

 

「いや、それは・・・」

 

現状、特に打開策はない。相手チームに穴がないわけではないのだが、それ以上にこちらの穴が大きすぎる。そちらのカバーに手をとられ、攻められるような状態ではない。

 

「わ、私達はまだ諦めてませんよ・・・!」

 

「そうですよ!諦めなければチャンスはあります!!」

 

「・・・あったか?前半にそういうチャンスの場面」

 

「続けても恥さらすだけだと思うぞ?」

 

一年生が諦めずにやろうと説得するものの、たしかにこのままでは点差は広がる一方。これ以上やったところで勝ち目などなく、さらに点差が広がるだけ。もはや公開処刑のようなものだ。これならさっさと棄権した方がマシと考えるのも仕方がない。

 

「ほら、諦めて後は適当にやろーぜ。真面目にやったところで何にもなんねーよ」

 

「そうそう。ほら、客も帰ってるぞ」

 

すでに観客も試合の結果はわかったと言わんばかりに帰り始めている。ここから盛り上がることもなく終わると思っているのだろう。

 

それは三年生達も同じ。ここから逆転、それどころか一点すら返せるとは思っていない。そんな結果が見えている試合を見るなんて時間の無駄、意味のないことだ。

 

「で、でも!まだ半分残ってますし、何か奇跡が・・・」

 

「はいはい、いくら夢見ても勝てやしねーよ。おとなしく勉強でも━━━━」

 

「・・・何やってんだか」

 

必死に説得するも、無駄と言って話を聞かない先輩達。そんな様子を先程から黙って見ていた男が口を開く。前半戦でずっとベンチにいた男だ。

 

「なんだよ、俺達じゃ勝てないなんてわかりきってたことだろ。何を今さら」

 

「あー、そーだな。お前らなんかじゃ無理に決まってたか。変なこと言ってわりーな」

 

そう言ってわざとらしく手を振る。煽るような口調。口車にでも乗せようとしてるのかもしれないが、乗ったところで勝ち目などない。

 

「・・・試合にも出れねぇやつがごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ」

 

正面から言い返すことができない。イライラしていたこともあり、何も考えずに口に出してしまった。

 

「おい!その言い方は・・・!」

 

「あっ・・・」

 

試合に出れない。それは彼が下手という意味ではない。むしろ逆で、全体の能力が高い水準でまとまっており、少なくともこのチームでは間違いなくトップだ。

 

彼の名は菊原栄一。チームが低迷していく中で入部した選手。実力はチーム随一、沈んでいくチームを引き上げられるかもしれない、唯一の切り札だった。彼がいればもしかするかもしれない、そう思っていた時もあった。

 

だが、彼が一年生の頃に出場したフットボールフロンティアの初戦から足を大怪我を負ってしまった。

 

その試合は辛うじて勝利したものの、切り札を失った非宋中学は次の試合で敗退。そして、彼もまともにサッカーができる状態ではなくなった。リハビリをし、日常生活には支障がないところまでは回復したが、サッカーができるまでには回復せず引退目前まで来てしまったのだ。

 

「すまん・・・」

 

いくら煽ったのが向こうとはいえ、言っていいことと悪いことがあるのはわかる。謝罪はしたものの、さらに重苦しい空気となってしまった。

 

「じゃっ、俺が一点だけプレゼントしてやろうか?」

 

だが、当の本人はまったく気にしていなかった。

 

「お、おいおい、出れねぇのに何言ってんだ・・・ふざけてんのか」

 

「出れないことはないだろ。バレなきゃ問題ない」

 

そんなことはない。話は聞いている。基本は安静、リハビリの時以外は極力無理をしない。試合に出るのもNGであり、動きにもよるがどれだけ頑張っても五分程度が限界だという話だ。そんな時間で何ができるというのか。

 

「・・・だいたい少し出たところで何になるんです?思い出作りでもする気ですか?」

 

「俺は思い出作りのつもりじゃなくて、本気で点を取るつもりなんだがな。まっ、お前らからしたら五分しかない、俺にとっては五分もあるってこと。わかったか凡人?」

 

それだけ言うと、監督の制止する声を振り切ってフィールドに向かった。

 

 

 

 

 

 

『さあ、いよいよ後半が開始です!城翔中学は前半で疲労した選手を下げてきました!対して非宋中学は・・・見覚えのない選手が入りましたね?』

 

城翔中学は麻宮と斧街、星見と三日月、盤上と華咲、そして千景と裁野を交代し後半戦に臨む。後半は非宋中学からのボールだが、交代した三日月がボールを奪うことに成功する。

 

そのまま攻め上がるが、そこへ同じく交代した菊原が果敢にスライディングを仕掛けてきた。

 

「くらえっ!!」

 

「甘いんヨ!」

 

・・・が、無事にかわした。三日月はスライディングを上手く避け、一気に攻め上がっていく。

 

「なんだよ・・・結局ダメじゃん」

 

「口だけってこったろ。そりゃそうだ」

 

ボールを奪われた後も必死に追いかけるが、全盛期のスピードはもうない。身体は思うように動かず、差は開いていく一方。

 

「あぁ、くそ。上手くいかねぇな・・・!」

 

時間がないため早いところ点を決めたいが、思うようにはいかない。改めてもう昔の自分には戻れないのだと嫌でも認識させられた。

 

「佐原先輩!」

 

「任せたまえ・・・と言いたいところだが、少々厳しいね」

 

三日月からのパスを受けとるが、前半の疲れが少しある。加えて相手が多いため、隙を見て斧街へと繋ぐ。

 

「あいよ、それじゃあ決めてきますか!」

 

またか・・・と、追加点が取られてしまうことに落胆する。何回もこういう場面に遭遇している。慣れていってもおかしくないはずなのに、もう諦めているはずなのに・・・こうやって点を取られると悲しくなる。

 

何もできないことに悔しさを感じない、といえば嘘になる。本当は悔しいに決まっている。だが、自分達には力がない。止めようがないのだ。

 

だからきっぱりと諦めるようにした。初めから勝つ気がなければ、負けても悔しくも悲しくもない。どうせ勝てないのだしそれでいいだろうと勝負を捨てるようになっていた。

 

「これ以上は・・・行かせません!!」

 

「ありゃ!?」

 

しかし、ここで城翔の流れが止まる。一瞬の隙を見つけ鏡野がボールを奪い取る。

 

「進道キャプテン!」

 

「・・・っ、ああ!」

 

ここに来てようやく掴みとったチャンス。絶対に無駄にはできない。だが、相手の守りを破り、得点にする方法は━━━

 

「・・・菊原!!」

 

一か八か、賭けるしかない。

 

「へいへい、任せな!」

 

ボールを受け取った菊原は、本領発揮だといわんばかりに相手の守りを悠々と突破していく。

 

「(・・・やっぱいってぇな、クソッ)」

 

それでもこのままでは守りを破ることはできないとわかっていた。もう過去の自分はいない、使えるもの、仲間を使わなければ、点を取ることはできない。

 

「進道!いったん任せる!」

 

ほんの少し全力疾走しただけでもう足が痛む。やはり、自分の足はもう使い物にならないのだと嫌でも思い知らされる。

 

「お、おう!」

 

「合図したらまた俺にパスしろ!一泡吹かせるぞ!」

 

・・・菊原の素行はいいとはいえなかった、頭もいいわけではない。他のスポーツではセンスがなかった。しかし、サッカーだけは唯一の取り柄。自分には、サッカーしかなかった。

 

にも関わらず、サッカーもまともできなくなってしまった。唯一褒められるものを失ってしまった。もちろん最初は悲しんだ。唯一のものを失った自分には、何が残っているのだと苦悩したこともあった。

 

 

 

 

 

しかし、いくらへこんでいてもあの頃の足はもう帰ってこない。

 

「おぉ?なかなかやるやないか!ワイも負けてられんな!」

 

「そう来ないとね、こっちも楽しくないよ」

 

だから逆に開き直ることにした。どうせサッカーができないなら、もう足など必要ない。

 

最後に凡人達に夢ぐらい見させてやろう。これが最後の仕事、役に立ってやろうじゃないかと決めた。

 

「・・・今だ!こっちに渡せ!」

 

「ああ!決めてくれっ!!」

 

上手いも下手も関係無い。やりたいと願っても、できない者がいる。できる者はそのありがたみを噛み締めなければならない。

 

「いい加減・・・目を覚ましたらどうだ?」

 

迅速な動きでボールに風を纏わせ、自身の足に力を集中させる。そして目に見えるほどの荒風を纏ったボールを全力でシュートする。

 

「リブートアクセル・・・ッ!!」

 

だが、打つ直前で足に激痛が走る。上手く力が入らず体制が崩れそうになる。

 

「ナメんじゃ・・・ねぇぞぉぉぉ!!!」

 

その言葉は相手に対してか、それとも自分自身に対してなのか。強引に立て直して足を振り抜き、ボールに強烈な回転をかけた。

 

「よっしゃ、勝負だ!!キラーブレードッ!!」

 

対して東条は腕に形成した鉈を振るい、真正面からぶつかる。シュートの威力は決して高くない、これなら受け止めきれると確信する。

 

「・・・おぉ!?なんだこりゃ!?」

 

ところが何かおかしい。勢いを失うはずのボールが徐々に加速し、重さも増していく。止められそうだと思っていたが、ジリジリと追い詰められていく。

 

「やっべ・・・それなら、こうだ!!」

 

このままだと止めきれない。そう判断した東条は、少し刃をずらして逸らす作戦に変更する。ギリギリの判断ではあったが、無事に成功。ボールはゴールポストに当たって跳ね返り得点には至らなかった。

 

「あっぶねぇ・・・でも、俺の勝ちだな!!」

 

完全に止めきることこそできなかったが、それでも点が入らなかったのは事実。無事に止めきった。

 

非宋中学の面々は折角のチャンスが活かせずに落胆する。やはりダメか・・・と肩を落とした。

 

 

 

 

 

 

「ふん、問題ねぇよ。計算通りだ・・・!」

 

だが、菊原はそこれで決める気はなかった。どうせ自分はこのまま朽ちていくだけ。ここで決めるのはそんなやつではない。

 

これから、今後を担うやつが決めてくれると信じていた。

 

「うぉりゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

「なあ!?」

 

跳ね返ったボールに向かって全力で走る相澤。東条が気づいた頃にはもう遅く、ボールを確保してゴールだけを見ていた。

 

「プリズムエンディミオン!!」

 

それはまるで大空を渡る架け橋、虹色で煌めくボールがゴールへと突き刺さった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・やった?やったぁぁぁぁぁ!!!見た!?見たよね!!初得点だよ!!」

 

ボールがゴール内に入っているのを確認するやいなや、ピョンピョン跳ねて子供のように喜ぶ。

 

「マジかよ・・・やったのか?」

 

「いや嘘やろ・・・?だって俺らは・・・」

 

「ひさびさに点が入った・・・」

 

にわかにチーム内がざわつく。それは先程のようなぼやきではなく、希望によるもの。

 

たかが一点だ。これで今の状況が劇的に変わるというわけではない。だが、それでもこの一点は・・・忘れていたことを思い出させてくれた。

 

「みんな見ただろ!!俺達でも、やれるんだ!!諦めなければ、希望はある!!」

 

皆の気持ちを一つにするにな今しかないと、キャプテンの進道がチームに向けて必死に訴えかける。

 

「そうだよ!これでボクらにもできるってわかったでしょ!」

 

「みんなで戦いましょう・・・心を一つにして!」

 

「みんな!!まだ遅くない!!前に進もう!!ここから全力で戦うんだ!!!」

 

チームから諦めの表情が少しずつ消えていく。皆が諦めるなか、諦めなかった者達によってもたらされた一点。そして皆からの言葉。今の彼らの心を変えるにはこれで充分だった。

 

「まったく・・・一点ぐらいでうるさいやつらだな」

 

そんなチームメイトを見て呆れた様子の菊原だったが、その顔は笑っている。

 

「じゃ、後は頼むわ。凡人の力で逆転してみろよ。無理だと思うけど」

 

もう限界だったのか、足を引きずりながらベンチに戻る。監督から怒られていたが、当の本人はどこ吹く風といった調子で気にしていない。

 

「・・・俺達、忘れてたな」

 

キーパーの昭米が呟いた。努力して技を完成させた時の興奮。ゴールを守り、点を取った時の嬉しさ。仲間と共に協力し、前に進むことの大切さ。いつの間にか大事なことを忘れてしまっていた。

 

「おー、こっからおもろなりそうやな・・・上等や!!」

 

「ここからが本番ってことだね」

 

諦めムードから一転、止まった風が再び吹き返す。城翔中学のメンバーもその様子を見て笑みを浮かべた。これが本来あるべきサッカーだと。

 

 

 

 

 

 

城翔中学からのボールで試合再開、三日月がお得意のアクロバティックな動きで相手を翻弄し抜き去っていく。

 

「みんな!全力で守れ!そして全力で攻めるぞ!」

 

「作戦でもなんでもないやん!」

 

「まあ難しいこと言ってもわかんないし、これぐらいが俺達らしいさ!」

 

とにかく全力でぶつかる。諦めなければチャンスは来る。そう信じて相手のボールを必死に追いかける。

 

「・・・私が止めます!トレースプレス!」

 

三日月に相対した鏡野が三日月とまったく同じ動きでブロックを仕掛ける。かなりアクロバットな動きをしているにも関わらず、ピッタリと付いてきてまったく離れない。

 

「うぇっ!?なんか付いてくるんヨ!?」

 

「よし、今です!」

 

三日月が動揺し、バランスを崩した一瞬の隙を鏡野は見逃さずボールをかっさらっていった。

 

「よっしゃ!ナイスプレー!」

 

「こっち空いてるぞ!」

 

「ここは任しとけ!押さえといたるわ!」

 

一人一人が声を出し、考えて動き、ボールを繋いでいく。先程までとはまるで違う動きだ。

 

「おっと、そっちから来てるで!カバーいけるか?」

 

「・・・ここからではキツいです・・・!」

 

城翔中学も負けてはいないが、流れが向こうに来ている。勢いに乗った相手を止めるのはなかなか厳しい。

 

「ストロベリーパーティ!!」

 

ゴール前たどり着いた相澤はボールを空中蹴りあげる。するとボールが真っ赤ないちごの形に変化し、それをオーバーヘッドで撃ち出した。

 

「東条!お前だけにええかっこさせたらへんぞ!」

 

そこに淀屋が割り込んでくる。技を出す余裕運んだなかったため足で蹴り返そうと試みるが、さすがに技を使わずに守りきることはできなかった。

 

「やっぱ締めは俺がやんねぇとなっ!キラーブレード!!」

 

それでも威力は下がったこともあり、東条の技でボールを切り裂くことに成功する。流れは向こうにあったが、無事に凌いだ。

 

「ごめーん、ダメだった!」

 

「オッケーオッケー!切り替えていこうぜ!」

 

「まだ時間あるぞ!もう一点ぐらいとろうぜ!」

 

さっきまでの状況ならみんな落胆していただろう。だが、現在の彼らはもうそんなことは思わない。まだまだこれからだと気合いを入れる。

 

「なんかイチゴが食べたくなってきちゃった・・・」

 

「たしかに・・・良い匂いがするのよね・・・?」

 

ちなみにさっきの相澤の技は撃つといちごの香りが辺りに広がり副次効果でお腹が空く。これが何の役に立つかは不明だが。

 

「・・・・・・」

 

菊原は盛り上がる試合をベンチから見る。医者からはもう自分の足は役に立たない言われた。別の道を探して生きていけと告げられた。サッカー部に残っていても、何もできずに終わるだけだと。

 

「・・・あのやぶ医者め、どこに目ぇ付けてんだ。充分役に立ってるだろうが。」

 

だが、自分は間違いなく役に立った。胸を張ってそう言える。

 

 

 

 

 

 

一方的な試合から一転、非宋が意地を見せてからは膠着状態となる。試合時間も残り僅か、それでも手は抜かない、持てる力を出しきるのみだ。

 

「エンジェル・レイ!!」

 

華咲がボールを奪いに来た相手にすかさず柔らかな笑みを見せると、後ろから眩い光が発生。相手を目を瞑らざるを得ず、その間に突破して斧街にボールを渡した。

 

「あなたの姿、借りますね!!ミラーリングエネミー!!」

 

「おっと、まずいねぇ・・・!」

 

ここに来てまだ見たことない技。突如現れた巨大な鏡に飛び込んだ鏡野の姿が斧街と寸分違わない姿になる。

 

これにより相手を動揺させ、ボールを奪い取る・・・というのが本来の使い方である。

 

「ああ!?なんでこんなにボサボサなんですか!!ちゃんと左右で綺麗になるように揃えないと!!」

 

しかし相手が悪かった。斧街は髪の手入れをろくにしない。そのため結構ボサボサになっている。それを彼女が見逃せるはずもなく、相手を動揺させるはずが自分が動揺してしまっている。

 

「あー・・・悪いけど、失礼するよ」

 

直すまで付き合っていられない。その癖は早いところ直さないと色々不便そうだと思いつつ、それは口には出さず気づかれないようにこっそりとドリブルしていく。

 

「じゃっ、気を取り直して・・・マリンショット!!」

 

「プレッシャーパンチ!!」

 

咳払いをしてしっかり切り替えてからシュート。昭米は先程のように途中で諦めることなく対抗する。

 

「うぐぐ・・・みんな、すまん!!」

 

決して諦めはしなかったが、残念ながら止めるにはいたらなかった。それでも全力でやってダメだったのだ。攻める者はいない。

 

『ここで試合終了!!結果は城翔中学の勝利ですが、両者負けず劣らずの素晴らしいプレーを見せてくれました!!』

 

これが最後の得点となり、試合終了。結果でいえば大差がついているが、終盤は両チーム退けを取らない激戦となった。

 

「負けちまったか!でも、悪くない気分だな!」

 

「よーし俺達の分も頑張れよ!!後輩!!」

 

「任せてください!ボクたちがこのチームを日本一にします!」

 

「おお?デカい口叩くなぁ。冗談じゃないって信じとるぞ!」

 

「はい!頑張ります!・・・先輩紐がほどけてますぅ!!」

 

落ちたと散々言われたこのチームだが、これから少しずつ変わっていくかもしれない。 今度は落ちていくのではなく、上へと登っていく。いつかはまた名門として帰り咲く時が来るかもしれない。

 

「勝ててよかったのう!この調子で勝ち進むぞ!!」

 

「当然なんヨ!目指すは優勝!日本一!!」

 

「そしてワイは女の子にモテモテや!」

 

「日本一のチーム、そのゴールを守った男!良い肩書きじゃないか!これはモテる」

 

「前半はいいけど後半組欲望が漏れてるぞ?思うのは勝手だけどあんまり大声で━━━」

 

「へぇー、お前がキャプテンか」

 

「えっ、はい?あなたは・・・」

 

一方赤城達は雑談しながら帰る準備をしていた。するとそこへ相手チームキャプテンの進道、加えて途中から出場してきた菊原の二人がやってきた。

 

「・・・自信なさそうなツラしてんな。本調子じゃないとはいえ俺とこいつらに勝ったんだ。自信持てよ」

 

「・・・ええっと?」

 

何か用事でもあったのかと思ったら、菊原はこれだけ言って帰ってしまった。

 

「いやー、すまんな!あいつ口悪いんだよ」

 

「は、はぁ・・・そうなんですか?」

 

よくわからないが、特に気にしないでおくことにした。深く追求しても仕方ないだろう。

 

「それにしても俺達はここまでかぁ・・・俺達の分も頑張ってくれよ!」

 

「・・・っ!はい、頑張ります!」

 

非宋中学には先がない。もちろん特別枠もあるが、点差を考えると厳しいだろう。つまり三年は引退、彼らの物語はここで終わった。

 

これからは彼らの分を背負って戦わなければならない。勝ったチームは振り返らず、前に進んでいくしかない。赤城達は非栄中学の分も戦うと決め、会場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

今日の試合が始まってから赤城達が会場を後にするまでずっと、観客席から様子を伺う男と女がいた。

 

「キャプテン、試合結果ですけど予想通り城翔の勝利ですねー。データも撮れたのでそっち戻ります」

 

『ご苦労様。こっちも終わったところだよ。それじゃあデータは明日にでも渡してくれるかな?ひとまず今日は休むとしようか』

 

「了解ですよ、成平キャプテン」

 

「・・・やれやれ、めんどくせぇ。俺達も試合に出たかったよなぁ?こんな熱い中外でデータ収集なんてやってられねえよ。なあ、クズちゃんよ?」

 

「口動かすから余計に熱いんじゃない?お口にチャックでもしといたらいいんじゃないのー?」

 

「へいへい、手厳しいことで」

 

「それに、私達が出るまでもないってことでしょー。試合したところでつまんないと思うよ?」

 

「なるほど、それもそっか」

 

二人は連絡を終えるとすぐにビデオカメラを止め、しばし会話。その後すぐに帰り支度を手早く済ませ、会場を後にした。




さて、いかがだったでしょうか?個人的にはキーパーの子の見せ場をあんまり作れなかったのが心残りですね。弱小チームって設定ゆえどうしてもこうなってしまった。その分セリフは多くしたつもりなんですがね。ただわかりにくい。まあ改善点がわかっているなら次からしっかり直していけばいいんでよしとしましょう

さて全国大会およびフリー枠の募集はまだまだ続いております。全国大会は文字通り、条件もあるのでそれを守って送ってください。フリー枠は制限緩め。作ったけど出すとこがない、練習したいという人向け。それなりの人数が来て出せそうなら練習試合、低確率で主人公チーム入りとなっております

時間はまだまだあるので、焦らずゆっくりとキャラを作ってください。それではまた次回までさようなら~
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