久々の投稿で誤字とか多いかもしれないですが、そこは大目に見てください
それに関連して投稿できなかった間に誤字報告をしてくれた方、ありがとうございます
後半戦、前半である程度得点できたため守りを固めるのも考えた。とはいえ今後のことを考えると受け身になることはできない。
━━星見━━━━━━麻宮━━
━━━━━獅子神━━━━━━
━━赤城━━━━━━佐原━━
━━━━━━盤上━━━━━━
━支倉━━━━━━━━黒鉄━
━━━淀屋━━━━裁野━━━
━━━━━━東条━━━━━━
チームで相談し、後半からのフォーメーションが決まる。まだまだ余力がある盤上を交代せず、前半のFW三人体制からいつものツートップスタイルに変更する。多少攻めの姿勢を崩しつつも、守り一辺倒というわけではなく隙があれば得点を狙う。
「ふぅ・・・」
試合の半分を終え、赤城は大きく深呼吸をする。負けたくない。試合に勝ちたい。みんなともっと一緒に戦いたい。そして、共に優勝したい。
一緒に試合で戦い、練習していくうちにそんな思いが日に日に強くなっていた。
「なかなか手強いです。このままだと負けてしまうのです」
一方負けている杜来中学。点差は二点、決して近くはない。加えて相手の守りは堅いということもあり、崩すのは容易ではない。
とはいえ後半戦がまるまる残っている。近くはなあが、決して追い付けない点差というわけでもない。
「すみません、もっと止められていたら・・・」
「そんな顔すんなって!それ言い出したら俺らもボール取れなかったし!ここからは守ってガシガシ点取ってこーぜ!」
それに実力の面で見ても、極端に大きな差があるわけではなさそうだ。たしかに相手の方が強いが、ちゃんと的確な行動を取り、相手の隙をついて綻びが出たところをしっかり叩けば勝機はある。
もちろん相手の隙を見逃さず、ちゃんとそこを叩けるようにするのは簡単なことではない。基本をしっかりするというのは意外と難しい。
「まったく、楽ではありませんね」
「はっはっはっ!それぐらいがいいだろ?」
それでも簡単にできるならやっていても面白くない。難しいから達成感があり、達成するために考えることがまた面白い。
「あったり前じゃないっすか!強いやつに勝ってこそっしょ!!」
「うふふ、その通りですねぇ」
「当然です。みんな、絶対に勝利するです」
まだまだ諦めていない。むしろここからだと意気込んでいる。それならば応えよう。自分のため、チームのためにも。
ハーフタイムが終わり、後半戦が開始。城翔中学からのボールで始まり、前半の勢いのままに攻め上がっていく。
「ふふん!今度は私一人で決めてやるわ!!」
ボールを持った獅子神が相手をかわし、ゴールまで一直線で突き進む。さきほどは連携技で決めてきたが、自分はそれだけではないぞと、今度は一人で決めようと果敢に攻める。
「甘いです。前半のようにいくと思うのは大きな間違いです。ストーンレイン!!」
そんな獅子神の前に立ち塞がる石切。小さな石が雨のようにパラパラと降り注ぎ、地味な痛みで道行くものの動きが鈍る。
「ちょっ、痛い!地味に痛い!?」
「それではボールはいただくのです」
「ちょっと待って!あぁもう痛いわね!地味だけど!」
鈍った動きの隙を突かれ、簡単にボールを奪われてしまった。やはり前半である程度動きを読まれているのか、なかなか思うようにいかない。
「ナイスキャプテン!こっからは俺達のターンだな!」
「ええ、今度は僕らの番です」
杜来中学の選手はボールに奪われないようまずはDF達が確実性を重視したパス回し。次にMF達にパスが繋がり、そこからドリブルで運んでいく。
「皆さん頑張ってますねぇ。では私も・・・やりましょうか」
ボールは中盤で待機していた夢見まで届く。格別速いわけではなく、力強いわけでもない。それでも不思議と止められないテクニカルな攻めを見せる。
「おーし!ワイが相手や!!」
他の選手が突破される中、真正面から対峙した淀屋。すると夢見は突破しようという素振りを一切見せず、淀屋をジーっと見つめる。
そして今度は何かに気づいたような素振りを見せ、淀屋に話しかけた。
「・・・おやぁ?あなた疲れていませんか?」
「ん?そりゃまあ練習しとるからな、疲れも溜まるわ」
「それはいけませんねぇ。無理は身体に毒ですから、ちゃんと休んだ方がいいですよ。なんならお手伝いしましょうか?・・・グッドスメル、おやすみなさい」
夢見が腕を振るい、淀屋は桃色の煙に包まれる。煙に包まれるやいなや、急激な眠気に襲われる。
「な、なんやこれ・・・?クソッ、これしきのことでぇぇぇぇぇおやすみぃ・・・」
目をこれでもかと開き、気合いで耐えようとするも、どんどん瞼が重くなる。力が入らず膝をつき、やがて目を閉じて完全な眠りへと誘われた。
なお耐えた秒数、五秒。
「うへへぇ・・・これでワイもモテモテやでぇ・・・」
「淀屋貴様!?俺を差し置いてなんて良い夢を見てるんだっ!!俺にも共有しろ!!」
どんな夢を見ているのだが知らないが、幸せそうなのはたしかだ。なぜキーパーである東条に聞こえているのか、それは考えてはいけない。
「今です、マッドショット!!」
「おぉやっべ!?クロスブレーダー!!」
試合中と運転中はよそ見をしてはいけない。どこから何がでてくるのかわからない。注意しておかないと取り返しのつかないことになりかねないのだ。
「ふーっ、あぶねぇ。我ながらナイス!」
「モテ期やぁ・・・夢にまで見たモテ期が遂に来たんやぁ・・・」
「あんたはいつまで寝てんのよ!?起きなさーい!!」
「へぶし!?」
スパンッ!といい音が響き、淀屋が目を覚ます。まったく忙しいチームである。
「わ、ワイは何を・・・めっちゃええ夢を見てた気がするんやが・・・」
「淀屋ー!思い出せ!!思い出して俺に共有するんだっ!!」
「おーい!?試合中だから集中してー!!」
「俺も気になるからちゃんと後で思い出すんだぜー!」
フィールドからベンチまでもうてんやわんや。うるさいことこの上ない。
「もうやかましいんヨ!!」
「・・・試合に集中できないです」
・・・忙しいチームである。
ちょっとした騒動はあったが試合は真逆。互いに進展がない状況。
「残り何分だ?」
「もう半分過ぎてるで!このまま守りきろな!」
「そうはいくか!」
「試合はここからだ・・・!」
最初の二点差から試合は動かない。お互いの守りが堅く、なかなかシュートを打つ機会が来ない。時間だけが過ぎていくばかりだ。
「ああクソ!埒があかねぇな!こうなりゃ一か八か・・・フライングフィーーーッシュ!!」
膠着状態となった試合に風穴を開けるべく放った魚沼のロングシュート。ボールがトビウオの群れと共にゴールへと一直線に突き進む。
「だったら刺身にしてやるぜ!キラーブレード!!!」
「ナイスキーパー!」
とはいえ元々強い技とはいえないフライングフィッシュ、加えてロングシュートということもあり、今回はキラーブレードで苦もなく止めることができた。
「オッケーオッケー!良いシュート!!」
「何もできないよりずっといい。悪くない判断でしたよ」
それでも何も起こらないよりはマシ。残り時間も決して多くはない。とにかく隙あらばシュートし、得点を狙う。明確なチャンスがない限りはそれでいいだろう。
「なんの!すぐ奪い返して攻撃するのみ!」
「それやったら奪い返し返しやで!!」
守りきりボールを運ぶも相手の守備に阻まれる。ならばもう一度奪い返さんと今度は支倉が仕掛ける。
「コールドカッター!!」
「おぉっと、何回も見りゃさすがに見切れるぜぇ!!」
前半、後半で止められ続けたこともあり、ここは無理やりいかずおとなしくパス。やはり相手も対応できるようになってきていた。
「路津宮!そっからシュートだ!」
「ここから、ですか・・・」
ややゴールからは遠いため、ここから打てば威力は下がる。とはいえここから正面突破する場合、三人を相手しなければならない。自分のドリブル技術では少々厳しい。
その間にボールを奪われる可能性もある。それに今から逆転するとなれば三点取らなければならない。あまりもたもたしている時間もない。
「わかりました」
総合的に見ても合理的な判断。路津宮は了承し、ロングシュートを敢行しようとする。
「今だ!!さっき考えた合体技を食らいな!!フライングマッドフィッシュ!!」
「なっ!?」
が、シュート態勢に入ったところで魚沼が割り込む。地面から大量のトビウオが飛び出し、泥を受けて一匹一匹が若干大きくなる。僅かながらサイズの上がったトビウオの群れがゴールに襲いかかる。
「きよったな!!黒鉄!裁野先輩!いきまっせ!!」
一方城翔中学のDF陣、唐突な相手の連携技には驚くことはなく、ディフェンスからシュートブロックに移行する。
淀屋が中心となり、裁野、黒鉄の二人が脇を固める。そして淀屋が数回回転しながらバク宙を決め、どこからか現れた城の頂上に立つ。
「その目に焼き付けぇや!!一夜城!!」
月の光を浴びた和風の城がシュートを阻む。昼間なのになぜ月が出ているかは考えてはいけない。強いて言うなら超次元だからであろうか。
「どうや!この城は崩されへんやろ!!」
「やれやれ、さっき寝とったのにようゆーたな。でもナイスディフェンスやったで!マサキ君!」
言葉通り相手のシュートでは城を崩すことができずここで止まる。悪くないやり方ではあったが、城翔中学の方が一枚上手だった。
「クッソ!俺もいいとこ見せたかったのになー!!」
「ぶっつけ本番でよくやりましたね。失敗したらどうするんです?」
「そのときゃそんときだろ!」
一夜でもぶっつけでもなんでもいい。使えるものを使い、やれることはすべてやる。考えられる限りのベストプレーでぶつかりあう。
「さあワイらは決めてやったで!!一気に決めてこんかい!!」
「だからお前はさっき寝てたろーが!!」
仕事をしたとはいえ、ぐっすり寝ていたやつが何を言っているのかという呆れ一割、自分だけ良い夢を見てズルいぞという嫉妬九割の言葉を受けつつ淀屋はパスを出す。
「みんな!もう一点取ろう!」
「おう!当然じゃ!」
みんなで作ったこの勢いを途切れさせてはいけない。今ならもっと先へいける。もっともっと先、ずっと先の景色を見たい。
「キャプテン!」
「ああ!ブレイズファルコン!!」
まだまだ余力はある。出し惜しみはせず中盤の守りを突破し、上がってきていた獅子神と佐原に向けてパスを繋ぐ。
だが相手もこれ以上の失点は許さない。ここでも石切が道を阻む。
「させないです!ストーンレイン!!」
発動が早く、範囲も広い技。一応我慢すれば抜けられるのかもしれないが、地味に痛いのが続くためあまりそうしたくはないし、そもそもそれで抜けられるという保証はない。
他にパスを出せる選手も周りにいない。一度後ろに戻すのも悪い考えではないが、今の勢いのある状況を止めたくはない。
ならば考えられる方法は一つ、降り出す前に一気に駆け抜ける。
「ダッシュアクセル!!」
「疾風ダッシュ!!」
普通に走っても間に合わない。ドリブル技を使用し加速しながら抜き去る。さらに獅子神と佐原は勢いを落とすことなくそのまま突っ切る。
「合わせてくれるかな?マッハウインドッ!!」
「ふふん、もちろんです!!ライオンハートッ!!」
前半とは違い技でのツインシュート、しかも今回は別の技の勢いをそのまま利用している。スピードとパワー両方を内包したシュートが見事に炸裂した。
「あ、あんなことが・・・!」
予想を超えてくる一撃、キーパーは驚きを隠せなかった。
「みんなー!ナイスなんヨー!!」
「あれ、結構難しいと思うけどよく合わせたねー」
「そうでしょう!もっと褒めていいわよ!!」
これにより三点差。さらに点差が広がった。残り時間も考えれば、間違いなく安全圏に入った。
「クッソォ、こりゃきちぃな」
「はい、時間は残り僅かです。いくらなんでも厳しいです」
「残念ですねぇ。私達はここまでですか・・・」
相手もそれを理解している。残念ながら勝てないだろう。ここから四点、最低でも三点。一応試合開始0分で一点を取るという頭のおかしい実例はあるものの、このチームのメンバーでそれをできる人などいない。あまりにも現実的ではない。
はっきり言って勝ち目はない。
それでも試合を捨てて適当に、ということはしない。最後まで戦い抜くのが礼儀というもの。相手を気持ちよく次戦に送り出すため、試合が終わるその時まで全力のプレーで激励する。
「城翔中学!!今回は俺達の負けだ!だがなぁ、ただではやられねぇ!!最後にデッカい花火を打ち上げてやる!!受け止められるもんなら、受け止めてみやがれ!!」
試合再開後すぐにバックパス。パスを受け取った叶が場所を調整しつつ少し待機。味方が配置についたところでシュートを放つ。
「みんなー、いっくよぉーー!!」
「ただのシュート・・・じゃない?」
「これが僕らの切り札・・・」
ただのロングシュートかと思ったが、そうではない。続けて直線上にいた路津宮もシュートを重ねる。それによりさらに威力が上がる。そして━━━━━
「━━━━━トリプルブーストォ!!!最後の勝負といこうぜぇ!!!」
「うおっ!ヤバそうなのが来やがった!」
最後の最後に魚沼が放った一発で威力が激増。今まで受けてきた技より遥かに強力なシュートが襲いかかる。
「おもろいやんけ!そんならこっちも三人技や!!一いくで!!」
「・・・ああ!」
「いくぞ、一夜城!!!」
こちらも持てる力を使ってシュートブロック。三対三の勝負だったが、相手の力が上だったのか。はたまた相手の思いが威力を底上げしたのか、破られてしまった。
「クッソ、アカンか!?」
「・・・あとは任せた・・・っ!!」
「任せとけって!!デスブレーダー!!」
三人が威力を削ってくれた。自分が無駄にするわけにはいかない。腰と腕に力を入れ、真正面からシュートを受け、踏ん張る。
味方のシュートブロックもあったはずなのだが、まだ重い。相手の思い、底力をひしひしと感じる。
「た、たしかにやるな・・・!驚いたぜ━━━━━
━━━━でもなぁ、俺だって負けてねぇんだよ!!!」
ゆっくりとボールの回転数が減っていき、やがて完全に止まった。ゴールラインは割れていない。この最後の勝負は・・・
「俺達の、勝ちだな!!」
・・・東条達の勝ちだ。
その声と共に試合終了のホイッスルがフィールドに鳴り響いた。城翔中学と杜来中学の試合は3対0で城翔中学の勝利が決定する。準決勝への切符を手に入れ、グラウンドを後にした。
苦戦もあったものの終わってみれば・・・という展開が多かったですが、次は準決勝。相手は以前大差で負けた双輝中学。今まで以上の激戦になること間違いなしです
ただ間に日常回等を挟む上にまだ就活は続いてるので準決勝を投稿できるのはいつになるのやら・・・時間がほしい。もしくは空からお金降ってこい