では今回も告知しておきます。全国、フリー枠共に現在も募集しております。両方におおよその指標になるサンプルを置いてあり、フリー枠の方は希望者に一回限定で現在の評価、修正点を指摘しております。気になる方はぜひ参加してみてください
試合当日、いよいよ三回戦の試合が行われる。今回の相手は杜来中学。サッカー部が創設されたのは五年前、比較的新しいチームだ。
初出場、二度目の出場時は一回戦敗退と決して好調なスタートを切ったわけではない。創設してすぐに勝てるほど甘い世界ではなかった。
それでも年を重ねるに連れて着実に成長し、三年目で初めて一回戦を突破、その翌年は二回戦を勝利し、三回戦まで勝ち進めるほどになった。
「この試合に勝てば準決勝ですね」
「おー、もうそんなところまで来てたのか。なんか早く感じるな!」
しかし、成長という点に関してはこちらも負けていない。最初は動きもバラバラで、連携も万全とはいえず、技を使えない選手も多くなかなか勝てなかった。
それでも諦めず、誰一人欠けることなく努力を続けた結果ここまで勝ち残ることができた。頼りになる仲間、あとはキャプテンである自分ちゃんとすれば怖いものはないはずだと赤城は信じている。
「・・・よし、みんなぁ!!いくぞぉ!!」
「なんや、えらい気合い入っとんなぁ」
「ここまで来たし、勝ちたいよね!うちも気合い入れるんヨ!」
今回の赤城はいつもと違う。珍しく普段より自信を付け、フィールドに立つ。みんなを勝たせるべく、気合いをいれて今日の試合に挑む。
「うふふ、あちらの皆さんは元気がよろしいですね?」
「なにおう元気なら負けてないぞ!!うおぉぉぉぉぉ!!」
「魚沼君、気合いを入れるのはいいですけどうるさいです」
「ハッハー!うるさいぐらいが俺達らしいだろぉ!」
対して杜来中学の選手も程度は違えど張り切っている。今日の試合に勝てば準決勝、いよいよ全国大会が見えてくる。ここまで来て負けたくはない。それはここに立っている者、全員が思っている。
両チームいつもより気合いを入れ、勝ちに向かってぶつかり合う。
城翔中学フォーメーション
━━斧街━━━━━━星見━━
━━━━━三日月━━━━━━
━━赤城━━━━━━獅子神━
━━━━━━盤上━━━━━━
━淀屋━━━━━━━━千景━
━━━裁野━━━━支倉━━━
━━━━━━東条━━━━━━
杜来中学フォーメーション
━━━路津宮━━魚沼━━━━
━池田━━━━━━━━━叶━
━━━久志羅━━夢見━━━━
━岩山━━━━━━━━比願━
━━━射池━━━石切━━━━
━━━━━━山道━━━━━━
フォーメーションにつき、いつものように実況が会場を盛り上げたところで試合スタート。今回は相手からのボールで試合が始まった。
「しゃあ!攻撃あるのみぃ!!」
「・・・結構飛ばすね」
ボールを持った池田が全力でドリブル。次々に守りを突破していくが、まだ試合は始まったばかり。序盤から勢いよく飛ばして大丈夫なのだろうか?
「よーしワシとお前さん、どっちが強いか勝負じゃ!!」
「上等だぁ!!!波乗りピエロォ!!」
技でも勢いはそのままに、しかし荒っぽい口調とは裏腹にパワーではなく丁寧なバランス感覚で抜き去っていく。あれだけのバランス感覚ならサーカスなどで働いたら即戦力になりそうなものだ。
「魚沼先輩!任せますんでよろしくぅ!」
「おうとも!って言いたいとこだがこっちは守りがキツい!てなわけで路津宮に任せるぞ!!」
「りょーかい!!そいじゃ任せるから決めてこいよぉ!!」
先程のドリブルから一点、今度は声をかけあって守りが薄い方へとパスを繋ぎ、ゴール前まで持ち込んでいく。
「やれやれ、もうちょっと周りを見てから行動しましょうよ」
繋がったから良かったものの、あまりにも行き当たりばったりで雑すぎる。今回は運が良かったが、ここからの戦いは考えなしで突破できるほど甘くはない。
とまあ文句は言いつつもそれはそれ、今は決める時だと切り替える。
「よーしかかってこい!俺の新技でバッチリ止めてやるよ!!」
「あなたもあっちのタイプっぽいですね・・・まあいいですけど」
路津宮はボールを真上に打ち上げる。ボールが頂点に達したタイミングで地面が泥が飛来、泥がボールに纏わりつき、少し大きくなったボールを路津宮が蹴り落とす。
「マッドショット!!」
泥玉とでもいうべきか、大きさ、重さが上がったボールが蹴り落とされ、重力に身を任せて加速しながら落ちてくる。
「来たな!!それじゃあ見せてやる!!これが俺の新技・・・デスブレーダーだっ!!」
左手と右手、両手でキラーブレードを発動。大事なのは一点集中。ボールの動きを見切り、両腕を交差させて切り裂いた。
「これが俺だけの!オリジナルの技だ!!これなら負ける気がしねぇな!!」
前回の鉢美中学との試合で完成させた左手でのキラーブレード。それにより完成した今回の新技。調子は上々、本人も納得の出来だ。過信して油断しているのはいただけないが、ここで舞い上がってしまうのは仕方がないだろう。
「っとぉ、ずっと持ってちゃダメだな。キャプテン!頼んだぜ!」
とはいえ今は試合中。いつまでも余韻に浸っているわけにはいかない。東条はボールを大きく蹴り出し、赤城がそれをしっかりと受け止める。
「ああ、任せてくれ!!」
最初は攻められたものの、東条が新しい技で止めて流れがこちらに来つつある。ここで奪われるわけにはいかない。
「しゃっ!止めてくぜ!!」
「みんなー、行くよー」
相手は三人がかりでボールを狙っている。人数では圧倒的に不利。普通ならいったんボールを戻し、体勢を立て直したいところ
だがしかし、逆に考えるとここさえ突破してしまえば相手の守りを突破したも同然。シュートまで持ち込めるだろう。
さらにこの世界のサッカーには数的有利をひっくり返せる方法がある。
「・・・みんな成長してる。でも、俺だって・・・俺だって、負けない!!」
「・・・ん?なんだあれ?」
「いや何って鳥・・・いや焼けてる!?あれじゃ焼き鳥だ!!」
ドリブルをする赤城の元へ、炎を纏った鳥が一直線に飛来。そのまま溶け込むかのごとく赤城の身体の中に入り込んだ。
「ブレイズファルコン!!」
それとほぼ同時の出来事、赤城の背から鳥のような翼が生え、さらにその翼が炎に包まれた。そして、ヒートウィングとは比べ物にならないスピードで飛行し相手をまとめて抜き去った。
「・・・やった!!成功した!!成功したぞ!!」
前から構想はあったものの、なかなか完成には至らなかった。しかし昨日の夜に新たな策を思い付き、失敗を重ね、その日の内に改良案を考えギリギリ仕上がった技。
ヒートウィングは炎を翼に見立て、飛行というよりは滑空する技だったがこの技は違う。今回は鳥の力そのものを身に宿し、完璧な飛行をする。
練習の段階では一応完成したものの、やはり通用するのかという不安もあった。だが、実践でも成功し、なおかつ通用した。
これなら自分も戦える、ようやく役に立てる、思わず声に出して喜んだ。
「せめてパスしてから喜んでくれるかな?奪われたらシャレにならないよ」
「あっ、ああ!ごめん!」
嬉しくなってついつい油断してしまっていたが、星見の声で我に返りFWにセンタリング。
「いやぁ、ノッてるねぇ。あたいもこの流れにノッていこうか。サブマリンショット!!」
ボールを受け取った斧街がシュートを放つ。だが、キーパーと対峙する直前にまだ残っていたDFの射池が横から割り込んでくる。
「いっくぜぇ!!キラーホエール!!」
地面から黒色の尾びれが姿を魅せる。そして射池のキックと同時にその正体、シャチが姿を現し、噛みついてボールを食い止める。
本来はシュートブロックとしての使用を想定されていないためか、あまり威力は出ていない。とはいえそれでも充分だった。
「ロックシールド!!」
地面に手を突っ込み、盾とは言いがたい歪な岩を引っ張りだして力強く構える。
「・・・よし」
「ありゃ、残念」
斧街のシュートを止めきり、今度は相手がキーパーの山道から射池、久志羅、叶と丁寧にボールを繋いでいく。
「ガハハハ!!次こそはワシに任せとけぃ!!」
「ヤケにガバガバな守備ですね・・・」
パワーは高いが粗がある。隙だらけで対応は難しくない。フェイントをかけて相手を揺さぶり、バランスを崩した隙に突破する。
「おっと、しまった!やられてしまったわい!」
「もっと静かに、あと丁寧にした方がいいですよ。細かい技術はこれから先必要になりますし、下手に口にすると同様が伝わりますよ」
もう三回戦、勝った方は準決勝。さすがに雑なプレーで勝ち上がっていけるほど甘くはない。ここからは精度を上げたプレーが必要になってくる。
あとはやられたとか失敗したということをあえて言わないことで相手に動揺を悟らせない、本当に作戦が失敗したのかを敵に知らせない。こう言った細かいところも見直さなければならない。
「なるほど、勉強になる!・・・じゃが、それぐらいわかっておるぞ?」
「・・・っ!?」
だが、すべては作戦の内である。
「・・・はい、盤上先輩のおかげで上手くいきました」
まずは存在感のある盤上がボールを奪いにいく。ここで無理に奪う必要はない。いわば盤上は囮である。
「ワシもバカではないぞ!ちゃんと自分なりには考えておる!」
この段階では奪えなくてもいい。とにかくここで目立ったプレーをしておけば、後は存在感のない千景がボールを奪うことができる、という算段だ。
彼らもここまで勝ち上がってきたのだ。そんなに甘い考えはしていない。
「おおっ!やるじゃん!ならドリブルの方はどうだ?」
もちろんそれは相手も同じ。奪われたと見るやすぐに守りへと切り替え、久志羅が千景のボールを奪わんと迫る。
「・・・スニークウォーク」
瞬間、久志羅が千景を見失う。しかし実際のところ千景は何もしていない。ただドリブルをしているだけである。にも関わらず久志羅は千景の姿を認識できない。普段からの存在感をなさをいかした、これまた千景らしい技である。
「・・・キャプテン」
「ああ!まだまだいける!ブレイズファルコン!!」
上手く突破した千景からのパスを受け、赤城も続けて相手を抜き去る。スピードがあり、発動が早く、低空飛行のため着地後すぐ流れるようにドリブルへと移行できるため隙がほとんどない。我ながら良い技を覚えたと満足している。
「星見!任せた!」
「はいはい、ちゃんと期待には応えるよ」
「ふふん、今回は私達が決めるわ!!」
星見がいつものようにボールを上空へと打ち上げる。ボールは星の形に変化し輝きを放つが、今回はそれと同時に獅子座の輝きが空に浮かびあがり、獅子神がそこへ飛び付いた。
「・・・協力したんだから決めなよ」
「ふふん、任せなさい!・・・レオ・シャウトォォォォ!!」
獅子座を形成する星がボールに集まり、輝きがいっそう増す。そして獅子神は雄叫びをあげながら、煌々と輝くシュートを放つ。
「ロックシール━━━ぐあぁぁぁ!!」
先程と同じように地面に手を突っ込み、盾とは言いがたい岩を構える。だが、すぐにヒビが入り砕け散った。
「・・・まっ、連携も悪くな━━━━━」
「やったぁぁぁぁぁ!!煌!やったわよぉぉぉぉ!!」
「聞こえてる。聞こえてるから耳元で叫ばないでくれるかな?」
ごめん!と一言謝り今度は星見を抱き上げる。抵抗しても無駄だと察したう星見はされるがままに持ち上げられる。周りはその様子を微笑ましそうに見ていた。
「この試合はこちらが先制というわけだね。幸先のいいスタートで安心したよ」
「やっぱり先制点を取ると気持ち的に楽だよねー。まあ取られてもすぐに取り返せばいいんだけど」
ベンチのみんなも先制できたことに喜んでいる。まず一点。一応ここから一点も取られなければ勝てる。しかし優勝を目指しているチームが一点で満足してはいられない。
相手には一切点を取らせず、こちらはガンガン追加点を取る。それぐらいの気持ちでいかなければこれからの試合には勝っていけない。
「みんな!この調子でいくぞぉ!!」
「「「おおー!!」」」
赤城が声をあげ、周りもそれに応える。今回は最初から流れが良い。それでも油断はできない。相手からのボールで再開し、試合は白熱する。
「心配せんでええ!守りにはワイらがおるんやからなぁ!!」
「支倉!そこだ!」
「あいよー!まかしとき!」
お互いに声を掛け合い、隙を作らないように尽力する。
「おーい!こっち空いてるぞ!!」
「逆サイドが薄いです!すぐに向かうのです!」
杜来中学も互いに声を掛け合って相手の守りを崩そうと画策する。
「・・・ステルススティール」
「おっしゃ!ナイススライディングや!」
千景が再びボールを奪い取り、攻めていく。ドリブル技を手に入れたことによって守りから攻めへの流れがスムーズになった。
「よーし!今度はうちがいくんヨ!!バウンドフレイム!!」
二点目を取るために全力でシュート、燃え盛る炎を纏ったボールは右へ左へとバウンドしながらゴールへ近づいていく。
「うわっ!めんどくさっ!?」
DF達は右左と不規則に動くボールに食らいつこうとするものの、動きが読めず対応できない。それでもキーパーの山道は落ち向いて跳ね回るボールを見る。
「・・・スプレッドサンド!!!」
拳を地面に叩きつけると、砂が広がり壁が形成される。砂の壁がゴール全体をカバー。ゴールには至らなかった。
「むぅぅぅ、決まらないんヨ・・・!」
バウンドフレイムはなかなか使い勝手がいい技ではあるが、威力自体は高くないため相手がゴール全体を守る技を持っているとどうしようもない。仮に相手がそういう技を持っていなかったとしてもそろそろ見切られる可能性もある。
もちろん連携技を使うのもありだが、毎回それでは片方をマークされて終わりだ。やはりそろそろ新しい技が必要かもしれない。
「帝瑠ちゃん!切り替えていくわよ!」
「!ごめんね、すぐ行くんヨ!!」
それでも今は試合中、反省会は終わってから。相手の反撃に備えて獅子神と共に後ろへ下がる。
「クッソ!あいつら結構早いなぁ!」
「まだまだ止まらないぜぇ!!波乗りピエロ!!」
「おっと乱発は禁物やで!コールドカッター!!」
「おおっ!?水が凍って制御がぁぁぁぁ!?」
「うわぁ、顔面からいった・・・痛そう」
一進一退の攻防が続き、試合は膠着状態へ。奪い、奪われ、奪い返し、攻める。その均衡が崩れたのは前半終わりがけだった。
「今度こそは決めたいねぇ!タイダルウェイブ!!」
ボールを奪おうとしたDF達がまとめて波に呑み込まれる。これはチャンス、波を潜り抜け、斧街と共に現れたのは・・・
「なっ、お前は!?」
「ガハハハッ!たまにはワシのパワーを別の角度から見せてやろう!!」
いつの間にか上がってきていた盤上。技なしとはいえチームのパワー系の二人のシュートが打ち込まれる。
しかも斧街が事前にDF達を突破してかなり接近していたため、技を出す時間もなくシュートブロックもできない。
「・・・クッ!止める!!」
両腕でガッチリとボールを抑えこむ。しかし二対一の勝負、不利な戦いで健闘したものの最後には押し込まれボールが手から離れる。
「ゴール!!ナイスシュート!!」
「いいねぇ!あんなん見たらウチもシュートとか打ちたくなってきたわ!」
そしてこのタイミングで前半終了のホイッスルが鳴り響く。お互いを褒め合いながら全員ベンチに戻り、後半戦へと備える。
とりあえず二点差。あとは油断せず・・・いや、このチームならその心配はない。慢心して倒されることはないだろう。
「みんな!この調子でいこうな!!」
仲間を信じ、声を出してチームを鼓舞。そして赤城は誰よりも先にフィールドへと戻っていった。
ようやくキャプテンが新技を使いました。技名は色々考えましたね。とにかく炎系の単語、ファイア、フレア、バーニング、フレイムなど色々探しました。前がヒートウィングだったので、オーバーヒートやヒートアップ、あとはデッドヒートとか言葉遊び的なものも考えました。デッドヒートはもはや炎関係ないですからね。まあなんやかんやあって今回はその辺は使わずブレイズにしました。なんとなく語感が良かったです
ちなみにブレイズファルコンで出てくる鳥は技で出てくるやつなので、本物の鳥が焼き鳥になっているということはございませんのでご安心を
それではまた次回、お会いしましょう。二月に投稿できたらいいなぁ・・・